ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.21(2014/09/27〜28) A

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(Update:2014/10/02)

 

【観光センターから大雪渓へU(三本滝ゲート〜位ヶ原、沿道の風景)】

三本滝ゲート − この先マイカー規制

こちらは観光センターから7km先の三本滝ゲート。ここから先はマイカー規制です。「海外に嫁いだ姪がいつも見てるだよ〜。だから、今日もちゃんとしたところを見てもらわないとね!」と、おっしゃる係の方...叔父さんは今日も夜明け前から仕事してますよ!

夜明け前からの道路パトロールから業務開始ですが、10月からはご来光バスの運行がなくなるため、パトロール時刻が遅くなり、ちょっと負担が少なくなります。でも、その分寒さはさらに一層厳しくなり、路面凍結する日も珍しくありません。

ノリクラ雪渓カレンダーでは、毎回、ヒルクライマーの方々へ安全走行のためのお願いを掲載させていただいております。秋になって、熱中症の心配は少なくなって来ましたが、防寒対策には万全を期してお越し下さい。

 

【ヒルクライマーへのアドバイス・お願い(レインウェアの持参、自転車の点検整備、熱中症と水分補給可能場所、走行上の注意点)】

レインウェア(防寒着)の持参−天候の急変と下山時の寒さを防ぐため

本格的にヒルクライムシーズンが始まり、晴れていれば下りでも全く寒さを感じない状態となってきました。しかし、天候状況によっては防寒着が必要となることが多く、軽量化のために荷物を減らしたとしても、レインウェア・フルフィンガーのグローブなどの装備は必ず持参して下さい。特に9月以降は登りでも寒さを感じるほどです。

自転車の点検整備と修理道具の携行

走行前は必ず自転車の点検をお願いします。ブレーキとタイヤの傷・ヒビ・異物・空気圧のチェックは走行前には毎回チェックして下さい。また、パンク修理のためのキットと携帯ポンプは必ず持参して下さい。

熊鈴の携行

8月から9月にかけて、熊の出没が頻繁になる時期を迎えます。熊は森林の中だけでなく、道路上にも出没します。そのため、自動車のような走行音のしないヒルクライムは鉢合わせする危険性がありますので、熊鈴を鳴らしながら走行することをオススメします。

熊だけでなく、野生の猿も確認されています。

熱中症予防と水分補給などの可能な場所

気温が低くても、熱中症には十分注意してください。特に水分補給が十分でない場合は途中で補給するようにしてください。

場所(観光センターからの距離、標高)

飲料水

売店(スポーツドリンクなど)

トイレ

三本滝レストハウス(7km地点、標高1800m) ○ (営業時間内) ○ (営業時間内) ○ (公衆トイレ)
位ヶ原山荘(15km地点、標高2350m) ○ (営業時間内) ○ (営業時間内)
大雪渓(18km地点、標高2600m) △ (沢水) × ○ (公衆トイレ)
終点畳平(20km地点、標高2702m) ○ (営業時間内) ○ (営業時間内) ○ (公衆トイレ)

持参したボトルがいつも以上に少なくなったときは、安全のため、上記の場所で水分補給をして下さい。上記の場所については、ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号版 を参照して下さい。

めまい、失神、早い脈、筋肉の痙攣など、体調不良を感じたらムリに下山せず、周囲の走行者、バス・タクシーなどに救助を求めて下さい。(下山走行中に体調悪化して転倒事故の可能性あり。)

走行上の注意点

<前を良く見て走行してください。(特に登り走行時)>

ヒルクライムで、下を向いたままべダルをこぐ様子が良く見られます。その場合、対向車の存在に気付くことが遅れて、正面衝突する危険性があります。必ず前を見て走行してください。

<並走禁止(横並び走行)>

横に並んだ並走走行は道路交通法でも規制されています。友人同士でおしゃべりしながら並んで走行するのは楽しいものですが、県道乗鞍岳線は狭小区間が多く、後ろから来た自動車が追い抜くことができません。また、対向する車両との接触の危険性もありますので、絶対に並走しないようお願いたします。

