ノリクラ 雪渓カレンダー 紅葉版

Vol.9(2021/10/30) @

 

 

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(Update:2021/11/03)

 

ノリクラ雪渓カレンダーは、2021シーズンは新型コロナの影響により、一時休止しておりますが、紅葉シーズンを迎えるにあたって、紅葉情報のみ再開いたします。

今回が最終号となります。例年だと、乗鞍高原の紅葉も落葉が目立つようになり、見頃を過ぎつつある状況ですが、今年はピークにすら至ってなく、ここまで色づきが遅い年は珍しいことです。また、先週10月19日(火)の初雪に続き、今週10月25日(月)には再び積雪30センチの降雪があり、山頂方面の冠雪状況が消えることなく、さらにはっきりしてきました。それ以降は晴天が続いているため、乗鞍高原は三段紅葉がずーっと楽しめる状況が続いています。

今回は通常の紅葉情報の前に、大雪渓方面の積雪状況をお伝えします。なお、大雪渓・山頂付近へ交通手段はなく、全て歩いての取材であり、一般観光客の方向けではありませんのでご注意下さい。


◎ 今回の目次

Page-1 : 【10月30日(土)、積雪通行止が続く】       【2度目の降雪でさらに積雪が増加】       【大雪渓、積雪状況】
Page-2 : 【紅葉情報−乗鞍高原、一の瀬園地(標高1500m付近)】

●参考資料●
(紅葉情報) − 紅葉総合INDEX

 

 

 

【10月30日(土)、積雪通行止が続く】

乗鞍高原内はどこも三段紅葉

こちらは朝の観光センター付近。くっきりと青い快晴の空と真っ白に輝く山頂方面、そして、深みを増した乗鞍高原の紅葉が重なり合う三段紅葉が楽しめます。例年だと、山頂方面の冠雪が数日で消えてしまうため、三段紅葉も長くは楽しめませんが、今年は10月19日の初雪でまとまった降雪であったため、1週間を経過しても消えることなく残っています。

 

朝焼けに染まる山頂 − 厳冬期の朝と同じ光景

そして、完全に真っ白になった山頂が朝日に照らされれば、オレンジ色に染まる朝焼けで、今朝は一日が始まりました。厳冬期の朝と全く同じ光景です。

 

一の瀬大カエデ

こちらは一の瀬大カエデ。例年、初冠雪の時期には発色がピークに近い状態になりますが、冠雪している期間が短く、週末に訪れる観光客の方々が三段紅葉を楽しむことはなかなか難しい状況です。今年は冠雪状態が継続しているため長く楽しめ、今日も多くのカメラマンが訪れていました。

 

霜が降り、ようやくこの時期らしい冷え込みに

今朝の乗鞍高原の気温はマイナス3℃、今年は氷点下になることはほとんどなく、一の瀬周辺では霜が降り、ようやくこの時期らしい冷え込みとなってきました。

 

谷間に肩の小屋 − 直線距離6.7km

一の瀬からは山頂方面をはっきり臨むことができ、朝日岳と摩利支天岳の谷間には肩の小屋が確認できます。一の瀬から県道乗鞍岳線で大雪渓付近まで約20kmの道程ですが、直線だとわずか6.7km。ご覧のようにくっきりと確認でき、逆に山頂付近から一の瀬大カエデの紅葉やレンゲツツジの群生を確認することもできます。ただ、標高差は1200メートル以上に及ぶため、歩いて登るには本格的な登山となります。

 

三本t木ゲート − 10月20日(水)から通行止継続

観光センターから7km先の三本滝ゲート。積雪凍結のため、10月20日(水)からの通行止めが続いています。

 

連続11日間の積雪通行止は過去最長 − 10月31日18時より冬季閉鎖へ

結局、最終日10月31日(日)まで通行止めが続き、連続11日間の通行止は、積雪凍結による通行止としては、最も長い記録となりました。そして、県道乗鞍岳線の三本滝〜県境間は10月31日18時より翌年7月1日6時までの8か月間の冬季閉鎖に入ります。

県道乗鞍岳線(三本滝〜県境間)は年間の3分の2の期間が冬季閉鎖で、北海道の道道1162号 銀泉台線に次いで長い状況です。(道道1162号 銀泉台線の昨年の冬季閉鎖は2021/10/07 11:00〜2022/06/16 11:00。なお、山形県の県道月山公園線も長く、10月25日より冬季閉鎖に入りましたが、翌年の解除日が未定で算定できず)

 

摩利支天付近 登山道

車道だけでなく登山道にも雪が積もり、木道は滑りやすい状態で、これより、もう少し先の荒田沢から冷泉小屋にかけての区間では木道と地面との境目がわかりにくい状態となり、木道の踏み外しに注意が必要です。

