ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.5(2012/06/09〜10) C

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(Update:2012/06/14)

 

【稜線へ】

それでは肩の小屋から稜線目指します。

 

肩の小屋からダイレクトに直登するルート しかし、ご覧のようにハイマツが...
絶対に立ち入らないようにお願いします − 登山道を利用

先週までは肩の小屋からダイレクトに朝日岳方面に直登することが可能でした。しかし、ご覧のようにハイマツが出始めて来ました。ハイマツは雷鳥の営巣に必要な場所で絶対に立ち入らないようお願いいたします。この周辺ではどこもハイマツ帯が出てきましたので、肩の小屋から山頂を目指す場合は、登山道(夏道)を経由して登って行くようにお願いいたします。

 

先週の肩の小屋〜山頂の登山道入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) C
今週の肩の小屋〜山頂の登山道入口

こちらが肩の小屋から山頂方面に向かう登山道の入口部分。先週と比べてかなり雪解けが進んでいます。

 

肩の小屋〜山頂の登山道 − 入口から数十メートル進むと再び積雪

しかし、数十メートル進むと再び雪の上となり、この先は誘導ロープが敷設されている支柱の頭が何とか見られる程度です。

 

肩の小屋〜山頂の登山道(稜線まで3分の1地点)
ほぼ完全に雪の中

この付近は肩の小屋から稜線までの区間を3分の1程度進んだあたり。この先は登山道を示す支柱すらなくなります。

 

2011年の肩の小屋〜山頂の登山道(稜線まで3分の1地点)
2011ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2011/06/04〜05) C
2010年の肩の小屋〜山頂の登山道(稜線まで3分の1地点)
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2010/06/12〜13) C
2009年の肩の小屋〜山頂の登山道(稜線まで3分の1地点)
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) C
2008年の肩の小屋〜山頂の登山道(稜線まで3分の1地点)
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2008/06/14〜15) B
=過去4年間と比べても、今年は1メートル近い積雪があることがわかる=

同じ場所の過去4年間の画像を比較します。どの年も周囲は完全に雪解けが完了しています。この様子から今年はまだ高さ1メートル近い積雪があることがわかります。

大雪渓から稜線へ、赤丸ルートは積雪がないため、青線ルートで − 高山植物と雷鳥保護のため
=先行者が一人でもいると、ほかのヒトもあとに続き、踏み荒らされてしまいます=

【大雪渓から稜線へルート − 直登ルートにはもう雪がありません、環境保護のため迂回してください】

肩の小屋からの登山道で稜線まで行くルートから話題が逸れますが、こちらは大雪渓入口から稜線目指して登って行く様子です。大雪渓から登ってきた場合、左の画像の赤丸部分が一番取り付きやすい箇所です。しかし、ご覧のように、赤丸部分はもう積雪がありません。そのため、滑走ルートに近い青線のコースで登って行くか、右側の肩の小屋方面から登山道を経由して登ってください。

6月10日(日)の速報でもお伝えいたしましたが、一人でも取り付きやすいルートを登ると、それに続くほかの方も同じルートを登ることになり、積雪のない地面を硬いブーツ底で何度も踏みつけられると、高山植物の植生に影響を与え、また、繁殖期を迎えた雷鳥への影響も懸念されます。

一人一人の行動が大きく影響を与えますので、ぜひとも、ご協力ください。

 

バテないようにゆっくり歩く...

他のスキーヤー・ボーダーから遅れて歩くこちらのお二人。今日はバテないようにゆっくり歩いて行きます。こちらの息子さんは昨年初めてお越しになりました。そのときは春山バスに乗り物酔いしてしまい、かなり辛そうな状況でしたが、今年は車酔いすることもなく順調な足取りです。

 

一歩一歩着実に...

お父さんにボードを持ってもらって一歩一歩着実にアイゼンの歯を食いつかせて登ります。

 

摩利支天岳 − 2008年以降最も多い積雪量

稜線に向けてしばらく登ると眼下には摩利支天岳を望むことができます。今回は定点に到着した段階では視界不良で左の画像しか撮影できませんでしたので、別の角度の画像を補足掲載します。2008年以降、最も多い積雪量です。

 

【稜線】

こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。画像の左側が蚕玉岳山頂(標高2979メートル)に続き、画像右側が朝日岳山頂(標高2975メートル)に続いています。

 

大雪渓方面への滑走エリア 蚕玉岳方面の尾根−2008年とほぼ同じ積雪量

左の画像は大雪渓方面へ滑り込む箇所。今後、雪解けが進み、大雪渓上端に接続する部分に岩場が出てバーンが途切れてくると、滑走できなくなります(画像の左下付近です)。例年、6月中旬〜下旬まで滑走可能です。

右の画像の蚕玉岳方面の尾根、この一週間の雪解けがやや目立ちます。先週は2007年以降の過去5年間で最も多い状態とお伝えしましたが、2008年とほぼ同水準まで雪解けが進みました。

 

ノリクラ4年目 −足取り軽く... そして、さらに力強く登って行く

今年でノリクラも4年目。最初の年はお父さんにボードを持ってもらって登っていました。しかし、今は自分で背負って登るのはもちろんのこと、お父さんを追い越して、さらに自分だけ先に一本滑って登り返しています。

天候の回復が足取りを軽くしていますが、この4年間で足取りの力強さも身について来たようです。

 

岩の頭が出始める(つづら折れの登山道の一部) − 2010年よりも一週間遅く、2009年とほぼ同じ状況

稜線から滑り込むエリアにはご覧のように岩の頭が出始めました。この付近だけは増雪期の積雪が少なかったのか、積雪の少なかった昨年とほぼ同じ状態で、他のエリアと異なった様子が見られます。雪解けの推移としては、2010年よりも一週間遅く、2009年とほぼ同じです。2008年は雪解け推移は例年と異なって比較できませんが、過去4年間と比べても、この付近の積雪量はほぼ例年並みと考えられます。

 

稜線からの滑り込み

そして、稜線からは何人ものスキーヤーが飛び込んで来ます。

 

気持ちよくターンを描く

午前中はほとんど日差しがなく、バーンがひどく緩むこともなく、滑走しやすいコンディション...

 

快適に滑り降りるシーン − 登山の方、ちょっとうらやましそうな様子...

快適に滑り降りるスキーヤーを見る登山の方は少しうらやましそうな様子です。

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2011/06/11〜12) C
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) C

今週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2007年に次いで積雪量の多い状態

こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。昨年よりも明らかに多い積雪量です。先週と同様、過去5年間で2007年に次いで積雪量の多い状態です。

 

今週と積雪量が同じ時期の昨年画像 − 一ヶ月近い開きがある
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) G

今週の積雪量とほぼ同じ時期に撮影した昨年の画像。撮影時期は5月中旬で、一ヶ月近くの開きがあることがわかります。

 

昨年の権現ヶ池
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2011/06/11〜12) C
今週の権現ヶ池
2007年に次ぐ積雪量
昨年の朝日岳
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2011/06/11〜12) C
今週の朝日岳
例年並みの積雪量に減少

御岳の二ノ池に次いで国内二番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)は、先週は過去5年間で2007年とほぼ同じ積雪量と申し上げましたが、今週は少し雪解けが進んで、2007年に次ぐ積雪量です。また、先週は池の中の雪解けした水面が一箇所確認されましたが、今週は二つに増えています。

そして、朝日岳も今週の雪解けが目立ち、先週は2007年並みの積雪量とお伝えしましたが、今週は2007年→2010年→2009年に続く状態で、稜線直下のエリアと同様、例年並みの積雪量に減少しています。 Next

 

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