ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.19(2012/09/15〜16) G

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(Update:2012/09/20)

 

【紅葉情報−位ヶ原山荘付近(標高2350m付近)】
★まだ始まっていません(例年の見頃:9月下旬〜10月上旬)★

先週の屋根板・富士見沢
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.18(2012/09/08〜09) G
今週の屋根板・富士見沢
あまり変化が見られない

大雪渓・位ヶ原エリアと同様、森林限界である位ヶ原山荘付近まではダケカンバとウラジロナナカマドの2種類で紅葉が形成されています。先週と比べて大きな変化はありません。

 

ダケカンバが部分的に黄色

また、位ヶ原エリアと同様にダケカンバが部分的に黄色くなっている様子が確認できます。

 

位ヶ原山荘前 − ヒルクライマーが行き交う

今日もたくさんのヒルクライマーが位ヶ原山荘前を通過して行きます。

 

紅葉シーズンを迎えると位ヶ原山荘周辺はにぎわう

紅葉シーズンが本格的な時期になると、周辺を散策される観光客やカメラマンが位ヶ原山荘で休憩される様子が多くなり、位ヶ原山荘が一年で最も忙しい時期となります。

 

【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近(標高2220〜2000m付近)】

★まだ始まっていません(例年の見頃:9月下旬〜10月上旬)★

冷泉 − まだ変化はない

中腹の冷泉小屋から摩利支天付近はダケカンバ、ウラジロナナカマド以外の広葉樹が増えてきて、彩りにバリエーションが見られるようになってきます。

こちらは冷泉周辺、まだ、色合いの変化はほとんど感じられません。

 

ダケカンバ − 部分的な黄色、位ヶ原エリアより少ない

位ヶ原エリアと同様にダケカンバの部分的な黄色が見られます。ただ、位ヶ原エリアよりも幾分少なめです。

 

冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ)

冷泉小屋と魔利支天バス停の中間付近にあり荒田橋(あれたばし)を少し下ったあたりの28号カーブ付近。

 

ウラジロナナカマドの紅葉 − 上部エリアよりも綺麗 ミネカエデ − 中腹エリアは紅葉の種類が多くなる

ウラジロナナカマドが赤くなっている様子が部分的に見られます。上部の大雪渓・位ヶ原エリアよりも綺麗な状態です。また、ミネカエデなど上部エリアでは見られない紅葉も数多く分布するのが中腹エリアの特徴で、紅葉の色合いに多くのバリエーションが見つけられます。

 

昨年の冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ)
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2011/09/15〜16) E
2009年の冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ)
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2009/09/19〜20) F

上段は昨年同時期のもの、下段は綺麗な紅葉を見せた2009年の同時期のもの。2009年はすでに見頃に近い状態まで色付いていました。今年の色付きの遅さがよくわかります。

 

中腹エリアは霜枯れが少なく、今後が期待

現在、色付きが遅くても、中腹エリアは上部エリアのような霜枯れのダメージは比較的少なく、時期が訪れれば綺麗な紅葉を見せてくれるでしょう。

 

今後は紅葉の回廊の中を行くヒルクライムがお勧め

紅葉の回廊の中を行くヒルクライムも楽しいものです。そんな時期が到来するまで1〜2週間程度の辛抱でしょう。

 

【昨年の今ごろは?】

2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2011/09/15〜16) @

9月15日(木)は、雲ひとつない快晴の朝を迎えます。通常、快晴の朝は、放射冷却によって、ひんやりとした空気が流れますが、今朝は気温は10℃と冷え込むものの、体感的には全く寒さを感じさせない状況。日が高くなるにつれて、じりじりと肌を焦がすほど太陽は力強くなり、風がなくなると気温以上の暑さを覚えるほど。いつもなら、西、または、北から吹き抜ける風が、今日は終始南風で、秋とは思えないばかりか、いつものノリクラとは少し状況が異なっていました。空気の雰囲気と太陽の力強さは夏であっても、青空がいつまでも続き、その点はやはり秋であることを感じさせてくれました。

9月16日(金)は、筋状の高い雲がたなびく空が広がります。快晴だった昨日とは異なる点はそれだけで、空気の感覚、風の吹き方、気温の状況などは、まったくといっても良いほど同じ状況がでした。

今週の紅葉は、大雪渓・位ヶ原などの上部エリア、そして、冷泉小屋から摩利支天に掛けての中腹エリアの両者ともに、葉の状態が良くないものが増えてきています。紅葉が本格的に始まる前に、多くの木々で枯れた状態が見られるのは、これまであまり例がありません。

 

<編集後記>

「紅葉の存在意義...」

植物が花を咲かせるとき、最初に雄しべが成熟して花粉を放出し、その後、雌しべが成熟して行くという過程を踏むものがあります(雄性先熟)。それは、自家受粉を避けるための仕組みと考えられています。

生物はその環境に適応するために色々な進化を続けているといわれ、どうして雷鳥の足はウサギのように毛で覆われているのかなど、理由が明確に説明できるものが数多く見られます。

紅葉は光合成を行う緑色のクロロフィルが分解され、元々存在していた黄色のカロチノイドが目立ってくると黄色の紅葉に、また、葉の中に含まれている糖分からアントシアニンが作られると赤い紅葉になるとされています。アントシアニンが生成される過程と落葉するメカニズムとは関連性があり、葉柄の付け根に離層ができることで、それまで茎側へ移動していた糖分が葉内に蓄積されてアントシアニンが生成されます。このように冬を迎える準備と紅葉には多少なりとも関係がありそうですが、紅葉そのものの存在意義は何であるのかという点は解明されていません。

 

キク科の黄色の花弁 − 多くの虫たちをおびき寄せる
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.14(2010/08/13〜15) C
赤や黄色の紅葉 − 多くの人々を引き寄せる
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2011/09/29〜10/01) F

話が飛躍しますが、身近なところではヒマワリ、高山植物ならウサギギクなどのキク科の植物は、中心部分にたくさんの小さな花の集合体(筒状花)を持ち、その外周に大きな目立つ花弁を持っています(舌状花)。舌状花の黄色には強烈に紫外線を反射して、多くの虫たちをおびき寄せる働きをしているといわれています。
紅葉の存在意義は解明されていないものの、赤や黄色の紅葉に多くの人々が引き寄せられていることは事実ですね。ですから、人間から見た場合の紅葉の存在意義は、観光産業的には大きな意味があるといえます。

 

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