ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.2(2011/05/21〜22) B

Top-page > Index > Page:   1  2  3  4  5

(Update:2011/05/26)

 

【肩の小屋】

ここからは肩の小屋周辺の様子をお伝えします。

 

昨年の肩の小屋周辺
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) B
今週の肩の小屋周辺
昨年より一週間早い雪解け
昨年の肩の小屋周辺
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) B
今週の肩の小屋周辺
昨年より一週間早い雪解け

肩の小屋周辺は先週の段階では昨年より二週間ほど早い雪解けでしたが、今週は昨年より一週間程度早い状況にとどまっています。

 

昨年の肩の小屋周辺
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) B
今週の肩の小屋周辺
  

肩の小屋の西側部分は、今年は積雪状況がかなり異なっていますので、一概に比較することが困難な状態です。

 

公衆トイレ

肩の小屋から宇宙線観測所方面に行くと、公衆トイレがあります。

 

本日から使用可能

この先、山頂方面にはトイレはありませんので、必要であれば利用されてから山頂に向うことをお勧めします。冬季は閉鎖されていましたが、前のページでお伝えしたように乗鞍環境パトロールの方が本日開放しました。

 

当面、右側のみ利用可

しかし、左側の女性用は利用できない状況ですので、当面の間は右側の男性用を利用することとなります。

 

【稜線目指して】

それでは肩の小屋から稜線目指して出発です。

 

肩の小屋から山頂への登山道
ハイマツ帯保護のため、肩の小屋から上部は登山道を利用してください

肩の小屋から稜線・山頂方面には登山道があり、稜線までの区間を3分の1ほど進んだあたりまでは雪解けが進み、登山道が見え隠れしています。昨年より三週間ほど早い雪解けです。

登山道だけでなく、その周辺でも例年よりも早い雪解けを見せています。例年なら、肩の小屋の南側から稜線に向けて直登することができ、春山バスを利用して位ヶ原から肩の小屋までやってきた後、肩の小屋の南側からシールで直登するルートをとるスキーヤーの姿を見かけます。しかし、今年は途中のハイマツ帯が行く手をさえぎっています。今回はそのハイマツ帯に立ち入って稜線に向うスキーヤーの姿が多く、ハイマツ帯を生息域とする雷鳥への影響が懸念されます。この時期の雷鳥は産卵・抱卵期にあたり、もっとも重要な時期になります。したがって、肩の小屋方面から稜線に向う場合は、ご覧の登山道を利用するようにお願い致します。

 

昨年同時期より三週間遅い 肩の小屋〜山頂の登山道
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2010/06/12〜13) C
今週の肩の小屋〜山頂の登山道
昨年より三週間ほど早い雪解け

ちょうどこの付近が肩の小屋から稜線までの区間を3分の1程度進んだ付近。昨年の状況と比較すると三週間ほど早い雪解け状況です。

 

踏み抜いてしまうほど雪面は緩む

今日の大雪渓付近は8℃前後の気温の推移で、日差しも柔らかくじりじりと照りつけるような暑さはありません。しかし、雪面はご覧のようにかなり緩んで、ご覧のように踏み抜いてしまうほどのコンディションです。

 

山頂目指して次々と...

春山バスに加えて、先週からは乗鞍スカイラインシャトルバスの運行も始まり、多くの方が山頂目指して登って行きます。

 

今年も無事に山頂まで行けました!

