【速報バックナンバー 2011年5月分】

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◎ 5月

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■2011年5月29日(日)■       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー 正式版 Vol.3 ) 

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/05/29 08:15
雨の朝、バス停に人影はありません
(春山バス第一便 − 三本滝バス停)
A 2011/05/29 11:25
降り続く雨、乗客はバスから山荘へ直行
(春山バス第二便 − 位ヶ原山荘)

B 2011/05/29 12:00
雪原から原生の森へ変化が始まる
(屋根板)

C 2011/05/29 12:55
雨はさらに激しさを増す − いたるところに滝ができる
(県道乗鞍岳線 − 三本滝ゲート上)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 昨日夕方から降り続いている雨がさらに激しさを増し、屋外に出ることすらままならない一日でした。

早朝6時の乗鞍高原はまとまった雨が降り続いています。気温は10℃、寒さはほとんど感じない朝です。西の空には高天ヶ原の山肌が何とか見られる状態で、さほど雲は低くない模様ですが、それも時間とともに徐々に低く垂れ込めて行きます。この天候でも乗鞍高原から位ヶ原山荘へ向かう春山バスは通常通りの運行が行われ、乗鞍スカイラインのシャトルバスはBダイヤで通常運行されました。

8時の三本滝レストハウス前駐車場には、マイカーは全くなく、三本滝バス停には春山バスを待つ姿もありません。観光センターを出発した春山バス第一便は誰も乗車せず、全席空席のまま、位ヶ原山荘へ向けて出発します。

春山バス運行開始当初は随所に雪の壁が見られましたが、一ヶ月も経過すると雪の壁は全くない状態。春山バス第二便には数名の観光客の方がお越しになりますが、ひどく降る雨にバスを降りると山荘へ直行する様子がありました。また、位ヶ原山荘の先には雪の壁が残っていて、訪れた観光客は雨に濡れながら記念撮影をされる様子も見られました。

春山バス第一便が到着した9時前には屋根板上部まではっきり確認することができ、先日の降雪が雪崩れた筋が山肌にいくつも見られる様子も、時間とともに霧に飲み込まれて行き、時間とともに雨の降り方はさらに激しくなって行きます。

正午の屋根板の気温は6℃。それまで見られなかった大岩の頭がはっきりと確認できるようになり、雪原から原生の森へと変化の始まった屋根板を感じ取ることができました。屋根板のバーンは締まっていて、ツボ足で踏み抜くようなコンディションではありません。また、雨水や雪解けでできる縦溝もそれほど大きくなく、位ヶ原山荘への滑走はそれほど問題ではないように感じました。

午後になって雨の降り方はさらに激しさを増します。県道乗鞍岳線は法面から滝のように激しく流れ落ちる状態があり、所によっては道路が完全に冠水して川のようになった箇所もあり、春山バスはスピードを落として慎重に運行する様子が見られました。この雨のため、乗鞍スカイラインは13時から雨量規制のため通行止めとなりました。

速報を書く現在の乗鞍高原でも、雨脚はさらに激しさを増しています。台風二号の接近に伴い、梅雨末期のような降り方となっています。
なお、今回取材分の  ノリクラ雪渓カレンダー 正式版Vol.3 は、今週末掲載予定です。(2011/05/28 15:00更新)

【春山バスで位ヶ原から山頂方面に目指す方々へ − ハイマツ帯には立ち入らないようお願いします。】
今年は予想以上に早い雪解けのため、例年なら積雪のある箇所でも、ハイマツ帯が出現し始めていて、シールで登って行くルートを変更しなければなりません。特に肩の小屋の南斜面から稜線へは、この時期だと全面積雪があって直登できますが、今年は途中にハイマツ帯が出現していて、登山道を歩いて登って行く必要があります。
ハイマツ帯は雷鳥の生息域で、これから産卵・抱卵期を迎え、雷鳥にとって重要な時期となります。ハイマツ帯に立ち行って直登したり、ハイマツ帯の中や近くで休憩することの内容お願いいたします。
  

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■2011年5月28日(土)■       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー 正式版 Vol.3 ) 

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/05/28 09:15
濃霧、視界は50〜100メートルほど
(畳平)
A 2011/05/28 11:45
先日の降雪 − 吹き溜まりでは積雪30センチ
(肩の小屋〜山頂 登山道)

B 2011/05/28 12:55
霧雨が全身を包む
(蚕玉岳〜朝日岳稜線付近)

C 2011/05/28 13:00
今日はプライベートゲレンデ状態
(蚕玉岳〜朝日岳稜線付近)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 東海・関東甲信越地方が昨日入梅して最初の週末となった今日は、終日濃霧に包まれ、夕方からまとまった雨となりましたが、それほど悪天候を感じさせない一日でした。

日付が今日に変わる頃のほおのき平駐車場は、霧がたちこめています。気温は10℃。視界は50メートルほどまで低下する深い霧で、外灯が霧の濃淡に煙る様子が見られます。風はほとんどなく、静か過ぎる夜が続いて行きます。

そして、一夜明けたほおのき平駐車場にはまったく車の様子がありません。6時の気温は10℃、一時的に霧が立ち込めますが、それでも雲の中に太陽の輪郭が覗くときもあって、それほど天候が悪化するような雰囲気はありません。昨日の段階で今日の降水確率が80%(6時〜12時)と発表されていましたので、今日の乗鞍スカイラインシャトルバスは運行便数の少ないBダイヤ。ただ、始発便と最終便は変わらないため、今日も始発便が6時55分に発車します。しかし、バスターミナル訪れる方は皆無。そして、平湯温泉からやってきたシャトルバス始発便も乗客はゼロ。今日はほとんど人影を見ることのない一日が始まりました。

