ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.13(2012/08/04〜05) @

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(Update:2012/08/09)

 

8月最初のノリクラ雪渓カレンダーをお届けします。

8月に入って、太平洋高気圧が安定してきた様子が感じられます。真っ青な青空が広がり、雪のやわらかく緩んで滑走しやすくなり、サマーシーズンの中でも、今回は「ど真ん中の夏」を味わうことができました。

取材一日目の8月4日(土)は、雲ひとつない真っ青な快晴の朝から始まります。気温はこの時期としては低めの10℃、このひんやりとした空気が一日中続いたこともあって、今日は午後になっても、雷雨や夕立に見舞われることなく、また、そんな気配すら感じさせない安定した天候の一日が続きました。ひんやりとした空気は、透明感あふれる空気でもあって、遠景の山並みは秋のような水墨画の織り成す光景が、日が高くなっても続きました。それでもやはり日差しは強く、大粒の汗を額から噴出しながらヒルクライムする様子もありました。そして、正午前から雲が湧き上がるものの、山麓から湧き上がるものではなく、むしろ山麓からは心地よいそよ風が絶えず吹き抜けていて、その風に吹かれる心地よさは、至福の時といってもよいでしょう。

取材二日目の8月5日(日)も、昨日同様に雲ひとつない快晴の朝から始まります。少し昨日とは異なるところは、朝一番から灼熱の太陽に肌をも焦がす勢いがあり、ノリクラ特有のさわやかな空気も暑さに負けてしまうほど。ヒルクライムは大粒の汗がほとばしります。青い空と白い雲のまさに夏空が広がります。ただ、早朝からの灼熱の太陽がもたらす天候のサイクルが、夏山特有の天候を見せ、10時過ぎには空全体が雲に覆われて、強い日差しも遮られると、再びさわやかな空気が舞い戻り、火照った体をクールダウンさせてくれます。また、今日もたくさんのヒルクライマーが訪れ、県道乗鞍岳線や位ヶ原山荘などを埋め尽くします。ただ、天候はそれ以上の変化は見せず、午後は曇りの時間帯が多くなりますが、雷雨・夕立に見舞われることなく、夏のノリクラを満喫できた一日でした。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【8月4日(土)、観光センター前駐車場】       【大雪渓までの沿道の風景 T】
Page-2 : 【大雪渓までの沿道の風景 U】       【大雪渓に到着】
Page-3 : 【雪渓下部 T】       【雪渓下部 U】
Page-4 : 【雪渓下部 V】       【雪渓下部 W − モーグルコース】
Page-5 : 【雪渓中段】       【肩の小屋】
Page-6 : 【雪渓上部】
Page-7 : 【8月5日(日)、今日も夏空・ヒルクライム】
Page-8 : 【畳平、お花畑】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記「カラス」>
 
●参考資料●
(周辺地図) − ノリクラ ガイドマップ (春〜夏スキー 大雪渓・山頂版)      ノリクラ ガイドマップ (県道乗鞍岳線カーブ番号版)
(シャトルバス) − 2012シーズン版 乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報

 

【8月4日(土)、観光センター前駐車場】

満月に照らされる観光センター前駐車場

こちらは前日の8月3日(金)、夜の観光センター前駐車場の様子。明るい満月の夜を迎えています。月明かりではっきりと影ができるほどの明るさで、夜中であってもノリクラの様子をしっかり確認することができるはずですが、今晩は西の空には雲が掛かってノリクラの峰々を確認することができません。

 

空気には霞みが全くなく、クレーターの形すらわかるほどです。

 

翌朝の観光センター前駐車場

そして、一夜明けた早朝5時30分の観光センター前。

 

モルゲンロートのノリクラが役目を終えた満月を出迎える

夜空を煌々と照らし続けた月が西の空に帰って行こうとしています。そんな満月を出迎えるかのようにノリクラの峰々が真っ赤に染まりはじめました。

 

気温10℃、ひんやりとした朝 − 雲ひとつない快晴

気温は10℃。力強い朝日が差し込みはじめ、雲ひとつない快晴の朝が始まりました。この時期の気温としては若干低めで、ひんやりとした朝を迎えます。

 

