ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2011/03/26) A
【休暇村ゲレンデを出発】
しばらくすると第一トリプルリフトから降りてきた方々がお越しになり、登行の準備が始まります。
これから暖かくなってくるとシールの粘着力に問題はありませんが、厳冬期の場合、粘着力が低下して全く貼りつかなくなることもしばしばあります。出発地点ではちゃんと張り付いていたものの、一度滑走した後で再び装着しようとした場合、シール面に雪が付着するなどしてシールが張り付かなくなることがあります。
厳冬期の吹雪の最中でそんな状態になってしまうと、精神的にかなり参ってしまいます。スキーでもラッセルが必要な状況だと、ツボ足では進んで行くことはかなり困難で、身動きができない状況となってしまいます、シールといえども重要な装備の一つですから、異物が付着しないよう普段からの扱いはもちろんのこと、定期的なメンテナンスも必要でしょう。
休暇村ゲレンデには昨晩までの新雪が10〜20センチほど積もっています。この先が楽しみな状態です。
休暇村ゲレンデの先は、スキー場最上部のかもしかゲレンデ。今日は新雪を楽しむだけなら、かもしかゲレンデで十分といってもよいほど...
新雪は30センチ以上積もっていますが、軽い雪質の下地はアイスバーンに近いほど硬い状態。このようなコンディションは春先にはよくあることで、そんな状況でも、常連の方々は難なく登って行きます。
しかし、油断は禁物...少しスリップしただけでも転倒し、ビンディングまで外れてしまう方もいらっしゃいます。その都度ビンディングを装着し、気を取り直して先に向かいます。
ようやくかもしかゲレンデ最上部に到着してお話をお聞きすると、山スキーに挑戦されるのは今日がはじめてとのこと...道具の特性などちょっとしたコツさえつかめば、難なく進むことができるようになるはずです。
そして、この先が本番...ツアーコースへと続いて行きます。
【ツアーコース T − 入口】
ここからツアーコースが始まります。ウインターシーズンの場合、ここまでリフトを乗り継いでくることができますので、いつもなら、この付近でシールやスノーシューを装着するスキーヤー・ボーダーの方々の姿をたくさん見かけることができます。
入口付近は標高約2000メートルほど。ツアーコースは標高約2500メートルの位ヶ原までの約2kmほどの樹林帯を切りとおして作られています。
今日は絶えず小雪が舞い、晴れたり曇ったりと安定しない天候が続いています。
ツアーコース入口を登りはじめるとすぐに急斜面に差し掛かります。シールで登れないほどの急斜面ではありませんが、先ほどのかもしかゲレンデよりも斜度はあって、やはりコンディションによっては、シールが効きにくいこともある箇所です。
例年、ウインターシーズン中はブッシュが見えなくなるまで積雪が増えますが、今年は完全に隠れることはありませんでした。これまではこの付近の積雪量は増加を示していましたが、4月以降は減少に転じますのでおそらくこれ以上積雪量が増えることはないでしょう。
そのため、例年、5月中〜下旬まで滑走できた入口急斜面は、今年は早めに滑走不能となる可能性があります。
この急斜面を登り切れば、しばらく平坦なバーンとなって行きます。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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