乗鞍スカイラインを進むと、森林限界を越えたあたりから濃霧で視界が奪われます。そのため、いつもならはっきりと見られる烏帽子岳や四ッ岳・大丹生岳などは完全に濃霧に飲み込まれ、そのまま畳平に到着します。シャトルバス始発便の到着した8時前の畳平の気温は6℃。視界は50〜100メートルほど。霧の粒が西から東へ流れて行く様子がはっきりと確認できるほどです。少し屋外に出ていると霧でびしょ濡れになるほどです。ただ、雨は全く降っていません。

今日も畳平から大雪渓方面に向かいます。いつもならたくさんの方々が行き来する肩の小屋への専用道も、視界が50メートルほどとなる中、誰にも出会うことがありません。そんな中、唯一出会うことができるのは雷鳥。こんな天候だからこそ、元気に動き回っているようにも感じられます。

10時の肩の小屋・コロナ観測所分岐点の気温は10℃。ここから眺める大雪渓・位ヶ原方面は完全に濃霧に覆われ、その様子は全く確認できません。激しく霧の粒が流れて行く様子も変わらないものの、サングラスがないとややまぶしさを感じるほどです。この先の肩の小屋方面は急斜面の雪の壁をトラバースする必要がありますが、今日は誰もお越しになっていませんのでトレースがなく、バーンは緩んでいるものの、アイゼンがあったほうが安全な状態です。

肩の小屋から先は夏の登山道を経由して稜線に向かいますが、登山道には24日と昨日の降雪が残っていて、吹き溜まり箇所では30センチほどにも達しています。柔らかい雪質ではありますが、やや粘り気のあるような感触を足裏から感じ取ることができました。

正午の稜線近くの気温は6℃。視界は50〜100メートルで、お昼前から時折小雨が降り始めます。ただ、降っている時間帯は短く、天候に大きな変化は感じられません。春山バスを利用してお越しになった方も少なく、今日は数名の方々にお会いできただけにとどまりました。
濃霧の生憎の天候ではありましたが、それとは引き換えにどこを滑っても問題はなく、今日のノリクラはプライベートゲレンデ状態となりました。

午後になっても天候は変わらず濃霧が続き、稜線上でもそれほど風は強くありませんでしたから、視界が悪化している点を除けばそれほどの悪天候ではありませんでした。バーンコンディションも柔らかめで、一部の箇所では再氷結してできた小さな氷柱ができるようになって来ましたが、問題となるほどではありませんでした。

現在、位ヶ原山荘行きの春山バスは、6月以降は大雪渓(肩の小屋口バス停)まで延長運行が予定されていますが、県道乗鞍岳線は、大雪渓駐車場付近まで除雪が完了し、富士見沢の中腹部分まで達しています。そのため、富士見沢上部からの滑り込みができませんのでご注意ください。また、その先の県道乗鞍岳線はまだ手付かずの状態ですので、大雪渓方面から畳平へ戻る方は、アイゼンが必須となります。

15時くらいから雨が連続して降るようになってきました。明日も雨マークが連続する天気予報が出ています。また、台風2号の状況も気になるところです。
なお、今回取材分の  ノリクラ雪渓カレンダー 正式版Vol.3 は、今週末掲載予定です。(2011/05/28 19:15更新)

【春山バスで位ヶ原から山頂方面に目指す方々へ − ハイマツ帯には立ち入らないようお願いします。】
今年は予想以上に早い雪解けのため、例年なら積雪のある箇所でも、ハイマツ帯が出現し始めていて、シールで登って行くルートを変更しなければなりません。特に肩の小屋の南斜面から稜線へは、この時期だと全面積雪があって直登できますが、今年は途中にハイマツ帯が出現していて、登山道を歩いて登って行く必要があります。
ハイマツ帯は雷鳥の生息域で、これから産卵・抱卵期を迎え、雷鳥にとって重要な時期となります。ハイマツ帯に立ち行って直登したり、ハイマツ帯の中や近くで休憩することの内容お願いいたします。
  

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■2011年5月22日(日)■       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー 正式版 Vol.2 ) 

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/05/22 07:45
朝から雨 − スモモとサクラが見頃
(観光センター付近)
A 2011/05/22 08:20
春山バス、今日も通常運行
(三本滝バス停)

B 2011/05/22 10:15
ツアーコースは滑走不可に近い状態
(ツアーコース − 入口急斜面)

C 2011/05/22 13:00
これより下部は滑走困難、位ヶ原山荘へ引き返す
(ツアーコース − 6番標識付近)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 今日は天気予報よりも早めに雨が降り出し、人気の少ない静かな一日でした。

雨は朝のラジオ体操が終わろうとした瞬間からバラバラと音を立てるほどの降り方を見せ始めます。6時の乗鞍高原の気温は12℃。雨が降り始めてしばらくすると風が吹き始めます。その風に満開を迎えたサクラの花びらが観光センター駐車場に舞い散る様子が見られます。周辺の山肌が萌黄色に色づき始め、サクラと同時に咲き始めたスモモが枝全体にびっしりと花を付けた様子は見事なもので、どんよりとした乗鞍高原を明るくさせてくれる感じが見受けられます。

8時の三本滝レストハウスの気温は11℃。レストハウス前駐車場には数台の車がお越しになっていますが、春山バスを利用される方々が準備を始める様子はちらほらと見られる程度。小降りながらも雨は続き、今日も春山バスはほぼ定刻どおりに出発して行きました。

春山バスの出発を見送った後、かもしかゲレンデからツアーコースへと向かいます。小雨が降り続く天候は、時折日差しが差し込むかと思うと、まとまった雨脚となるときもあって、雲の動きにややスピードもあり、安定しない状況が続いて行きます。
ツアーコースの詳細は後述いたしますが、今日はスキーを持参せず登山靴とアイゼンで登行しましたが、スキーを選択しなかったことが正解であることがツアーコース入口を登り始めてすぐに実感させられます。積雪のない箇所は藪漕ぎが強いられるため、木の枝にスキー板が干渉し、スキーを持参した場合は歩くことが困難な状態であることが容易に想像できるほど。今日は雨のためにバーンが締まっていて、ツボ足でも踏み抜くことはなく、アイゼンのグリップがよく効く状態でした。

