第8回 乗鞍天空マラソン
 
(2013/06/22〜23) @

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(Update:2013/07/03)

 

今年も乗鞍天空マラソンがやってきました。

登りだけが18km続いたあと下りばかりが12km続くコースは、通常のマラソンのようなペース配分を計算するなんて余裕はありません。どの選手にお話をお聞きしても、「とにかく完走することだけが目標!」と、おっしゃる過酷なレースです。それでも、ゴールを終えたときには「また来年も出場したい!」と、必ずおっしゃいますから、本当に不思議な大会です。

2005年まで続いた宮様杯乗鞍フィーゲルスキー大会に引き続き、2006年から始まった乗鞍天空マラソン。第1回は約330名で大会が始まりましたが、ここ数年は200人ペースで参加者数が増え続け、今年はついに2000名を超えるまで大きくなりました。

マラソンブームという追い風に加えて、国内ではほとんど見られない森林限界以降の高山帯がコースに含まれて、残雪が広がる山岳地帯を走ることができる点が大きな魅力といえるでしょう。バックカントリーと同じ世界を走る体験は他には味わえないはずです。

それでは、前日の大会受付から当日のスタート、そして、競技中の選手の模様など、乗鞍天空マラソンのそれぞれの一コマをお伝えしたいと思います。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【6月22日(土)、大会前日の受付会場】
Page-2 : 【6月23日(日)、大会当日】       【開会式】
Page-3 : 【一斉にスタート】
Page-4 : 【駆け上がるランナー】       【大雪渓目指して】
Page-5 : 【雪の大壁】       【大雪渓のエイドステーション】
Page-6 : 【下山は舞い上がりながら駆け抜ける】       【いよいよ、三本滝ゴールへ】       <編集後記>


●参考資料●
(表) − 【6月22日(土)〜6月23日(日)の大会日程】   (Page-1)
(画像) − スタート地点から望む、折り返し地点(18km地点 大雪渓)の場所   (Page-1)
(表) − 【各エイドステーションの概要】    (Page-3)
(地図) − 乗鞍天空マラソンコース地図    (Page-3)

 

 

【6月22日(土)、大会前日の受付会場】

観光センター周辺

レース前日、大会会場である観光センターでは大会受付が14時から行われます。周辺では天空マラソンの幟が立ち並んで、レースの雰囲気を盛り上げています。

大会開催に伴って、交通規制などが実施されます。
右の画像の看板が立つ観光センター前から三本滝ゲートまでの約7kmの区間は、明日のレース当日の7時30分から9時30分の2時間通行止めとなります。また、これに関連して、乗鞍高原から大雪渓まで1日4便運行される乗鞍岳春山バスは全便運休です。

 

大会会場の観光センター − 小雨が降る

こちらが大会会場の観光センター。時刻は13時を過ぎたところ。ご覧のように傘を差している方もいらっしゃり、小雨が降っています。

 

【6月22日(土)〜6月23日(日)の大会日程】
  時刻 実施項目
6月22日(土) 12:00〜13:00 トレールラン(プレイベント、事前に申し込んだ300名)
<グレートマウントノリクラ TRAIL TRAIL 12k>
13:30 トレールランスタート
14:00〜17:00 選手受付(乗鞍観光センター)
6月23日(日)
7:45 開会式(乗鞍観光センター)
8:00 スタート
13:00 ゴール(三本滝)
14:00 閉会式・表彰式(乗鞍観光センター)

こちらが大会二日間の主な日程です。昨年から競技当日の選手受付が実施されなくなりましたので、必ず、前日に受付にお越しいただくようお願いいたします。

 

今日はこれからトレイルランに参加するんですよ

さて、カッパを着ていらっしゃる方がいらっしゃいますね。お聞きすると、この後、大会のプレイベントとして開催される「グレートマウントノリクラ TRAIL TRAIL 12k」に参加されるとのこと。

イベントの会場は観光センター駐車場の車道をはさんだ南側の広場(シャレー乗鞍跡地)です。

 

