【速報バックナンバー 2011年2月分】

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◎ 2月

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■2011年2月26日(土)■

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/02/26 10:45
紺碧の青空の中 − 気温0℃、ぽかぽか陽気!
(ツアーコース − 5番標識付近)
A 2011/02/26 12:35
午前中の強風も収まり、ほぼ無風に
(位ヶ原)

B 2011/02/26 12:55
澄み渡るロケーションを独り占め!
(位ヶ原)

C 2011/02/26 14:00
終日ダイレクトな太陽に包まれ、春スキーモードの一日でした
(大雪渓前)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 10月末で2010シーズンのノリクラ雪渓カレンダーを終了いたしましたが、12月より2011シーズンの速報を開始します。ノリクラ雪渓カレンダーはしばらくお休みです。

今回も終日にわたって綺麗な青空に包まれ、青と白のコントラストの世界が終日続き、春スキーを思わせるような穏やかで暖かな一日を楽しむことができました。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、春一番の怪しげな風が西または南から強弱を繰り返しながら吹き抜け、大粒の雪が横殴りに舞いつける夜を迎えています。気温はマイナス4℃。寒さは感じさせませんが、この怪しげな吹き方の風には顔を背けたくなるほどの状況。それでも上空をよく見るとちらほらと星が瞬いている様子が見られ、天候は回復傾向であることがわかります。

そして、一夜明けた乗鞍高原は冷え込んだ朝を迎えます。早朝7時の気温はマイナス12℃。昨晩の雪はほとんど積もってなく、路面はうっすらと白くなる程度。朝日とともにノリクラの峰々が真っ白に輝き始めます。しかし、その山肌からは激しく雪煙が北から南へ湧き上がり、上部エリアは強風に見舞われている様子が見られます。しかし、山麓の乗鞍高原は快晴無風で、冷え込んだ朝も力強い太陽のおかげで、8時ごろには暖かさを感じるようになってきます。

8時30分にリフト営業がはじまり、今日もツアーコース入口にはたくさんのスキーヤー・ボーダーの方々がお越しになっています。9時のツアーコースの気温は0℃、ツアーコース入口付近は少し風が強弱を繰り返し、かもしかゲレンデ上部は所々でつむじ風が舞っています。それでも、力強い太陽のおかげで寒さはなく、ツアーコース出発前にアウターをザックに押し込む様子すら見られるほど。30分ほどの間に30名近くの方が、リフトを乗り継いでツアーコース入口にお越しになり、シールやスノーシューの準備ができた方から順次出発して行きます。

ツアーコース入口付近は先週のトレース跡は完全になくなっていますが、ストックで突き刺して15センチほどの新雪しかなく、所々でストックの先がコツコツと底打ちする箇所もあって、積雪量の増加はほとんどありません。それでも上部から吹き抜ける風でトレース跡には新雪が覆いかぶさる状態が絶えず続き、ツアーコース入口急斜面は降雪が少ないとシールが滑りやすい状態ですが、今日はほとんどそんなことはなく、順調に登行ことができました。

ツアーコース入口急斜面の先も新雪の量はそれほどありません。ただ、1番標識付近からはストックの先にコツコツと底打ちする感覚がなくなってきて、それなりに降雪があったことがわかります。そして、快晴のコンディションは全く変わらず、ツアーコース内に何箇所か見られるビューポイントでは、高天ヶ原と剣ヶ峰が雄大にその姿を青空をバックに見せ付けてくれる様子が続きます。