11時を過ぎる頃になると、雨脚はさらにひどくなります。時折風を感じることがありますが、それほどひどいものではなく、高天ヶ原の山肌が雲間に見られる時もあって、どんよりとした中でも、急激な天候悪化が予測される状態ではありません。

正午の5番標識付近の気温は6℃。天候に目立った変化はなく、雨の降り方は若干の強弱はあっても、ウエアの裾から雫が絶えず流れ落ちるほどの降り方が続いて行きます。しかし、この天候も13時を過ぎる頃になると回復し始めました。なお、乗鞍スカイラインは雨の影響はなく、本日のシャトルバスはAダイヤで運行されました。

今日のツアーコースはスキーヤー・ボーダーの方々に出会うことのないまま一日が終わるかと思いましたが、春山バス利用して上部エリアの位ヶ原まで登った後、ツアーコース位ヶ原急斜面を滑り降りてきたボーダーのお二人にお会いしました。しかし、ツアーコースの状況を説明して、今回は位ヶ原山荘へ引き返していただきました。
ツアーコースを利用した下山滑走はそろそろ困難な時期となってきました。次週末は確実に滑走できない状況となることが予測できますので、今後の下山は春山バス下り便を利用されることをお勧めします。
なお、今回取材分の  ノリクラ雪渓カレンダー 正式版Vol.2 は、今週末掲載予定です。(2011/05/21 17:55更新)

【ツアーコースの積雪状況(2011/05/22 14時時点)】
位ヶ原急斜面から4番標識付近までは問題ありませんが、その先は途中でブッシュに阻まれる箇所があり、1番標識より下部はほぼ完全に積雪がなく、泥まみれ覚悟の藪漕ぎとなります。そのため、下山は春山バス下り便を利用されることをお勧めします。

【積雪量】
3番付近では、先週よりも50センチ少なく、昨年より50センチ少ない状態。
5番付近では、先週よりも50センチ少なく、昨年とほぼ同じ状態。
位ヶ原急斜面では、先週より50センチ少なく、昨年より30センチ少ない状態。

【バーンコンディション】
<位ヶ原 → 3番標識>位ヶ原急斜面から4番標識付近までは問題なく滑走できます。4番標識付近からバーンが途切れるようになってきますが、何とか滑走可能です。
<3番標識 → 2番標識> 2番標識上は完全に積雪がありません。また、その先は1番標識まで積雪がありますが、滑走エリアが制限されています。
<1番標識 → かもしかゲレンデへ降りる急斜面手前> 1番標識下は完全に積雪がなく、ここから下部はツボ足で下山することとなります。
<かもしかゲレンデへ降りる急斜面> 入口急斜面は人の背丈以上のブッシュで立ち入ることが困難なほど。泥まみれになること覚悟での藪漕ぎが必要です。
<かもしかゲレンデ> 積雪はほぼ完全にありません。歩いて下山となります。

【春山バスで位ヶ原から山頂方面に目指す方々へ − ハイマツ帯には立ち入らないようお願いします。】
今年は予想以上に早い雪解けのため、例年なら積雪のある箇所でも、ハイマツ帯が出現し始めていて、シールで登って行くルートを変更しなければなりません。特に肩の小屋の南斜面から稜線へは、この時期だと全面積雪があって直登できますが、今年は途中にハイマツ帯が出現していて、登山道を歩いて登って行く必要があります。
ハイマツ帯は雷鳥の生息域で、これから産卵・抱卵期を迎え、雷鳥にとって重要な時期となります。ハイマツ帯に立ち行って直登したり、ハイマツ帯の中や近くで休憩することの内容お願いいたします。
  

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■2011年5月21日(土)■       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー 正式版 Vol.2 ) 

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/05/21 11:20
一斉に山頂を目指す!
(肩の小屋〜朝日岳登山道付近)
A 2011/05/21 11:35
柔らかな雪質 − 春スキー日和のコンディション
(朝日岳直下)

B 2011/05/21 13:20
剣ヶ峰をバックに乾杯!
(蚕玉岳山頂)

C 2011/05/21 14:00
終日穏やかな一日でした
(剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線直下)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 今日は柔らかな青空と太陽にに包まれ、そして、バーンも春スキー特有の柔らかな雪質で、何もかもが穏やかで柔らかな一日でした。

日付が今日に変わる頃のほおのき平駐車場は、満天の星空が広がる夜を迎えています。気温は12℃、東から吹き抜ける風にやや冷たさは感じられるものの、心地よさを伴った吹き方を見せてくれて、日中の暑さはなく、また、冷え込んできた感じもない、穏やかな夜が続いています。

そして、一夜明けたほおのき平駐車場は、まばらな雲に全面覆われ、その隙間になんとか青空が覗く状態。6時の気温は12℃で、昨晩と同様に暑くも寒くもないコンディションです。乗鞍スカイラインは、通行に支障となるような凍結などはなく、今日も7時に開門され、それと同時にシャトルバスも通常通りの運行が開始されました。雲がかかる状況は変わらないものの、雲間から日差しの差し込むときもあり、シャトルバスの運行ダイヤは晴天時のAダイヤで、今日は30分間隔の運行が実施されました。
始発の6時55分にほうのき駐車場を出発したシャトルバスには、約40名ほどの方が乗り込み、畳平に向けて出発です。

シャトルバス始発便が出発した7時頃になると、次第に青空が広がるようになります。乗鞍スカイラインを走る車窓からは穂高連峰などを望むことができますが、やや霞んだ状況。ほとんど風を感じることはなかったものの、桔梗ヶ原に差し掛かると西から絶えず雲が流れるようになり、視界が奪われるようになってきます。

シャトルバスが到着した8時前の畳平の気温は4℃。畳平バスターミナル内は視界に支障はないものの、不動岳やお花畑など周辺の山々は雲に飲み込まれてその様子がわからないほど。やや強めの風が吹いていますが、寒さを感じるほどではありません。

