ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.3(2014/05/24〜25) @

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(Update:2014/05/29)

 

5月15日に岐阜県側の乗鞍スカイラインが開通しましたが、その後、森林限界を超えた標高2300メートル付近から上部で積雪に見舞われ、積雪通行止めが続きました。また、長野県側の乗鞍岳春山バスは、5月中は標高2350メートルの位ヶ原山荘が終点となっていますので、運行区間は降雪ではなく雨だったようで、通常通り運行されました。
乗鞍スカイラインが通行止めなのに、乗鞍岳春山バスはどうして運行しているのかと不思議に思うかもしれませんが、運行区間の標高のちょっとした違いで、このような結果となりました。

平日はそんな状況でも週末になるとよい天候に恵まれる状況がこの数週間繰り返され、そろそろ、梅雨入りが近くなってきましたので、この晴天を十二分に楽しまなければいけません。

5月24日(土)は、快晴の朝を迎えます。くっきりとした青空ではなく、少し淡いパステル調の青空。今朝は冷え込みがほとんどなく、昨日まで3日連続で通行止めだった乗鞍スカイラインも、7時の開門時間から通常通り通行できる状況となりました。日中になってもパステル調の青空が続き、稜線付近は風があっても寒さを感じさせない状況。しかも、ほぼ6℃前後で一定の気温が保たれて、暑くも寒くもない状況のなか、昨日までの降雪が程よい柔らかさになって、どのスキーヤー・ボーダーも稜線からダイブする様子があちこちで見られました。

5月25日(日)は、曇り空の一日でした。でも、位ヶ原山荘から出発する時点では、やや蒸し暑さを感じる状況です。しかし、大雪渓付近に到達すると、暑くもなく寒くもない状況に落ち着きました。また、除雪が完了した大雪渓駐車場は、雪原が広がる中、唯一の休憩ポイントとなり、稜線を目指す登りの方々も、また、稜線から滑り降りてきた方々も、大雪渓駐車場に集まって、のんびり休憩される様子があって、まさに春山を存分に楽しめる一日となりました。

1日目の5月24日(土)は、岐阜県側の乗鞍スカイラインからの稜線方面へ、そして、2日目の5月25日(日)は、長野県側の乗鞍岳春山バスから大雪渓方面への様子をお伝えします。

 


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【5月24日(土)、ほおのき平駐車場】       【シャトルバス、乗鞍スカイラインを行く】
Page-2 : 【畳平に到着、畳平周辺】       【肩の小屋へ】       【肩の小屋】
Page-3 : 【稜線へ】       【稜線】       【頂上小屋の除雪作業】
Page-4 : 【剣ヶ峰〜蚕玉岳】       【大雪渓下部】
Page-5 : 【5月25日(日)、観光センター前駐車場】       【除雪の進む県道乗鞍岳線、位ヶ原・大雪渓付近の雪の壁】       【大雪渓付近は休憩スポット】       【昨年の今ごろは?】        <編集後記>

 
●参考資料●
(乗鞍岳春山バス) − 2014シーズン 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘・大雪渓)の運行について
(ツアーコース概要) − ノリクラガイドマップ(冬〜春スキー版)
(位ヶ原・大雪渓・山頂方面 概要) − ノリクラガイドマップ(春〜夏スキー山頂版)
(大雪渓〜位ヶ原山荘) − 大雪渓から位ヶ原山荘への下山滑走ルート(滑走可能時期:6月中旬まで)   (Page-4)

 

【5月24日(土)、ほおのき平駐車場】

ほおのき平駐車場

こちらは早朝6時のほおのき平駐車場。
岐阜県側のシャトルバス乗り換え駐車場は、かつては平湯温泉から車で約5分、徒歩で約8分のところにある あかんだな駐車場(有料)も利用可能でした。しかし、最近はシャトルバスの始発が、あかんだな駐車場ではなく、平湯温泉からの運行となってしまいましたので、乗り換え駐車場としては、実質的にはこちらのほおのき平駐車場(無料)のみとなっています。

 

快晴 猫岳もくっきり − 山腹を乗鞍スカイラインが走る

時刻は6時30分。気温は8℃でご覧のように雲ひとつない快晴の朝を迎えました。遠方の猫岳方面もくっきりと確認でき、その山腹には乗鞍スカイラインが横切っているのがわかります。(後ほど、【シャトルバス、乗鞍スカイラインを行く】のコーナーで猫岳山腹を進む乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。)