シャトルバス乗車券販売所

ご覧のような申し分ない天候ですから、シャトルバスは始発便から通常通りの運行が始まります。

 

そして、いつものようにタクシー乗り場には運転手の方々が集まっています。運転手さんの中から、「さぁ〜みんなこっち来て!写真撮影するから...」と、仲間の運転手さんを並べます。

 

お客さんに「写ってたよ」っていわれるのがうれしくてね〜

「ほら〜、お客さんにさぁ〜、WebSiteに写ってたよって言われるのがうれしくてねぇ〜」

おそらく、全員が集まるのは朝一番だけ。乗客の方がお越しになると、順次業務開始となり、タクシー乗り場からは一台ずつ発車して行きます。ハイシーズンになると、週末やお盆などを中心に、すべての車両が出払ってしまうほどの忙しさです。

タクシーの利用方法としては、片道・往復での利用や、一日貸切という方法もあります。また、事前予約や往路乗車時に復路の予約も可能ですから、ご利用形態にあわせて相談してみてください。

 

こちらは始発便を待つシャトルバス専用乗り場。

 

マイカー規制に関するアンケート実施

今日は県道乗鞍岳線を管理する長野県松本建設事務所による、マイカー規制に関するアンケートが実施されました。シャトルバスを利用される方のほか、観光センター駐車場を利用される方も協力いただき、8月下旬にも実施が予定されています。

 

そして、シャトルバス始発便が到着します。

 

今日の始発便は2台運行

今日の始発便は2台が運行されました。ハイシーズンを迎えると、始発便を利用される方々が増加する傾向が見られますが、やはり、夏山特有の天候の推移を考えれば、朝一番にいち早く出発することは、もっともなことでしょう。

真夏でも涼しいとされている乗鞍高原でも、やはり日中は暑いもの。朝から強い日差しが差し込むと、8時過ぎには額から汗がほとばしる状態となりますから、時間帯の早い便に乗車して暑さから「脱出」することをオススメします。

 

ヒルクライムの準備 ノリクラ初めてなんですよ〜

今日もやはり自転車の方々の準備風景が駐車場内のあちこちで見られます。6時前から準備を始めていらっしゃるこちらの方々。朝早くから出発する方の中には、1日に2往復される方もいらっしゃいます。「ノリクラは初めてで、1往復だけで精一杯ですよ。国道158号線の混雑を懸念して、早くやってきました。」

国道158号線は松本と高山を結ぶ道路で、沿線には乗鞍岳への発着拠点である乗鞍高原やほおのき平のほか、上高地に向かうシャトルバス・タクシーの発着拠点である沢渡(さわんど)や平湯温泉などがあり、また、それぞれの拠点が一大観光地でもあるため、ハイシーズンを迎えるとマイカーが集中します。混雑の激しいときは、上高地に向かうために沢渡周辺では駐車場待ちのマイカーがあふれることがあるようですが、乗鞍岳シャトルバスの拠点である乗鞍高原やほおのき平では、駐車場周辺で渋滞が発生するほどの混雑はありません。

 

突き抜けるほどの真っ青な快晴

青空が突き抜ける快晴が続きます。夏山の朝一番はこの快晴から始まります。

 

【大雪渓までの沿道の風景 T】

ここからは大雪渓までの沿道の様子をお伝えします。

 

オオマツヨイグサ

今年は若干遅めの開花を見せているオオマツヨイグサ(大待宵草、アカバナ科マツヨイグサ属)。北米原産の帰化植物で、同じアカバナ科マツヨイグサ属には125種類もあっていずれも北米原産です。

これだけ種類の多い植物ですが、植物学の発展に寄与した重要な植物でもあり、20世紀初頭のオランダ植物学者であるド・フリースが、突然10種類近い植物が発生したことを突き止め、この研究から遺伝学で名高い「突然変異説」が唱えられたことでも有名です。

 

高い位置に白い花が咲く

沿道周辺の木々をよく見ると、少し高い位置に白い花を見つけることができます。

 

