ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.2(2014/05/15・17・18) A

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(Update:2014/05/22)

 

【シャトルバス、乗鞍スカイラインを行く】

平湯峠 − ここから乗鞍スカイライン、マイカー規制

それでは、ここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。こちらは乗鞍スカイライン基点の平湯峠。ほおのき平駐車場から約6kmほど進んだ所にあり、この先は2003年からマイカー規制の対象区間とされ、バス・タクシーや自転車など限られた車両のみの通行となります。

平湯峠まではマイカーの走行は可能ですが、ここにはシャトルバスのバス停はありません。畳平へ向かうにはほおのき平駐車場か平湯温泉(あかんだな駐車場)に戻る必要があります。

 

昨年の平湯峠付近
2013ノリクラ 雪渓カレンダーVol.2(2013/05/15・18・19) A
今週の平湯峠付近
積雪は昨年より少ないが例年並み

標高1684mの平湯峠ゲートから乗鞍スカイラインを進むと山肌に残雪が見られるようになってきます。昨年よりも残雪が少ない様子が見られますが、ほぼ例年並みの状況です。

 

北アルプスの眺望も濃霧に包まれる

天候は小雨。北アルプスの山々が屏風のように広がる眺望が特徴の乗鞍スカイラインも、濃霧に包まれてしまうと魅力が半減してしまいます。それでも谷間に流れる雲の動きを見るだけでも高山の雰囲気を感じ取れるもの。普段、山の中で生活していれば当たり前の光景も、ご覧になったことのない観光客の方々に取っては新鮮に感じるものです。魅力というものは、実は足元にたくさん転がっているのかもしれません。

 

昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
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今週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
昨年より若干少ないがほぼ例年並みの積雪量

 夫婦松駐車場を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。積雪量は昨年よりも若干少ない状況ですが、ほぼ例年並みです。

 

乗鞍スカイラインは全線2車線

乗鞍スカイラインは全線2車線で、大型バスの対向もヘアピンカーブなどを除けば、スムーズにスライドすることが可能です。しかし、雪解けと共に枝が道路に張り出すため、場所によっては、対向車線にはみ出す必要があります。

 

森林限界直前(6〜7kmポスト) − 北側の眺望(笠ヶ岳)が開ける

森林限界直前の6kmポストから7kmポスト付近に差し掛かると、木々がまばらになり、遮るものが全くない眺望が得られるようになります。特にこの付近は北側が開けている最後のポイントになりますから、笠ヶ岳ともお別れとなります。

 

昨年の猫の小屋跡地
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今週の猫の小屋跡地
昨年より少なめ、例年並みの積雪量

さらに進んで、こちらは標高2200m付近の猫の小屋跡地。道路の左側の積雪を見ると、昨年より若干少なめです。また、例年と比べてもほぼ同じか若干少ない様子が見られます。また、道路右側の積雪は除雪作業の影響からか、年によって大きく変化しています。

 

森林限界を超えて

乗鞍スカイラインは猫の小屋跡地を過ぎた9kmポストあたりから森林限界を抜けてロケーションが広がります。

 

森林限界を超えると西側の眺望が開ける

森林限界を超えると木々が低くなって眺望が広がりますが、ここから10kmポスト先の四ッ岳カーブまでは西側が開けています。そのため、雲海の遥か向こうに浮かぶ白山の様子を楽しむことができます。今日の雲海はそれほど厚いものではないものの、重厚な雲海が広がる場合も多く、それは見事なものです。

 

雲上を行く

9kmポストから四ッ岳カーブまでの区間は猫岳の山腹を回りこむように進みます。乗鞍スカイラインは、大崩山から猫岳、さらにノリクラの峰々を巡回するように登ります。

 

昨年の烏帽子岳
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今週の烏帽子岳
昨年・例年並みの積雪量

森林限界を超えて最初に見られる山は23ある乗鞍の峰の一つである烏帽子岳(えぼしだけ 標高2550m)。ほぼ昨年並みの積雪量で、例年と比べてもほぼ同じ程度の積雪量です。

 

四ッ岳カーブへ

さらに進んで10kmポストを越えると乗鞍スカイラインの中で最も雪の壁が高くなる四ッ岳カーブに差し掛かってきます。

 

