第10回 乗鞍天空マラソン

(2015/06/20〜21) C

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(Update:2014/07/03)

 

【雨の中をひたすら駆け上がる】

残雪と緑の織りなす屏風が広がる

トップの先週に引き続き、次々と選手が駆け上がってきます。時折、濃霧がぬけて、ご覧のように残雪と緑の織りなす屏風が広がります。雨も次第に収まり、天候回復の兆しさえ感じられ、選手の中には着ていたカッパを脱ぎ去る様子も見られます。

 

森林限界を超えて(先週撮影)

折り返し地点の標高2380メートル付近は森林限界を超えようとするエリアで、天候が良ければご覧のように展望が開ける場所です。天候の面でも、ここより山頂側では大きく荒れることがしばしばあります。

 

女子優勝は長坂 恵子選手(No.37)
2015:06:21 09:28:54 2015:06:21 09:29:50

続々と男子選手が登ってくる中、女子トップの選手がやって来ました。長坂 恵子選手(No.37)のタイムは2時間03分31秒で、2位の選手に4分以上の大差をつけて三本滝でゴールしました。

 

「えっ、もう折り返し!」 今年のTシャツを早速着用!

突然の変更ですので、選手の多くは折り返し地点直前までやってきて事態を把握せざるを得ない状況で、「えっ、もう折り返し!」と驚く方々もたくさんいらっしゃいました。

 

折り返してハイタッチを受ける 「残念ですがまた来年お願いします!」

冬場はMt乗鞍のリフト係の方も今年も無事に折り返し地点通過...「残念ですが、また来年お願いします!」 今度お会いできるのは、スキー場のリフト乗降場ですね。ウインターシーズンもよろしくお願いいたします。

 

折り返しの変更で − 結構軽装で上がってくる人が多いので、現地判断を本部へ連絡しました

大雪渓で救護を担当するこちらのスタッフは...

「上は強く降ったりやんだりで、結構軽装で上がってくる人が多いので、ちょっとやばいかなと思って、(折り返し地点の変更は)半ば山岳ガイド的な判断で本部に連絡しました。「

「今回はスタート時に雨が降っていなかったため、軽装でスタートされる方が多かったようです。標高差約1200mは通常のレースでは考えられない天候やコンディションの変化があるため、それに対応する装備をどう用意するかが難しいところだと思います。最悪の事態を考えれば装備は増えて重くなるので、その辺の判断が参加者に求められているのかと思います。運営側も具体的にどういった装備が必要かといった告知をもう少ししっかりとするべきだったかと思います。」

「スタートした後に大雪渓折り返し地点の天候が悪化して急遽位ヶ原山荘折り返しに変更しました。大会ディレクターと協議した結果ですが(自分のガイド的判断が強かったとは思いますが)、結果的には良かったかと思っています。大雪渓まで走りたい参加者の皆さんも多かったとは思いますが、参加者の安全と昨年のリタイヤ者数のことを考えると、そのような判断にならざるを得なかったかと思いますのでご理解いただけると嬉しいです。来年は良い天候でぜひ雪の壁の間を走り抜けていただけたらと思います。」と、コメントいただきました。」

 

天空マラソンは他のロードレースと気象条件が異なる

おそらく、暑いよりも寒いくらいのほうがちょうどよいという考えがあって、防寒という発想は少なかったのかもしれません。ただ、平地のレースロードレースとは極端に気象条件が異なり、おそらく、トレールランでもノリクラより標高の高いステージは、富士山などごく限られた場所しかないため、これまでの経験則だけでは判断が難しいのかもしれません。

 

またお会いできました 今年も仮装で 残念ですが仕方ない

今回雨が降り出したのは7時30分ごろで、多くの選手は手荷物をすでに預けてしまった後でした。それでも、何度もこの大会に出場されている選手は、レインウェアを着用されていて、これまでの経験から、レインウェアの必要性をあらかじめ判断されていたものと考えられます。

 

折り返し地点近くにある唯一の雪の壁

今回は短縮コースになってしまった都合から、雪の壁を体験することはできませんでした。しかし、折り返し地点近くにご覧のよう積雪が残っている場所が唯一あって、選手同士で持参したスマホで写真を撮りあっていました。

 