シャトルバス始発便に乗車された登山の方々に再び出会います。9時過ぎに到着した山頂付近は、まだ、雲が残っていましたが次第に抜けて展望が開けてきました。御岳もはっきり眺めることができ、今年の乗鞍登山を無事に送ることができたと満足そうな笑顔を見せてくれました。

また、来年もこの場所でお会いできることを楽しみにしております。

 

先週の肩の小屋〜山頂の登山道
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.1(2011/05/14〜15) G
今週の肩の小屋〜山頂の登山道
先週からあまり雪解けが進んでいません

この先は完全に積雪に覆われますが、ご覧のように登山道の杭や岩の頭が見え隠れしています。先週と比べてほとんど変化はなく、雪解けが進んでいないことがわかります。

 

摩利支天岳 − 昨年より一週間早い雪解け

稜線に向けてしばらく登ると眼下には摩利支天岳を望むことができます。他の箇所では二〜四週間も早い雪解けですが、先週と同様に昨年よりも一週間程度早い雪解けにとどまっています。

 

【稜線】

こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。

 

大雪渓方面への滑走エリア 蚕玉岳方面の尾根 − 雪解けが進む

こちらから大雪渓方面へ滑り込む箇所には岩の頭などはありませんが、右の画像の蚕玉岳方面の尾根はかなり雪解けが進んでいます。

 

これから登って行く方々、これから滑走をはじめる方々 − 広大なバーンが広がる

これから登って行く方もいれば、滑走を始める方もいらっしゃいます。それぞれの方々が交差してもまったく問題となるようなことのないほどの広大なバーンが広がっています。

 

今日もツアーコースから全行程を歩いて登る

ここを訪れる大半の方は、春山バスを利用して位ヶ原山荘から登行を開始するか、乗鞍スカイラインシャトルバスを利用して畳平からやってくるかと思います。

しかし、バス運行が行われていない厳冬期はツアーコースを歩いて来るルートしかありません。今日も冬の常連の方は、いつもと同じようにかもしかゲレンデからツアーコースを歩いてここまでやってきました。稜線まで登ると標高差はおよそ1000メートルにも達します。

 

登って滑って...

しかも、稜線からの滑走はこれで二本目ということ。「最近体力が落ちた...」と、こぼしておられましたが、そんな様子は微塵にも感じさせません。

 

前回は初冬のパウダーを楽しんだ かもしかゲレンデで...

稜線には多くの人が行き交い、そこでは色々な方々に出会うことができました。数年前の11月の初冬、前日の夜から降り始めた雪がツアーコースを雪化粧しました。しかし、クマザサを覆い隠すほどの積雪ではなく、ツアーコースを断念して、パウダーゾーンが広がるかもしかゲレンデを楽しんだ記憶が残っています。

めぐり合う方々との再会で色々な思い出話に花が咲いてしまいます。

 

青息吐息...空気は平地の3分の2の薄さ

青息吐息でなんとか登って来るこちらの方々、ノリクラは初めてとのこと。「それにしてもこの山はスキーヤーが多いんですね〜。」と、驚かれている様子。ノリクラは3000m級の高山であっても、アクセスが容易であるため、本格的な登山の方ばかりではなく、色々な方々が楽しめる要素を持っています。その点は前のページですでにお伝えしましたが、空気の薄さは他の3000m級の山々と同様ですから、息が切れても不思議ではありません。ちなみにこの付近の気圧は、平地の3分の2程度と考えられています。

 

完全にバテてます...無理は禁物

もう完全にバテてしまっているこちらのスキーヤーもノリクラには初めてお越しになったとのこと。こうなったら無理は禁物。しばらく休憩しても回復しない状況であれば、高山病の可能性もありますので、早急に下山することをお勧めします。

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) B
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) G

今週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
昨年より二週間早い雪解け

こちらが稜線。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。先週と同様、昨年より二週間早い雪解けです。

 

昨年の権現ヶ池
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) B
今週の権現ヶ池
昨年より一週間遅い雪解け
昨年の朝日岳
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) B
今週の朝日岳
昨年より二週間遅い雪解け

ノリクラの噴火口の一つである権現ヶ池は雪解けが少し遅くなり、先週の昨年より二週間ほど早い雪解け状況が、今週は昨年より一週間遅い程度となっています。しかし、朝日岳は先週と同様に昨年よりも二週間早い雪解け状況です。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

Copyright (C)   乗鞍香辛料監視委員会

Top ||   <<Back  1  2  3  4  5  Next>>