11時を過ぎる頃になると、山頂付近の雪煙も収まりをみせます。そして、ツアーコース内を吹き抜ける風も少しずつ弱くなり、アウターをザックにしまいこんで薄着で登行していても、力強い太陽の暖かさに背中が汗ばんできて、吹き抜ける風をできるだけ背中に取り込もうとする様子は、これまでの極寒のシーズンからは想像もできないほどの状況。もう春スキーの季節がやってきてしまったのかと思ってしまうほどです。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス2℃。所々でつむじ風が見られ、ツアーコース内では普段はあまり見られない風紋があって、やはり昨日の春一番の影響が見られていることがわかります。そして、いつもならツアーコース内ではさほど寒さを感じさせなくても、それより上部の位ヶ原では極寒の強風に見舞われているケースが多く見られますが、今日は風が若干強めである状況ではあっても、アウターを着ていれば全く問題ないコンディションです。
13時の位ヶ原の気温はマイナス4℃。午後になると風が収まって快晴無風の世界が位ヶ原に広がり、おそらく、今年一番の穏やかな位ヶ原となり、ぐるっと360度にわたって見事なロケーションが広がった状況に、訪れたスキーヤーの方々も雄大なパノラマを独り占めできてうれしそうな様子を見せてくれました。

相変わらず燦々と降り注ぐ日差しが続き、さらに無風となれば気温は上昇して、14時の大雪渓付近は0℃まで上昇します。何も音のないサイレントな世界にいつまでもくっきりと浮かぶ大雪渓エリアに身をおくと、何もかもを忘れて剣ヶ峰にゆっくりと沈み行く斜光をいつまでも眺めていたいという雰囲気にさせられるものです...
先週も非常によいコンディションの一日でしたが、今日はそれを上回るといてもよいほどの状況を楽しむことができました。

ツアーコースの全体的な積雪状況は、先週とほとんど変わらず、それでも昨年よりも少ない状況です。
3番標識付近では先週とほぼ同じで、昨年より10センチ少ない状況。そして、5番標識付近も先週とほぼ同じで、昨年より15センチ多い状況。位ヶ原急斜面も先週と同じで、昨年よりも50センチ〜1メートル少ない状況となっています。
バーンコンディションは全体的に締まった感触で、所々にパックされた状況が見られます。

今週は雪崩は見られませんでしたが、これからさらに気温が上昇すると、雪質の変化が大きくなり、これまで発生が見られなかった箇所でも雪崩発生の危険性が多くなります。今後も細心の注意のもとで行動されることをお勧めします。(2011/02/26 18:00更新)

【雪崩に注意 − 2月17日(木)に屋根板などで雪崩が発生しています】
前述のとおり、屋根板などで雪崩が発生しています。雪崩はツアーコース内でも過去に発生しています。これからの時期は雪崩の発生しやすい時期です。過去の雪崩箇所は ノリクラガイドマップ(冬〜春スキー版) でご覧になれますので、お出かけの際にはご参考にしてください。

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2010ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、2010年10月26日掲載の Vol.24<最終版> 及び 今週末掲載予定の Vol.25<番外編> をもって 今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

<速報>
2010年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2010年12月から2011年3月までのウインターシーズンについては、週末に速報をお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載を実施しない週もあります。
2011年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。

<ノリクラ雪渓カレンダー>
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2011年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2011年5月中旬頃を予定しております。

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■2011年2月19日(土)■

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/02/19 09:20
快晴無風の中を出発
(ツアーコース入口)
A 2011/02/19 10:30
ノリクラの峰々が青空にくっきりと浮かぶ
(ツアーコース − 1番標識付近)

B 2011/02/19 12:30
遠景の山々まで冴え渡る眺望
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2011/02/19 13:20
終日にわたって青と白のコントラストの世界が続く
(屋根板)

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▼ 10月末で2010シーズンのノリクラ雪渓カレンダーを終了いたしましたが、12月より2011シーズンの速報を開始します。ノリクラ雪渓カレンダーはしばらくお休みです。

終日にわたって綺麗な青空に恵まれ、一日中、青と白のくっきりとしたコントラストの世界を楽しむことができました。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は満月の夜を迎えています。気温はマイナス6℃、真昼のような輝きを見せる満月が真っ白に聳え立つノリクラの峰々をくっきりと浮かび上がらせています。そして、夜中とは思えない明るさに空も幾分青さを帯びていて、一年を通してもこれ以上の美しさを見せる満月の夜は、あまり見られないのではないかと思うほどの様子が続いて行きます。

