ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.5(2014/06/07〜08) C

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(Update:2014/06/12)

 

【畳平に到着、畳平周辺】

畳平、気温6℃

8時過ぎの畳平の気温は6℃。若干雲があるものの、きれいな青空です。

 

ラッピングバス − 中部山岳国立公園は指定80周年

昨年は乗鞍スカイライン40周年の年でしたが、今年はノリクラを含む中部山岳国立公園が指定されてから80年を迎える記念の年。中部山岳国立公園は、新潟県、富山県、岐阜県、長野県にまたがる北アルプス一帯が指定され、乗鞍岳はちょうどその南端に位置しています。

 

鶴ヶ池雪渓に向かうか、大雪渓に向かうか いずれか

シャトルバスを降りたスキーヤーは、畳平から乗鞍スカイラインを数百メートル戻ったところある鶴ヶ池雪渓に向かうか、あるいは長野県側の大雪渓・山頂方面に向かうかのいずれかをとることになります。

畳平から鶴ヶ池雪渓までは徒歩5〜10分程度、また、大雪渓・山頂方面は肩の小屋までなら徒歩30〜45分程度です。

 

不動岳−昨年より多く、例年並みの積雪量 鶴ヶ池−昨年・例年よりも多い積雪量

ここからは畳平周辺及び畳平から肩の小屋方面へ向かう道路周辺の様子をお伝えします。左の画像は畳平の南にある不動岳。そして、右の画像は畳平の東にある鶴ヶ池。不動岳は昨年より1週間ほど雪解けが遅い状況を見せ、例年並みの状況です。また、鶴ヶ池は2012年に次いで積雪量の多い状態で、例年よりやや多いといったところです。

 

先週の肩の小屋への専用道
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2014/05/31〜06/01) C
今週の肩の小屋への専用道 − 分岐点まで除雪される

畳平から肩の小屋への専用道は、先週までは雪に覆われた部分が何箇所がありましたが、不消ヶ池の堰堤工事の関係から、肩の小屋・コロナ観測所分岐点までは問題なく歩くことができるようになりました。

 

お花畑 − 雪解けで遊歩道の一部が見える

こちらは畳平の南側のお花畑。左斜面は不動岳の山肌で右斜面の恵比寿岳の山肌です。畳平のお花畑の雪解けは西側から進み、奥には遊歩道が見えるようになって来ました。そのため、お花畑の高山植物も西側が最も早く開花し、東側へと順次開花が移ってきます。

 

2013年のお花畑
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) C
2012年のお花畑
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2012/06/09〜10) A
2011年のお花畑
2011ノリクラ雪渓カレンダー Vol.5(2011/06/11〜12) A
2010年のお花畑
2010ノリクラ雪渓カレンダー Vol.5(2010/06/12〜13) A

 お花畑の積雪量は、昨年よりも多い様子が見られ、例年と比べると2012年に次いで多い状態です。

 

不消ヶ池

摩利支天岳の北斜面にある不消ヶ池(きえずがいけ)。昨年よりも積雪量が多いことはもちろんのこと、例年と比べても、積雪量が多い部類に入ります。左の画像の手前に除雪部分がありますが、先ほど申し上げた堰堤工事が実施されるためです。

 

富士見岳

畳平から約1.2km。富士見岳の山腹を横切って、分岐点へと向かいます。

 

【肩の小屋へ】

肩の小屋・コロナ観測所 分岐点
2010年に次いで多い積雪量

畳平から専用道を1.2km進んで、肩の小屋・コロナ観測所分岐点に到着します。正面が魔利支天岳の頂上で、左に進むと肩の小屋、右に進むとコロナ観測所です。もちろん、昨年よりも多い状態で、積雪量の多かった2010年に次いで多い状態です。

 

大雪渓 位ヶ原

分岐点に差し掛かると剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳の各稜線から大雪渓や位ヶ原方面まで展望が一気に開けます。分岐点付近から望む大雪渓・稜線方面(画像左)は、昨年よりも多い状態を見せています。大雪渓・稜線方面は例年と比較したものを、下の画像でお伝えします。また、位ヶ原方面(画像右)は積雪量の多かった2012年よりも少ない状態で、例年より多い状態です。

