ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.10(2014/07/11〜12) A
【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 U】
三本滝ゲート −この先マイカー規制 |
そして、観光センターから7km先にある三本滝ゲート。この先はマイカー規制が実施され、バス、タクシー、自転車、及び、許可車両のみ通行できます。
台風8号の影響は少なかったものの、枝葉が道路に散乱 |
台風8号の影響は少なかったものの、それでも、まとまった風雨が見られ、路面には枝葉が散乱している様子も見られました。
台風の雨で沿道の枯れ沢や滝にも潤いが |
雨量の多かった翌日は、普段は枯れ沢であったり、穏やかな流れの沢もご覧の通りの勢い。周辺の沢は一気に増水して、また、あっという間に穏やかな流れになります。
摩利支天バス停付近 | カーブを2つ曲がると湧き水(29〜30号カーブ間) |
さて、左の画像は三本滝ゲートから約3kmほど進んだ摩利支天バス停付近。バス停からカーブを2つ曲がった先に湧き水が流れる場所があります。この上部には小川など水の流れはなく、また、降雨などに関係なく、一定の水量が見られますので、おそらく湧き水かと思います。
飲用可否の程は、ご想像(自己責任)にお任せいたしますが、ヒルクライムやマラソンなどで、いざとなったときの水場として覚えておいてもよいポイントかと思います。場所は29号カーブと30号カーブの間にあります。カーブ番号の位置については、ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号版 をご覧ください。
山野草・高山植物の季節が一気に進む |
この先ももっとたくさんの山野草・高山植物が存在し、この時期は一斉に咲き出します。しかし、すべてをご紹介するわけにはいきません。ちょっと、目に留まったものだけを紹介いたします。
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ハクサンチドリ(葉が細い) | ノビネチドリ(葉が広く波打つ) |
左の画像は先週もお伝えしたハクサンチドリ(白山千鳥、ラン科ハクサンチドリ属)。そして、今週になって同じような花が咲き始めました。こちらはノビネチドリ(延根千鳥、ラン科テガタチドリ属)。花の形がやや異なるのですが、もっと違いがあるのは葉の形。ハクサンチドリは細長い形状で、ノビネチドリは波打った幅広の葉です。
花ばかりに目が移ってしまいますが、葉も植物を見分けるときの大きな要素です。
冷泉小屋 |
さらに進んで、標高2230メートルの冷泉小屋付近。
雨の降ったときしか現れない「幻の滝」 |
一旦、ここから少し下って振り返ると、ご覧のような豪快な滝の存在に気がつくはずです。「今までこんな滝があったかなぁ?」と、疑問に思う方もいらっしゃるかと思いますが、この滝は雨の降ったときしか現れません。そのため「幻の滝」とおっしゃる方もいます。
ただ、5月〜6月は雪解け水が流れていますので、ここまで激しい流れ方はないものの、必ず見つけることができるでしょう。雨上がりの日は、一度、振り返ってチェックしてみてください。
位ヶ原山荘 |
標高2350メートルの位ヶ原山荘を過ぎると森林限界に入って行きます。
この先森林限界 − 青空が冴える |
もう、ほとんど残雪はありません。その代わり、雪解け水がかなり激しく流れていますので、位ヶ原山荘から上部の登山道は残雪と雪解け水に注意が必要です。
11号カーブ | ヤマザクラ − 今週の桜前線はこのあたり |
そして、位ヶ原山荘から1.5km先の11号カーブ。右の画像はこの付近のヤマザクラ。先週は冷泉小屋付近で開花がみられましたが、今週はこの付近で開花が見られます。つまり、ノリクラの桜前線は位ヶ原まで到達したということになります。
さらに上部では、まだつぼみのヤマザクラもありますので、桜前線はまだまだ上昇しそうです。
高天ヶ原と剣ヶ峰が眺められる | 朝のコーヒータイム |
高天ヶ原と剣ヶ峰がばっちり見られるこちらの場所でコーヒータイムを楽しまれるこちらの方々。今日はご来光バスでやってきて、自転車で下りながら風景を楽しまれています。「今日のご来光は3℃でした。寒かったけど、何とか日の出を見ることができました。」と、おっしゃっていました。
また、紅葉の時期も同じように自転車で下りながら楽しむことができます。ちょうど、この付近が紅葉のオススメのポイント。また、秋になりましたら、今回と同じように自転車でお越しになると良いでしょう。また、残雪の白とハイマツの緑が作る初夏の景色と、紅葉の赤・黄色とハイマツの緑の色彩が織り成す見事な秋の景色の違いを、実際に味わってもらいたいものです。
位ヶ原の紅葉は例年9月下旬〜10月上旬に見頃を迎えます。
ノリクラ雪渓カレンダーでは、紅葉の始まる1ヶ月ほど前の9月上旬から紅葉情報を掲載いたします。年によって1週間前後のずれがありますので、ノリクラ雪渓カレンダーを良くチェックして、紅葉のピークにタイミングをあわせてお越しください。
残雪とハイマツの織り成す模様 | 5号カーブから雪の壁が見られる |
位ヶ原を進んで、5号カーブの宝徳霊神バス停付近までやってくると、雪の壁が見られるようになってきます。
4号カーブ − 高さ5.8メートル、例年より多い |
そして、最も高い雪の壁は大雪渓・肩の小屋口バス停の数百メートル手前にある4号カーブ。雪壁の高さは先週の6.7メートルから5.8メートルへと1メートル近く減少しています。おそらく、台風の風雨によって雪解けが加速したものと考えられ、一部では崩落した箇所も見られるほどです。昨年は、完全に雪壁はなくなってしまいましたので、今年はかなり積雪量が多い状態といえます。
【大雪渓に到着】
大雪渓・肩の小屋口バス停 |
9時の大雪渓の気温は8℃、ご覧のようにきれいな青空が続いています。
バスを降りたら必ず雪の話題が |
シャトルバスを降りると、目の前に必ずこの光景が広がります。「今週は減ったなぁ〜」とか、「先週とあまり変わってませんね!」と、おっしゃる方などさまざまですが、やはり一様に口になさるのが積雪量の話題。スキーヤー・ボーダーの方々にとって、一番大切な情報であるわけです。
マイクロバスでやってくるグループ |
今日もマイクロバスでお越しのグループが何台も見られました。シャトルバスと異なって、たくさんの荷物を持ってくることができます。特にアルペンレーサーの場合は、何本ものポールを持っている必要がありますから、人数を集めてマイクロバスに同乗してお越しになるケースが多々見られます。
滑走エリアへ |
今日もポールが林立する状態が見られましたが、広大な滑走エリアのある大雪渓。かつてのバブル期の夏スキーと比べたら、混雑度はまだまだです...
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