ノリクラ 雪渓カレンダー 紅葉版
Vol.8(2021/10/19〜24) @
ノリクラ雪渓カレンダーは、2021シーズンは新型コロナの影響により、一時休止しておりますが、紅葉シーズンを迎えるにあたって、紅葉情報のみ再開いたします。
先週は秋の深まりをまだ感じられないほど暖かな日が続いていました。しかし、週明けからいきなり寒波が入り、10月19日(火)は初雪となり、この初雪がまとまった降雪であったため、初雪から4〜5日経過しても、山頂は初冠雪がそのまま残っている状況です。
今回は通常の紅葉情報の前に、10月19日の初雪と、天候が回復した21日の初冠雪。そして、天候が安定した24日の大雪渓・山頂付近の様子と初滑りに訪れたバックカントリースキーヤーの様子をお伝えします。なお、大雪渓・山頂付近へ交通手段はなく、全て歩いての取材であり、24日の内容は一般観光客の方向けではありませんのでご注意下さい。
【10月23日(土)、初雪による通行止が続く】
観光センター前駐車場 |
こちらは10月23日(土)の朝の観光センター前駐車場。週末なのにほとんど人影がありません。
10月19日(初雪)から10月21日(初冠雪)にかけての様子 | |
@ 2021/10/19 17:00 |
A 2021/10/20 |
B 2021/10/21 07:00 |
C 2021/10/21 10:10 |
すでに速報やTwitterでお伝えのとおり、10月19日(火)に初雪、10月21日(木)に初冠雪を観測しました。
10月19日(火)は、15時前より激しい落雷・雷鳴を伴う降雪が始まり、15時の畳平は霙・マイナス1℃を記録し、岐阜県側の乗鞍スカイラインは15時より通行止となりました。また、長野県側でも同様の降雪が始まり、15時30分時点で、位ヶ原より上部は降雪となりました。これにより、乗鞍岳畳平において、初雪を観測しました。乗鞍スカイライン管理事務所が16時30分に観測した積雪は積雪は1センチで、昨年より2日遅く、過去10年間平均日より5日遅い記録です。
翌日の10月20日(水)は、岐阜県側の乗鞍スカイラインでは、積雪のため道路パトロールが実施できない状態で、管理事務所のある夫婦松周辺の6時の天候は、雪・気温マイナス1℃・積雪1センチです。この積雪は乗鞍スカイラインのゲートのある平湯峠から始まっています。この状況のため、乗鞍スカイラインはこの日から終日通行止めとなりました。また、長野県側の県道乗鞍岳線でも同様で、降雪は夜泣峠付近より始まり、三本滝ゲートでもうっすらと積雪となっています。そして、冷泉小屋付近では7〜8センチの積雪でスタッドレスタイヤでもこれ以上進めない状態。そして、7時の位ヶ原山荘の天候は雪・気温マイナス2℃、周辺は完全に雪景色となり、山荘前で積雪10センチ・路肩で15センチまで積もっています。このため、県道乗鞍岳線もこの日から終日通行止めとなりました。この日は夕方まで降雪が続き、さらに積雪が増加しました。
10月21日(木)は、朝から快晴となり、初冠雪を観測。昨年より4日遅く、過去10年平均より7日遅い観測でした。朝6時の畳平の天候は、晴・気温マイナス9℃で、積雪は30センチに達し、岐阜県側の乗鞍スカイラインは昨日と同様通行止めとなっています。また、標高2350メートルにある位ヶ原山荘ではマイナス5℃を観測し、今期一番の冷え込みとなりました。
山頂方面は雪景色 |
今回の降雪はかなりまとまったもので、例年ならば、初冠雪が観測されても翌日には消滅してしまうケースが多いものの、この時点で、畳平では50センチもの積雪となっていて、週末を迎えても、山頂方面の雪景色を確認することができます。
シャトルバスは運休 |
そのため、シャトルバスは運休となっています。また、岐阜県側のシャトルバスは、本日10月23日(土)より、営業終了となりました。
三本滝ゲート周辺 | かもしかゲレンデ |
こちらは観光センターより7km先の三本滝ゲート・かもしかゲレンデ。昨晩も降雪があり、ゲレンデやゲート周辺はうっすらと白くなっています。
三本滝ゲート |
こちらが三本滝ゲート。ここまでは通行可能です。
ゲート管理人に道路状況を聞くヒルクライマー | 残念ながら、ここで引き返します |
通行止を知らずにお越しになったヒルクライマーの方。ゲート管理人に道路状況を聞き、諦めて下山されて行きました。昨年もこの時期にまとまった降雪がありましたが通行可能で、シャトルバスは運休されたものの、タクシーはタイヤチェーンをかけて登って行きました。通行止の判断は道路管理者によるもので、その時々の状況で対応が分かれます。
【10月24日(日)、山頂方面は快晴無風の銀世界−絶好の冬山登山日和】
