ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.3(2015/05/23〜24) @

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(Update:2015/05/28)

 

先週は乗鞍スカイライン開通と乗鞍岳山開き祭の模様をお伝えいたしましたが、今週は乗鞍高原においてすもも祭が開催されました。一つ一つ行事を執り行う度に、季節が進んでいきますが、今年はスモモの開花が例年より1週間ほどはやく、残念ことに「葉桜状態」のスモモのもとでのお祭りとなりました。また、県道乗鞍岳線の除雪も大雪渓まで進み、乗鞍岳春山バスは27日より大雪渓まで運行されることが決まりました。この5月はいろいろなイベントが目白押しにあって、忙しい1ヶ月となりました。

5月23日(土)は、薄曇りですが、それでも遠景の山並みははっきりと確認でき、暑くもなく寒くもなく穏やかな一日。春スキーヤーばかりでなく、鶴ヶ池雪渓に訪れる夏スキーヤーの姿も見られ、少しずつ、季節がシフトし始める様子が見られます。除雪は大雪渓まで到達し、4号カーブの雪壁は切通の垂直部分で6.8メートル、最大で10メートルの高さがあって、最大値はほぼ昨年並みの状況です。

5月24日(日)は、早朝は曇り空でしたが、春山バス始発便が位ヶ原山荘に到着した8時過ぎからきれいな青空に恵まれました。のんびりと穏やかン雰囲気に包まれ、梅雨入り前の貴重な晴天と言える状況。乗鞍高原一の瀬園地では、第44回すもも祭が開催され、今回より山菜フェスタと同時開催となって、多くの方がお越しになりました。

1日目は乗鞍スカイラインから畳平、そして、山頂方面の様子、2日目は乗鞍岳春山バスや大雪渓まで除雪が完了した県道乗鞍岳線の様子、そして、乗鞍高原で行われたすもも祭の様子をお伝えします。


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

◎ 今回の目次

Page-1 : 【5月23日(土)、ほおのき平駐車場】       【シャトルバス、乗鞍スカイラインを行く】
Page-2 : 【畳平に到着、畳平周辺】       【肩の小屋へ】       【肩の小屋】
Page-3 : 【稜線へ】       【稜線】       【頂上小屋の除雪作業】
Page-4 : 【剣ヶ峰〜蚕玉岳】       【県道乗鞍岳線の除雪 − 大雪渓まで完了】       【大雪渓下部】
Page-5 : 【5月24日(日)、観光センター前駐車場】       【春山バス大雪渓延長に向けて − 大雪渓までの風景】
Page-6 : 【第44回すもも祭(乗鞍高原)】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>

●参考資料●
(乗鞍岳春山バス) − 2015シーズン 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘・大雪渓)の運行について
(周辺地図) −  ノリクラ ガイドマップ (春〜夏スキー 大雪渓・山頂版) 
(各種情報) − 2015シーズンの道路交通・各施設の営業再開予定と乗鞍岳春山アクセス方法

  

 

【5月23日(土)、ほおのき平駐車場】

ほおのき平駐車場

こちらは早朝6時のほおのき平駐車場。
岐阜県側のシャトルバス乗り換え駐車場は、かつては平湯温泉から車で約5分、徒歩で約8分のところにあるあかんだな駐車場(有料)も利用可能でした。しかし、最近はシャトルバスの始発が、あかんだな駐車場ではなく、平湯温泉からの運行となってしまいましたので、乗り換え駐車場としては、実質的にはこちらのほおのき平駐車場(無料)のみとなっています。

 

夫婦松駐車場方向 猫岳もはっきりと

気温は12℃、暑さ寒さを感じないちょうどよい気候です。左のが画像はほおのき平駐車場から望む夫婦松方面。その奥に猫岳が確認できます。そして、右の画像の猫岳の中腹を横切っているのが乗鞍スカイラインで、ちょうど森林限界を超えた付近にあり、道路の標高が2400メートル前後の高さがあります。ほおのき平駐車場の標高が1230メートルほどですから、1000メートルもの標高差があります。

 

おのき平バスターミナル

こちらは駐車場内にあるほおのき平バスターミナル。

 

畳平の天候 − 今日はAダイヤで運行

シャトルバス終点の畳平の天候が毎朝掲示されます。今朝6時の天候は曇り、気温はマイナス1℃。5月中は最低気温が氷点下になることはよくあって、珍しいことではありません。そのため、路面凍結で通行止めとなることがしばしば発生し、今週も21日(木)は早朝から9時30分まで 積雪凍結通行止めでした。