ノリウツギ − シャトルバスの車窓と同じくらいの高さ

ノリウツギ(糊空木、ユキノシタ科アジサイ属)は、ちょうどシャトルバスの車窓と同じくらいの目線に咲いていますので、一目でわかるはずです。また、ヤマアジサイと異なって、日当たりのよいところにありますから、容易に見つけられます。

 

朝の木漏れ日 ニワトコ

朝の木漏れ日に照らされるのは、ニワトコ(庭常、別名:接骨木、スイカズラ科ニワトコ属)。ご覧のようにすでに赤い実ができています。5〜6月の乗鞍岳春山バスが運行されるころには、白い花が咲いていたはずです。

 

三本滝ゲート − この先マイカー規制

観光センターから約7kmほどのところにある三本滝ゲート。マイカー規制はここから実施されます。

 

かもしかゲレンデ ダイレクトな朝日

三本滝ゲートをさらに進むと、県道乗鞍岳線はかもしかゲレンデを縫うように横切ります。ダイレクトに差し込む朝の太陽はさらに力強さを増して行く一方です。

 

ヤナギラン − そろそろ見頃に

かもしかゲレンデもそろそろヤナギランの季節を迎えようとしています。ピンク一面に染まるようになるまで、あと少しです。

 

クガイソウ − 葉が9段

少し目が慣れてくれば見つけられますが、尾のような紫色の花があちこちに咲いています。クガイソウ(九蓋草、九階草、ゴマノハクサ科クガイソウ属)です。特徴的な形状の花に注目されますが、こちらの花の名前は、輪生した葉が段状についているところから命名されています。「九」という数字は1〜9のうちで一番上の数字で、中国の陽の数字の中で最上位にあり、「多数」を意味するとされています。「蓋」は従者が法会の導師にさしかける柄の長い傘のことで、輪生の葉を傘に見立てたところからきているようです。また、「階」は輪生の葉が9段あったところからとされていますが、実際には9段でない場合もあるようです。

 

アラゲハンゴンソウ

こちらはアラゲハンゴンソウ(粗毛反魂草、別名:キヌガサギク、キク科 オオハンゴンソウ属)、帰化植物として各地で除去作業が行われるオオハンゴンソウの仲間で、北米原産の植物です。明治時代に観賞用として持ち込まれ、各地で野生化しつつあるとされています。

また、要注意外来生物として環境省から指定されているオオハンゴンソウと、在来種のハンゴンソウは、セイヨウタンポポとミヤマタンポポのような近種の関係ではなく、全く別の植物です。葉がハンゴンソウに似ていて、花がハンゴンソウよりも大きいというところから、「オオハンゴンソウ」と、命名されているようです。

 

とにかく今日は青空がいつまでも続きます...

 

マルバタケブキ − 丸い大きな葉が特徴

さて、先ほどのアラゲハンゴンソウと似たような黄色の花。マルバタケブキ(丸葉岳蕗、キク科メタカラコウ属)も、ハンゴンソウと同じように葉の形状から命名されています。蕗のような大きな丸い葉が特徴です。

 

「いつもWebSite見てます!」

県道乗鞍岳線の8月と言えばヒルクライムのハイシーズンの時期。今日もたくさんの自転車が行き交います。「いつもWebSite見てます!」と、声をかけて走って行きます。こんな一言が結構うれしいものなんです。

 

大会本番も練習もママチャリで!

ヒルクライムで使用される自転車は、ロードサイクルかマウンテンバイクが主流で、車体も非常に軽量なものが選ばれます。そのため、街乗り用のいわゆる「ママチャリ」でのヒルクライムはまず無理...そんな中、ギヤ変速のできないママチャリでヒルクライムできるのは、この方以外には絶対に存在しないと考えられます。

今日は、8月26日(日)に開催される全日本マウンテンサイクリングin乗鞍のための練習走行です。ママチャリはロードサイクルでもマウンテンバイクでもありませんが、大会のカテゴリーとしてはロードサイクルに属します。

 

今年の大会も楽しみです

さて、今年の大会では、どんなコスチュームで出場されるか楽しみです。 Next

 

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