ノリクラ 雪渓カレンダー
 
プレリリース版 Vol.3(2013/04/06) D

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(Update:2013/04/12)

 

【位ヶ原】

位ヶ原

ツアーコースを登りきった先の位ヶ原。標高約2500メートルの台地は、森林限界を超えるため、ツアーコースとは異なり、目印となる木々が極端に乏しくなってきます。

 

頂上付近に雲が掛かり始める 肩の小屋も霞んで見えない

12時の位ヶ原の気温は0℃。剣ヶ峰(けんがみね、標高3026メートル)や摩利支天岳(まりしてんだけ、標高2872メートル)の頂上付近には雲がかかり始め、その中央の鞍部にある肩の小屋(冬季閉鎖中)も、その姿が雲に飲み込まれています。

目印の乏しい位ヶ原よりも上部エリアは、ご覧のように視界が効かなくなってくると、方角がまったくわからなくなり、下山が困難な状況となりますので、このような状況になる前に、ツアーコースに戻っていなければなりません。

 

ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 山頂版(別ウインドウ)

ツアーコースの状況については、ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版 でお伝えしておりますが、それよりも上部については、ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 山頂版 をご覧ください。

 

昨年の位ヶ原
2012ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2012/04/07) D

先週の位ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2013/03/30) C
今週の位ヶ原
先週より5センチ減少、昨年より30センチ少ない

位ヶ原の積雪量は先週と比べて10センチほど減少し、昨年よりも30センチ程度少ない状況です。

 

大雪渓方面から下山滑走 今年は肩の小屋方面は雪が少ないですねぇ〜

そんな中、大雪渓方面から下山滑走されてきた方がいらっしゃいます。ツアーコース入口急斜面のところでスキーアイゼンをはずされていた方ですね。

肩の小屋から朝日岳の中腹まで登ったところから下山滑走されたとのことですが、「かなり固めの雪質ですが、大雪渓内はシュカブラも少なく滑走しやすかったです。でも、肩の小屋からの登山道周辺はハイマツ帯がすでに見えていて、かなり積雪が少ない状況には驚きました。」

 

3月中旬以降は雪解けが急激に進む

3月中旬以降は雪解けが急激に進んで、元々雪着きの薄い尾根部分や稜線を中心にハイマツ帯や岩場が見え隠れしています。4月下旬ごろまでは降雪が見込まれる時期ですから、今後の降雪状況に期待したいところです。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2013/03/30) C
今週の大雪渓入口
先週より20センチ増加

こちらは大雪渓入口付近。先週よりも積雪が20センチ程度増加していることがわかります。標高2500メートル付近の位ヶ原、及び、標高2000〜2500メートルのツアーコースの積雪が減少傾向を示している中で、標高2600メートルの大雪渓入口付近では逆の現象を見せています。

今後、4月下旬ごろまでさらに積雪量が増えることが予測されます。

 

トイレ小屋(冬季閉鎖中) − 利用可能は5月下旬以降

大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。この時期はどちらの小屋も閉鎖されていて使用できません。利用できるようになるのは、乗鞍岳春山バスが大雪渓まで延長運行される5月下旬〜6月上旬以降です。

 

今後、春山バスでお越しの方は、位ヶ原山荘などのトイレをご利用下さい

乗鞍岳春山バスは、例年、ゴールデンウィーク初日に運行が開始されますが、大雪渓まで延長運行される5月下旬〜6月上旬までは、途中の位ヶ原山荘(標高2350メートル)までの運行です。そのため、位ヶ原山荘で下車したスキーヤー・ボーダーの方々は一斉に山頂方面を目指し、途中でこの付近を通過して行きます。しかし、こちらのトイレはまだ使用できませんので、下車した位ヶ原山荘のトイレを利用するようにしてください。

そして、先ほどまで山麓の山々が確認できていましたが、右の画像の通り、遠景は完全に雲に包まれています。もう少し正確に言うならば、遠景が雲に包まれたのではなく、この付近が雲に包まれているわけで、この雲がもう少し低くなってくると、完全にホワイトアウトになり危険な状態となります。

 

先日までのシュプールがそのまま固まる

バーンは冷えて硬くなり、先日までのシュプールがそのままの状態で固まっています。

 

30分ほどで天候は急変 − 視界不良とひどい吹雪に

30分ほど前まではノリクラの輪郭がはっきりわかっていたものの、ご覧のようにすぐ目の前すらわからなくなってきました。こうなると右の左もわからなくなり、身動きが完全に取れなくなります。さらには上下関係もわからなくなり、歩いていても登っているのか下っているのかも怪しくなってきます。