<下山時はスピードを落として、カーブミラーもしっかりと確認>

スピードを乗せたダウンヒルは楽しいものですが、大会などでコース規制がされた状態ではありませんので、すぐに止まれるスピードで走行してください。また、カーブミラーでヘアピンカーブの先の状況もよく確認してください。カーブミラーの確認をすると姿勢が不安定になるという方もいらっしゃるかと思いますが、すでにその状態がスピードを出しすぎている証拠です。しっかりとカーブミラーが確認できる速度までスピードダウンしてください。

<防衛運転に徹すること>

他の車両との事故の場合、過失の問題が生じますが、いずれにしても、ダメージが大きいのは自転車の方です。必ず防衛運転に徹するようお願いいたします。

かもしかゲレンデ

話をもとに戻し、三本滝ゲートを通過して、こちらはかもしかゲレンデ。この付近から濃霧が立ち込めるようになって来ました。

 

イタドリはきれいなオレンジ色に ハンゴンソウはまだ咲いています

この時期になると、紅葉の木々以外に目を向けることが少なくなりますが、左はイタドリの紅葉。草紅葉といった表現のほうが良いでしょうか?それでも、かもしかゲレンデを秋色に色付けるのに十分な色合いです。そして、右はハンゴンソウの花。秋が深まってもまだまだ咲いている花はたくさん見られます。

 

濃霧が立ち込める 摩利支天 − この先紅葉ゾーンへ

ご覧のような濃霧はこの先しばらく続き、上部で見られる雲海の中に突入です。それと同時に、かもしかゲレンデを通過するあたりから紅葉ゾーンに突入です。濃霧の中でも、見事な色合いがはっきりとわかる状態で、今週に入って、全エリア紅葉を迎えました。

このあとは、ほとんど紅葉シーンばかりとなってきます。

 

青空が広がり始める 紅葉の回廊 − ゆっくりとヒルクライムを楽しむ

標高2000メートルの摩利支天を過ぎたあたりから、濃霧が抜けて、青空が見られるようになって来ました。今日のヒルクライマーは皆さんゆっくりとペダルを回しします。目線も路面に落とさず、周囲の紅葉に自然と向いてしまいます。ゆっくりと流れる紅葉の回廊を楽しめるのはやはりヒルクライマーの特権と言えるでしょうか?

 

冷泉小屋

標高2200メートルの冷泉小屋。

 

冷泉 この時期のヒルクライムはジャージもパンツも冬仕様

ウラジロナナカマドは紅葉が進むと霜枯れしたり、枯れ落ちたりすることが多いのですが、今年は色合いもボリュームも問題ありません。昨日からお越しになっているこちらのヒルクライマー。「昨日も今日も見事な雲海でした。夏場のウエアだと寒いので、ジャージもパンツも冬用です。」ウエットスーツのような完全防備のジャージで、これなら寒くなっても問題なさそうですね。

 

位ヶ原山荘 紅葉散策の途中で一休み

そして、2350メートルの位ヶ原山荘。紅葉散策の途中で休憩に立ち寄る方や、位ヶ原山荘前停留所から下りのシャトルバスに乗車される方などで、位ヶ原山荘は、一年で一番忙しい時期に入ってきたようです。

 

黄金色の屏風 ヒルクライマーもカメラ片手に...

そして、位ヶ原山荘前は、ご覧のような黄金色の屏風が広がります。多くのカメラマンがこの屏風を捕らえようと三脚を立て並べる様子が見られ、目の前に広がるこの屏風に、ヒルクライマーも自転車に乗ったまま、急いでカメラを取り出す様子も見られるほどです。

 

位ヶ原山荘前停留所 − 紅葉シーズンは列ができるほど

通常のシャトルバス下り便は、畳平や大雪渓・肩の小屋口バス停を通過すると、三本滝や観光センター前まで、ほぼノンストップ状態ですが、紅葉が始まると、ほぼ各駅停車になるほどです。多くの方は、上部エリアから車道を下りながら紅葉散策を楽しみ、位ヶ原山荘前などの停留所から下山のシャトルバスに乗車します。そのため、位ヶ原山荘前にはご覧のような列が立ち並び、この日も乗車できずに、畳平で待機していた下りシャトルバスが、急遽配車される状況も見られるほどでした。

