第30回 全日本マウンテンサイクリングin乗鞍
(2015/08/29〜30) @
1986年から毎年開催され、今年で30回目を数える全日本マウンテンサイクリングin乗鞍。当初の出場者は数百名ほどでしたが、現在では4000名を超えるようになりました。昨今は各地でヒルクライムレースが開催されるようになりましたが、本大会が国内ヒルクライムレースの草分け的存在であることは有名で、ヒルクライマーにとって本大会に出場するのは一つのあこがれになっています。
さて、悪天候のため、一昨年は位ヶ原山荘ゴール、昨年は大雪渓ゴールと、短縮開催を余儀なくされました。「三度目の正直」を願いたかったのですが、大雨のため、「第三十回大会」が「三本滝ゴール」と「三度短縮開催」となり、「悲しきトリプルスリー」となってしまいました。全長20.5km・標高差1260mのフルコースと比べ、全長7km・標高差360mと3分の1程度の規模になり、レース展開は持久力より、瞬発力・戦術力が試されるスプリントレース的な展開が色濃くみられました。
また、8月下旬開催では夏休み期間中のため、大会終了後の周辺道路の渋滞が激しいとの見方から、昨年・一昨年は9月第1日曜日に試験的に変更されました。しかし、渋滞状況に大きな変化は見られなかったため、今年から再び8月最終日曜日に戻りました。
それでは、今年も大会の様子をお伝えしたいと思います。なお、過去の大会の様子は、ノリクラ ヒルクライム・マラソン大会関連(乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム) から、ご覧頂くことができます。
【8月29日(土)、大会受付 T】
大会会場の観光センター前駐車場 |
こちらは大会会場の観光センター前駐車場。レース前日の今日(8月29日(土))は、大会の受付が13時から行われます。
■ 全日本マウンテンサイクリングin乗鞍について ■ |
大会コース図(ゴール付近) |
本大会は1986年から実施された国内でもっとも歴史にあるヒルクライムレースで、「King of Hill Climb」と称されています。レースの舞台は自転車(自動車)が通行できる道路として国内最高標高地点(標高2720メートル)まで登る県道乗鞍岳線(通称:エコーライン)で、全長20.5km、標高差1260mのコースには、途中には三本滝レストハウス前(7km地点、標高1800m)と、位ヶ原山荘前(15km地点、標高2350m)の二箇所のチェックポイント(給水所)が設けられています。 特に15km地点の位ヶ原山荘を過ぎると、森林限界を超えて空気の薄い高山帯に突入し、終盤5kmの山岳コースはこのレースの見所でもあり難所でもあって、他の大会とは次元の異なる過酷さが一つの魅力となっています。また、県道乗鞍岳線は常時マイカー規制が実施され、タクシー・バスなどの許可車両以外の往来がないため、過酷な自然環境とは裏腹に、ヒルクライマーの聖地でもあるといえるでしょう。 |
ノリクラに一年をささげる大野選手 | 何とか調子が撮り戻ってきました |
会場へ到着して間もなくお会いしたのは大野選手。ノリクラに一年をささげるヒルクライマーの一人。
「二日前まで調整を目いっぱい行い、何とか調子が取り戻ってきました...」長年レースに参戦していると、調子のよいとき・悪いときの波があるのは致し方ないもの。その中でも、匙を投げずにやり続けるのが大事...以前、「全日本マウンテンは自分にとって正月みたいなもの」と、全日本マウンテン大会を一年で特別な日とおっしゃっていましたが、どんなことがあっても、正月は必ずやってくる...明日は「今のベスト」を尽くす限りです。
今年も位ヶ原山荘宿泊 − 夜の山小屋を楽しむ | 小山田 智也選手 =北海道のほうが体に合うんです= |
左の選手は、ヒルクライムだけでなくトレラン・トライアスロンにも挑戦され、一昨年の大会では、前日は位ヶ原山荘に宿泊され、大会当日の朝はトレランで下山して会場入りしました。しかし、昨年はトライアスロンでの故障で出場を断念したものの、今年は無事に復活しました。今回は山小屋泊まりに興味のある同僚とご一緒に位ヶ原山荘宿泊。電気のない山小屋ですから屋外の明かりが全くなく、晴れていれば乗鞍高原よりも数多くの星たちを楽しむことができるはず。
右は小山田 智也選手。今年は実家のある北海道に移り住み、「やっぱり、北海道のほうが体に合うんですね。調子もだいぶいいですよ。」と。一昨年お会いした時と比べると息子さんがだいぶ大きくなって。もちろん明日もパパと同じチームジャージを着て、大雪渓で応援に向かいます。
13時、選手受付開始 |
そして、13時より選手受付が始まりました。昨年までは各クラスごとに列を分けていましたが、今年はゼッケン番号で列が分けられていました。
入金などの事前手続きが終わっていても、大会前日の受付にお越しにならないと、レースに参加することができません。なお、明日のレース当日は、選手受付は行っておりませんので、必ず、大会前日に現地入りして、選手受付を行ってください。
ゼッケンはこんな感じ | 取扱い説明書が同封 −
ハンドルにもゼッケンを 【画像拡大】 |
ゼッケンはご覧のとおり...昨年まではヘルメット前頭部に貼るシールと、ボディーゼッケン(背中)でしたが、今年はヘルメット前頭部のシールの代わりに、ハンドルのバーに吊り下げるタイプ(自転車用ゼッケン)に変更されています。実際のレース中では、ヘルメット前頭部よりもフロントバーの自転車用ゼッケンのほうが判読性がかなり高いです。
大会本部に立ち寄ると |
さて、大会本部に立ち寄ると...30回の皆勤賞の選手に遭遇...
