ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.10(2013/07/13〜14) A

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(Update:2013/07/18)

 

【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 U】

三本滝ゲート − この先マイカー規制 路上でもツキノワグマに注意 − ヒルクライマーもクマ鈴を

観光センターから7km先にある三本滝ゲート。マイカー規制はここから始まります。前回の ノリクラ雪渓カレンダーVol.9 でもツキノワグマの親子をご紹介いたしましたが、最近クマの目撃情報が多数あります。右の画像の看板は常時設置されていますが、登山道だけでなく車道上でも、常時クマに遭遇する可能性が高い状況です。

そのため、登山者はもちろんのこと、ヒルクライマーもクマ鈴を鳴らしながら走行して下さい。特に自転車は音がほとんどしませんので、鉢合わせの危険性を回避するために、クマ鈴のほかラジオなど人の声のするものもよいとされています。

 

かもしかゲレンデにはニッコウキスゲ
−夏の高原の風景を描く−

かもしかゲレンデに咲くこちらはニッコウキスゲ(日光黄菅(別名:禅庭花)、ユリ科ワスレグサ属)。日本各地で高原を代表する花といってよいでしょう。

まだ、つぼみのものが多数ありますので、これからしばらく楽しめそうです。

 

ヒルクライマーが続々と...

7月に入って三本滝ゲートから先の冬季閉鎖が解除されて、ヒルクライマーの姿が数多くなってきました。

 

ベニバナイチヤクソウ − イチヤクとは一つで色々な薬効の意(一薬多効)

道端にすずなりに可憐な花をつけるのは、ベニバナイチヤクソウ(紅花一薬草、イチヤクソウ科イチヤクソウ属)。最近の植物分類ではイチヤクソウ科はツツジ科に加えられているようです。

秋に刈り取った全草が民間薬に使用され、その基本種のイチヤクソウには、脚気・利尿・生理不順・避妊など多様な効能があるとされています。イチヤクソウの「イチヤク」とは、「一薬多効」の意味。こちらのベニバナイチヤクソウにも脚気・利尿の効能があるとのことです。

山地帯から高山帯下部の草地や低木林、林縁に自生し、他のイチヤクソウと異なって、群生していることが多く、小さな花ですがすぐに見つけることができるでしょう。

 

ゴゼンタチバナ

さて、ベニバナイチヤクソウのすぐ隣に咲くのはゴゼンタチバナ(御前橘、ミズキ科ミズキ属)、4枚の花弁に見えるのは総苞片(そうほうへん)で、実際の花は、中央に無数に見られるものです。

 

小さな花が密集 − 黒い花が両性花で秋には赤い実 ゴゼンタチバナの赤い実(2010年9月)
2010ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.19(2010/09/18〜19) B

左の画像をよく見ると、黒い器官のある花とない花があります。黒い器官は雌しべでこれがあるものは両性花。秋になって赤い実がたわわにできるのは両性花で、黒い器官のない雄花には赤い実はできません。

 

さて、道端の花を観察しているのは、こちらはタクシーに乗ってこられた方々です。シャトルバスと異なり、タクシーの場合は、途中で止まって見ることができる点が利点でしょう。

 

コバイケイソウ 一生懸命説明するタクシーの運転手さん

コバイケイソウがたくさん咲いているところで、タクシーの運転手さんが花の説明を丁寧にされています。コバイケイソウ以外にもたくさんの花が咲いていて、とても覚えきれません...

 

これはね、モミジカラマツ...

「これはね、モミジカラマツ。よく見ておいてね。つぎにこっちに行くから...」と、運転手さんの次から次へと進んで行きます。

 

こっちはカラマツソウ...花が同じでもちょっと違うでしょ!

「ほら!、同じ花が咲いているでしょ!でもね、こっちはカラマツソウ。どこが違うかって、葉っぱが違うでしょ〜」 

 

さぁ〜次の場所に行きましょう

高山植物は花だけを見ていても判別できないものがたくさんあります。そんな見分けるワンポイントも説明に加えながら、高山植物のガイドが続きます。

 

雨が降ったり止んだり

雨が降ったり止んだり繰り返す中、自転車で登ってくるヒルクライマーの方は汗でびっしょり、雨でびっしょりの状態です。

 

雨が収まりレインウェアを脱ぐ また振り出して今度は傘を指す

シャトルバスに折りたたみ自転車を持ち込んで、下りだけ走行される方はよく見かけますが、折りたたみ自転車で登ってこられる方はあまりいらっしゃいません。

「以前、ノリクラに来たとき、気持ちよさそうに自転車に乗っているヒルクライマーの姿を見て、一度やってみたいと思って来ました。」とのこと。「でも、こんなにつらいとは思いませんでした...歩いて押している時間のほうが多いくらいですよ!」と、おっしゃっています。

レインウェアを着ていると暑くて、でも、着てないとびっしょりになるし...
雨が降ったり止んだりを繰り返していて、そのたびにレインウェアを着たり脱いだりを繰り返しますが、最終的には折り畳み傘をとりだして...

 

傘を差して歩いてヒルクライム

「どうせ押して歩いてますから、傘差して行きます。」 大雪渓まで、この先8km程度あります...まだまだ先は長いです。

 

位ヶ原山荘

標高2350メートルの位ヶ原山荘。この付近から森林限界を超えます。

 

山頂方面には雲が垂れ込める

山頂方面には雲が垂れ込めていて、雲の低さを感じるようになって来ました。

 

昨年の11号カーブ、ツアーコース入口
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2012/07/14〜15) @
今週の11号カーブ、ツアーコース入口
昨年より1週間遅い雪解け

位ヶ原山荘から約1.5kmほどの11号カーブ付近。厳冬期のツアーコースの入口付近です。右の昨年同時期の画像と比べると積雪量が多く、昨年より1週間雪解けが遅い状況です。

 

今週の11号カーブ付近 紅葉を迎えた11号カーブ付近(昨年秋)
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23) E

位ヶ原一帯では秋になると見事な紅葉を見せてくれます。ちょうど11号カーブ付近も紅葉のビューポイントで、現在は緑一色ですが、ウラジロナナカマドやダケカンバが見事な色合いを演じてくれます。

ノリクラの紅葉は、9月下旬の標高2600メートルの大雪渓付近から始まり、10月中下旬の標高1500メートルの乗鞍高原へと続きます。WebSiteでは、紅葉が始まる直前の9月上旬からから紅葉の進み具合をお伝えするようにしておりますので、紅葉をご覧になる前には、ぜひともチェックしてからお越しください。

 

位ヶ原 − 雲が目線の高さまで迫る

位ヶ原に到達すると、雲がほとんど目線に近いくらいまで低く迫ってきます。

 

雨が降り続く中 位ヶ原お花畑 − まだ雪に閉ざされている

7号カーブの位ヶ原お花畑は、まだ雪の閉ざされています。雨が断続的に降り続き、登りは発汗量が多いヒルクライムでは、雨に濡れてもよほど寒くない限り、そのまま走り続ける方が多いようです。ただし、下りは強烈に体温が奪われますので、ウインドブレーカーやレインウェアの着用は必須です。

 

5号カーブ 4号カーブ

この先、5号カーブ・4号カーブでは雪の壁が続きます。6月下旬頃は5メートル程度の高さがありましたが、4号カーブ付近は人の背丈に大会ほどまで小さくなりました。

 

大雪渓に到着

大雪渓に到着する頃には完全に雲の中に突入してしまいます。大雪渓は濃霧強風と断続的に降り続ける雨に見舞われています。 Next

 

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