ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
番外編<真冬のノリクラサミット>
(2011/12/24〜25) C
【今日も終日ラッセル】
それでは、位ヶ原山荘を出発して、ツアーコース位ヶ原急斜面の様子を見に行きます。ツアーコース位ヶ原急斜面は、位ヶ原山荘から県道乗鞍岳線を1.5kmほど登ったところにあるツアーコースの最上端部分で、ツアーコースの中でも、ブッシュがもっとも林立している箇所です。
今年は積雪量が少なくブッシュが埋まっていないため、ツアーコースを山麓からアクセスすることができないため、ツアーコース位ヶ原急斜面の積雪量状況がもっとも気になるところ。
ツアーコースに向かう県道乗鞍岳線にもご覧のように新雪が降り積もり、ストックを突き刺して、50センチ程度は軽く埋まってしまうほどです。
まったくトレースのない中でのラッセルは、負担が多いもの。「今日はたくさん朝食を採りましたから、まだまだ大丈夫ですよ!」と、馬力にモノを言わせて、どんどん突き進んで行きます。
一般的には、複数人で行動する場合は、ラッセルする先頭者が定期的に入れ替わって進むことが一般的で、率先して先頭に立ってパーティーを牽引するものです。
なお、画像で見るとほぼ平坦な雪面ですが、例年なら、かなりの斜面になってしまい、車道がどこにあるのかわからないほどの状況です。そのため、ここを進むには、急斜面をほぼ真横にトラバースしなればなりません。シールなら二本のレールを刻んで進むことができますが、スノーシューの場合は、外縁にエッジの付いたものでないと、急斜面に食い込ませることができず、まったく歯が立たない状態となってしまいます。
そのため、厳冬期は雪上車すら通ることのできない場所と言えます。
また、今回は下山も車道でしたが、雪の上といっても、滑走するには緩斜面過ぎて、さらには新雪に包まれているため、大半の部分で下山もラッセル状態でした。そのため、かなりの長時間が必要で、もし、厳冬期に位ヶ原山荘から車道下山する場合は、12時を回る前には出発することをお勧めします。最も、登山道の積雪が増えてショートカットできるようになれば、もう少し短時間で下山は可能かと考えられます。
こちらはツアーコースと合流する11号カーブ手前の13号カーブ付近。位ヶ原山荘からツアーコースへは、右の画像のように。ここから林の中へ入って、ショートカットすることができますが、今年は雪不足でショートカットが困難です。
本来なら、雪で完全に隠れてしまうガードロープに腰かけて一休み...昨日はほかのメンバーに励まされながら、位ヶ原山荘までの長丁場を何とか乗り切ることができました。
「以前なら、こんな真冬の中だと、不安になって焦る気持ちが先に立ち、休憩なんて考えられませんでしたが、今回の経験もあって、少し気持ちに余裕ができるようになりました...」
余裕のない行動は事故がつきもの。経験から基づく余裕ができるようになるまでには、何度も足を運ばなければならないでしょう...
そして、こちらが標高2500メートルの11号カーブ。
11号カーブ | ツアーコース位ヶ原急斜面 − またまだ雪不足 |
11号カーブからは、ご覧のようにツアーコース位ヶ原急斜面が眼下に広がります。説明するまでもなく、ブッシュが林立していて、まとまった降雪があと1〜2回程度ほしいところです。
こちらは2月の位ヶ原急斜面の様子。ブッシュがほとんどなくなっていることがわかります。また、最も積雪の多いのは3月に入ってからです。
そして、こちらは屋根板。ツアーコースと同様、こちらもブッシュが多く、滑走することは困難です。
それでも、ご覧のように少しばかりのオープンバーンがあって、ボーダーの方々にとっては、そんなところでも格好の「遊び場」となるわけです。
ちょっとした台を見つけると、そこではワンメイクの練習場に早変わり。
着地も柔らかい新雪に包まれて安心...
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どんなところだって、自分たちの遊び場...雪が少ないからって心配せずにフィールドに出ちゃえば、何か楽しみを見つけることができそうですね。
<編集後記>
ノリクラサミット...当初は本当に続くのかなぁ〜と、半信半疑でいましたが、メンバーの中からも、「絶対に続けないと!」という声をいただくようになり、うれしい限りです。
今回は、雪不足でほとんどパウダーを滑走できる環境ではなかったにもかかわらず、お集まりくださったことに感謝しております。
そして、位ヶ原山荘という特別な環境が、その魅力をさらにアップさせてくれたことに違いないと思っています。
いずれにしても、このサミットの集まりには、ノリクラというものをはずしては語れないものがあります。特に真冬のノリクラは、歩いて現地までやってくることができる方でなければ、理解できない楽しみ方があるのも事実でしょう。
単にパウダーを滑ることだけを目的にやってくるだけでは、ノリクラの楽しみ方は半減してしまいます。これからも、歩いて真冬のノリクラを楽しみたいものです。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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