ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.25(2010/10/29〜31) @
【大雪渓】
今週末は天候悪化の懸念から取材が困難であることが予測され、先週お伝えした ノリクラ雪渓カレンダーVol.24(最終号) をもって今シーズンの連載を終了する予定でしたが、一日前倒しして取材を実施しましたので、10月最終週の様子をお伝えいたします。
10月29日(金)の乗鞍高原は、どんよりとした濃霧の朝を迎えます。周辺の山肌すらすっぽりと覆い隠すほどの低く垂れ込める濃霧に上部エリアの様子をうかがい知ることが全く出来ない状況ですが、冷泉小屋付近より上部では綺麗な青空が広がっているとのことで、低く垂れ込める雲は雲海であることを知ります。その上部エリアは綺麗な鰯雲がいっぱいに広がり、そして、全く空気に動きかなく、さらに物音一つ感じさせない状況に、今シーズン最後の穏やかなノリクラを独り占めしたような感覚にさせてくれます。
10月最後の週末を迎えた10月30日(土)は、夜明け前から降り始めた雨がまとまった雨脚となって朝からはじまります。台風接近の予報が出ていることもあって、観光センター前駐車場はやってくる車はほとんどない状態。それでも風や路面凍結などのない県道乗鞍岳線や乗鞍スカイラインは通行可能な状態のため、シャトルバスは始発便から通常通りの運行が開始されました。その後、雨はほとんどやんできたものの、上部エリアの濃霧は午後になっても続きます。それでも、夕方近くになると時折青空が上空に見え始め、大雪渓付近などの上部エリアでは濃霧はなくなり、山麓に重厚な雲海の広がる風景となります。おそらく、これまでの中でもっともダイナミックな雲海だったと思います。
そして、ノリクラシーズン最終日の10月31日(日)は、早朝に一時期青空が見えたものの、午前中は霧雨〜小雨の状態。それでも路面凍結はなく、昨日と同様に県道乗鞍岳線・乗鞍スカイラインは通行可能で、シャトルバスも通常運行が開始されました。お昼前に横殴りとまでは行かないものの、雨が真横に流れるような降り方と濃霧に見舞われますが、午後にはほとんどやんできます。それでも夕方ごろから再びまとまった雨となって一日が終わりました。
ノリクラ雪渓カレンダーでは、今回の番外編を含めても雪化粧をお届けすることができませんでしたが、皮肉にも翌日の11月1日(月)になって初冠雪を観測しました。いよいよノリクラも冬モードに入ってきたようです。
それでは、10月最後の週末の様子をご覧ください。
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
【10月29日(金)、観光センター前駐車場】
早朝6時30分の観光センター前駐車場。
明日は今シーズン最後の週末ですが、台風の接近が予測され一日前倒しで取材に訪れました。しかし、ご覧のように周辺は濃霧に覆われています。周囲の山肌をも包むほどの低く垂れ込めた濃霧です。
先週、乗鞍高原はほぼピークの色合いをみせ、観光センター周辺ではご覧のように綺麗な彩りが今週に入っても続いています。曇天の中でもその輝きは決してくすんでいません。
こちらはシャトルバス乗車券発売所。路面はウェット状態ですが、今日の県道乗鞍岳線・乗鞍スカイラインは凍結などなく通行可能な状態。そのため、シャトルバスも始発便から通常運行されます。その乗車券発売所のホワイトボードには「山頂晴れ、気温マイナス2℃」の表示があります。山頂付近は低く垂れ込めた雲の上。綺麗な雲海が広がっているとのことです。
この週末は通行に支障のない状態でしたが、この一週間の状況は、24日(日)午後から降り始めた雨で、25日(月)の乗鞍スカイラインは午前中は雨量規制で通行止めで、翌日の26日(火)の早朝の位ヶ原山荘ではマイナス10℃まで冷え込み、県道乗鞍岳線は肩の小屋口より先は通行止め、そのため、乗鞍高原のシャトルバスは運休の措置がとられました。
27日(水)には畳平でようやく初雪が観測され、乗鞍スカイラインが開通した1973年以降、77年の11月2日に次いで二番目に遅い記録となりました。この日は午後から乗鞍スカイラインは凍結通行止めでした。
いつものようにシャトルバス始発便が到着。
周辺はご覧のように綺麗な紅葉の絨毯が見られます。シーズンも完全に終盤となり、また、平日ということもあって乗車される方はかなり少ない状況。それでも運行可能な状況であれば、シャトルバスは休まずに運行されます。
シャトルバスの運行も残すところあと二日です。
【ヒルクライム、大雪渓に向けて出発】
それでは、沿道の様子を眺めながら大雪渓に向けて、今シーズン最後のヒルクライムに出発します。観光センター付近では徐々に視界が開けて来ましたが、善五郎の滝 駐車場付近からはご覧のような濃霧の中に入ってきます。
いつものヒルクライムなら、長袖のサイクルジャージだけで問題ない気候ですが、さすがに10月末ともなれば冷え込み方がやはり違うようで、サイクルジャージの上にさらにセーターを着て、その上にウインドブレーカーという様相でちょうど良いほどです。
こちらは善五郎の滝 遊歩道。落葉の絨毯が美しい光景です。
これまではミズナラやシラカバがいっぱいに葉を広げ、鬱蒼とした森は木漏れ日が美しい様相を呈していましたが、ご覧のように落葉がほぼ終わって明るい森へと移り変わっています。完全に落葉が終わると、冬への準備が整ったこととなります。
先週もお伝えしたように、休暇村から三本滝ゲートにかけてのカラマツ林は、ご覧のように落葉が始まり、路面はご覧のようにカラマツの落葉に一面覆われています。そして、今日もヤニの香りが周囲を漂っています。
そして、落葉がさらに進むとかなり殺風景な様相となり、カラマツの紅葉が終わると乗鞍高原の秋も終焉を迎えるのです。
三本滝ゲート付近では視界が100メートルをきるほどの状況となってきます。
早朝よりも気温が下がってきて、10時時点の気温は2℃。ゲートに駐在する警備員の方、今シーズンのいろいろな想い出を話してくださいました。朝の開門前と夕方の閉門時には、パトロールに出発しますが、夕方の県境ゲートからみた白山が夕日に染まる光景は、今シーズンもっとも印象に残った一つと教えてくださいました。
毎週、このゲートを通過するたびに挨拶を交わすのも今週が最後...また、来シーズンお会いできることを楽しみにしております。(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
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