ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.19(2012/09/15〜16) A

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(Update:2012/09/20)

 

【大雪渓までの沿道の風景 U】

標高2000メートル、摩利支天付近

中腹とか山麓など山域のエリアを表現する言葉があります。こちらは標高2000メートルの摩利支天付近。WebSiteでは山頂・大雪渓付近から乗鞍高原あたりまでの様子をお伝えする際に、乗鞍高原付近を山麓と表現し、標高2230メートルの冷泉小屋から摩利支天付近を中腹と読んでいます。他のメディアや書籍などの表現と異なる場合がありますが、あらかじめご了承ください。

 

「今年は紅葉がおそいねぇ〜、一雨降らないと枯れちゃうよ」

中腹エリアのダケカンバに部分的に黄色が点在する様子が見られます。「今年は紅葉がおそいねぇ〜。一雨降らないと枯れちゃうよ。」と、毎年の紅葉を車窓からチェックしているタクシーの運転手さんがそんなことを言い残して行きました。

 

葉の状態がよくないと紅葉前に枯れてしまう

確かに日照りや乾燥が続いて葉のコンディションが芳しくないと、紅葉が見頃を迎える時期まで持ちこたえることができず、色の変化が始まると同時に枯れてしまうことは多々あります。

 

冷泉小屋前 ダケカンバ

紅葉情報は6ページ目からエリアごとに紹介いたしますので、詳細な様子はそちらでご覧ください。ただ、中腹エリアで感じられることは、色づき始めてたダケカンバの葉の状態が、上部エリアと比較して、良いものが多いことです。

 

こちらでもツリバナの実が見られる

さて、1ページ目でツリバナを紹介いたしました。こちらでもツリバナが実をぶら下げている様子があります。

 

3裂にはじける − ムラサキツリバナ(高山植物)

よく見るとこちらは5裂ではなく3裂です。ムラサキツリバナ(紫吊花、別名クロツリバナ、ニシキギ科ニシキギ属)です。5烈がツリバナ、3裂がムラサキツリバナと来れば4裂は?...

4裂はヒロハノツリバナという種類になります。ムラサキツリバナやヒロハノツリバナは、亜高山帯〜高山帯に自生し、高山植物の一種と考えたほうがよさそうです。

 

そして、標高2350メートルの位ヶ原山荘を通過すると。

 

森林限界を超えて − 空の青さが一段と深まる

空の青さが一段と深まります。遠目で俯瞰してもダケカンバの黄色が目に止まるようになって来ました。

 

雲がわき始める − 天候は一気に急変へ

そして、どんなに晴れていても雲がわき始めると一気に天候が急変するのが森林限界より上のエリアの特徴。

 

雲が青空を飲みこんで行きます。

 

上空は雲に覆われてきた 大雪渓に到着

雲が掛かり始めてものの1時間もしないうちに大雪渓周辺は完全に雲に覆われてしまいました。この後、大雪渓エリアは不安定な天候の様相が見られるようになってきます。

 

【大雪渓に到着】

シャトルバスの到着した大雪渓・肩の小屋口バス停(大雪渓入口)

シャトルバスが到着するたびに登山の方や雪渓に向かう常連のスキーヤーの方が降り立ち、バスが到着する毎に、ににぎやかな光景が繰り返されます。

 

現在滑走可能は雪渓上部左側のみ(画像上) 「えぇ〜、あそこまで登るのぉ〜!」

この時期、滑走可能なエリアは雪渓上部左側のみ。左の画像の遠くに見える部分です。軽装な日帰り登山とは異なり、ザックにはスキー板をブーツを背負って向かうため、辛いと感じるスキーヤーも多いようです。

雪渓上部左側は山頂への登山道のすぐ下に位置しています。登山道が稜線に到達する箇所の直下にあり、時には雪渓から登山道を行く方々の声も届くほどの距離です。ですから、雪渓に向かうということと山頂登山とは、ほとんど同じ程度の負荷があると言えます。

また、それだけ近いと雪渓から直接稜線(登山道)へ行くことが可能と考えられますが、雪渓の上方は砂礫地帯か落石多発地帯で歩くことは困難です。
大雪渓入口から間違えてスキーヤー専用道を進んだ登山客が、落石多発地帯を強引に登って行こうとするケースがごく稀にあります。しかし、その下を滑っているスキーヤーにとっては危険極まりないことで、登っている本人も落石に遭遇するケースがあります。(そのたびに正規のルートをご案内させていただいている次第です。)

 

「今シーズンのノリクラ通いは今日が最後です」

さて、こちらの常連の方、今シーズンのノリクラ通いが今日で最後...

 

「これからはWebSiteでノリクラに来た気分にさせてもらいますよ〜」

「これからはWebSiteでノリクラに来た気分にさせてもらいますよ〜」と、言い残して最後の一日に向けて出発です。 Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

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