そして、満月が西の空に沈むと、空はそれに呼応するように夕焼けを見せ、昼夜が逆転しているのではないかと思うほど。そして、ほどなく東の空からは朝日が昇り、今日一日の始まりへと舞台転換します。早朝7時の気温はマイナス14℃。もちろんノリクラの白肌は茜色に染まり、快晴の一日が始まります。

スキー場のリフト営業が始まり、9時のツアーコース入口にはいつものようにスキーヤー・ボーダーの方々が集まり始めます。気温はマイナス2℃。快晴無風が続き、日差しの暖かさを十二分に受けると、じーっとしているだけで背中がほこほこと暖かさを感じる天候。出発の準備をするスキーヤー・ボーダーの方々もアウターをザックにしまいこむ様子が見られます。

ツアーコース入口付近のバーンは完全にパック状態。シールで登って行くと全くやわらかさを感じません。それでもツボ足で歩けば数センチの厚みのあるパックを踏み抜いて膝くらいまで埋まってしまう状態。そのため、入口急斜面を登るスキーヤーはほとんど問題ないものの、パックを踏み抜いてしまうスノーシューの方は少し苦労されていた様子がありました。

ツアーコース入口急斜面を登りきった先のツアーコースもパックされたバーンコンディションが続きます。しかし、天候も全く変化を見せず安定した快晴が続きます。その空の色は全くくすみを知らない紺碧の青空。ツアーコースにはいくつものビューポイントがあり、真正面に高天ヶ原や剣ヶ峰といったノリクラの峰々を眺めながら登行を進めて行けば、普段よりも足取りが軽くなるというものです。

ツアーコースのバーンコンディションは、上部の位ヶ原急斜面までほとんど変わらずパックされた状態が続きます。また、天候も全く変わらず安定した青空が続いて行きます。11時ごろになると少し雲がたなびきますが、それでもツアーコース最後の位ヶ原急斜面では浅間山から八ヶ岳、そして、南アルプスや中央アルプスの名だたる山々が真っ白な頂を青空に突き出している眺望が広がり、まるで鳥瞰図を見ているかのような光景が見られます。正午の位ヶ原急斜面の気温はマイナス2℃。今日のツアーコースは気温も変わらず安定しています。

ツアーコースの先の上部エリアも穏やかなコンディション。気温はマイナス8℃まで低下しますが風がほとんどなく、また、力強い太陽の日差しに助けられ、いつもなら、位ヶ原の台地に登っても、極寒の強風の耐え切れず引き返す方々が多い状況ですが、今日は摩利支天の東斜面など、春スキーの時期ににぎわう上部バーンへ足を伸ばす方もいらっしゃるほどでした。
午後になると上空全体が薄い雲のベールに包まれる様子が見られます。しかし、位ヶ原はほぼ完全に無風になり、さらに安定した状況を見せて、今日一日が終わって行きました。

ツアーコースの全体的な積雪状況は、週の前半にまとまった降雪がありましたが、それでも昨年よりも少ない状況です。
3番標識付近では先週より30センチ多く、昨年より30センチ少ない状況。そして、5番標識付近では先週より50センチ多く、昨年とほぼ同じ状況。位ヶ原急斜面は先週より50〜70センチ多く、昨年よりも50センチ〜1メートル少ない状況となっています。

今日は安定した天候の一日でしたが、屋根板及び、2010年2月23日に死亡事故のあった位ヶ原山荘付近の斜面では、2月17日(木)に雪崩が発生しています。これまで安定していた雪質も、寒暖の差が大きくなるとともに、気温の上昇で雪面状況が変化したり、降り積もる雪質に変化が見られ、雪崩が発生しやすい状況がさらに高くなってきます。細心の注意のもとで行動されることをお勧めします。(2011/02/19 18:10更新)

【雪崩に注意 − 2月17日(木)に屋根板などで雪崩が発生しています】
前述のとおり、屋根板などで雪崩が発生しています。雪崩はツアーコース内でも過去に発生しています。これからの時期は雪崩の発生しやすい時期です。過去の雪崩箇所は ノリクラガイドマップ(冬〜春スキー版) でご覧になれますので、お出かけの際にはご参考にしてください。