グレートマウントノリクラ TRAIL TRAIL 12k

まずは揃ってストレッチング...
「明日は天空マラソンでロード30kmを走ります。これもすばらしいですが、私はノリクラのトレイルに魅せられて、ぜひ、皆さんに体験していただきたいと思い、今日のコースは12kmを用意しました。今日のトレイルと明日のロードをあわせて42km...環境が豊かなノリクラならではと思います。」

 

木々と対話しながらトレイル

「コースは三本滝までの登りばかりに引き続き、折り返し後は下りばかりのコースとなります。でも、皆さんは明日の天空マラソンに出場される方ですから、それほどではないと思います。」 このプレイベントは大会エントリーと同時応募で、天空マラソンに出場される方のみの参加となっています(定員300名)。

「途中、フッカフカの道があります。ぜひ皆さん、周囲の木々と対話しながら走って下さい。トレイルって言うのは、がんばりすぎるとイヤになるんですよね。レースだとちょっと重いし、ツーリングだと物足らないし、トレイルはその中間で一番楽しいと思います。」

ロードとは異なった楽しさが味わえるイベントのようです。

 

14時大会受付開始(観光センター2階講堂)

そして、14時に大会受付が始まります。今回は観光センター2階の講堂で行われました。

 

ゼッケンやパンフレットを受け取って...

 

今年のTシャツ(参加賞)

参加賞のTシャツをもらいます。今年はこんなデザインのようです。

 

今回で4回目 − 今日のためにちょっとトレーニングしましたよ!

今回で4回目の出場です。「受付が前日になり、二日間休みを取らなければならないので来年はムリかも...」と、昨年はおっしゃっていましたが、何とか今年もお顔を拝見することができました。

「いや〜、この大会は本当にいいですよ。今年は走りこみを行って準備を重ねて来ました。来年以降も何とか休みの都合をつけて、出場したいですね。」

 

手荷物用袋にゼッケン・氏名を記入するコーナー

これも毎年のことですが、明日のレース開始前に、ゴール地点で受け取る手荷物を預けるビニール袋に、ご自身の名前とゼッケン番号をあらかじめ記入するコーナーが会場の片隅に用意されています。

ビニール袋(レジ袋)は、受付でゼッケンと一緒に手渡されます。宿に帰ってから記入してもかまいませんが、受付直後にここで記入されたほうがいでしょう。

 

色々なマジックでカラフルに 明日はスマホもって行きます!

こちらの方は、目立つように何色ものマジックを使って書いていらっしゃいますねぇ〜〜

「去年、他のメンバーが出ていて私は応援で来たんです。でも、すごくよさそうだったので、今年は私自身が出場しようと思ったんです。トレーニングは続けてきましたがまだまだ...明日は完走できればいいなぁ〜。写真がすごくきれだったから、明日はスマホもって行きます!」

 

先ほどまで降っていた雨も止んで、上空には青空がのぞき始めました。

 

マラソン関連用品のブース 雨が上がって、多くの方が立ち寄る

屋外にはマラソン関連のグッズを販売するコーナーがあり、雨上がりと同時に、立ち寄る選手の方々も多くなってきました。

 

天空マラソンは普段の参戦に変化をつけるため...(左の方)
基本的に坂が好きなんです!(右の方)

そこでお話を聞かせていただいたこちらの二人。「今回二回目ですが、基本的にはフラットなコースのマラソンがメインで、このような大会に出場は、マラソンを続けていく上でちょっとした変化があっていいと思って参加しました。」と、おっしゃる左の方と...「今回初めてです。でも、野辺山(野辺山ウルトラマラソン)に出場できましたので、完走はできると信じています!基本的に『サカ(坂)』が好きなんですよ...」と、おっしゃり、ご自身なりにコース攻略も練っていらっしゃいます。

色々な大会がある中で、天空マラソンのような特色のある大会は、普段の走りとは違ったトレーニングになるようですね。

 

8回フル出場 − 皆勤賞!

