ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.2(2013/05/15・18・19) C

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(Update:2013/05/23)

 

【稜線へ】

それでは肩の小屋から稜線に向けて出発します。

 

ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 山頂版(別ウインドウ)

肩の小屋より稜線方面の概要は、ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 山頂版 をご覧ください。なお、ツアーコースの状況については、ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版 をご覧下さい。

 

肩の小屋から稜線へ直登する箇所 雪解けのため直登できない − 夏道(登山道)へ

こちらは肩の小屋から稜線方面を望んだところ。昨年より2〜3週間雪解けが早く、例年よりも1〜2週間早い状況です。

例年ならほとんどハイマツ帯がない状態ですが、ご覧のように稜線への直登ルートはハイマツで分断されています。そのため、画像の右方面にある夏道(登山道)経由で登るようにしてください。

ハイマツ帯はライチョウの生息地となっていて、人の侵入がこれから迎える産卵期に重大な影響を与える恐れがあります。若干迂回することになりますが、必ず夏道から登って下さい。

 

【剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳方面を目指すスキーヤー・ボーダーの方々へ− 大雪渓方面から稜線への登行ルートについて】


拡大

@ 2013/05/18 10:30
=大雪渓からのルート=
稜線方面へは赤枠の方へ進む(赤枠拡大)
A 2013/05/18 10:45
=赤枠部分拡大=
赤線のは斜度が緩く登りやすいが、先が見えない
青線の滑走ルートは斜度がきつく登りにくい
↓別角度で見る

B 2013/05/18 11:20
=別角度で見る=
赤線は途中でルートが閉ざされる
青線のルートで登るようにしてください
(高山植物保護と雷鳥保護のため)

こちらは大雪渓方面から稜線に向かうところです。乗鞍岳春山バスを利用して位ヶ原方面からお越しになるルートです。左上の画像@ の赤枠部分を目指して登って行きます。右上の画像Aが赤枠部分を拡大したところ。多くの方は赤線か青線のルートで登って行きます。青線はほぼ滑走ルートに近いもので、やや勾配が強くなっています。そのため、赤線へと迂回する様子もあります。

しかし、下段の画像Bのように別角度で見ると、赤線のルートは上部でハイマツ帯・岩場に閉ざされてしまいます。
一人でも取り付きやすいルートを登ると、それに続くほかの方も同じルートを登ることになり、積雪のない地面を硬いブーツ底で何度も踏みつけられると、高山植物の植生に影響を与え、また、繁殖期を迎えた雷鳥への影響も懸念されます。

一人一人の行動が大きく影響を与えますので、ぜひとも、ご協力ください。

 

登山道のすぐ近くにライチョウがいます − これから繁殖期、ハイマツ帯には近づかないで...

「そんなに雷鳥はいないだろう...」と、思っていらっしゃる方もいるかと思います。実際にはほとんど人の目に触れることがありません。しかし、静かにハイマツ帯を見回していると、ご覧のように雷鳥の存在に気がつくはずです。おそらく、人間よりも雷鳥のほうが先に気が付いていて、人の目に触れないように退避しているからです。

ハイマツ帯は雷鳥の生息地で、雷鳥たちのフィールド内に人間が入らせてもらっているという感覚で行動しなければなりません。

 

肩の小屋〜山頂の登山道入口
昨年より2週間早い雪解け

こちらが肩の小屋から山頂方面に向かう登山道の入口部分。昨年よりも2週間ほど早い雪解けで、ほとんど雪解けが完了しているといってもよいほどです。

 

昨年同時期より3週間遅い肩の小屋〜山頂の登山道入口
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2012/06/09〜10) C
今週の肩の小屋〜山頂の登山道入口
昨年より3週間早い雪解け

この付近は肩の小屋から稜線までの区間を3分の1程度進んだあたり。2011年よりも1週間以上遅い雪解け状況ですが、、昨年より3週間早い雪解けで、例年より2週間ほど早い雪解けです。

 

2011年の肩の小屋〜山頂の登山道入口(同一積雪量期)
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) G

2010年の肩の小屋〜山頂の登山道(同一積雪量期)
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2010/06/05〜06) C
2009年の肩の小屋〜山頂の登山道(同一積雪量期)
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2009/06/06〜07) D
=今年は例年より2週間早い雪解け=

ほぼ同じくらい雪解けが進んだ時期の過去画像を比較します。前述のとおり、今年は例年よりも2週間ほど早い雪解けであることがわかります。

 

この先は雪の上を歩く ツボ足だとかなり深く踏み抜く

これより先の稜線方面は完全に雪の上を登って行きます。ただ、右の画像のようにかなり深く踏み抜いてしまい、ツボ足の場合はラッセル状態に近い感覚で登って行くことになります。

稜線方面もかなり雪解けが進んで、雪の中であっても、どこに登山道があるのかはっきりとわかる状態になっています。

 

摩利支天岳 − 昨年とほぼ同じ積雪量

稜線に向けてしばらく登ると眼下には摩利支天岳を望むことができます。昨年とほぼ同じ積雪量で、例年よりもやや多い状況です。

 

【稜線】

こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。画像の左側が蚕玉岳山頂(標高2979メートル)に続き、画像右側が朝日岳山頂(標高2975メートル)に続いています。

 

大雪渓方面への滑走エリア − 例年6月中下旬まで滑走可能 蚕玉岳方面の尾根 −昨年より3週間早い雪解け

左の画像は大雪渓方面へ滑り込む箇所。今後、雪解けが進み、大雪渓上端に接続する部分に岩場が出てバーンが途切れてくると、滑走できなくなります(途切れる箇所は画像の左下付近です)。例年、6月中旬〜下旬まで滑走可能です。

右の画像の蚕玉岳方面の尾根、地面の露出状況は先週とほとんど変わりありません。昨年より3週間早い雪解けで、2011年よりも積雪量は多いものの、例年と比べても2〜3週間早い状況です。

 

バーンはかなり緩む

バーンはかなりゆるい状態で、シールは雪面をグリップするものの、雪の層が厚さ10センチ以上にもわたってもゴソっと落ちてしまい、蟻地獄のような砂の上を歩いている感覚です。

 

柔らかい雪質 − だから春スキーは楽しい

滑走性そのものはさほど悪いものではなく、足元さえ気をつければ楽しい春スキーを味わうことができます。

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2012/05/19〜20) E
今週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
昨年とほぼ同積雪量

こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。昨年とほぼ同じ状況で、2011年より1週間以上遅く、例年よりも1週間程度遅い雪解けです。

 

昨年の権現ヶ池
2012ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.2(2012/05/19〜20) E
今週の権現ヶ池
昨年より1週間早い雪解け
昨年の朝日岳
2012ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.2(2012/05/19〜20) E
今週の朝日岳
例年とほぼ同じか1週間遅い雪解け

御岳の二ノ池に次いで国内二番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)は、昨年より1週間早い雪解けで、2011年より1週間遅く、例年とほぼ同じか1週間遅い状況。朝日岳は昨年よりやや多い積雪状態でほぼ例年並みです。

 

スキーはいいよなぁ〜、雪を踏み抜くことないから... いつ『地雷』を踏み抜くか分かりゃ〜しないよ!

「スキーはいいよなぁ〜、雪を踏み抜くことないから...」、と、剣ヶ峰方面から下山してきた登山の方がおっしゃります。「どんなに深い穴でも、そこに足を突っ込んで歩かないと、いつ『地雷』を踏み抜くか分かりゃ〜しないよ!」と、太ももまで踏み抜いてしまうザクザクの雪を慎重に下山されて行きました。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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