(注:このコーナーの内容は冬山登山・バックカントリー経験者向けの内容で一般観光客向けではありません)
位ヶ原山荘前 |
この土日は両日とも良い天気で、10月23日(土)はやや風が強かったものの、10月24日(日)は、朝から快晴無風の穏やかな冬山登山日和の朝を迎えました。
位ヶ原山荘から先は道路積雪 | 登山道を進みます |
10月20日(水)に位ヶ原山荘まで除雪が実施され、位ヶ原山荘までは、一部区間を除いて、ほとんど積雪のない状態ですが、位ヶ原山荘から先はまだ積雪の残ってい状態。10月24日(日)は、登山道を利用して登ってくる方が何人かいらっしゃいました。
位ヶ原山荘から宝徳霊神バス停にかけての登山道の積雪は20センチほど、標高が高くなるにつれて積雪が増加しますが、この日の積雪状況は下記とおりです。
登山道の積雪状況(10月24日時点) |
・ 摩利支天〜荒田沢橋(標高2000〜2125m) : 数センチ、木道のスリップ注意 ・ 荒田沢橋〜冷泉 (標高2125〜2230m): 積雪10センチ程度、木道のスリップ注意 ・ 冷泉〜位ヶ原山荘 (標高2230〜2350m): 積雪10〜15センチ ・ 位ヶ原山荘〜宝徳霊神バス停(標高2350〜2535m) : 積雪20センチ程度 ・ 宝徳霊神バス停〜大雪渓(標高2535〜2600m) : 積雪20〜30センチで、この辺りから踏み抜き注意、スパッツ必要 ・ 大雪渓〜肩の小屋(標高2600〜2770m) : 積雪30〜50センチ、場所によっては太ももまで埋まる |
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3週間前まではダケカンバの紅葉が一面広がる |
紅葉の面影は一切なく、秋から冬へ |
位ヶ原山荘から宝徳霊神バス停にかけての登山道は、紅葉シーズンになると、大黒岳の尾根沿いから鶴ヶ沢・富士見沢・屋根板にかけて、一面がダケカンバの黄色に染まる絶好の紅葉スポットが広がります。
左の画像は10月2日(土)の紅葉の様子。それから3週間が経過し、あっという間に秋から冬へと様変わりです。
登山道は車道を縫うように進むため、所々で車道と合流します。こちらは標高2500メートルの宝徳霊神バス停付近。
宝徳霊神バス停〜大雪渓登山道 | この辺りから 雪を踏み抜くほどの積雪となる |
ここまでの登山道の積雪はそれほどではありませんでしたが、この先は積雪が30センチ以上となり、雪を踏み抜く場面が多くなり、夏道のコースタイムからやや遅れる状況となります。
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白銀の宝徳霊神バス停〜大雪渓登山道に変身 |
宝徳霊神バス停から大雪渓に向かう登山道にも紅葉ポイントがあります。こちらは4週間前に見事なウラジロナナカマドの紅葉を楽しむことができました。現在は完全に落葉し、その面影は感じられません。
山頂・大雪渓全景 |
標高2600メートルの大雪渓入口。
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7月下旬、大雪渓での夏スキーが盛んだったころ 2021/07/24速報 |
今回の大雪渓入口 | |
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7月中旬、大雪渓での夏スキーが盛んだったころ 2021/07/17速報 |
今回の大雪渓(雪渓下部) |
7月上旬から8月にかけては、夏スキーのメッカとして知られる場所で、多くのスキーヤーが訪れていましたが、今はひっそり静まり返っています。
大雪渓〜肩の小屋登山道の入口 |
こちらは大雪渓〜肩の小屋登山道の入口。
積雪は30〜50センチ | 今は柔らかいパウダースノー 今後、踏み固められて雪が硬くなればアイゼンが必要 |
積雪は30〜50センチに達します。現時点では積雪は柔らかく、下地が凍っていないため、アイゼン無くても問題ありませんが、今後、踏み固められて硬くなったり、凍ったりした場合、アイゼンが必要となります。また、この先の肩の小屋から山頂方面は吹きさらし箇所は氷結してきますので、状況にかかわらず、アイゼン・ピッケルなどの冬装備が必要となります。
肩の小屋 |
正午の肩の小屋の気温は0℃、快晴無風が続くため、この日はポカポカ陽気でした。しかし、このような天候となるのはひと月に1度あるかないかぐらいの状況で、大半が連日吹雪で、小屋の陰に身を寄せながら、強風・暴風を耐えしのぐ状況が続いています。
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