畳平から肩の小屋への専用道を進み、大雪渓エリアのロケーションが広がる肩の小屋・コロナ観測所分岐点に差し掛かると、やはり長野県側でも山頂から位ヶ原に向けて激しく雲が流れて行く様子が見られます。9時の分岐点の気温は8℃。暑くも寒くもない気温で、今日は終日にわたって8℃前後を推移する過ごしやすい一日となって行きます。
分岐点から先は急斜面の続く雪の上を歩く必要から、アイゼンを装着する方々の姿があり、また、雲間に広がる大雪渓・位ヶ原の様子をカメラに収めようとされる方々が行き交う様子が続いています。

そして、9時30分ごろになると、激しく流れていた雲が抜け始め、その後の今日は、終日にわたってほぼ快晴が続いて行きました。ただ、雲ひとつない天候ではあるものの、しっかりとした青さではなく、少し霞を帯びた柔らかな快晴で、また、日差しも柔らかいため、暑くも寒くもない状態が続いて行きました。
それでもバーンは所々で踏み抜いてしまうほどのコンディションで、ツボ足で歩いている方は、少し苦労されていた様子も見られました。

先週と同様に、予想以上の雪解けが見られ、いつもの年なら、肩の小屋から稜線までシールで一気に上って行くことができるものの、今週はすでにハイマツ帯に阻まれてシールで登って行くことができません。そのため、多くの方がハイマツ帯を歩いて登って行く様子が見られましたが、ハイマツ帯は雷鳥の生息域で、これからの時期は産卵・抱卵期に入り、一年の中でも非常に重要な時期でもありますので、絶対にハイマツ帯には入らないようお願いいたします。

正午の稜線の気温は8℃。弱めの風が吹き抜けますが、天候に変化を感じられるような気配すらないやさしい雰囲気が続いて行きます。稜線には多くの方々がのんびりとお昼のひとときを過ごす様子もあり、ビールを片手に時間の過ぎるのも忘れて、広大な景色に浸るのが最高の昼下がりです。

その後も、天候は安定した状態が続き、14時30分ごろになって雲が覆い始めるものの、気温はやはり8℃前後を推移しています。今日はそんな状況のまま、一日がのんびりと終わって行きました。

ツアーコースは入口急斜面手前まで滑走可能ですが、ブッシュでバーンがさえぎられる状況が所々にあります。また、県道乗鞍岳線の除雪は大雪渓手前の4号カーブまで進んでいますので、位ヶ原からツアーコースへ下山滑走される際は、除雪箇所への転落に注意が必要です。

なお、今回取材分の  ノリクラ雪渓カレンダー 正式版Vol.2 は、今週末掲載予定です。(2011/05/21 19:00更新)

【春山バスで位ヶ原から山頂方面に目指す方々へ − ハイマツ帯には立ち入らないようお願いします。】
先ほども申し上げましたが、今年は予想以上に早い雪解けのため、例年なら積雪のある箇所でも、ハイマツ帯が出現し始めていて、シールで登って行くルートを変更しなければなりません。特に肩の小屋の南斜面から稜線へは、この時期だと全面積雪があって直登できますが、今年は途中にハイマツ帯が出現していて、登山道を歩いて登って行く必要があります。
ハイマツ帯は雷鳥の生息域で、これから産卵・抱卵期を迎え、雷鳥にとって重要な時期となります。ハイマツ帯に立ち行って直登したり、ハイマツ帯の中や近くで休憩することの内容お願いいたします。
  

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■2011年5月15日(日)■       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー 正式版 Vol.1 ) 

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/05/15 09:40
乗鞍スカイラインシャトルバス運行開始
(乗鞍スカイライン − 桔梗ヶ原)
A 2011/05/15 10:35
乗鞍岳山開き祭
(畳平バスターミナル前)

B 2011/05/15 12:00
穏やかな天候 − まさに春スキー日和
(肩の小屋専用道 − 摩利支天岳山頂直下)

C 2011/05/15 13:40
やや霞むものの絶景のロケーションが広がる
(朝日岳山頂直下)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 昨日とは打って変わって、今日は終日にわたって穏やかな天候に恵まれ、乗鞍スカイラインの開通初日を迎えることができました。

本日は乗鞍スカイライン開通初日のため、岐阜県側のシャトルバス乗り換え駐車場のほおのき駐車場から出発します。早朝6時のほおのき駐車場の気温は4℃。ややひんやりとした空気に包まれているものの、しっかりとした朝日が差し込んで綺麗な青空の広がる朝を迎えます。
ほおのき駐車場には20台ほどの車がお越しになり、今日から運行が開始されるシャトルバスの乗車される方々が準備を始める様子があちこちで見られるようになってきます。

乗鞍スカイラインは若干の路面湿潤があるものの凍結箇所はなく、予定通り7時に開門されることが決まり、雨の降るような天候でもないため、シャトルバスは天候のよいときのダイヤであるAダイヤで運行され、始発便は6時55分に出発しました。運行されたバスは2台、ほおのき平駐車場からは64名の方が乗車されました。
長野県側の春山バスと同様に、スキーヤー・ボーダーの方が多く見受けられますが、毎年、シーズン初日の始発便に乗車するという登山の方もいらっしゃり、山頂を目指して朝一番に出かける様子が見受けられます。

今日は乗鞍スカイライン開通初日のため、8時45分に乗鞍登山バス出発式がほおのき駐車場で開催され、花輪で飾り付けられたシャトルバスを前に、関係者・来賓の方々の集まる中、テープカットが行われた後、そのシャトルバスに関係者・来賓の方々を乗せて、畳平で開催される乗鞍岳山開き祭に向けて出発します。