そして、第1回大会から皆勤賞のこちらの方。
「今年はちょっと走りこみを続けてきましたから、いつもよりはラクに行けるような気がします。乗鞍天空マラソンは、毎年の恒例行事になっていますから、もう止められませんよ!」

厳冬期から春山の時期までは、ノリクラにはバックカントリースキーで足しげくお越しになっています。バックカントリーでは、他の人と競争しながら登ることはありませんが、もし、マラソンのように「よ〜い、ドン!」で一緒にスタートしたら、深雪のラッセルでこちらの方にかなう人はいないと思います。

 

雪の壁を見たくて初参加 明日は一帯どこまで行くんですか?

「初めてなんです。ホームページの雪の壁を走るのを見て、行きたくなりました。ところで一帯どこまで行くんですか?」と、おっしゃり、全くスケール感がつかめないご様子...

「あそこの雲の切れ間に見えるところ(大雪渓)まで行くんですよ」と、申し上げると...

 

スタート地点から望む、折り返し地点(18km地点 大雪渓)の場所 (6月23日撮影)

赤枠拡大

乗鞍岳山頂方面(赤枠部分) 大雪渓(黄枠部分) − 折り返し地点は黄枠のすぐ下
(左の山:高天ヶ原、右の山:乗鞍岳山頂 剣ヶ峰)

話が中断いたしますが、画像では雲間からの大雪渓は確認しにくいため、大会当日の晴れ上がった画像で説明します。左の全景画像の赤枠部分を拡大したのが右の画像ですが、さらにその黄枠部分が18kmの折り返し地点の大雪渓です。実際の折り返し視点は黄枠のすぐ直下にあります。

目を凝らさないと確認できないほど遥か彼方にあり、直線距離では約5km、標高差は1100メートルもあります。もちろん、コースを走れば18kmとなります。

 

「うひゃ〜〜、あんなところまで!!」 あそこまで行けるか??

「うひゃ〜〜、あんなところまで!!」と、顔がゆがみます。

「ところで道は全部舗装されていますか?」
全線舗装されていますが、舗装の割れ目などがあり、数日前の大雨で一部砂利が出ているところがありますので、特に下りでは足をとられないように注意する必要があるかと思います。

「登りの18kmもきついけど、下りの12kmも足に負担が掛かって辛そうだなぁ〜〜」
今回の大会でも、下りで足が攣ってしまう選手の方を何人か見かけましたので、体への負担は下りのほうが大きいのかもしれません。

 

マウンテンバイク(トレイルランの自転車版) 今日は自転車、明日は大会出場!

マウンテンバイクでお越しになったご一行様。今日は地元のアウトドアツアーで乗鞍高原を走り回って来られた帰りです。どうやらメンバーの中に、明日の大会に出場される方がいらっしゃり、宿に帰る前に観光センターに立ち寄って受付をされたようですね。

− ところで、明日の競技前にバイクで体を酷使しても大丈夫なの??−
「いや!自転車とマラソンでは使う筋肉が違うから、明日は大丈夫!」と、自信満々です(笑)。

 

きれいな夏雲が...

夕方近くになると、夏雲のようなモクモクとした空。先ほどまでの雨が嘘のような回復振りを見せています。

 

ゆっくりのんびり... 今日のトレイルランにご参加
明日の本番へのウォームアップに

昨日の6月21日は夏至。昼間が一年で最も長い時期を迎えています。夕方になってもかなり明るく、のんびりと時間を過ごしたくなる気分です。

そんなお二人の選手のシューズを見ると泥だらけ...お昼過ぎに行われたトレイルランのイベントに参加されたようです。
「いや〜、良かったですよ。ホントに...気持ちいい!疲れなんてないですよ。明日の本番に備えてちょうど良いウォームアップになった感じですよ!」

大会当日にインタビューした選手も、今回のトレイルランは良かったとおっしゃる方が多く、本番のマラソンよりも、トレイルランのほうが人気になる気配も感じました。

 

明日はよい天気になりますように...

明日は8時に観光センター前をスタートします。この晴れ間が明日も続いてくれますように...Next

 

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