ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
番外編<真冬のノリクラサミット>
(2014/12/27〜28) @
2014グリーンシーズンが10月末に終了し、2ヶ月あまりが経過しました。ノリクラは一面の銀世界に様変わりし、冬以外の3つの季節を比べると、冬は完全に別物という感覚があります。標高1500メートルという地域は、雪の降り方も寒さも半端ではありません。
さて、ウインターシーズンはトップページの速報のみの更新で、ノリクラ雪渓カレンダーの掲載は実施しません。それは冬の取材の負担が一つにあります。確実に現時に訪れることができる保障もなければ、コマを埋めるだけの取材を行うことが困難だからです。しかし、速報の4コマだけでは多くのことをお伝えすることができないため、今回は特別に厳冬期のツアーコースの状況や訪れた方々の様子をお伝えしたいと思います。例年同様に、位ヶ原山荘に集う冬の常連の方々と行動を共にして、その様子をお伝えしますが、厳冬期に訪れるバックカントリースキーヤーの様子をおおよそ理解できるのではないかと思います。
ただ、この記事だけで冬山に入山するには準備不足と思いますので、初心者の方は必ず経験者やツアーに参加するなどの安全対策をとるようお願いいたします。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【12月27日(土)、今年最後の週末は久々の快晴】
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観光センター前駐車場 |
こちらは早朝7時の観光センター前駐車場。
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朝焼け |
日の出と共に、ノリクラの峰々が赤く染まります。今日は綺麗に赤く染まっていますが、晴れた日でもほとんど染まらないこともあります。また、条件によってはピンク色に近い色合いを見せることもあり、染まっている時間はほんの数分ですから、このチャンスは見逃さないようにしたいですね。
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観光センターは冬季閉館中 |
10月末にグリーンシーズンが終了したと同時に、観光センターは冬季閉鎖しました。冬の間はアウトドアツアーの会社の事務所として利用されていますが、売店・食堂の営業は行われていません。
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併設の公衆トイレは利用可能です |
ただ、駐車場の除雪は定期的に実施され、併設されている公衆トイレは夏季と同様に24時間利用可能です。グリーンシーズンの観光センターはノリクラの中心的な存在ですが、冬季になると、スキー場から離れていることもあって、ほとんど人影のない状態です。やはり冬の観光スポットはスキー場(Mt乗鞍)がメインといっても良いでしょう。
【第3駐車場からリフトに乗って】
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Mt乗鞍 第3駐車場 − 来場のスキーヤーで賑わう |
こちらは観光センターから約1kmほど登ったところにあるMt乗鞍の第3駐車場。夏季は「すずらん橋駐車場」と呼ばれ、観光センター前駐車場が満車になった場合にこちらに誘導され、観光センター前駐車場を補完するものですが、冬季は逆にこちらが主要な駐車場になります。
ただ、ゲレンデの中腹にあるため、Mt乗鞍に初めてお越しになる方は、通過して休暇村まで行ってしまう方も結構いらっしゃいます。他のスキー場と比べて、周辺道路などの案内看板が少ないとお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、国立公園内であるという規制が影響しているのかもしれません。
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サラサラの乾いた雪が一晩で埋まる − 通用口の除雪が毎朝の日課 |
こちらはレストランやまぼうしの裏手にある通用口。出勤したスタッフの姿がありますが、完全に埋まってしまった通用口の除雪を行っている最中です。話をお聞きすると、雪が降らなくても一晩で完全に埋まってしまい、毎朝除雪するのが日課との事...
今朝の気温はマイナス10℃、Mt乗鞍はベースで標高1500メートルもあり、他のスキー場と比べても高いほうだと思います。そのため、Mt乗鞍は乾いた雪質として知られていて、雪が降らなくても、昨晩のように強めの風が吹いていると、吹き溜まりができやすい箇所は乾いた軽い雪ですぐに埋まってしまいます。
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山頂には雪煙が舞い上がる |
スキー場から望む山頂方面を見ると、雪煙(せつえん)が舞い上がっていて、強い風が山頂付近を流れていることがわかります。また、雪質そのものも軽く舞い上がるものであることが想像できます。
ノリクラは日本海側とも太平洋側とも区別の付かない気候で、また、北アルプスの中でも内陸的に位置し、それが乾いた軽い雪質につながっているのではないでしょうか?
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出発の準備 − 今日は位ヶ原山荘宿泊 |
毎年、冬の常連が集う「乗鞍サミット」という集まりを位ヶ原山荘で開催しておりますが、今回参加する方々が第3駐車場で出発の準備を行います。
冬季に位ヶ原山荘に宿泊される方で、第3駐車場にマイカーを停める場合、夜間の除雪作業の都合から駐車場の中央部分ではなく、壁際を選ぶようお願いします。駐車場係員に位ヶ原山荘に宿泊することを申し出れば、壁際に誘導してくれるはずです。
乗鞍岳の森林限界付近 標高2350メートルにある位ヶ原山荘は、北アルプスの中でも冬季営業している数少ないです。2015シーズンの年末年始営業は12月20日(土)〜1月12日(祝)で、その後、一時休業した後、2月上旬からグリーンシーズンまで再び営業が開始されます。(2015シーズンは1月31日(土)から営業開始です。)
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宿泊に必要なものを用意して... | もちろん冬山装備も忘れずに |
位ヶ原山荘や純然たる山小屋ですが、寝具は完備されていて、シュラフなどを持参する必要はありません。また、有料で湯たんぽの貸し出しも行ってますので、冷え性の方はご利用されると良いでしょう。今回宿泊した方の話では、暖かすぎて湯たんぽがなくても十分だったかもとおっしゃっていました。
ただ、位ヶ原山荘までの道程(ツアーコースなど)は、完全な雪山ですから、バックカントリー(冬山)に必要な装備は必ず整えてください(ビーコン、スコップ、プローブなど)。なお、入山届については、スキー場内の三本滝レストハウス横に黄色の専用ポストがありますので、そちらに投函してください。
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チケットセンター |
位ヶ原山荘へはスキー場最上部から始まるツアーコースを登って行きますので、スキー場最上部まではリフトを利用します。
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チケット購入(こちらは12枚綴り回数券) |
スキー場最上部のかもしかゲレンデまでリフト3本(1回券3枚)乗り継ぎます。こちらは12枚綴りの回数券。取材時時点では10回分の料金で12回乗車できますので、グループの方や何度もお越しになる方は1回券よりもお得になります。
また、こちらの第3駐車場からスタートする以外に、隣の休暇村ゲレンデから出発することも可能で、どちらもリフト3本でかもしかゲレンデに到達できます。
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やまぼうしリフトへ |
最初に乗るやまぼうしリフトの乗り場は、チケットセンターから離れていて、チケット購入後は、やまぼうしリフトの乗り場まで滑り降ります。
先ほど休暇村ゲレンデからも出発可能と申し上げましたが、休暇村ゲレンデの場合はリフト乗り場にチケット購入場所が併設されているため、スキーやボードなどの滑走用具を持たない登山者の場合は第3駐車場ではなく、休暇村ゲレンデから出発したほうが良いでしょう(リフト乗り場まで滑り降りる必要がありません)。
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