ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.2(2013/05/15・18・19) A

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(Update:2013/05/23)

 

【シャトルバス、乗鞍スカイラインを行く】

平湯峠 − この先マイカー規制

それでは、ここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。こちらは乗鞍スカイライン基点の平湯峠。ほおのき平駐車場から約6kmほど進んだ所にあり、この先は2003年からマイカー規制の対象区間とされ、バス・タクシーや自転車など限られた車両のみの通行となります。

平湯峠まではマイカーの走行は可能ですが、ここにはシャトルバスのバス停はありません。畳平へ向かうにはほおのき平駐車場か平湯温泉(あかんだな駐車場)に戻る必要があります。

 

昨年の平湯峠付近
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) G
今週の平湯峠付近
残雪は例年並みかやや多い

標高1684mの平湯峠ゲートから乗鞍スカイラインを進むと山肌に残雪が見られるようになってきます。昨年は残雪がかなり少ない状況でした。今年は、例年並みかやや多い状況です。

なお、昨年の同一週(2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2012/05/19〜20))は、乗鞍スカイラインが積雪通行止めだったため、長野県側からの取材しかできませんでした。そのため、これよりお伝えする乗鞍スカイライン沿道の様子は、1週間前(2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) G)の画像と比較します。

 

笠ヶ岳(北アルプス) − 3kmポスト付近 車窓からは北アルプスが一望

平湯ゲートを進み、3kmポスト付近の夫婦松駐車場付近に達すると、車窓には北アルプスの山並みが飛び込んで来ます。この付近からは、穂高連峰よりも笠ヶ岳のほうがより大きくはっきりと見られます。

どの山並みもまだしっかりと冠雪していて、真っ青な快晴の空にくっきりと浮かんでいます。

 

昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) G
今週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
昨年・例年よりもやや多い積雪量

 夫婦松駐車場を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。積雪量は昨年・例年よりもやや多い状態です。

 

乗鞍スカイラインは全線2車線 − 本日よりバス・タクシー・自転車通行可能

長野県側の県道乗鞍岳線でも、ゴールデンウィークから乗鞍岳春山バスが、途中の位ヶ原山荘まで運行されています。ただ、県道乗鞍岳線は6月末まで冬季閉鎖期間中で、春山バス以外の通行が考慮されていないため、道幅が狭小だったり、ガードロープが未設置だったりします。

しかし、乗鞍スカイラインは5月15日開通初日より、シャトルバス以外に観光バスやタクシー、そして、自転車などが通行します。そのため、道幅が狭い箇所はなく、カーブミラーなどの安全設備の設置も完了しています。

 

昨年の猫の小屋跡地
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) G
今週の猫の小屋跡地

さらに進んで、こちらは標高2200m付近の猫の小屋跡地。左の昨年の画像と比べ、道路右側の雪の壁は、昨年のほうが圧倒的に多い状況です。それ以外の箇所は今年のほうが多い状況で、また、例年と比べても今年は積雪量の多い部類に入ります。

 

森林限界を超えて

乗鞍スカイラインは猫の小屋跡地を過ぎた9kmポストあたりから森林限界を抜けてロケーションが広がります。

 

車窓を遮るものがなくなる 眼下には ほおのき平スキー場

これまで鬱蒼とした森林の中を走行してきましたが、この付近から車窓を遮るものは少なくなってきます。眼下にはほおのき平スキー場が確認できます。シャトルバスはこのスキー場のふもとの駐車場から出発しました。

シャトルバスが通過するこの付近の標高は2300メートル。眼下に広がるほおのき平スキー場山麓の駐車場は1230メートルですから、1000メート以上の高度を登ってきたことになります。

 

昨年の烏帽子岳
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) G
今週の烏帽子岳
昨年・例年並みの積雪量

森林限界を超えて最初に見られる山は23ある乗鞍の峰の一つである烏帽子岳(えぼしだけ 標高2550m)。ほぼ昨年並みの積雪量で、例年と比べてもほぼ同じ程度の積雪量です。

 

最も雪の壁の高い四ッ岳カーブへ

さらに進んで10kmポストを越えると乗鞍スカイラインの中で最も雪の壁が高くなる四ッ岳カーブに差し掛かってきます。

 

2012年の四ッ岳カーブ
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) G
2011年の四ッ岳カーブ
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) E
2010年の四ッ岳カーブ
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2010/05/14〜15) D
2009年の四ッ岳カーブ
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2009/05/15〜16) A

過去4年間と比べても、左側の壁の高さは最も高いことが一目でわかります。

 