 

2013年の大雪渓
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) C
2012年の大雪渓
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2012/06/09〜10) A
2011年の大雪渓
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2011/06/11〜12) A
2010年の大雪渓
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2010/06/12〜13) A
=今年は2012年より若干少なく、2010年とほぼ同じ状態=

過去4年間(2010〜2013年)の大雪渓方面の様子と比べると、2012年より若干少なく、2010年とほぼ同じ状態で、2013年・2011年よりも多い状態です。

 

先週の肩の小屋への専用道(フェンス)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2014/05/31〜06/01) C
今週の肩の小屋への専用道(フェンス)
1週間で50センチの雪解け − 例年並みの雪解けスピード

 分岐点近くの防護フェンスを見ると、この1週間で50センチ程度の雪解けで雪解けスピードとしては、例年並みの状況です。

 

肩の小屋方面 − 急斜面トラバース

分岐点から肩の小屋方面は、ご覧のように急斜面をトラバースする必要があります。トラバース箇所はしっかりとした踏み跡になっていて、雪面が緩んでいれば問題なく歩くことが可能ですが、雪道に慣れていない方はアイゼンがあったほうがよいでしょう。

ただ、このトラバース箇所も近日中には肩の小屋方面まで除雪が実施され、そうなれば、関係車両の通行が可能な状況になりますから、急斜面トラバースの必要がなくなる見込みです。

 

【肩の小屋】

昨年の肩の小屋周辺
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) C
今週の肩の小屋周辺

ここからは肩の小屋周辺の様子をお伝えします。こちらでも積雪量が多い状態が見られています。

 

昨年の肩の小屋東側
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) C
今週の肩の小屋東側
昨年より1.5メートル以上多い積雪量
昨年の肩の小屋西側
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) C
今週の肩の小屋西側
昨年より1〜2メートル以上多い積雪量

肩の小屋東側では昨年よりも1.5メートル以上積雪量が多い状態、また西側でも1〜2メートルも多い状態となっています。
他のエリアでも同じ傾向が見られますが、今年は2012年や2010年と同じように積雪量が多く、それとは対照的に、2013年と2011年は左下の画像のように肩の小屋周辺の積雪がなくなるほど積雪量が少なく、隔年で積雪量の多い・少ないを繰り返しています。

 

肩の小屋の西側にある公衆トイレ
今年は本日(6月7日)から利用可能になる

肩の小屋の西側にある公衆トイレがこの週末(6月7日)から利用できるようになりました。山頂方面への最後のトイレですで、例年6月上旬には利用可能となります。ただ、トイレの入口を開けるために周囲の除雪が必要なことから、利用できるようになる日は決まっているわけではなく、年によって異なります。

 

肩の小屋南側は雪解けが進む − 大雪渓から山頂方面は、一旦肩の小屋に登って下さい(誘導ロープ)

肩の小屋の南側はご覧のように雪解けが進んで来ました。そのため、右の画像のように誘導ロープが設置されています。大雪渓方面から登山道入口に向かう場合は、ロープの右方向に沿って肩の小屋に登って下さい。

 

昨年の肩の小屋周辺 − キバナシャクナゲのつぼみが膨らむ
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) C
今週の肩の小屋周辺
雪解けが遅く、つぼみはまだ見られない

雪解けが進むと、高山植物たちは待っていたかのように芽吹きをはじめます。左の画像は昨年のキバナシャクナゲの様子。すでにつぼみが大きくなり、開花が間近い状態です。しかし、今年は芽のふくらみが見られず、若干遅い傾向です。

高山植物の芽吹きや開花は、雪解けの状況に大きく左右されるため、今年のように雪解けが遅ければ、開花も遅れます。別の言い方をすれば、同じキバナシャクナゲでも、雪解けが早いところでは芽が大きくなっていて、雪解けが遅いところでは、7月になってもまだ咲いていない様子もあります。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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