ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.3(2004/05/30) E

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(Update:2004/06/03)

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線】

蚕玉岳〜朝日岳稜線及び朝日岳直下から大雪渓に滑り降りる箇所は既に雪がなくなっていますが、剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線からは何とか滑走できましたが、こちらを訪れた時は濃い霧の中でしたので、全体の状況を把握できませんでした。おそらく今週が最後になるのではと思います。

 

剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線

こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線。既に稜線直下より滑り降りることはできません。雪渓上端は稜線より5メートルほど下がったところです。画像の左奥に見えているのが雪渓上端です。

 

こちらは全体の4分の1程度下ったところ。先週と比べてさほど大きな変化はありませんが、雪渓の中央部分に所々岩が出始めてきました。

 

雪渓の幅は2.5メートル 手前の大きな岩は先週の落石

全体の3分の1程度滑り降りたところ、先週はまだ幅が5メートルほどありましたが、今週は半分程度になっています。また、先週お伝えした落石の岩の部分にはまだ雪がたくさんあったものの、今週はご覧のようにその岩を境に右半分の雪がすっかりなくなっています。

この箇所の雪はおそらく来週にはほとんどなくなっていると思いますので、稜線から滑り降りられるのも今回が最後になります。

 

せせらぎの音

大抵、この時期の雪渓はシュプールを刻む音以外はほとんど無音で、今日のような濃霧の日には「ガーガー」という雷鳥の鳴き声しか聞こえません。しかし、今回は雪渓全体にせせらぎの音が響いています。まさかこの時期にと思いましたが、先ほど紹介した一番狭くなっている付近に雪解け水が集まり、ちょっとした沢になり、こんな濃霧の中でも心にゆとりを感じさせてくれます。

 

クレパスに落石 県道に近づくにつれてスプーンカットに

先ほどのせせらぎのところから更に滑り降り、急斜面から緩斜面に変化ししばらくすると先週もお伝えしたクレパスがあります。全体の半分程度滑走したところに当たります。クレパスにはいくつもの落石がはまっていて、前に紹介したクレーターを残した落石といい、この雪渓は大雪渓以上に落石が多いところいえます。
さらに進み、県道付近になると雪面はスプーンカット上になってきます。先週も少しその傾向にありましたが、今週は完全にボコボコになっています。スプーンカットというよりたけのこに近い形状です。

 

こちらはゴールの県道沿いの箇所です。先週は1.2メートルほどの高さがありましたが、今週は80センチ程度です。昨年と比べて3週間以上雪融けが進んでいます。

昨年は稜線からの最後の滑走は Vol.4(2003/06/14) でした。

大雪渓から稜線に向かって登ってくる際に雪融けの終わった斜面を登ってこられる方が、今年は雪渓を訪れる方が多かったせいでしょうか、これまで何回か見かけることがありました。

大雪渓から朝日岳方面を目指して登ってくる場合、大雪渓上部にあがったら少しルートを左よりに移し、蚕玉岳〜朝日岳の間の沢筋の雪渓を登っていくコースを取るのが一般的ですが、おそらく大雪渓をそのまま直登し、雪渓の上端部から更にそのまま直登したものだと思います。もちろんこのあたりも高山植物など貴重な植物が数多くあり、自然への影響が心配されます。

雪融けの終わり、露出した山肌を歩くことをあまり問題視していないことがいけないと思いますが、一般のスキー場と同じような感覚で行動されている点が一番の問題と思います。

そんな状況に対しロープで規制してしまうことだけが必ずしも得策とは思いません。足元に何があるのかよく考えて、皆様が行動されるのが一番だと思います。今回の高山植物のコーナーで紹介している枯れ草のように見えるスゲやカリヤスでも、れっきとした高山植物です。
ロープからはずれていけないということではありません。貴重な高山帯に足を踏み入れているのだという意識が大切だと思うのです。「スキーヤーはダメだ!」と言われないようにしたいものです。

 

【昨年の今ごろは?】

date:2003/06/01

昨年もかなり天気が悪く、撮影に苦慮した記憶があります。稜線から滑り降りてもどこを滑っているのかさっぱりわからない状態でした。

 

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