 

【2度目の降雪でさらに積雪が増加】
(注:このコーナーの内容は冬山登山・バックカントリー経験者向けの内容で一般観光客向けではありません)

肩の小屋 − 今年も年末年始と冬季営業実施

こちらは標高2350メートルの位ヶ原山荘。乗鞍岳一帯の山小屋が冬季閉鎖となる一方。位ヶ原山荘は道路が閉鎖する10月31日まで営業が続けられています。

また、数少ない冬季営業を実施する山小屋でもあり、今年の年末年始営業は2021年12月25日(土)〜2022年1月10日(月・祝)で、約1ヶ月程度の休業期間を挟んで、2022年2月5日(土)からは冬季営業が再開され、そのまま夏季営業が10月31日までほぼ毎日継続されます。

 

10月26日(火)、2度目の降雪でさらに積雪が増加(2021/10/26 速報)
@ 2021/10/26 07:00
前回の初雪以上に白くなる
(位ヶ原山荘)
A 2021/10/26 07:00
新たな積雪が30センチに達する
(位ヶ原_層)

こちらは2度目の降雪となった翌日の位ヶ原山荘付近の様子(10月26日速報)。一日で30センチもの積雪となり、厳冬期並みの降雪となりました。

 

屋根板方面 位ヶ原山荘〜宝徳霊神登山道

この先の宝徳霊神方面への登山道は見た目にははっきりわかりませんが、先週よりも積雪量が増加しています。

 

先週の屋根板
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2021/10/19〜24) @
今回の屋根板
先週より積雪が増加

こちらは屋根板付近様子。足跡の状況から先週よりも積雪が増えていることがわかるかと思います。

 

宝徳霊神バス停 南アルプスが屏風のように迫る

登山道を登って宝徳霊神バス停に到着。南アルプスが屏風のように迫っています。よく見ると、南アルプスの山々も白く冠雪していることがわかります。

 

【大雪渓、積雪状況】
(注:このコーナーの内容は冬山登山・バックカントリー経験者向けの内容で一般観光客向けではありません)

大雪渓

それではここからは大雪渓付近の積雪状況をお伝えします。

 

先週の山頂・大雪渓全景
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2021/10/19〜24) @
今回の山頂・大雪渓全景

山頂・大雪渓の全景画像からは、先週とそれほど大きく異なっているようには見えませんが、大雪渓は上部も下部も積雪量が増加していることがわかります。

 

先週の大雪渓入口付近
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2021/10/19〜24) @
今回の大雪渓入口付近
先週の大雪渓入口付近
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2021/10/19〜24) @
今回の大雪渓入口付近

特に良くわかるのは大雪渓下部の車道沿い。2回目の降雪がかなり効いています。

 

先週の肩の小屋付近
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2021/10/19〜24) @
今回の肩の小屋付近

こちらは一の瀬から確認できた肩の小屋。こちらでも周辺の積雪が増えています。ただ、肩の小屋自体は厳冬期でも雪に埋もれることはありません。

 

2度目の降雪はやや湿った降雪 − 雪質変化で滑りやすい

先週と大きく異なるのが雪質。2度目の降雪はやや湿った雪質で、降ってから1週間近くが経過しているため、雪質が変化していて、表面はやや硬めですが、下地が滑りやすい状態で、やや歩きにくいコンディション。もう少し下地が硬くなって来たらアイゼンが必要でしょう。

 

大雪渓全景(矢印:雪渓上部右側部分)

雪渓上部右側 小規模な雪崩 − 初冬でも十分注意

こちらは雪渓上部右側。小規模な雪崩が発生しています。雪の塊がまとまって流れた程度の規模ですが、この時期に雪崩が発生することは非常に珍しく、それだけまとまった降雪であったことがわかります。ただ、立山では過去には11月に雪崩で死亡事故が発生していますので十分注意が必要です。

 

当WebSiteでは12月中旬より、厳冬期のツアーコース情報を速報にて掲載

この日の大雪渓の気温は10℃。日差したっぷりで、非常に暑い一日でした。厳冬期で気温がプラスになれば暑さを感じ、積雪期の気温上昇は雪崩の懸念もあります。乗鞍では昨年2月・今年3月の2年連続で、雪崩死亡事故が発生しています。

これからウインターシーズン入り、今年もツアーコースへの入山者も多いかと思われます。数日前程度からの降雪状況・気象状況をよく確認して、雪崩の発生しやすい日・雪崩発生しやすい場所への入山は避けるようお願いします。なお、当WebSiteでは12月中旬から来シーズンの速報掲載を再開しますが、ウインターシーズンはツアーコースの積雪状況を中心とした内容をお伝えしております。ツアーコース入山の際にはぜひご覧ください。

 

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