 

駐車場にはマイカー30台ほど ほおのき平バスターミナル

駐車場には30台ほどのクルマがお越しになっていて、その大半がスキーヤー・ボーダー、及び、登山の方々のようです。

 

畳平の天候も良好 今日はAダイヤ

今朝の畳平の天候は晴、気温はマイナス1℃、そして、通常ダイヤのAダイヤでの運行が始まります。21日(水)から23日(金)までは、毎日降雪に見舞われて、乗鞍スカイラインは3日連続運休でした。今日の穏やかな晴天からは全く想像できないほどです。

尚、Aダイヤの時刻を見ると、ほぼ30分に1便の割合で運行されています。平日のAダイヤは1時間に1便ですが、土日祝日に関しては、平湯温泉から運行される平日ダイヤの毎時55分に加えて、毎時25分には ほおのき平駐車場から増発されるため、ほおのき平駐車場では30分に1便のダイヤとなっています。つまり、増発便のない平湯温泉からは休日でも1日1便と平日と変わらないダイヤということになります。したがって、ダイヤ上の利便性を考えると、ほおのき平駐車場からシャトルバスに乗車したほうが良いことになります。

 

始発便を待つ方々の列 初めてのノリクラ

5月15日から6月30日までの間の始発便は6時55分。定刻15分くらい前になると、ご覧のようにたくさんの方が集まってきました。右の画像に写るこちらのお二人。ノリクラにお越しになるのは初めてのこと。しかも3000メートル級の高い山に登るのも初めてで、さらに雪のある時期に登るのも初めて...何もかもが始めてというから驚きです。ですから、アイゼンなどの装備だけは十二分に用意し、ザックの中には携帯用の酸素ボンベも忍ばせてあるとのことでした。

 

今日は天気になってよかった!!

こちらはスキーヤーの3人。「えっ!昨日まで運休だったんですか!全然知らずに来ました。このところ、週末ごとに天候が良いので、そんなこと全く考えにも及びませんでした。」
確かに雲ひとつない晴天を迎え、風もない穏やかな状況の下、さらには梅雨入り前の5月中下旬ですから、最も天候が安定する時期で、3日も運休となることなど想像もできないはず...

 

シャトルバス始発便が到着

そして、定刻どおりにシャトルバス始発便が平湯温泉からやってきました。ほおのき平からの乗車は40名で、ほぼ満席状態でほおのき平駐車場を後にします。平湯温泉からの場合は、1時間に1便しかありませんが、こちらでは30分に1便のため時間的余裕があって、係りの方が「補助席になりますがよろしいでしょうか?」と、問いかけると、「次の便にします!」と、こたえる方もいらっしゃいました。

やはり、1時間に1本と、30分に1本では、時間的な差以上の利便性が感じられるのかもしれませんね。

 

【シャトルバス、乗鞍スカイラインを行く】

平湯峠 −ここから乗鞍スカイライン、マイカー規制 

ここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。ほおのき平駐車場から6kmほどのところにある平湯ゲート。乗鞍スカイラインはここから始まります。道路左側に平湯ゲート詰所があり係員が許可車両のチェックなどを行っています。この先はマイカー規制となっていて、バス・タクシー・自転車と特別に許可された車両のみの通行となっています。

平湯峠(平湯ゲート)周辺には、マイカーの駐車場がありますが、シャトルバスの停留所はありません。そのため、ほおのき平駐車場でシャトルバスに乗り換えてください。

 

昨年の平湯峠付近
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) B
今週の平湯峠付近
積雪は昨年より少ないが例年並み

標高1684mの平湯峠ゲートから乗鞍スカイラインを進むと山肌に残雪が見られるようになってきます。昨年よりも残雪が少ない様子が見られますが、ほとんど残雪がなくなった年もありますので、例年並かやや多い状態です。

 

マイカー規制前の展望台 北アルプスと乗鞍スカイラインが一望

乗鞍スカイラインは観光道路ですから、眺望の良い場所に駐車スペースがあったり、ご覧のような展望台があります。現在はマイカー規制が実施されていて、シャトルバスも停車しませんので、使われることはありません。でも、その眺めはマイカー規制前でもマイカー規制後でも変わらず存在しています。