四ッ岳カーブ − 濃霧に飲み込まれる

この付近から濃霧に覆われてしまい、雪の壁をダイナミックスに進むシャトルバスも霧に飲み込まれてしまいます。

 

昨年の四ッ岳カーブ
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今週の四ッ岳カーブ
昨年より若干少なく、例年並みの積雪量
昨年の四ッ岳カーブ
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今週の四ッ岳カーブ
昨年より若干少なく、例年並みの積雪量

 四ッ岳カーブ付近の積雪は昨年より若干少ない様子が見られるものの、例年とそれほど違いはないと考えられます。

 

さらに霧が濃くなる

さらに進んで土俵ヶ原、そして桔梗ヶ原へ登ります。登れば登るほど霧は深くなります。乗鞍スカイラインは天候不良でしばしば通行止めの措置がとられますが、通行規制の基準は雨量と風速で霧による通行止めはありません。ご覧の程度の霧はそれほど悪いレベルではなく、もっとひどい濃霧になると、ヘッドライトをつけた対向車が直前10メートルくらいまで接近しないとわからないような状況もあります。

また、自転車については、濃霧と風速20メートル未満の強風でも、通行止めの措置がとられる場合があります。

 

昨年の鶴ヶ池雪渓
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今週の鶴ヶ池雪渓
昨年より多く、例年並みかやや多い積雪量

畳平に到着する手前に鶴ヶ池雪渓が広まります。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。畳平から歩いてすぐの場所にあることから、初めてお越しになったスキーヤー・ボーダーの方にも安心してお勧めできる場所です。例年6月下旬まで滑走可能です。

昨年と比べて積雪量の多い様子が見られますが、例年と比べるとほぼ同じかやや多いレベルです。

 

畳平に到着

鶴ヶ池雪渓を過ぎると、乗鞍スカイライン終点の畳平に到着です。

 

【畳平−乗鞍岳山開き祭】

安全祈願神事

来賓の方々を乗せたバスは10時前に畳平に到着しました。10時の畳平の気温は12℃。出発時点で降っていた雨はありません。そして、畳平バスターミナル前に設営されたテントの中で、乗鞍岳山開き祭りの安全祈願神事が始まりました。

 

濃霧の中から山の姿が

神事が進む中、次第に山の頂が姿をあらわして来ました。まるで祭司を初め参列者の願いを聞き入れてくれたかのような光景...

 

そして、参列者全員に杯が手渡されます。

 

祭司の音頭で乾杯

そして、祭司より「今日のような穏やかで安全な夏シーズンを迎えたい。」というお言葉に続いて全員で乾杯です。

 

鏡開きにあわせるように青空が広がる

安全祈願神事に続いて鏡開きです。ご覧のように鏡開きにあわせたかのようにきれいな青空が広がり、シーズン開幕にふさわしい雰囲気となってきました。

 

樽酒の振る舞い − これから山登りへ

そして、訪れた観光客・登山客が開かれた樽に押し寄せます。毎年、この樽酒を頂くために訪れるという方もたくさんいらっしゃいます。
「この時期に来るのは初めてです。雪が多いのでどこまで行けるかちょっと不安ですが、安全に戻ってこれるよう気をつけたいと思います。」と、おっしゃりながら、枡を傾ける登山者の方々もいらっしゃいました。

 

「今日のためにお休みとって来ました」 「5月15日が来ると、いよいよ始まったという感じがしますね」

乗鞍スカイラインは今日からオープンしたわけですが、バスやタクシーだけでなく、自転車も今日から通行可能です。左のヒルクライマーの方は、この日のために、職場には3ヶ月も前からお休みを申請してやってきました。」と、おっしゃっていました。また、右の方も、「5月15日がやって来ると、いよいよ始まったという感じがしますね!」と、声を掛けて下さり、ノリクラに思いのある人々にとっては、5月15日という存在は特別なものであると感じられました。

 

今シーズンの利用者は15万人の見込み

天候に不安があったものの、山開き祭が執り行われている間だけは、皆さんの願いが通じたようにきれいな青空が広がりました。これから10月末までの5ヶ月半間での期間中、約15万人の人出を見込んでいます。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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