雨が収まる − 脱いだカッパを手にもって走る

ほとんど雨も収まり、着ていたカッパを脱いで手に持ったまま走り続ける選手の姿もありました。少しずつ空に明るさも感じられ、このまま天候が回復してくれればと思ったりもしました。

 

ノリクラ常連も初参加 余裕の表情

左の方はザックはもちろんのこと無線機も持参。もしかすると雪崩用のビーコンも持っていらっしゃったかもしれません...冬の間は、ノリクラのバックカントリースキーに足しげく通い続けました。天空マラソン初出場でご本人曰く、「同じノリクラでも完全にアウェイ感いっぱいです...(泣)」 バックカントリースキーのシーズンは終了しましたが、これからのサマーシーズンも、マラソンでノリクラに通い続けて下さることと思います...

雨が上がって、距離が短縮されたためか、皆さん幾分余裕のある表情。「残念〜〜、でも短くなって助かった〜」と、言いながら折り返し地点を通過する様子が続きました。

 

【位ヶ原山荘のエイドステーション】

位ヶ原山荘のエイドステーション − 大雪渓で提供予定だった山菜やおにぎりも

さて、大雪渓のエイドステーションで提供される予定だった山菜やおにぎりなどの軽食は、位ヶ原のエイドステーションでの提供となり、すでに多くの選手が集まっています。

 

「さぁ〜食べて食べて!」 山菜の惣菜 − 今年は十分あります

「さぁ〜食べて食べて!」と、スタッフの方が選手の手に山菜を盛って行きます。今回は蕨のお浸し、野沢菜の煮びたし、ふきの煮物の三種類ときゅうりの漬物で、昨年は早々に売り切れてしまいましたが、今年は十分な量がありました。このほか、おにぎり、バナナ、わらび餅もあって、山菜をおかずに何度もおにぎりをほおばる選手もいらっしゃいました。

 

この桜吹雪を知らねぇとは言わせねぇ − でも鳥肌立ってるよ いつもマイペースで

10時前より雨の降り方が強くなってきましたが、遠山の金さんに扮する選手は、「片肌脱いで走ってきました。」と、隣の水戸黄門の選手からは「格好つけてるけど、鳥肌立ってるよ(笑)」と、ツッコミが。そして、いつもマイペースなアフロの選手は「楽しいのは楽しいけど、上まで行けないのが残念。ここで折り返しだから、のんびりのんびり...」

 

インタビューを受けて − 「雨でもうぐったり...」 「来年 うんん...出ま〜す。リベンジしま〜す!!」

テレビ局のカメラマンから「寒そうですね〜」と、インタビューを受けると、「3回目の出場ですが、こんなの初めてですよ。雨でもうぐったり...」と、かなり疲労困憊な様子ですが、こちらは今朝一番でお会いした高山のグループ。

それでもカメラを向けられると元気な笑顔をサービスしてくれて、「こんな大会ですが、来年も出ますか?」と、お聞きすると、ちょっと間をおいて...「わはは〜〜うんん...出ま〜す。リベンジしま〜す!!」と、答えてくれました。

 

気温は急速に低下する

トップの選手が到着したころからは想像もできないほどのひどい天候になり、雨に加えて風も強くなってきます。10時の位ヶ原山荘の気温は8℃でしたが、その後30分くらいで急激に冷たくなってきて、カッパを着ていても、雨の冷たさが体の芯まで伝わってくるほどです。

 

急遽、お湯が用意される

そこで用意されたのは、「お湯はいかがですか?お湯がありますよ〜」と、スタッフの大きな声。

 

「あったかいんだから〜」 手足にお湯を掛ける選手も...

指先を温めるようにコップをくるみ、無心のお湯を飲む姿。「あぁ〜生き返った...」。ウインドブレーカーの上にポンチョを着ていても、この寒さに耐えることはできません。中には手足にお湯を掛ける選手も...

 

「寒くて辛い...」 − 震えて声も出ない お湯がのどを通り、笑顔を取り戻す

かぼそい声で、「寒くて辛い...」と、震えて声も出ない状態。スタッフからお湯を差し出されて、「これだと上まで行けなかったです。体が持たなかったかもしれない...」と、おっしゃりながら、ひとくち ひとくち、お湯がのどを通って行くうちに笑顔を取り戻されて行きました。

昨年大会などでも、お湯が提供されましたが、レース中の天候・気温の急変はこれまでにはなく、現場での気転が求められました。

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