乗鞍スカイラインは、ビューポイントが随所にありますので、タクシーなどでお越しになれば、かつてと同じように楽しむことができるかと思います。

 

昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) B
先週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.2(2014/05/15・17・18) A
今週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
昨年より若干少ないがほぼ例年並みの積雪量

マイカー規制前にあった夫婦松料金所を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。先週と比べてかなり雪解けが進んでいます。昨年よりやや少ない状況ですが、ほぼ例年並です。

 

高くなるに連れて積雪量が増えて行く 空の量も多くなって行く

山麓ではやや積雪が少ないところもありますが、標高があがって行くと周囲の積雪量が少しずつ増えて行く様子がわかります。そして、空の量も次第に多くなってくるのです。それは森林限界に近づいて行くからです

 

昨年の猫の小屋跡地
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) B
先週の猫の小屋跡地
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2014/05/15・17・18) A
週の猫の小屋跡地
昨年より少なめ、例年より多い積雪量

さらに進んで、こちらは標高2200m付近の猫の小屋跡地。昨年よりも積雪量が少ない様子が見られるものの、例年と比べると多い状態を見せています。

 

森林限界を超えて 雲海の向こうに白山

乗鞍スカイラインは猫の小屋跡地を過ぎた9kmポストあたりから森林限界を抜けてロケーションが広がります。この付近からは西側の眺望が開けるようになり、雲海の向こうには白山が真っ白に浮かぶ様子も見られます。

 

ほおのき平スキー場 猫岳の山腹を横切る乗鞍スカイライン

また、すぐ近くには、シャトルバスが出発したほおのき平が確認できます(ほおのき平スキー場)。早朝にみた猫岳の山腹を横切る乗鞍スカイラインは、ちょうど右の画像の部分です。その標高差は1000メートル近くにも及んでいます。

 

そして、進行方向には乗鞍23峰のいくつかのピークが連なっています。

 

昨年の烏帽子岳
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) B
今週の烏帽子岳
昨年・例年より多い積雪量
昨年の四ッ岳カーブ
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) B
今週の四ッ岳カーブ
昨年・例年より多い積雪量

上段が森林限界を超えて最初に見られる山で、23ある乗鞍の峰の一つである烏帽子岳(えぼしだけ標高2550m)。昨年よりやや多い積雪量で、例年と比べてもやや多い積雪量です。
下段はその先にある乗鞍スカイラインの中でもっとも積雪量の多い箇所を通過する四ッ岳カーブ。こちらも昨年よりもやや多い状況で、例年と比べてもやや多い状況です。

 

カーブを曲がるたびにどんどん高くなる

乗鞍スカイラインは平湯峠を過ぎて3kmポスト付近までは急勾配が続き、その後は8kmポスト付近まではそれほどきつい勾配ではありません。しかし、その先の森林限界を超える9〜10kmポストまでが再び急勾配となります。

カーブを曲がるたびに道路は一段ずつ上がって行き、乗鞍スカイラインは急坂の連続です。

 

桔梗ヶ原

四ッ岳カーブから土俵ヶ原をぬけると、ご覧のような広大な台地に桔梗ヶ原にやって来ます。大黒岳から富士見岳、そして、遠くには剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳と続き、さらにはすぐ手前の魔王岳、不動岳、恵比寿岳など畳平を取り囲む山々が一望でき、これだけでも乗鞍23峰のうち、8峰が一望できてしまうロケーションが広がっています。

 

昨日までの降雪が残る 吹き溜まりで1メートルの高さ − 道路除雪が必要でした

昨日までの降雪が所々に残っていて、道路には除雪された跡も見られます。吹き溜まりで1メートル近く積もったとのことですので、この時期としてはかなりまとまった降り方だったようです。

 

昨年の鶴ヶ池雪渓
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) B
今週の鶴ヶ池雪渓 −例年6月下旬まで滑走可能
昨年・例年より多い積雪量

畳平に到着する手前に鶴ヶ池雪渓が広まります。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。畳平から歩いてすぐの場所にあることから、初めてお越しになったスキーヤー・ボーダーの方にも安心してお勧めできる場所です。例年6月下旬まで滑走可能です。

昨年と比べて積雪量の多い様子が見られますが、例年と比べて多い部類に入ります。

 

畳平に到着

鶴ヶ池雪渓を過ぎると、乗鞍スカイライン終点の畳平に到着です。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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