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2010ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、2010年10月26日掲載の Vol.24<最終版> 及び 今週末掲載予定の Vol.25<番外編> をもって 今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

<速報>
2010年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2010年12月から2011年3月までのウインターシーズンについては、週末に速報をお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載を実施しない週もあります。
2011年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。

<ノリクラ雪渓カレンダー>
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2011年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2011年5月中旬頃を予定しております。

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■2011年2月11日(金)■

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/02/11 09:20
三連休初日 − 今日もたくさんの方が出発
(ツアーコース入口)
A 2011/02/11 10:15
雪の降り方が徐々に激しくなる
(ツアーコース − 2番標識付近)

B 2011/02/11 12:10
山荘物資は歩荷で − 位ヶ原山荘は2月5日から営業再開
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2011/02/11 13:05
気温マイナス6℃ − 雪の降り方はますます激しくなる
(位ヶ原 − 7番標識付近)

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▼ 10月末で2010シーズンのノリクラ雪渓カレンダーを終了いたしましたが、12月より2011シーズンの速報を開始します。ノリクラ雪渓カレンダーはしばらくお休みです。

毎週土曜日にお届けしておりますが、今週はは一日前倒ししてお伝えいたします。そのため、明日、12日(土)の速報はありませんのでご了承ください。
三連休初日の今日、天候や気候的には穏やかな状況ですが、雪の降り方がだけはますます激しくなり、おそらく明日は楽しいパウダーが味わえるのではないかという雰囲気の一日でした。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、ゆっくりと舞っている雪が落ちるのためらっているかのような降り方を見せる夜が続いています。気温はマイナス3℃。空気の動きがほとんどなく、嵐の前の静けさとでもいうかのような不気味な静けさが続いています。

そして、一夜明けた早朝7時の天候は曇。鳥居尾根のコースよりも上部は完全に雲に飲み込まれています。その割には空の色は鉛色ではなく、明るさすら感じさせてくれるものです。昨晩の降雪は完全に収まった朝でしたが、7時を過ぎた頃から再び雪が降り始めます。降り始めた雪は、乾いた軽い雪が特徴のノリクラには似合わない粒の細かな春先のような雪。傍から見ていると雨が降っているかと見間違えるような様子とも言えます。

9時のツアーコース入口付近には、リフト営業開始と同時にお越しになったスキーヤー・ボーダーの方々が出発の準備を始めています。すでに20名ほどの方がお越しになり、シールをつけたり、スノーシューを履いたりといった様子がありますが、雪の降り方が徐々にまとまった雰囲気になってゆく中でも、アウターをザックにしまいこむ様子すら見られます。気温はマイナス4℃、決して高いといえない気温ではありますが、歩き始めた瞬間から中から汗ばむ雰囲気すら感じさせる状況。もちろん、この雪の降り方では、太陽の影すら見られない状態で、日差しの暖かさすら得られませんが、それでも暖かさを感じるコンディションです。降る雪も決して綺麗な結晶のものは多くなく、真冬とは状況がやや異なる天候であることがわかります。

ツアーコース入口付近はうっすらと新雪が乗っている程度で、下地の硬さを登っている足裏から感じます。それでも入口急斜面ではところによって30センチ程度の新雪が乗っていて、多くの方が登行するトレース部分はシールが滑る感じがありますが、新雪部分では問題なく急斜面を登りきることができます。