備前 敦選手 − 第1回大会から皆勤出場 | 当時は一部オフロードも−出場し続けることをライフワークに |
第1回から皆勤出場の長野県上田市から出場の備前 敦選手。
「マウンテン大会には大学生のころから出場しました。最初の頃は多分、JCAとか全く関係なくて、乗鞍の観光協会が主体で、出場者は僕の記憶では400〜500人なんですよ。これじゃまずいということで、みんなで信大の学生とか高校生に声をかけて、何とか700〜800人にして...当時は今みたいに軽くて性能のよい自転車はなく、とりあえず変速機がついた自転車で出場していました。」
●当時の大会状況については、
「スタートは観光センターでしたが、最初は山頂がゴールじゃなく、大雪渓の小屋のあるあたりでちょっと短かった。当時は今ほど道が整備もされてなく、途中にオフロード(未舗装)がありました。現在はきれいに整備されて、自転車の性能もよくなり、記録は1時間を切るようになって、若いのが強くなってきた。そして、鈴木雷太などオリンピックに行けるような人材が長野県に集まって来るなど、この30年間には色々な変化がありましたが、それも、この大会が始まりで感無量です。」
●ノリクラに加えて、美ヶ原も皆勤出場とのこと...
「出場に当たって1年前から仕事の調整などが必要ですが、大会の良さ・運営の方々の良さもあって、出場し続けることをライフワークにしようと思っています。」と、おっしゃってくださいました。
第3回から出場してます | 村山 利男選手 長年チャンピオンクラス上位キープ! |
大会初期から出場されている方は結構多く、こちらの方は、途中で抽選漏れもありますが第3回から出場されているとのこと。「第3回ではMTBで周回コースみたいなものもあったような気がします。(第3回大会は)88年でバブル直前だったから、景品とか参加賞とかもよかった。すでに結構な参加者数でしたよ。」とのこと。
長年この大会に出場し、なおかつ、常にチャンピオンクラス上位をキープしているといえば、もちろん村山
利男選手。
「えぇ〜何回出場しているかって?そんなの覚えてないよ。デュアスロンをやめてからは自転車一本でやはりノリクラがメインかな。」
チャンピオンクラスに出場する若い選手は、すでに子供の年代になっていますが、その若い選手からは「村山選手のようになりたい」との声も多いのです。
応援バス・トレッキング申込み |
さて、こちらの列は応援バスとトレッキングの申込みです。
応援バス申込 − みんなで応援することが毎年の楽しみ |
こちらの方々は合計5名で参加。「明日はこちらの息子さんが出場するんですよ。こうやってみんなで応援することが毎年の楽しみ...」とのこと。選手だけでなく、ご家族・友人の方も巻き込んで楽しめるのが、応援バスの大きな魅力の一つでしょう。
なお、この画像を撮影したのは13時15分で、残りあと数席という状況でしたので、13時の受付開始と同時に、お越しになったほうがよさそうです。
ノリクラガールとの記念撮影 | その横では別の記念撮影が... |
今年はノリクラガールとの記念撮影が復活し、多くの選手が順番を待つ中、その横でも来場者の方々との記念撮影に快く応じる様子が見られます。
キャラクターに変身した選手 | タイガース姿の選手 =自転車メーカーに転職しました= |
悪魔おじさんをはじめ、キャラクターに身をまとった選手。そして、いつもの阪神タイガース姿の選手も...「自転車に携わる仕事がしたくて、自転車メーカーに転職してしまいました!」 と、今回からは折り畳みの自社製の自転車とのこと...
体を絞り込んでチャンピオンクラス初参加 |
「いや〜、絶対チャンピオンクラスのほうがいいって、みんなに言われるので、今年はチャンピンクラスに出場することにしたんです。」体も絞り込んでかなり本気モード...そして、昨年女子Bで2位の松本雪子選手は、いつもよりも少しおとなし目のショットで...「いつもありがとうございます。ホンマにええ写真になってますかしら...」と、ファインダーチェック(笑)...ご本人承諾のツーショット画像です。
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