ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
Vol.6後編(2016/04/20・23) @
前編でお伝えしたように4月20日(水)に試運転が終わり、いよいよ、本日4月23日(土)より運行開始される乗鞍岳春山バス。この日が訪れるのを心待ちにされているスキーヤー・・ボーダーの方も多いのではないでしょうか?春山バスの運行開始と同時に、ノリクラにも本格的な春が訪れます。
今年は道路両脇の雪の壁が低く、車窓に迫る迫力は乏しいものの、その分、雪壁に阻まれて見られなかった周辺の雪景色をぜひとも楽しんでいただき、また、周辺の位ヶ原山荘付近での風景を体感してもらえたらと思っています。スキーヤー・ボーダーだけの世界にも少しだけ触れてみる機会を春山バスが提供してくれます。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【4月23日(土)、乗鞍岳春山バスは本日より運行開始】
6時30分、三本滝レストハウス前駐車場 |
早朝6時30分の三本滝レストハウス前駐車場。気温は6℃、この時期、三本滝までの道路では夜間凍結の可能性がありますが、今年は路肩の雪が少なく、観光センターから三本滝までの県道乗鞍岳線には路面凍結はありませんでした。
三本滝レストハウス前駐車場(未舗装部分) − 数台程度 | 三本滝レストハウス前駐車場(舗装部分) − 30台ほど |
三本滝レストハウス前駐車場は二ヶ所に分かれていて、右の画像はレストハウス正面にある舗装部分。左の画像はその隣にある未舗装部分。もちろん舗装部分から駐車スペースが埋まって行くわけですが、6時30分時点では50台の駐車スペースのうち30台ほどが埋まり、隣の未舗装はまだ数台程度でした。
例年だと、三本滝レストハウス周辺は1メートル近い積雪があって、以前は舗装部分しか除雪が行われない状況でしたが、昨年から春山バス運行に合わせて、未舗装部分も除雪が行われるようになりました。なお、今年に限っては、4月上旬ですでに路面が見えるほど積雪が少なかったため、舗装部分・未舗装部分ともに除雪作業を行う必要がありませんでした。
地図を片手に打ち合わせ | 仲間を山頂からドロップインさせたい! |
「20年以上 この時期には必ず来ていますが、これだけ雪が少ない年は珍しいですね。」朝早くから地図を片手に打ち合わせ...毎年この時期には欠かさずお越しになり、「ここでみんな待ち合わせなんですが、ゲレンデしか滑ったことのない仲間を、山頂からドロップインさせてあげたいんですよ。」
春山バスが運行されるようになると、山頂までのアクセスがよくなるため、春山バスの運行が始まってから、ノリクラにお越しになる方もたくさんいらっしゃいます。今日のように天候が安定している日であれば問題ありませんが、4月下旬からゴールデンウィーク過ぎまでは「メイストーム」と呼ばれる荒天がしばしば発生しますので、初めての方は経験者との同行が安全です。
【7月から指定登山岳・指定登山道は登山届が必要です】
岐阜県に引き続き、長野県も登山届の提出を義務づける登山安全条例が昨年12月に可決しました(施行は今年7月)。三本滝レストハウス入口に登山届のポストがあるのをご存知でしょうか?近年はインターネットでの登山届ができるようになりましたので、事前に届けることも可能です。
なお、ポストには用紙が備え付けてありませんので、ご自身で事前に用意する必要があります。
お知らせ − 7月1日より長野県側登山道は登山届が必要です(長野県安全登山条例、指定登山道)(2016/04/13)で、お伝えしたように、4月11日に指定登山岳・指定登山道が公表され、山頂方面に向かう登山道(夏道)も指定されました。ツアーコース入山の場合も条例の主旨をかんがみて、提出されるようお願いいたします。
早朝パトロールから帰って来たバス会社の方 | 始発便からOK! |
乗鞍岳春山バスは冬季閉鎖中の道路を利用して運行されるため、始発便運行前にバス会社による早朝パトロールを毎朝行います。今朝も位ヶ原山荘まで道路パトロールを行い三本滝まで戻ってきました。「道路凍結や土砂崩れなどありません。今日は始発便から問題なく運行しますよ!」
前編でもお伝えしましたが、三本滝から位ヶ原山荘までに間に、土砂崩れが二ヶ所あって、応急措置が施されています。例年なら、雪壁の崩落とか路面凍結、倒木が重要なチェック項目になりますが、今年は土砂崩れ箇所もしっかりチェックを行います。
三本滝停留所 | 乗車券販売が始まる |
始発便の運行開始が決まると、乗車券の販売が始まります。販売方法はその日のお客様状況に応じて、駐車場内を巡回して販売したり、停留所付近で販売したりと販売スタイルが若干異なりますが、臨機応変に対応しておりますので、駐車場・停留所周辺にいらっしゃれば、大体わかるかと思います。