ツアーコース入口急斜面を登りきった先も新雪の降雪量はさほど多くありません。また、この新雪も少し湿り気を帯びた感覚があります。それでもところによってはシールで甲程度まで沈み込む様子があり、先週までのトレース跡は完全になくなっています。
3番標識付近を過ぎると降り積もる新雪に軽さを感じるようになり、5番標識の先からはいつもの軽い状態がとり戻ってくるようになってきます。時間とともに雪の降り方は激しさを増し、先に登っていったスキーヤー・ボーダーの方々のトレースにもうっすらと新雪が積もって行く様子がはっきりと感じとることができるようになってきます。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温は0℃。雪の降り方が激しくなってきますが、視界のほうは良好で、急斜面の最上部まではっきり見られる状況。この付近では今朝から降り始めた真冬の軽い雪が降り積もっていて、下地が硬いバーンに20〜30センチほどが乗っています。シールで踏み込むと新雪部分がずり落ちて、シールそのものも滑り、やや登りにくい状態。そんな中を位ヶ原山荘のスタッフが大きな荷物を背負ってやってくる様子があります。2月5日(土)から冬季営業を再開し、定期的に山荘物資を歩荷で運び入れます。この作業は県道乗鞍岳線の除雪が進む春先まで定期的に続きます。

ツアーコース位ヶ原急斜面の先の上部エリアでは、いつもなら冷たい風が吹き抜けていますが、今日は穏やかな状況。それでも気温はマイナス6℃と低下し、そのため、ウェアがバリバリに凍りつくようになってきます。位ヶ原エリアも積雪量はまだ多くなく、いたるところでブッシュが見え隠れしていて、これからの降雪が期待したいところです。

午後のツアーコースは午前中よりもやや新雪が増えていて、下地の底打ち感はあって浮遊感に乏しいところはありますが、それが逆に滑りやすい状況を作っているとも言えます。

ツアーコースの全体的な積雪状況は、この一週間の降雪がほとんどないため先週よりやや減少し、昨年よりもかなり少ない状況です。
3番標識付近では先週とほぼ同じで、昨年より30センチ少ない状況。そして、5番標識付近では先週より10センチ少なく、昨年より30センチ少ない状況。位ヶ原急斜面は先週より50センチ多く、昨年よりも1メートル少ない状況となっています。

午後になって雪の降り方が激しくなり、明日は楽しいパウダーが楽しめると思いますが、下地が感じられるバーンに降り積もっているため、雪崩には一層注意が必要な状況とも言えます。
なお、速報を書く現在の乗鞍高原では、やや小降りになってきていますが、雪崩の危険性があるとのことから、乗鞍高原〜白骨温泉までの上高地乗鞍スーパー林道B線は、本日19時から当面の間、通行止めの措置がとられる予定で、明日は細心の注意のもとで行動されることをお勧めします。(2011/02/11 17:55更新)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2010ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、2010年10月26日掲載の Vol.24<最終版> 及び 今週末掲載予定の Vol.25<番外編> をもって 今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

<速報>
2010年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2010年12月から2011年3月までのウインターシーズンについては、週末に速報をお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載を実施しない週もあります。
2011年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。

<ノリクラ雪渓カレンダー>
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2011年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2011年5月中旬頃を予定しております。

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■2011年2月5日(土)■

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/02/05 09:10
ぽかぽか陽気 − アウターを脱いで出発
(ツアーコース入口)
A 2011/02/05 11:00
まるで春スキーのような穏やかさ
(ツアーコース − 2番標識付近)

B 2011/02/05 12:15
やわらかい新雪がうっすらと覆って滑りやすいバーン
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2011/02/05 13:30
視界不良 マイナス8℃ − やはり上部エリアはまだ真冬
(位ヶ原 − 7番標識付近)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 10月末で2010シーズンのノリクラ雪渓カレンダーを終了いたしましたが、12月より2011シーズンの速報を開始します。ノリクラ雪渓カレンダーはしばらくお休みです。

立春を迎えて2月最初の速報は、ぽかぽか陽気の状況を様子をお送することができ、季節が徐々に変化してきていることを実感した一日となりました。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、これ以上の隙間がないほどに、星屑が満天にちりばめられた夜を迎えます。気温はマイナス3℃。絶えず西から弱い風が吹き抜けますが寒さはさほど感じさせず、綺麗な星空をジーっと眺めていることが許される穏やかなコンディションです。