また、シャトルバスのダイヤは天候に応じて、正常時のAダイヤと悪天候時のBダイヤがあります。前日の午後2時の時点の翌日6〜12時の降水確率が40%を超える場合はBダイヤが適用されます。

 

チケットは往復乗車券を購入

乗車券はターミナル屋内の自動販売機にて購入します。往復券は片道券2枚よりも安価ですので、特段の理由がない限り、往復券のほうがよいでしょう。

 

準備を整えた方からターミナルに集まってきます。

雪が少な目と聞いて、早めに夏スキーのシーズンイン

始発便に乗車しようとされる大半が、スキーヤー・ボーダーの方...こちらの方々も昨年夏以来の久しぶりの再会。いつもは長野県側の大雪渓にバスで訪れることができるようになってからノリクラにお越しになっていますが、今年は当WebSiteを見て雪が少ないことを確認されたため、早めに来ないと滑走できなくなる可能性も考えて、今回は初めて岐阜県側から入山されるとのことで、バスからほど近い鶴ヶ池雪渓で滑走される予定です。

 

列が長くなる 始発便到着

始発便が到着する間際になると、結構たくさんの方がお越しになりました。そして、平湯温泉を出発した始発便が到着しました。

 

畳平に向けて出発

今回はほおのき平駐車場からは36名の方が乗車され、1台で収まることができましたが、もし、満席になった場合、通常次の便になります。当日のダイヤがAダイヤの場合なら、平日は1時間後、土日は30分後の便をご利用になることと思います。

 

【シャトルバス、乗鞍スカイラインを行く】

平湯峠−ここから乗鞍スカイライン、マイカー規制 平湯峠の駐車場 − ヒルクライムの準備

それでは、ここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。こちらは乗鞍スカイライン基点の平湯峠。ほおのき平駐車場から約6kmほど進んだ所にあり、この先は2003年からマイカー規制の対象区間とされ、バス・タクシーや自転車など限られた車両のみの通行となります。

平湯峠まではマイカーの走行は可能で、右の画像のように自転車に乗り換えて、乗鞍スカイラインをヒルクライムされる方が結構いらっしゃいます。しかし、ここにはシャトルバスのバス停はありませんので、シャトルバスに乗車するためには、先ほどのほおのき平駐車場に戻る必要があります。

 

昨年の平湯峠付近
2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.3(2014/05/24〜25) @
昨年の平湯峠付近
積雪がほとんどない

標高1684mの平湯峠ゲートから乗鞍スカイラインを進むと山肌に残雪が見られるようになってきます。今週はほとんどない状態になっています。

 

ヒルクライム 自転車のフレームにはスキー板が

今日はヒルクライムの方が比較的多い状況ですが、右の方の自転車をよく見ると、フレームにスキー板が固定されています。畳平に到着されたのちに鶴ヶ池雪渓などでスキーをされるものと思います。7月になって、長野側の県道乗鞍岳線が開通すると、ご覧のような方は何人かいらっしゃいますが、乗鞍スカイラインでお見かけするのは初めて...

岐阜県側の乗鞍スカイラインも長野県側の県道乗鞍岳線も、同じように畳平に登る道路ですが、勾配は乗鞍スカイラインのほうがきつい個所が多く、とくに平湯峠から夫婦松駐車場までの序盤3kmと森林限界を超える8kmポスト付近は結構つらいものがあります。

 

夫婦松駐車場 キロポスト表示(3km地点)

その夫婦松駐車場がこちら。乗鞍スカイラインはマイカー規制前は有料道路でしたが、夫婦松駐車場までは無料通行できました。右の画像に黄色のキロポスト表示(3km)がありますが、この付近に料金所があり、この先から有料区間でした。

 

芽吹きはまだ(ダケカンバ) 夫婦松

山麓では新緑の季節を迎えているものの、この付近では芽吹きはまだまだ感じられません。先ほどの料金所跡から100メートルほど走ると左の画像の場所に出て、奥に夫婦松がありますが、現在は1本松になっています。また、乗鞍スカイラインは夫婦松をまたぐように上下線が分離しています。おそらく、かつての3.6メートル幅の軍用道路を拡張して、片側1車線にするさいに、この夫婦松を中心に両側に分かれて上下線が作られたものと推測されます。また、平湯峠から夫婦松までの区間では、古い道路から付け替えられた区間が何か所か残っています。

