ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2008/07/05〜06) D
【高山植物】
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ハクサンイチゲ − 雪解けの早い箇所では開花 | ハクサンイチゲ −雪解け間際ではつぼみ |
7月に入って色々なところで高山植物たちが変化を始めています。こちらはハクサンイチゲ。宇宙線観測所付近では雪解けがやや早いため、一面にハクサンイチゲの白い花が咲き始めています。しかし、それより少し大雪渓よりの部分は雪解けが遅く、まだ付近に積雪が残る肩の小屋の東側ではご覧のようにころころとしたつぼみが見られます。
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コケモモ(つぼみ) |
そして岩の隙間などを見るとご覧のようにピンク色のつぼみを見つけることができます。こちらはコケモモのつぼみ。よく似たものにコメバツガザクラがあります。花のない時期では葉のつき方や葉の先端の状態で判断されますがなかなか難しいもの...
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昨年の赤い実(右上)でコケモモだと分かります |
それでも周囲を見てみると、ご覧のように昨年の赤い実が残っていてコケモモであることが容易にわかります。
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岩の隙間に絨毯のように... | ミネズオウ(つぼみ) − 虫眼鏡が必要なほど小さな花 |
コケモモの花も小さなものですが、さらに小さな花の高山植物があります。岩場に張り付くように自生し、遠くからではつぼみをつけていることさえわからないミネズオウ(峰蘇芳)。目を凝らしてよく観察すると赤い萼(がく)に縁取られた白い花弁が今にも開花しようとしている所です。このきれいな赤と白ですが、開花するともっと美しい姿を見せてくれます。しかし、それも虫眼鏡を持参してご覧になったほうが良いかもしれません。
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ハタザオ − 道路沿いなどいたるところで見かけることができます |
この時期が旬というわけではなく、比較的長い期間にわたって道路沿いなど至るところで見かけることのできるハタザオ。種類がいくつかあり、どれに分類されるかわかりません。先週お伝えしたミヤマタネツケバナと同様、アブラナ科の植物でどちらも小さな花ですが、こちらのほうが細身でよく見ればその違いが大きいことに気づきます。
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ベニバナイチゴ − 鬱蒼とした林のように生い茂る | 枯れ草のような枝から若葉が |
ベニバナイチゴの若葉も鬱蒼とした林のように生い茂るようになって来ました。ベニバナイチゴは多年草ではなく落葉樹の仲間であることはこれまでにもお伝えしてきました。枯れ草のように見える枝からいくつもの若葉が芽吹いている様子がわかります。
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恥ずかしそうに下向きにつぼみ | こちらは開花直前 |
ミネズオウのように小さくて見落としてしまう花もありますが、こちらのベニバナイチゴはまるで葉の下で隠れるようにつぼみをつけます。中にはご覧のように開花直前のものもあります。「ベニバナ...」というように真紅の花は開花しても恥ずかしそうに俯いたままです。それでもマルハナバチはちゃんと訪れて受粉の手伝いをしてくれます。(→ Next)
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