雪の壁 − バスの背丈の2倍以上

四ッ岳カーブは、バス背丈の2倍以上の雪の壁もあり、かなりの圧迫感を覚えます。

 

昨年の四ッ岳カーブ
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) G
今週の四ッ岳カーブ
昨年・例年よりやや多い
昨年の四ッ岳カーブ
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) G
今週の四ッ岳カーブ
昨年・例年よりやや多い

四ッ岳カーブ周辺は、昨年よりも積雪量はやや多く、また、例年と比べてもやや多い状態です。

 

土俵ヶ原 桔梗ヶ原 − 乗鞍の峰々が一望

四ッ岳カーブを抜けて、土俵ヶ原からさらに進むと、急勾配の乗鞍スカイラインがほぼ平坦になる桔梗ヶ原に到達し、すぐ目の前には大黒岳、そして、遠くには乗鞍岳の主峰剣ヶ峰、さらに右手に魔王岳、恵比寿岳など乗鞍23峰のいくつかを一目で眺められるようになります。

 

シャトルバス − 穂高連峰をバックに進む

何も遮るもののない桔梗ヶ原では穂高連峰をバックにシャトルバスが進んで行きます。このほか、遠くには白山や御岳などの山並みも確認できるほどのロケーションの広がりがあります。

 

2011年の鶴ヶ池雪渓
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) E
昨年の鶴ヶ池雪渓
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) G
昨年の鶴ヶ池雪渓
例年よりやや少ない積雪量

畳平に到着する手前に鶴ヶ池雪渓が広まります。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。畳平から歩いてすぐの場所にあることから、初めてお越しになったスキーヤー・ボーダーの方にも安心してお勧めできる場所です。例年6月下旬まで滑走可能です。

ここ近年で積雪量が少なかった2011年と同等かやや少ない状況で、例年よりも積雪量が少ない状況が見られます。

 

畳平に到着

鶴ヶ池雪渓を過ぎると、乗鞍スカイライン終点の畳平に到着です。

 

【畳平− 乗鞍岳山開き祭】

畳平、気温5℃ − 雲ひとつない快晴

10時の畳平の気温は5℃。ご覧のようにほとんど雲はなく快晴の空が広がります。やや冷たさを感じる風が弱く吹き抜けるものの、寒さはなく、穏やかな状態です。

 

安全祈願神事

そして、畳平駐車場では、安全祈願神事が始まります。

 

祭司の音頭で乾杯

玉串奉奠などの儀式の後、祭司の音頭の下、乾杯の杯を傾けます。

 

来賓の祝辞 樽酒、鏡開き

来賓の方々の祝辞の中では、乗鞍自動車利用適正化協議会会長から、

「マイカー規制11年目を迎え、高山植物を初め、この地域の植生・動植物の生態がしっかりと保全させれている状況が確認されてきました。自然保護とあわせて地域振興もしっかりと考えて行きたい。今年はこのスカイラインが昭和48年に開通して以来40周年の節目を迎えるもので、今回ラッピングバスでPRをしっかりとやって行きたいと考えています。乗鞍のこの雄大な自然を全国に、また、世界に誇れる日本の宝だと思い、そうしたものをしっかりとPRをさせていただきたいなと思っております。

そのほか、自然観察をする定期観光バスを走らせ、ご利用の方にはしっかりと乗鞍の自然をご案内させていただき、満喫していただきます。また、後々この地で生まれ育った子供さんたち、さらには来ていただいた子供さんたちにこの乗鞍を満喫していただくため、5月〜7月は通常子供運賃の半額で乗っていただく取り組みも実施します。また、今年も電気自動車の実証運転も行う中で今後の乗鞍のあり方を考えて行きたいと思っておりますので、ぜひ、皆様方の引き続きのご支援のほどをよろしくお願いいたします。」と、おっしゃっていました。

そして、恒例の樽酒の鏡開きが行われ、乗鞍岳山開き祭りも酣(たけなわ)となってきました。

 

樽酒の振る舞い − 今年の枡には乗鞍スカイライン40周年の焼印が

乗鞍スカイライン40周年の焼印の入ったオリジナルの枡を受け取り、樽酒をいただく方々には笑顔がこぼれ、毎年、ここで樽酒をいただくことを楽しみにされている方がたくさんいらっしゃいました。

 

今シーズンの利用者は20万人の見込み

昨年の乗鞍スカイラインの利用者は、16万5千人でマイカー規制以来最低の入場者となりました。今年も20万人の人出が見込まれています。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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