乗鞍スカイラインの起点の標高1684メートルの平湯峠ゲートを過ぎると、周辺の山肌は残雪が見られ、ひんやりとした空気に包まれるようになってきます。車窓には穂高連峰はもちろんのこと、笠ヶ岳などの山並みがバスの車窓に左右に広がり、乗鞍スカイラインでもっとも積雪の多い四ッ岳カーブを過ぎて桔梗ヶ原へと向かいます。四ッ岳カーブや桔梗ヶ原は例年よりも積雪量が少ない様子が見られ、先日の速報でもお伝えしたように先週の大雨が影響しているように見られました。

シャトルバスの到着した10時前の畳平の気温は2℃。強い日差しと綺麗な青空が広がり、気温ほどの寒さは感じられません。そして、畳平バスターミナル前で乗鞍岳山開き祭が始まり、安全祈願の神事、来賓の祝辞と続き、最後に酒樽に木槌を振る甲高い音が響き、参加された一般の方々に樽酒が振舞われました。毎年、この振る舞い酒を楽しみに参加されるという方もいらっしゃり、今シーズンの春のノリクラが本格的に始まったという思いにさせられるものです。

その後、大雪渓・山頂方面に向かいます。天候は10時30分ごろより、真っ青な空が少し霞んできて、空気がさらに冷たさを感じさせるようになってきますが、風がほとんどなく、肩の小屋へ向かう専用道を進む途中は、強い日差しでもアウターを着ないと寒さを感じる状況。

正午の肩の小屋の気温は4℃。再び青空が広がるようになってきます。畳平から肩の小屋に向かう専用道は、肩の小屋とコロナ観測所との分岐点から先の肩の小屋方面は積雪があり、急斜面をトラバースする必要があるため、アイゼンなどの装備が必要ですが、例年と比べると明らかに積雪箇所が少ない状況です。
さらに肩の小屋から山頂方面も、例年なら肩の小屋から山頂に向けてダイレクトに直登することができますが、ハイマツ帯が出てきています。ハイマツ帯は雷鳥の生息域でありますから、ハイマツ帯を避けて夏道沿いに進んで行くようお願いいたします。また、夏道はすでに一部の箇所で姿を現しています。

14時の稜線の気温は4℃。バーンは若干フィルムパックされてきますがほとんど風はなく、穏やかな状況が続き、昨日とは全く異なった春スキー日和の一日が終わって行きました。

乗鞍スカイラインが今シーズンもオープンし、山頂方面はいつも以上にたくさんの方々でにぎわいました。本格的な春スキーシーズンが到来したという雰囲気にさせてくれ、これからますます多くの方がお越しになることと思われます。
なお、今回取材分より ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載を開始します。  ノリクラ雪渓カレンダー 正式版Vol.1 は、今週末掲載予定です。(2011/05/15 19:30更新)

【ツアーコースの積雪状況(2011/05/14 15時時点)】
今週降り続いた雨のため、先週よりも1メートル以上の雪解けが見られます。ツアーコースは滑走可能ですが、ツアーコースより下部のかもしかゲレンデはほとんど積雪がありませんので、ゲレンデ内は歩いて下山することとなります。

【積雪量】
3番付近では、先週よりも1メートル少なく、昨年より50センチ少ない状態。
5番付近では、先週よりも1.2メートル少なく、昨年より50センチ多い状態。
位ヶ原急斜面では、先週より1.5メートル少なく、昨年と1メートル。

【バーンコンディション】
<位ヶ原 → 3番標識>位ヶ原急斜面下部でブッシュが見られ、5番付近でも切り株が一部見られますが、滑走には問題ありません。3番標識付近からは切り株・ブッシュに注意しながら滑走する必要があります。
<3番標識 → 2番標識> 3番標識下と2番標識下は、切り株・ブッシュに注意しながらの滑走となります。
<1番標識 → かもしかゲレンデへ降りる急斜面手前> 1番標識下は切り株・ブッシュの面積が多く、滑走エリアが制限されています。
<かもしかゲレンデへ降りる急斜面> 入口急斜面はスキー・ボードでかろうじて滑り降りてくることができますが、国設第3ペアリフト降り場より100メートルほど上部付近のツアーコース入口付近から下部は完全に雪がありませんので、ここから歩いて下山となります。
<かもしかゲレンデ> 一部積雪が残っている箇所がありますが、歩いて下山となります。
 
【ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版の終了と、正式版の連載開始予定について】
2011シーズン ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版 の連載は 次週末掲載予定の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版 Vol.6 をもって終了させていただきます。5月9日(土)は、速報・ノリクラ雪渓カレンダーともに一旦お休みさせていただき、その次の週末より、ノリクラ雪渓カレンダー正式版 のリリースを予定しております。

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■2011年5月14日(土)■       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー 正式版 Vol.1 ) 

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/05/14 08:15
春山バス − 第一便は5台運行
(三本滝バス停)
A 2011/05/14 09:10
先日の大雨で激しく雪解け − 入口急斜面まで滑走可能
(ツアーコース入口)

B 2011/05/14 10:00
天候は次第に悪化へ − ツアーコース内もブッシュが目立つ
(ツアーコース − 1番標識付近)

C 2011/05/14 12:15
上部エリアもかなり雪解け − 山肌のハイマツ帯が広がる
(位ヶ原 − 11号カーブ付近)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 終日にわたって絶えず風が吹きぬけ、早朝は綺麗な青空だったものの時間とともに雲量が多くなり、上部エリアでは季節が逆戻りしたかのような冷たい空気に包まれ天候の不安定な一日でした。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、明るい月と星がちりばめられた快晴の夜空が広がります。気温は6℃。西からは強めの風が吹き抜ける様子が続きます。ただ、その風はさほどの寒さを感じさせることなく、風さえなければ穏やかな夜と言える状況です。

そして、一夜明けた乗鞍高原は、やや雲量が多いものの、しっかりとした朝日が差し込んで今日一日が始まります。7時の気温は6℃。昨晩からの強い風が今日になっても吹き続き、山頂付近はしっかりとした雲がかかる状況を見ると、天候はしっかりと安定していないことをうかがわせます。