そして、昨日までのトレース・シュプールやシュカブラ(風紋・雪紋)がそのまま凍り付いて、足元すらはっきり見られない状況で、足を取られて転倒する危険もあります。

このようになるまえに、ツアーコース内へ下山しなければなりません。

 

<編集後記>

「スキー人口、サイクリング人口、マラソン人口...」

この週末をもって、Mt.乗鞍の営業が終了し、ゲレンデスキーのシーズンが終了いたしました。年末年始の利用者数は昨年よりも10%も落ち込んだものの、2月連休はそれを回復する状況があって、最終的には昨年以上の利用者数となる見込みとのことでした。Mt.乗鞍だけでなく、各地のスキー場で回復傾向が見られるのも今シーズンの特徴のようです。

おそらく、当WebSiteを愛読されている方々の中には、1990年代前半のスキーブームを実際に体験されている方も多いのではないかと思います。確かにその当時と比べると、どこのスキー場もガラガラ状態と言えます。90年代前半のスキー場は、チケットを購入する長蛇の列に並び、チケットが購入できたら、扇型に広がるリフト乗り場の列に並ぶ...とにかく、列に並ぶ時間のほうが実際の滑走時間よりもはるかに長い状態でした。

もちろん、スキーブーム真っ只中ですから、夏の大雪渓もサマースキーヤーでかなりの賑わいが見られました。当時はマイカーで自由に大雪渓へ訪れることができましたから、その混雑振りは想像以上のものでした。

【参考 : マイカー規制前の県道乗鞍岳線・乗鞍スカイラインの様子(渋滞)】

マイカー規制前の畳平駐車場 − 早朝から満車
2002ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2002/08/03) C
マイカー規制前の乗鞍スカイライン − 渋滞の列は1km以上
2002ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2002/08/03) C
マイカー規制前の大雪渓付近 − 上下線とも渋滞 
2002ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2002/10/12) A
マイカー規制前の大雪渓付近 − 路上駐車も
速報 2002/08/04

深夜、大雪渓駐車場に到着してまず最初に行うのが、滑走場所を確保のため、懐中電灯片手に雪渓にレーシングポールを立てること...そして、続々と訪れるマイカーが大雪渓駐車場でひしめき合うようになり、夜が明けてみると、運転席のドアが開けられないほどびっしりと車が停められています。そして、大雪渓のほうを見てみると、滑るところがないほどレーシングキャンプのポールが林立しているのが夏の大雪渓の光景でした。

現在では考えられませんが、スキー専門誌で乗鞍大雪渓でのサマーキャンプ開催広告が幾つも掲載されていて、大雪渓はどこを見てもレーシングキャンプ一辺倒でした。そんな状態ですから、個人でやってきてもフリー滑走する場所すらないほどでした。

スキー人口は1993年の1860万人(レジャー白書 − 公益財団法人日本生産性部)をピークに急激に減少し、2011年には630万人にまで激減しています。ボード人口340万人とあわせても970万人で半分程度に縮小してます。

乗鞍高原にはMt.乗鞍という大きなスキー場があるため、ウインターシーズンが重要な時期であることは間違いありません。しかし、ウインターシーズンは年間の3分の1に過ぎず、また、サマーシーズンである県道乗鞍岳線の開通期間は7月〜10月で、スキーシーズンと同じく年間の3分の1あります。

県道乗鞍岳線を利用して行われるサマーシーズンの主なレジャーは、登山・ヒルクライム・マラソンですが、前述のレジャー白書では2011年のサイクリング人口は1580万人で、スキー・ボード人口をはるかに凌いでいます。また、ジョギング・マラソンに至っては2950万人とスキー・ボード人口の3倍以上にも達し、余暇活動の参加人口上位20位に初めてラインクイン(17位)していて、好調な増加を見せています。

ノリクラでのヒルクライムやマラソンはかなり過酷ですから、サイクリングやジョギング・マラソン人口のごく一部しか対象にならないと考えられるものの、予備軍などを含めてその裾野はスキー以上に広いことが予測できます。

今年のツアーコースで出会う方の中には、天空マラソンに参加されていて、今年初めてツアーコースにお越しになったという話を耳にします。最も厳冬期の冬山という感覚ではなく、マラソンの延長のような雰囲気でお越しになるのは、一歩間違えれば危険と隣り合わせとなります。しかし、このようにマラソンというあるきっかけを起点に、シーズンを通してノリクラにお越しになる方がいらっしゃるということは、もっと潜在的なニーズがあるということだと思います。

そして、冬のツアーコースにお越しになる方から「WebSiteは夏もやっているんですねぇ〜」と、お声をかけていただくことが多々あります。冬にお越しになっている方が夏に、逆に夏にお越しになっている方が冬にも訪れ、一年を通してノリクラを楽しんでいただけたら幸いかと思います。

 

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