ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2005/06/25) A

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(Update:2005/06/30)

 

【高山植物】

これから、どんどん雪解けが進んでくると、その変化についていけなくなるほど、たくさんの高山植物が開花し始めます。そして、6月の下旬といえば...

 

ハクサンイチゲ(花)

以前のノリクラ雪渓カレンダー(vol.4  2005/06/05)で若葉のころのハクサンイチゲを紹介いたしました。ごらんのように白い花をつけています。ハクサンイチゲは春になっても雪が残っているエリア、いわゆる「雪田(せつでん)」と呼ばれる場所が雪解けしたようなところに、群生していることが多いようです。ノリクラでは今回撮影した室堂ヶ原や畳平のお花畑で群生しています。逆に大雪渓エリアのように岩肌がゴツゴツとしたようなところでは、ごく一部のエリアを除いて見かけません。

このハクサンイチゲ、実は白く見える花びらは花びら(花弁)ではなく萼(がく)で、花びらはありません。花びらのない、または、小さくて萼のほうが花びらに見える高山植物はほかにも、ハクサンイチゲと同じキンポウゲ科の仲間のリュウキンカやシナノキンバイやなどいろいろあります。詳しく調べたわけではありませんが、キンポウゲ科の仲間にはそのような高山植物が多いようです。

 

 

キバナシャクナゲ(花)

こちらはキバナシャクナゲ。このところ毎週お伝えしておりますが、今週はほんとにいたるところで花を見かけるようになりました。畳平のお花畑は圧倒的にハクサンイチゲ一辺倒ですが、室堂ヶ原ではハクサンイチゲよりもキバナシャクナゲの群生が見事に咲き誇っています。訪れる登山客も、とりあえず「キバナシャクナゲは覚えた」とおっしゃる方もいて、やはり目立つ花は覚えやすいものです。

 

コイワカガミ(花)

この時期、ピンクの花はあまり多くありません。そんななか可憐にうつむき加減に咲いているのはコイワカガミ。これまでにも何度か紹介しておりますが、うつむき加減にかがんで咲いているから「イワカガミ」というのではなく、光沢のある葉が鏡のように光るところから命名されているようです。通常のイワカガミよりも葉のふちの突起が少ないところが見分け方のひとつになっています。

先週は、乗鞍スカイラインの猫岳から四ッ岳カーブまでの道路沿いにいっぱい花を開かせていましたが、今週はまったく見かけることができなくなりました。1週間ごとに大きく移り変わっていく自然環境の一端なのでしょうか?このほかにイワハタザオはまだまだたくさん咲いておりますので、シャトルバスで一気に上るだけでなく、体力(持久力)に自身のある方は、ゆっくりと観察しながら、自転車のペダルを回していくのもよいでしょう。
(注意:乗鞍スカイラインは標高差約1100メートル、距離14.4kmありますので、体調の悪い方には決してお勧めしません...)

 

ミネズオウ(つぼみ)

これまで室堂ヶ原の高山植物を中心にお伝えしておりましたが、大雪渓エリアでも少しずつ高山植物は花をつけ始めています。左の画像を見てもほとんどわかりませんが、すこし近づいて見ると小さなピンクのつぼみを目にすることができます。ミネズオウ(峰蘇芳)です。つぼみの状態ではまったくわかりませんが、かなり目立つ模様の花です。しかし、先週お伝えしたガンコウランやコケモモなどのように小さな花ですので、ほんとに近くで見ないとその模様はわかりません。

さて、小さな花で今一番見ごろは、富士見岳周辺のコケモモとイワウメだと思います。コケモモは先々週のノリクラ雪渓カレンダー(vol.5  2005/06/12)で、お伝えしましたが、イワウメはまだ撮影しておりません。どちらも同じように岩に張り付くように葉をめぐらし、同じようなややクリームがかった色をしています。ただ、花の形や大きさ、花茎(花をつけている茎)の長さがだいぶ異なりますので、大体、見分けがつくと思います。大雪渓エリアでイワウメが咲き出すのはもう少し後だと思いますので、その頃、紹介したいと思います。

 

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