春山バスに乗車しようとされる方が集まっている三本滝レストハウス前駐車場は、アスファルト部分の約40台ほどのスペースが7時30分の時点でほぼ満車。スキーやボードを取り出し、ザックにスノーシューをくくりつけるなど、出発の準備がいつものように始まっています。
8時を過ぎる頃になると三本滝バス停には長蛇の列ができるようになり、バス会社の係の方が春山バスのチケットの販売を始めます。三本滝レストハウス前のかもしかゲレンデは雪解けのためほとんど積雪がありません。そんなゲレンデの様子を見てしまうと、チケットを購入されるスキーヤー・ボーダーの方の中には、ツアーコースを滑走して下山できるかどうか思案されているようで、往復券を購入しようか片道券にしようか迷う姿もありました。
今日の春山バス第一便は5台。8時40分までにはすべてのバスが三本滝バス停を後にして出発しました。

春山バスの出発を見送った後、いつものようにツアーコースに向けてかもしかゲレンデを登行します。
今週は三日間にわたって梅雨のように降り続いた雨のため雪解けがかなり進んで、かもしかゲレンデの大半をツボ足で登ることとなりました。風は次第に収まりを見せるようになってきますが、それと反して上空の雲量は徐々に多くなってきます。

かもしかゲレンデからツアーコース入口付近に到達するとようやく積雪が見られ、国設第3ペアリフト降り場から100メートルほど登ったあたりから、シールで登ることができるようになります。入口急斜面はとりあえずシールで登ることができますが、かなり積雪量が少なくなり、入口急斜面付近はあと一週間もすれば、かなりの量のブッシュに覆われることが想定できます。

10時の入口急斜面上の気温は8℃。上空はさらに雲量が多くなり、日差しがさえぎられるようになってきます。アウターを着ていないと吹き抜ける風で寒さを覚えるようになってくるほどで、天候はさらに悪化傾向となってきます。
入口急斜面を過ぎた先のツアーコースもブッシュ・切り株が目立つようになり、ところによっては滑走エリアがかなり制限されるほどで、先週までの状況と比べると積雪量に大きな変化が感じられます。

11時の位ヶ原急斜面の気温は2℃。急激に気温が低下し、バーンが硬く締まってくる感覚を覚えます。そして、春山バスを利用して上部エリアに向かっていった方々が、ツアーコースを下山滑走されてくる様子が多くなってきます。多くの方は「肩の小屋まで行ったが、それ以上先に向かうことができないほどの風と寒さ」と、おっしゃっていました。

ツアーコースからさらに上部の位ヶ原付近に達すると、冷たさが一層ひどくなり、季節が逆戻りしたような状況。しかし、位ヶ原一帯はいつもなら真っ白な雪原のはずですが、ひどい雪解けでハイマツ帯が目立つようになり、ところによっては、人の背丈近くまでハイマツが大きくなっています。
正午の位ヶ原の気温は0℃。午前中は緩んでいたバーンが再び硬く締まりだし、雪面は細かなピッチが続くようになります。

午後になると、次第に雪が降り始めますが、山頂付近に垂れ込めていた雲が少し抜けて行きます。ただ、天候は回復して行くことはなく、雲の色が鉛色になって行き、寒さはさらにひどくなって来ます。13時の大雪渓の気温はマイナス2℃。曇り空の中にも高天ヶ原や剣ヶ峰がはっきりと確認できるような状況で、天候が回復するのか悪化するのか、なんとも判断のつかない状況のまま今日一日が終わって行きます。

明日は岐阜県側の乗鞍スカイラインの冬季閉鎖が解除され、畳平へのシャトルバスの運行が開始されます。そのため、シャトルバス発車式や乗鞍岳山開き祭なども開催される予定です。よい天気のもと、乗鞍スカイラインの開通を迎えたいものと思います。
なお、今回取材分より ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載を開始します。  ノリクラ雪渓カレンダー 正式版Vol.1 は、今週末掲載予定です。(2011/05/14 17:30更新)

【ツアーコースの積雪状況(2011/05/14 15時時点)】
今週降り続いた雨のため、先週よりも1メートル以上の雪解けが見られます。ツアーコースは滑走可能ですが、ツアーコースより下部のかもしかゲレンデはほとんど積雪がありませんので、ゲレンデ内は歩いて下山することとなります。

【積雪量】
3番付近では、先週よりも1メートル少なく、昨年より50センチ少ない状態。
5番付近では、先週よりも1.2メートル少なく、昨年より50センチ多い状態。
位ヶ原急斜面では、先週より1.5メートル少なく、昨年と1メートル。

【バーンコンディション】
<位ヶ原 → 3番標識>位ヶ原急斜面下部でブッシュが見られ、5番付近でも切り株が一部見られますが、滑走には問題ありません。3番標識付近からは切り株・ブッシュに注意しながら滑走する必要があります。
<3番標識 → 2番標識> 3番標識下と2番標識下は、切り株・ブッシュに注意しながらの滑走となります。
<1番標識 → かもしかゲレンデへ降りる急斜面手前> 1番標識下は切り株・ブッシュの面積が多く、滑走エリアが制限されています。
<かもしかゲレンデへ降りる急斜面> 入口急斜面はスキー・ボードでかろうじて滑り降りてくることができますが、国設第3ペアリフト降り場より100メートルほど上部付近のツアーコース入口付近から下部は完全に雪がありませんので、ここから歩いて下山となります。
<かもしかゲレンデ> 一部積雪が残っている箇所がありますが、歩いて下山となります。
 
【ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版の終了と、正式版の連載開始予定について】
2011シーズン ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版 の連載は 次週末掲載予定の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版 Vol.6 をもって終了させていただきます。5月9日(土)は、速報・ノリクラ雪渓カレンダーともに一旦お休みさせていただき、その次の週末より、ノリクラ雪渓カレンダー正式版 のリリースを予定しております。

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■2011年5月7日(土)■ 

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/05/07 08:15
春山バス − 第一便は2台運行
(三本滝バス停)
A 2011/05/07 09:05
登行・滑走ともに問題ない積雪量
(かもしかゲレンデ)

