ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.4(2012/06/02〜03) E

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(Update:2012/06/07)

  

【鶴ヶ池雪渓 − モーグルコース】

鶴ヶ池雪渓 − 畳平から約200メートル

この時期のノリクラでの滑走は長野県側の大雪渓・山頂方面がメインですが、岐阜県側でスキー滑走が指定されている鶴ヶ池雪渓もポピュラーな存在です。

畳平から約200メートルというアクセスの利便性が特徴で、天候の急変などへの対応が容易であることから、ノリクラでの春スキーが初めてという方にもお勧めできるエリアです。

 

滑走エリアはローブより下部

実際の滑走エリアは、先ほどの看板の奥の雪渓です。左の画像にロープが張られていますが、このロープより上部は立ち入り禁止で、ロープより下側で滑走するようにお願いいたします。左の画像のさらに右奥の部分が右の画像です。数名の方が雪渓上に点在している様子がお分かりになるかと思います。

 

何度も登り返して滑る

長野県側の大雪渓・山頂方面はバックカントリー系のスキーヤー・ボーダーの方がたくさんいらっしゃいますが、岐阜県側の鶴ヶ池雪渓は、どちらかというと7月以降の夏スキーのようにコブのラインを作って同じバーンを繰り返し滑走する方が多く、実際にお越しになっているスキーヤー・ボーダーも夏のノリクラの常連の面々が集まっています。

単純に滑ることを目的にするだけでなく、滑走技術を向上させることももう一つの目的になっているようです。

 

お昼前から小雨が降ったり止んだり − 畳平バスターミナルまで近く、天候急変に即応できる

取材に訪れた6月3日(日)は、お昼前から小雨が降ったり止んだりを繰り返す状況。そのため、すでに何名かのスキーヤー・ボーダーは下山して、残っている方々も撤収しようか迷っている状況です。しかし、空が明るくなって雨もほとんど止んだ様子もあって、とりあえず、お昼休みをここで過ごした後、午後の行動を検討します。

鶴ヶ池雪渓は畳平から200メートルとすぐ近くにあるため、天候が急変してもすぐにバスターミナルの施設に飛び込むことが可能であることが大きなメリットでしょう。

 

午後のトレーニング開始...

ここで大雨にでも見舞われたら撤収が決断できるものの、微妙な天候に午後のトレーニング開始...

 

久しぶりのハイクアップはキツイ! ゴーグルも曇る

今シーズンのノリクラ入りが今日が初めてという夏の常連の方にとっては、久しぶりのハイクアップは体に応えるものがあるようです。そして、ハイクアップでの発汗により、ゴーグルが曇ってしまい、小雨の中ではなかなか湿気が取れない状況のようです。

 

コブのラインは二本 − こちらは長さは80メートル×23コブ

夏のノリクラの常連にとっては、今シーズンのノリクラは始まったばかり...すでに鶴ヶ池雪渓には二本のコブのラインが作成されています。ゲレンデに自然発生的にできるコブは多数のスキーヤー・ボーダーが滑ることでできますが、モーグルバーンではスコップで人工的にコブを掘って作ります。

わざわざ掘って作るコブをあえて二本も仕上げる必要性がどこにあるか??そんな疑問を抱く方もいらっしゃるかと思いますが、やはり滑走トレーニングを主体としていますので違いがあるわけです。

二本とも滑走距離約80メートルですが、コブの数が異なっています。画像のテレマーカーの滑るコブのラインではは23個のコブが作られ、その隣のコブのラインでは17個のコブです。

 

コブのピッチ(間隔)が重要

つまり、コブとコブの間隔が長いか短いかの違いがあるわけです。一般的にモーグルのコブは間隔(ピッチ)の狭く、自然発生的にできた一般スキーヤー向けのコブはピッチが長い特徴があります。そのため、モーグラーの中には、ピッチの長い「天然コブ」では「間が持たない」といって嫌う方もいらっしゃるようです。

 

こちらのラインは長さは80メートル×17コブ − ピッチが長い

こちらのほうがピッチの長いほうのコブです。「今度いつノリクラに来られるかわからないから、滑られるときに滑っておかないと...」と、雨の中を黙々と滑り続けます。

 

撤退のタイミングを逃すと、帰ることがなかなかできないのが、夏のノリクラ

黙々と滑り続けるものの、実のところは「撤退するタイミングを失った」といえる状況のようです。夏のノリクラでは何度も何度も繰り返して自分の滑りをチェックすることが一日の過ごし方となっていて、良い滑走感覚を持って最後の滑走を締めくくりたいのに、「いや!もう一本行ってみよう〜」と滑り続けると、シャトルバスの最終便まで本当に滑り続ける境地に陥ることになり、夏のノリクラの魔力というか魅力は、その繰り返しの境地に陥ってしまったものしかわからないものでしょう。