おそらく、紅葉シーズンのシャトルバス下り便は、途中の停留所から乗車できないケースが多々ありますが、週末など特に人出の多い日は主要なバス停には係員が配置されたり、巡回して、乗車人数を把握して、運行台数を調整します。それでも、午後の遅い時間帯はかなり混雑しますので、出来るだけ早めに下山するか、時間に余裕を持ったスケジュールでお越しいただいたほうがよさそうです。

 

この先から、山岳紅葉ゾーンへ

位ヶ原山荘からは森林限界を超えて、紅葉はさらに見応えが感じられるもの。日差しの差し込むタイミングを待つカメラマンの姿も見られました。

 

中版スチールカメラ、装備は25kg − 1枚のシャッターを切るために苦労は惜しまない

最近は、デジタルカメラがほぼ100パーセントを占める中、こちらの方は、中版スチールカメラをじっくりと構えています。最近は35ミリ幅のフィルムカメラすらほとんど見かけませんが、それよりもさらに大きな「ブローニーサイズ」と呼ばれるもので、フィルム1本で8枚しか撮影できません。

「カメラと交換レンズや三脚などをあわせると重さは25kgになります。冬になるとこれにテントが加わりますから、40kgにもなりますよ。」 カメラマンは、芸術家でもあり登山家でもあります...一枚のシャッターを切るのに、それに至るまでの労力は本当に大変なものなのです。

 

【観光センターから大雪渓へV(位ヶ原、屋根板の絶景ポイント、沿道の風景)】

位ヶ原 − 本格的な山岳紅葉の光景が広がる

ノリクラの紅葉で、最も見応えのあるエリアはやはり位ヶ原といえるでしょう。ハイマツの緑が赤や黄色の紅葉を見事に際立たせてくれる様子は、見事としかいいようがありません。

 

乗鞍で一番の紅葉ポイントへ(屋根板・富士見沢)

そんな紅葉ポイントへ足を進めるこちらのカメラマン。崖の頂上から一気に広がる屋根板が目に飛び込むと...

 

これを見ないと一年が終われない(屋根板)

「毎年、見てるけど、やはり絶景ですね〜。これを見ないと一年を終えることが出来ませんよ!」

 

今年はいい!黄色が鮮やかだし、赤も色あせてない!

「いや〜...今年はいい!黄色が鮮やかだし、赤も色あせてない!」

 

また来年もこの場所で!

WebSiteの紅葉情報を毎回チェックし、紅葉のタイミングをはずさずにお越しになっているとのこと。また、来年もこの場所でお会いできることを楽しみにしています。

なお、こちら屋根板の場所ですが、人気スポットですので、ご存知の方も多いかと思いますが、宝徳霊神バス停から位ヶ原山荘へ下る登山道を10分程度降りたところです。また、こちらの紅葉ポイントを含め、全体のビューポイントは  ノリクラガイドマップ 紅葉 上部エリア版(大雪渓〜摩利支天)   ノリクラガイドマップ 紅葉 下部エリア版(三本滝〜乗鞍高原・一の瀬エリア) をご覧ください。

 

登山道を軽快に登る 三本滝から山頂目指します − 時間間に合うかな...

さて、登山道を軽快に登るこちらのグループ。三本滝から登ってきたとのこと。「紅葉もいいし、気候もいいので、結構ゆっくりしたペースで登ってきました。これから、山頂まで走りますが、間に合うかな...(笑)」 時刻はすでに13時を回っています。下りも走ることを考えると、ちょっと急がないとね...でも、軽快な足取りですから、日没までには間に合うかと思いますが、何かアクシデントがあった場合を想定して、最終バスの前には下山を開始するようスケジュールしてください。

 

すばらしい紅葉が見られて良かったです。今度は冬にお会いすることになりそうですね!

朝のシャトルバスでお会いした方に再び再会。「朝は天候が良かったのにちょっと残念。でも、すばらしい紅葉が見られて良かったです。今度は冬にお会いすることになりそうですね!」とのことでした。色々な季節が楽しめるのがノリクラの大きな魅力です。

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