B 2011/05/07 11:45
天候は回復へ − ツアーコースも積雪には問題ありません
(ツアーコース − 5〜6番標識)

C 2011/05/07 13:15
ほぼ無風の穏やかな天候 − のんびりと昼休み
(位ヶ原 − お花畑付近)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 当初は本日の速報はお届けしない予定でしたが、現地に出向くことができましたので、いつもどおり速報をお届けいたします。なお、今回取材分のノリクラ雪渓カレンダーはありませんのでご了承ください。

今日はどんよりとした曇り空からスタートしましたが、お昼前から綺麗な青空が広がり始め、いつもは強風の吹きぬける位ヶ原でもほぼ無風の穏やかな一日となりました。

日付が変わる頃の乗鞍高原は、月も星も全く見えない闇夜が広がっています。気温は10℃、暑さとか寒さといった温度感を感じさせない春の陽気です。おそらくこの闇夜は曇っているためと思われますが、目を凝らして西の空を見ると、位ヶ原の稜線がぼんやりと浮かんでいて、視界はそれほど悪くない様子が伺えます。
そして、一夜明けた6時の乗鞍高原は気温8℃で曇空の天候。それでも高天ヶ原の山肌が確認できますので、低く垂れ込める雲ではありません。そして、山頂には雲の帯が横たわり、南から北へとゆっくり流れていく様子から、いつもとは異なる天候状況であることがわかります。

8時の三本滝レストハウス前駐車場は、約45台ほど駐車できるレストハウス前のアスファルト駐車場がほぼ満車の状態。8時20分に発車する春山バス第一便に乗車されるスキーヤー・ボーダーの方々が、出発の準備をされる様子が駐車場内のあちこちで見られます。
観光センターを出発した春山バスが三本滝バス停に到着する間際になると40名ほどの列がバス停にはできていて、到着と同時にトランクにスキーやボードを積み込んで乗車する様子がいつものように繰り広げられ、今日は2台の春山バスが位ヶ原山荘に向けて出発して行きました。

本日は春山バスの出発を見送ってから、かもしかゲレンデからツアーコースに向けて登行いたします。
雪解けの進むかもしかゲレンデは、地肌の部分が多くなってきているものの、登行や滑走に支障となる箇所はなく、いつもとなんら変わりなく登ることができます。日差しがないこともあって、バーンは緩みきった状態ではなく、ツボ足でもグリップのよいコンディションと言えます。

10時のツアーコース入口付近の気温は10℃。アウターは全く必要なく、薄手のインナーグローブで十分な状態。そして、時折雲間から青空がのぞくようになります。入口急斜面のバーンコンディションもほとんど変わらず、緩みきっていない雪面はシールのグリップが非常によく効く状態で、安心して登って行くことができます。

10時30分ごろになると強い日差しが差し込み、雲は変幻自在に穏やかに流れて行く様子が広がります。そして、強い日差しに汗ばむほどの陽気となり、時折吹き抜ける風に心地よさを覚えるほど。先週までとは大違いの天候状況で、まさに春スキー日和の一日となりそうな雰囲気となってきます。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温は18℃。これまでの状況からは考えられないほどの気温の上昇で、バーンはグサグサな状態となってきます。そして、その先の位ヶ原では、いつもなら強風の吹きぬけるコンディションも今日はほぼ無風で、ダケカンバの木の下でのんびりとお昼休みをされている方もいらっしゃるほどです。

これまで南から北へ流れていた雲や風が、午後からはいつもと同じように北から南へと流れるようになり、位ヶ原や大雪渓は再び周期的に雲に包まれるようになり、山頂の様子が確認できない状況となってきます。14時の大雪渓の気温は6℃。先ほどから比べるとかなり低下していますが、それでもアウターなしで過ごせる状況で、今日は穏やかな一日が終了して行きます。

明日は、午前中に寒冷前線が通過する影響から、少し天候が崩れる予報が出ていますので、対策を整えてお越しください。
また、本日10時頃、善五郎の滝付近で熊の目撃情報がありました。ツアーコースから下山の際にはご注意ください。なお、冒頭にも申し上げましたが、今回取材分のノリクラ雪渓カレンダーの掲載はありませんので、ご了承ください。(2011/05/07 17:55更新)

【ツアーコースの積雪状況(2011/05/07 15時時点)】
雪解けが進んでいますが、現段階では登行する上でも滑走する上でも問題となる箇所はありません。ツアーコースを滑走し、さらにかもしかゲレンデを滑り降りて、三本滝レストハウスまで下山することが可能です。

【積雪量】
3番付近では、先週よりも30センチ少なく、昨年とほぼ同じ状態。
5番付近では、先週よりも40センチ少なく、昨年より15センチ多い状態。
位ヶ原急斜面では、先週より30〜50センチ少なく、昨年とほぼ同じ状態。

【バーンコンディション】
<位ヶ原 → 3番標識> 3番標識付近で切り株が見えている箇所がありますが、それ以外は問題ありません。位ヶ原急斜面から6番付近のバーンが、若干コブ状になっています。
<3番標識 → 2番標識> 3番標識下と2番標識下は、若干急斜面となっていることからバーンがコブ状になっています。それ以外は全く問題ありません。
<1番標識 → かもしかゲレンデへ降りる急斜面手前> 一部ブッシュがありますが、現段階では問題ありません。
<かもしかゲレンデへ降りる急斜面> 入口急斜面のブッシュが多くなってきていますが、現段階では問題ありません。また、ツアーコース入口からかもしかゲレンデ最上部付近でクマザサが目立つようになって来ました。
<かもしかゲレンデ> 上部エリアは(上から見て右側の)初心者コースを利用して滑走しますが、一部で幅5〜10メートルほどの箇所があります。かもしかゲレンデ下部は問題ありません。
 
【ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版の終了と、正式版の連載開始予定について】
2011シーズン ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版 の連載は 次週末掲載予定の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版 Vol.6 をもって終了させていただきます。5月9日(土)は、速報・ノリクラ雪渓カレンダーともに一旦お休みさせていただき、その次の週末より、ノリクラ雪渓カレンダー正式版のリリースを予定しております。

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■2011年5月3日(火)■ 

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/05/03 08:45
春山バス − 今日は第一便から正常運行
(県道乗鞍岳線 − 冷泉小屋上20号カーブ)
A 2011/05/03 08:55
今日の春山バス第一便は4台運行 − 多くの人出でにぎわう
(位ヶ原山荘前)

B 2011/05/03 09:15
ゴールデンウィークは春スキー三昧
(屋根板)

C 2011/05/03 11:20
曇り空でも安定した天候が続く
(位ヶ原 − 摩利支天東斜面下)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 今日からゴールデンウィーク後半が始まりました。当初、ゴールデンウィーク後半の取材は行わない予定でしたが、本日は現地に赴くことができましたので、速報のみお届けいたします。なお、今回取材分のノリクラ雪渓カレンダーはありませんのでご了承ください。

乗鞍高原も早朝5時前には明るくなり始めるようになり、今日も力強い朝日が差し込むようになって来ました。6時の気温は0℃。東の空には青空が見られるものの、西の空には鰯雲が広がる天候を迎えます。いつもなら週末でも数台程度しか見られない観光センター前駐車場も、ゴールデンウィークに入ってお越しになる方が多くなり、6時の時点で25台ほどあって、朝の準備を始めています。

4月29日(金)から今シーズンの運行が始まった春山バスは、早朝の凍結のため、雨に見舞われた5月1日(日)以外は、第一便の運行はすべて運休となっていましたが、今日は凍結の問題も少なく、7時過ぎには第一便の運行が決定しました。

三連休初日とあって、三本滝レストハウス前駐車場には、7時の段階で25台程度でしたが、8時近くなると40台ほどに増加し、三本滝バス停では40名ほどの方が列をなし、バス会社の係の方が発券を始めます。先ほどまで見えていた青空も、この時間帯には鰯雲が空全体を覆うようになり、天候の悪化が懸念される雰囲気となってきました。

今日の第一便は4台が運行されました。春山バスの利用は朝一番から行動を開始するスキーヤー・ボーダーの方々が大半を占めるため、今日の第一便はゴールデンウィークに入ってもっともにぎわった運行となり、ヘアピンカーブの雪壁が連続する県道乗鞍岳線を次から次へと勢いよく春山バスは登って行きます。
そして、春山バスが到着した位ヶ原山荘は、トランクからスキー・ボードを搬出したり、屋根板方面に出発するための準備、さらには春山入山計画書の記入といった様子も見られ、久々に活気付いた雰囲気となりました。

9時の位ヶ原山荘の気温は8℃。日差しは全くなく、雲が一様に広がる天候ですが、それでも屋根板を登りはじめるとすぐにウェアーをザックに押し込む方々の様子が見られる陽気です。そして、バーンも歩き始めはまだ締まった状態でしたが、一時間もしないうちに春のグサグサの雪質に変化を始めて行きます。

屋根板から位ヶ原に到達すると、若干ひんやりした空気が流れます。そして、この天候の割には遠景の山々は何とか確認でき、穂高連峰や中央アルプスはその白肌がはっきり見られ、八ヶ岳や南アルプスは霞が若干あるものの、山並みの確認は比較的容易でした。

昨日の黄砂でまだら模様となった位ヶ原では、ほとんど無風のサイレントな世界が広がっています。しかし、そんな中でも耳を澄ませば、雷鳥の鳴き声があちこちで響いていることに気づき、そんな雷鳥たちも季節の移り変わりに換羽が始まり、黄砂の位ヶ原と同様に、まだら模様の様相を見せるようになって来ました。

正午の大雪渓の気温は6℃。若干冷え込みを感じる状態に、それまでザックに押し込んでいたアウターを取り出す必要性を感じるようになります。そして、春のグサグサバーンは、表面がフィルムパックされる状況を足裏に感じます。その後、薄日の差すときもありましたが、曇り空の状態のまま、安定した一日が終わって行きました。

ツアーコースは雪解けが進んでいるものの、登行や滑走において問題となる箇所はありません。しかし、バーンが緩み、春山バス運行とともに多くの方が滑走されるため、表面がコブ状になっている箇所が若干見られるようになって来ました。また、かもしかゲレンデも一部で雪解けが進んで地肌が見られますが、まだ、問題となる程度ではありません。

ゴールデンウィーク前半が芳しくない天候が続きましたので、せめて後半は、しっかりとした天候の下で楽しい春スキーを味わいたいものです。なお、冒頭にも申し上げましたが、今回取材分のノリクラ雪渓カレンダーの掲載はありませんので、ご了承ください。(2011/05/03 16:15更新)

【ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版の終了と、正式版の連載開始予定について】
2011シーズン ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版 の連載は 次週末掲載予定の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版 Vol.6 をもって終了させていただきます。5月9日(土)は、速報・ノリクラ雪渓カレンダーともに一旦お休みさせていただき、その次の週末より、ノリクラ雪渓カレンダー正式版のリリースを予定しております。

【今後のツアーコースアクセスについて】
● 4月21日(木)以降 (県道乗鞍岳線 休暇村〜三本滝間開通 − かもしかゲレンデから登行)
県道乗鞍岳線 休暇村〜三本滝ゲート間が通行可能となり、かもしかゲレンデから登行ことが可能となります。
● 4月29日(金)以降 (春山バス運行開始 − 位ヶ原山荘までバス運行)
乗鞍高原〜位ヶ原山荘間の春山バスの運行が開始される予定です。ツアーコースは例年5月下旬頃まで下山滑走可能です。春山バスについては、お知らせ − 2011シーズン 乗鞍高原〜位ヶ原山荘行きの春山バス運行について(2011/04/11) をご覧ください。

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