そして、一夜明けた乗鞍高原は、真っ白なノリクラの峰々がうっすらと茜色に染まるところから一日が始まります。7時の気温はマイナス10℃。若干薄い雲のベールに覆われていますが快晴の朝を迎えます。昨晩の降雪は全くなく、次第に強さを増す朝日の光線を背に受けると徐々に暖かさを感じるようになってきて、朝の冷たさから開放されて行きます。

8時ごろになると山頂付近には雲がたなびき始め、快晴の空にかかっていた雲のベールも次第に濃くなってゆくようになってきます。そして、スキー場最上部のツアーコース入口には、9時を迎える頃には出発の準備を始めるスキーヤー・ボーダーの姿が徐々に増えてきました。気温はマイナス2℃ですが、日差しを受けているとそれだけで暖かさを十分感じるようになり、出発の準備を進める方々は一様にアウターを脱ぎ始めるほど。先月までの極寒のコンディションからはまるで想像もできないほどです。

今週はほとんど降雪がなく、ツアーコース入口付近の新雪は数センチ。そのため、先日までのシュプールがほぼ完全に残った状態となっていて、積雪量もほとんど変化はありません。また、新雪がないため、ツアーコース入口のすぐ先にある急斜面はシールがやや滑りやすい状況となり、登行するスキーヤーの中に苦労されている方もいらっしゃったようです。

天候は徐々に悪化傾向を示しているようで、10時を回る頃には青空はほとんどなくなってほぼ曇り空。1番標識付近から望むことのできる高天ヶ原や剣ヶ峰も、徐々に雲に飲み込まれて行きます。ただ、太陽の暖かい日差しは絶えず降り注ぎ、風もほとんどないことから穏やかな雰囲気は変わらず、まるで春スキーのシーズンを迎えたのでは思ってしまうほどです。また、周囲の視界が少し低下してきていますが、この穏やかな雰囲気の中では、春霞かと思いたくなるような感じさえ受けてしまいます。

ツアーコースを進むと先日までに残されたトレースやシュプールは徐々に少なくなり、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面付近ではほとんど目立たなくなってきました。
正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス4℃。気温は低下していますが、それまでの穏やかさは全く変わりありません。全体が少しぼんやりとした春霞風な光景とあいまって、のんびりと過ごしていたいと思ってしまうほどです。
バーンコンディションは下地のしっかりしたバーンに数センチの新雪が乗っていて、浮遊感を感じさせるような状況ではありませんが、それなりに滑りやすいと言えます。

穏やかな状況はここまでで、ツアーコースの先の位ヶ原では、気温はマイナス8℃と一気に低下し、北からの冷たい風に絶えずさらされます。そして、ほぼ完全に雲に飲み込まれていた高天ヶ原や剣ヶ峰が、斜光に照らされてボーっと雲の中に光る 美しい光景があり、そんな状況を寒さを耐えながらいつまでも眺めていたいと思ってしまうほどです。

ツアーコースの全体的な積雪状況は、この一週間の降雪がほとんどないため先週よりやや減少し、昨年よりもかなり少ない状況です。
3番標識付近では先週より15センチ少なく、昨年より50センチ少ない状況。そして、5番標識付近では先週とほぼ同じで、昨年より50センチ少ない状況。位ヶ原急斜面は先週とほぼ同じで、昨年よりも1メートル近く少ない状況となっています。

明らかに先月とは季節に移ろいを感じさせてくれた一日でしたが、このまま春へと一直線に向かうとは考えられず、今後は寒暖の差が激しくなり、雪崩などには一層の注意が必要な時期を迎えることとなります。(2011/02/05 16:50更新)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2010ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、2010年10月26日掲載の Vol.24<最終版> 及び 今週末掲載予定の Vol.25<番外編> をもって 今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

<速報>
2010年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2010年12月から2011年3月までのウインターシーズンについては、週末に速報をお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載を実施しない週もあります。
2011年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。

<ノリクラ雪渓カレンダー>
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2011年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2011年5月中旬頃を予定しております。

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