 

昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2014/05/24〜25) @
先週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.2(2015/05/15〜16) A
今週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
例年と比べて1週間ほど早い雪解け

夫婦松駐車場を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。積雪量は昨年より若干少なく、例年と比べて1週間ほど早い雪解け状況です。

 

北アルプスの屏風が一望
笠ヶ岳方面 槍・穂高方面

今日は薄曇りの天候ですが、遠景の山並みははっきりと確認でき、笠ヶ岳から槍・穂高までがくっきりとしています。北アルプスの屏風が一望できるロケーションの良さが乗鞍スカイラインの特徴です。

 

昨年の猫の小屋跡地
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2014/05/24〜25) @
先週の猫の小屋跡地
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2015/05/15〜16) A
今週の猫の小屋跡地
昨年より1〜2週間早い雪解け

さらに進んで、こちらは標高2200m付近の猫の小屋跡地。道路の左側の積雪を見ると、昨年より明らかに少ない状況で、1〜2週間程度早い雪解けです。また、道路右側の積雪は除雪作業の影響からか、年によって大きく変化していますが、それでも、昨年より明らかに少ない状況です。

 

森林限界を超えるとロケーションが広がる

平湯峠から8kmポスト付近の森林限界を超えたあたりから、木々が低くなり、ロケーションが広がってきます。前のページでほおのき平駐車場から確認できた猫岳山腹の道路がちょうど右の画像の箇所になります。標高2400メートルです。

 

昨年の烏帽子岳
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2014/05/24〜25) @
今週の烏帽子岳
昨年より1週間早い雪解け

2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2014/05/24〜25) @
今週の四ッ岳カーブ
昨年よりも2週間早い雪解け

上段が森林限界を超えて最初に見られる山で、23ある乗鞍の峰の一つである烏帽子岳(えぼしだけ標高2550m)。昨年より1週間早い雪解けです。先週の段階では、昨年より2〜3週間早い雪解け状態でしたが、若干、雪解けのペースが遅くなり、その差が縮まっています。この傾向は、乗鞍スカイラインだけでなく、この後で紹介する大雪渓・山頂方面でも同様な傾向が見られます。

下段はその先にある乗鞍スカイラインの中でもっとも積雪量の多い箇所を通過する四ッ岳カーブ。先週は昨年より2〜3週間早い雪解け状況でしたが、先の烏帽子岳と同様に雪解けがやや遅く、昨年より2週間早い雪解けです。

 

桔梗ヶ原

四ツ岳カーブを過ぎてさらに登って12kmポストを過ぎると、桔梗ヶ原にやってきます。このあたりから開放感あふれる雰囲気となり、長野県側の県道乗鞍岳線の位ヶ原に相当する場所です。位ヶ原からのロケーションは、主峰剣ヶ峰をはじめ、高天ヶ原や摩利支天岳を主体とする構成ですが、こちらからの眺めは剣ヶ峰から、富士見岳、魔王岳、大黒岳、恵比須岳、さらに振り返って、大丹生岳や烏帽子岳、四ツ岳など、権現ヶ池の外輪山以外の乗鞍23峰の数多くを眺めることができ、ノリクラの奥深さを感じることができます。

 

山の連なりが手に取るように...

色々な山が連なっている様子が手に取るようにわかるのが桔梗ヶ原の良さ...

 

昨年の鶴ヶ池雪渓
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2014/05/24〜25) @
今週の鶴ヶ池雪渓
昨年より2〜3週間早い雪解け
=例年通りの6月下旬までの滑走はできない可能性が=

畳平に到着する手前に鶴ヶ池雪渓が広まります。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。畳平から歩いてすぐの場所にあることから、初めてお越しになったスキーヤー・ボーダーの方にも安心してお勧めできる場所です。例年6月下旬まで滑走可能です。

先週同様、昨年と比べて2〜3週間早い雪解けです。そのため、例年通りであれば6月下旬まで滑走可能ですが、それができない可能性がかなり高いです。鶴ヶ池雪渓での滑走ができなくなった場合は、長野県側の大雪渓に移動する必要があります。

 

畳平に到着

鶴ヶ池雪渓を過ぎると、乗鞍スカイライン終点の畳平に到着です。

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