 

【昨年の今ごろは?】

2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2011/06/04〜05) @

梅雨の中休みとなったこの週末、こんな穏やかな日も梅雨の期間中のあるのかと思ってしまうような二日間を過ごすことができました。

6月4日(土)は、綺麗な青空の広がる朝から始まります。しかし、上部の畳平では濃霧に見舞われ、やはり梅雨の期間中は安定した天候に見舞われないのかと思いましたが、その濃霧も早朝だけで、8時過ぎには綺麗な青空が広がるようになってきました。乗鞍高原から位ヶ原山荘に向かう春山バスが、今日から肩の小屋口バス停(大雪渓入口)まで延長運行が開始されます。春山バスが肩の小屋口バス停に到着する頃には、ビビッドな青空がお越しになる方々を出迎えてくれて、梅雨の中休みとは言え、「これから稜線目指して行くぞ!」という雰囲気にさせられるものです。一斉に稜線目指して登って行く姿は、やはり、春山バスが延長運行されたこの時期ならではの賑わいで、今日は本当に行き交う人の多いノリクラと、安定した天候が続く一日でした。

6月5日(日)は、朝から曇り空。乗鞍スカイラインはいつものように朝7時から通行可能で、シャトルバスも始発便から通常運行を始めます。しかし、上部エリアは濃霧に見舞われ、自転車の通行は見合わせられます。乗鞍スカイラインの平湯ゲートでは、自転車の方々が通行可能となるまでしばらく待機される様子が見られる中、次第に青空が広がるようになり、上部エリアの濃霧も消滅したことから、自転車通行見合わせは9時には解除され、待機していた方々が一斉にヒルクライムを開始します。一旦青空が見える天候も、その後はどんよりとしたものとなり、森林限界を超えるとかなりの寒さを覚えます。その後は天候に変化はなく、雨に見舞われることなく一日を無事に終えることができました。

 

<編集後記>

「ノリクラには雲の上の世界がある」

夏が訪れて、始発のシャトルバスで大雪渓に到達すると、眼下に重厚な雲海が広がり、低く雲が垂れ込めた山麓では想像できなかった見事な晴天にめぐり合えることは、これまでのノリクラ雪渓カレンダーでもご紹介しています。まさに雲の上の世界がノリクラには広がっているわけです。

6月に入ると鶴ヶ池雪渓にも夏のモーグラーの常連の方々がお越しになるようになってきて、そろそろ夏スキーの時期を迎えようとしています。そして、取材を終えて帰り支度をしていた夕方の畳平では、鶴ヶ池雪渓から戻ってきたモーグラーの方々に久しぶりに再会の挨拶を交わします。

そんな中、モーグラーの親子のお二人にも久しぶりの再会の機会を得ることができました。

彼がノリクラに通い始めたのは中学生のとき、そして、今年はもう大学生ということで、月日のたつのが本当に早いものだと実感していると、今シーズンはワールドカップにも出場しているとのこと...ノリクラに通い始めたときに決めてくれたバックフリップの光景がつい先日のように感じます。

速報 2007/07/01

2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8(2007/06/30〜07/01) I
【雪渓下部 V−モーグルコースA】

この画像を見ると、エアーの技術もさることながら、こんなに冴え渡る青空とノリクラをバックに撮影できるチャンスには、なかなか巡り合えないものと今でも思います。そして、久しぶりの再会で、息子さんの近況を話してくださるお父さんから「ちょっと私の携帯を見てもらえますか?」...携帯を開いて見せてくださった待ち受け画面には、冴え渡る青空に息子さんのバックフリップの画像が...この画像が大切な宝物のようになっているんですね。

夏休みには山麓の朴の木平に宿をとり、毎日シャトルバスで大雪渓まで通う「一人合宿」を続けて来ました。大雪渓からの帰りは畳平までの車道を登って行かなければならず、疲れきった体に鞭を打って、重い荷物を背負って歩く彼を、車で送っていったこともありました。ノリクラに通っている面々の中から、世界で活躍する選手が登場することは本当にうれしいことです。

ノリクラには雲の上の世界があります。そして、ノリクラに通い続けて「雲の上の世界」に飛び出すこともできる...今回のお二人の再会から、ノリクラには多様な人々を包み込む奥深さを感じた瞬間でもありました。

 

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