ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
番外編<真冬のノリクラサミット>
(2014/12/27〜28) C
【森林限界を超えて − 位ヶ原、摩利支天岳東斜面】
肩の小屋方面から滑走 | サミット参加メンバーが合流 |
位ヶ原を登っていると、前方から滑り降りてくるスキーヤーと遭遇です。今日のサミットに参加するもう一人のメンバーです。剣ヶ峰山頂を目指すため、夜明け前に出発したものの、アイスバーンがひどく、肩の小屋で断念されたとの事。今日の晴天はまたとないチャンスだっただけにかなり悔しそうなご様子でした。
デポした荷物をピックアップ |
途中にデポしておいた(置いておいた)背負子の荷造りをしなおして、全員揃って位ヶ原山荘方面へと進みます。
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先週の位ヶ原(2014/12/20) 視界の効かないホワイトアウト − この状況だと入山困難 |
今週の位ヶ原 先週より10センチ増加 |
左は先週の位ヶ原の様子、右は今週のものです。先週と比べて10センチ積雪が多くなっています。積雪量の違いよりも良く見ていただきたいところは、先週の画像は完全にホワイトアウト状態で、周囲の状況が全くわからなくなっている点です。たしかに木々は確認できるものの、この木がどのエリアのものであるのかがわかりません。何度も位ヶ原を訪れる方でないと、個別の木の姿を判別することはできないでしょう。
気温マイナス11℃ − 冷たい乾いた空気が顔に突き刺さる |
そして、今日もかなり強い風が吹き、乾いた冷たい風が顔に突き刺さります。冷たさを通り越して痛みを感じます。気温はマイナス11℃ですが、体感的にはそれ以上の極寒です。
位ヶ原全景 (画像@ 画像A 拡大) ↓ |
@ 肩の小屋、避難小屋(いずれも冬季閉鎖中) | A 摩利支天岳東斜面(通称:すべり台) |
位ヶ原から望む光景をご説明します。上段の画像が全景で、左のピークが乗鞍岳主峰の剣ヶ峰(標高3026m)であることは説明するまでもありません。
@番の部分を拡大したものが左下の画像で、谷間に見える建物が肩の小屋(冬季閉鎖中)で、その右下の建物は大雪渓の避難小屋(冬季閉鎖中)です。冬季営業している施設は位ヶ原から屋根板方面へ滑り降りたところにある標高2350メートルの位ヶ原山荘のみです。
A番の部分を拡大したものが右下の画像で、ピークが摩利支天岳で、その東側の斜面を「通称:すべり台」と称しています。
ツアーコースから位ヶ原方面に訪れたスキーヤー・ボーダーの多くの方が摩利支天岳東斜面のパウダーを目指してやってきます。その右端に3号カーブの岩が見えますが、3号カーブの下の斜面は雪崩多発箇所ですので、不用意に立ち入らない事をオススメします。また、摩利支天岳東斜面をフォールラインに従ってそのまま滑りきってしまうと屋根板に進入し、位ヶ原やツアーコースに戻れなくなりますので、斜面の途中から画像の矢印の通りに位ヶ原の台地に上がってツアーコース方面へ進みます。逆に位ヶ原山荘に向かう方は、そのまま屋根板方面へ滑り降ります。
吹きさらしの森林限界 − アイスバーンがむき出し |
吹きさらしのバーンにはご覧のようにアイスバーンがむき出しになっています。新雪部分とアイスバーンは紙一重に存在し、ひどいホワイトアウトになると足元すら見えない状況になると、アイスバーンに足を乗せてしまって、バランスを崩したり転倒することもしばしばあります。
また、登っていったものの、新雪部分がなくなり全面アイスバーンになって、行く手を阻まれることもあります。もちろん、そうなる前にアイゼン装着に切り替える判断が必要になります。
摩利支天岳東斜面(通称:すべり台) |
今回は時間的に余裕があったため、位ヶ原山荘に向かう前に、摩利支天岳東斜面(通称:すべり台)を登ります。アイスバーンではないものの、所々でシールのグリップが弱い部分があり、風も強いため、慎重に足を進めます。
斜光に映るシルエットの輝き |
時刻は14時を回り、今日の役目を終えようとする太陽が剣ヶ峰に沈み始めています。斜光に映し出されるシルエットとシュプールの雪煙の輝きが印象的です。
今年最後の終日快晴の一日 |
今日は今年最後の終日快晴となり、みなさん、カメラが手放せない一日となりました。
【位ヶ原山荘に宿泊】
位ヶ原山荘に到着 |
14時30分、位ヶ原山荘に到着です。どの山小屋でも同じかと思いますが、時間に余裕をもって到着するようにします。
室内はコタツとストーブで暖房 |
そして、夕食が始まるまでのひと時を客室中央の広間にあるコタツで過ごします。隣に石油ストーブが赤く燃えていますので、寒さは感じないと思います。また、広間はこの上の客室まで吹き抜けになっていてますので、ストーブの暖気が2階までとどきますから、客室の扉は開けておいたほうが暖かさが室内に伝わるでしょう。
まずは乾杯! |
山荘に到着してまず行うことは揃って乾杯!
この一口がたまらない! |
どんなに寒くても、この一口がうまいに決まっています...この一口を楽しむために、極寒の中を歩いてきたといっても良いでしょう。
おしゃべりの回転は弾むものの... | アルコールも早く回る... |
アルコールが回れば、おしゃべりの回転も速くなるもの...しかし、標高2350メートルという高所では酔いも早く回るものですから、ご注意ください...
夕食タイム | 仕切りなおしてもう一度乾杯 |
そして、待ちに待った夕食タイム。
飲んで食って... |
飲んで食って...雪山の中でこんなことができる幸せを皆さん実感しています。
今回も色々な話題で盛り上がる |
スキーの話題はもちろんのこと、今回も多岐に渡る議題で盛り上がるサミットとなりました。
山小屋の夜は早い |
位ヶ原山荘の消灯時間は21時。それ以降は自家発電が停止されます。「21時なんてまだ宵の口じゃないか!」と、思うかも事でしょうけど、酔いの早く回る高山地帯では、十分夜更けの時刻に当たります。日中はのんびりとゆっくりと過ぎる「位ヶ原時間」ですが、夜の位ヶ原時間はあっという間に過ぎ去ります。それが自然の時間の流れでしょう。
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