ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.20(2011/09/22〜23) C

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(Update:2011/09/29)

 

【雪渓上部】

雪渓上部全景

それでは、雪渓上部の様子をお伝えします。雪渓上部は右側と左側に分かれています。右側の雪渓の雪解けが終了し、左側の状況のみお伝えします。

 

雪渓上部左側

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

すでにお伝えしているとおり、雪渓上部右側の滑走が困難になり、滑走できるエリアは雪渓上部左側しかありません。したがって、今シーズンのノリクラデビューはもう出来ませんので、初めての方の滑走はご遠慮くださいますようお願いいたします。

 

雪渓上部左側 下端部分(滑走不能)

こちらは雪渓上部左側の下端部分。バーン全体に岩の頭が見られるようになり、滑走できない状態になっています。

 

昨年の雪渓上部左側 下端部分(落書きの岩)
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2010/09/25〜26) C
先週の雪渓上部左側 下端部分(落書きの岩)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2011/09/15〜16) C

今週の雪渓上部左側 下端部分(落書きの岩)
雪解けが加速 − 昨年よりも遅い状況から昨年並みに

雪渓上部左側の下端部分には、落書きの岩があります。落書きの岩から雪渓下端までの距離は、先週の31メートルから55メートルと伸びています。また、先週の段階では、昨年より一週間以上遅い雪解けでしたが、今週は台風の降雨により、雪解けが加速して、昨年並みとなっています。

 

滑走エリアは南側へ移動

これまでは雪渓上部左側の右寄り部分(北寄り部分)で滑走していましたが、前述のとおり、滑走できない状態となったことから、左寄り部分(南寄り部分)に移動して、滑走が続けられています。

 

台風15号の風雨で縦溝が全面に

全体的に幾筋もの縦溝ができています。台風15号のもたらした風雨がバーン表面を流れてできたもので、雨によって雪解けのスピードが加速されました。

 

ラインの作成 − 硬いアイスバーンに作業がはかどらない

新たにラインを作成していますが、硬く締まったアイスバーンに、つるはしでの作業はなかなかはかどりません。

 

スキーブーツも歯が立たず、スキーをつけたまま登る

バーンの硬さは、スキーブーツでも登る事が困難なほどの状態。スキー板をつけたまま、エッジを効かせて登って行くしか方法がありません。スキーブーツの硬いつま先すら食い付かない状態ですから、ボードのソフトブーツでは全く登る事ができないことは容易に想像できるかと思います。

 

下端までの距離は45メートル

そんな硬いバーンに、午前中から滑走を繰り返すものの、コブの溝は全く成長しません。ラインを作成しているエリアの上端から下端までの距離は45メートルです。

 

下地は黒光り − 氷結状態

バーン表面は多少の柔らかさがあるものの、下地ははご覧のように黒く光り、完全に氷結状態です。

 

雪渓上には一部で初雪が積もる

そして、汚れた雪渓の表面に、所々、真っ白になっている箇所があります。おそらく、昨晩は雨が雪に変わったものと考えられます。この日は、富士山でも初雪が観測されましたので、乗鞍においても、この画像の白い部分が初雪であった可能性は十分考えられます。

 

ラインを作成 − ひとまず休憩...

つるはしでも鍬でも、どんな道具を持っても、ライン作成はなかなか容易にははかどらない状況。とりあえず、上端から下端までラインを掘り終えて、まずは休憩です。

 

雪解け水には缶ビールが...

この日の気温は4℃。こんなに冷え込んでも雪解けは続き、雪渓の下端からは冷たい雪解け水が流れ出しています。そして、そこには缶ビールなどの飲み物が冷やされています。

 

至福の一杯!

やはり、この一杯が最高の味わい。どんなに寒くても、これがあるから楽しいもの。ここでの滑走の楽しみの半分は、ビールタイムといっても良いでしょう...

 

まだまだ通い続けます

通年に渡って滑走を続ける常連の方々は、バーンが完全に氷結状態になる10月に入ってもお越しになり、ノリクラが終わるとすぐに次のウインターシーズンが開幕します。

 

昨年同時期より一ヶ月遅い雪渓上端
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.24(2010/10/23〜24) B
先週の雪渓上端
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2011/09/15〜16) C

今週の雪渓上端
激しい雪解けに、昨年より一ヶ月以上早い雪解け状況

こちらは雪渓上端。先週は昨年よりも二週間早い雪解けを見せましたが、今週はさらにスピードが増して、昨年よりも一ヶ月以上早い雪解け。また、先週よりも高さ1.5メートル近くの雪解けで、この時期としては、かつてないほど激しい雪解けです。

 

上端から − 下端部分まで57メートル
昨年より三週間早い雪解け

雪渓上部左側下端までの距離は、先週の79メートルから57メートルと、急激に減少しています。そのため、先週は昨年並みですが、今週は三週間早い雪解け状況を見せています。 Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

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