ただ、一つ言えることは、週末の始発便は混雑しますので、できる限り早めに乗車券の購入をお願いいたします。そうしないと、乗車人数の把握が遅くなり、バスの配車台数を割り出すことができなくなります。混雑時はバスは乗客の人数に合わせて、複数台が連なって運行されます。そのため、よほどのことがない限り、乗り残しのないように対応されています。
歩いて出発する常連 − バスを待ちきれなくて... |
かつては夜間凍結で始発便の運休が相次ぎましたが、2014年より運行初日〜5月上旬までの始発便を1時間遅らせる措置をとっていますので、始発便の運休が少なくなりました。今年は5月8日(日)までは三本滝発が8時45分で、位ヶ原山荘に到着するのは9時07分となります。
位ヶ原山荘に9時07分に到着して、屋根板入口からスタートして位ヶ原に到着するのは、どんなに早く見積もっても、10時近くになってしまいます...そうであれば、朝一番からツアーコースを歩いて行ったほうが早い!と判断するのが冬の常連の方々...最も「日がこんなに高くなっているのに行動できない」というジレンマがヤマヤさんの性分といえるでしょう...
駐車場内では出発準備 |
時刻は8時前、駐車場のあちこちで出発準備がみられるようになってきました。
春山バスを待つ列はどんどん伸びる | いつもは終日歩き倒すのに今日はバスを使って |
8時を過ぎるころになると、未舗装部分の駐車場も満車に近い状態となり、春山バスを待つ列も伸びてきました。右の方は厳冬期ですらリフトを使わずに、早朝6時くらいからいつも登っていた冬の常連...今日はどういうわけか春山バスにご乗車とのこと。おそらく、今シーズンのノリクラは今日で最後でしょうか...
乗車券を買い求める列 | 片道券がなくなり、パンチで穴あけの補充券は手間がかかる |
バス停の列が長くなると同時に、乗車券を買い求める方々の列も...「今日のお客様は(スキーヤーの方々ばかりで)、ほとんどが片道券だったため、用意した片道券が全部終わっちゃいました...」と、パンチで穴あけする補充券で対応されていました。買い求めるスキーヤーも「この券、めずらしいなぁ〜。えっ!こんなにたくさんパンチ打つの!」 販売する係員の方、結構大変そうでした...
春山バス到着 | 行き先の案内表示は「位ヶ原山荘」 |
そして、8時40分、定刻5分前に春山バスが到着。行き先の案内表示は「位ヶ原山荘」。この表示が「大雪渓・肩の小屋口」に切り替わるのは、道路除雪が大雪渓まで進んだ5月下旬ごろになります。
トランクには板のみ搬入、ストックは車内へ =自転車の積み込みはできません(冬季閉鎖中のため)= |
観光センターからの後続車両も到着 |
その後、観光センターからの乗客を乗せた後続の春山バス3台も到着しましたが、そちらには空席が余りありません...
話が少し変わりますが、左の画像のようにスキー・ボードはトランクに搬入します。ストックはトランクに入れず、車内へお願いいたします(ストック破損防止のため)。始発便はスキーヤー・ボーダーが大変を占め、トランクはスキー・ボードでいっぱいになりますので、登山用ザックは車内へお願いいたします。また、かなり詰め込みますので、細かな傷を気にされる方は、スキー・ボード用のカバーを事前にご用意されたほうが良いでしょう。
なお、三本滝から先の県道乗鞍岳線は冬季閉鎖中で、春山バスのような特別に許可を得た車両しか通行できず、自転車通行はできません。そのため、夏のシャトルバスのように自転車を持ち込むことはできません。
「切符は品切れ・空席もない..どうしましょうか?」 =折り返し運行することで対応= |
4+1台で210名 =春山バス初日始発便としては過去最高= |
4台の春山バスを満席にしても30名ほどがご乗車できず、「切符も売り切れ...空席もない...どうしましょう。」、と困り顔。早急に位ヶ原山荘まで行き、折り返し運行することとなりました。先ほど、「よほどのことがない限り、乗り残しがないように対応」と述べましたが、今回はかなりレアなケースです。
今日の始発便は4台に折り返し1台とという運行で、合計210名の方が乗車されました。初日の始発便としては過去最高の台数・人数です。
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今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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