ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.14(2015/08/08〜09) B
【雪渓下部 T】
ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。
昨年の大雪渓入口 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.14(2014/08/09〜10) B ↓ |
先週の大雪渓入口 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.13(2015/08/01〜02) B ↓ |
今週の大雪渓入口 − 登山道の積雪部分がなくなる |
先週と比べて、雪渓内部で岩の頭が目立つようになり、また、肩の小屋へ続く登山道の積雪部分がなくなっていることが確認されます。積雪箇所がなくなった登山道については、この後でお伝えします。
昨年の大雪渓入口 2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.14(2014/08/09〜10) B ↓ |
先週の大雪渓入口 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.13(2015/08/01〜02) B ↓ |
今週の大雪渓入口 昨年より1週間早い雪解け |
車道からの距離は先週の60メートルから65メートルに伸びています。昨年同時期は61メートルで、その1週間後は66メートルでしたので、昨年より1週間早い雪解けです。少し雪解けのスピードが速くなった状況ですが、昨年同時期は天候が悪く、雪解けが進まなかったため、相対的に今週は雪解けスピードが速くなっているように見え、例年と比べれは遜色ない状況です。
スキーヤー専用道 | ウラジロナナカマド − 実ができる、昨年より早く例年並み |
雪渓上部に向かうスキーヤー専用道沿いのウラジロナナカマド。花は終わって、実ができ始めました。昨年・一昨年よりも早い状況ですが、シーズンによっては実が赤くなり始めた年もあって、この時期の結実はほぼ例年並みです。
肩の小屋への登山道入口 |
大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。周辺には積雪はもうありません。
昨年同時期の1週間後の登山道入口(隙間22メートル) 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.15(2014/08/13〜16) B |
今週の登山道入口(隙間19メートル) 昨年より1週間近く早い雪解け |
車道との間の隙間は19メートル。右の画像は昨年同時期の1週間後のもので、車道との間の隙間は22メートル。このため、昨年より1週間近く早い雪解けであることが分かります。
肩の小屋への登山道 − 高山植物が見頃 |
大雪渓から肩の小屋に向かう登山道は、高山植物が見頃のピークに差し掛かりました。
シナノキンバイ | コバイケイソウ |
左の画像はいつもお伝えするシナノキンバイ。こちらは花が終わって結実の時期。昨年よりも早い模様ですが、ほぼ、例年並みの状況。そして、コバイケイソウの群落があちこちで見られ、つぼみができるのが例年よりも遅く、「外れ年」かと思われましたが、最終的には「当たり年」になりました。開花の時期も例年より遅めです。
登山道は完全に雪解け完了 − 例年・昨年並み | ミヤマキンバイ見頃 |
左の画像は先週まで積雪が残っていた箇所ですが、ご覧のように完全になくなりました。雪解け完了の時期は昨年・例年とほぼ同じです。コバイケイソウ以外にもミヤマキンバイも見頃を迎えています。雪解けが遅かったこの箇所が最も綺麗に咲いています。
昨年のモーグルコースの岩 2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.14(2014/08/09〜10) B ↓ |
先週のモーグルコースの岩 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.13(2015/08/01〜02) B ↓ |
今週のモーグルコースの岩 昨年より1週間程度遅い雪解け |
岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが画像の中央に写るモーグルコースの岩です。そのためモーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。
昨年は完全に雪解けが終了したものの、今年はまだ積雪が残っていて、昨年より1週間程度遅い雪解けです。
石碑の岩 |
そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。周辺は2週間前あたりで雪解けが終わっています。
チングルマ | 綿毛が風に舞う − 例年並み |
こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。先週、花から実(綿毛)になり、今週はその綿毛が開き、「二度目の開花」で、ほぼ例年並みです。大雪渓内のチングルマの進捗状況としては、こちらのチングルマは早目の進捗で、雪どけの遅かった部分では今が見ごろをむかえています。
雪渓上部へ |
石碑の岩の南側にはスキーヤー専用道があって、雪渓上部へとつながっています。
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昨年の雪渓上部右側の下端部分 2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.14(2014/08/09〜10) B |
今週の雪渓上部右側の下端部分 昨年より1週間程度遅い雪解け |
こちらは雪渓上部右側の下端部分。昨年と比べると5メートル程度下端部分が上に上がって、昨年より1週間程度雪解けが遅い状況です。
雪解け箇所から高山植物 |
この付近は1〜2週間前に雪解けが完了した箇所で、高山植物が開花を始めています。
チングルマ | コイワカガミ |
石碑の岩のチングルマとは異なり、こちらのチングルマは今が見頃。雪解け状況によって生育状況が大きく異なります。そして、その隣にはコイワカガミ。少し枯れ気味ですが、見頃が続いています。畳平のお花畑では、ハクサンイチゲなど群落を作る花が終わっていますが、大雪渓周辺や大雪渓〜肩の小屋 登山道は今がちょうど見頃です。
お盆の時期に高山植物をご覧になりたい方は、むしろ大雪渓〜肩の小屋 登山道がおススメでしょう。
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