ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.5(2009/06/13〜14) @
【大雪渓】
東海地方は6月9日、関東甲信地方は6月11日に梅雨入りし、これからはっきりしない天候の日々に見舞われるシーズンとなってきました。
今回も取材初日の6月13日(土)は、梅雨前線の影響ではないものの生憎の天候となり、絶えず濃霧と強風に見舞われる状況となってしまいました。今回の天候は寒気の流れ込みによるもので、終日に渡って3〜4℃の低めの気温を推移し、さらに肩の小屋付近より上部はかなり強い風が吹きぬけ、山頂・稜線に向かうコンディションとはいえない状況です。午後になっても西からの強風は変わらないものの、激しく流れる雲間に青空がのぞき始め、少しずつ天候の回復の兆しが見え、今日一日を通してみると、もう少し天候が早く回復してくれたならばと思ってしまうほどでした。
そして、翌日の6月14日(日)もしっかりとした天候ではなく、霧〜曇〜晴を周期的に繰り返す状況を見せます。それでも昨日のような強風はなく、過ごし易い天候と気候で今日一日を終えようとした矢先に、突然の雷鳴を皮切りに霙交じりの雨がたたきつけるように降り、大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)で待機していた春スキーバス下り便に、ずぶ濡れになったスキーヤー・ボーダーの方々があわてて乗り込む姿がありました。
そんな不安定な天候の二日間の様子をお伝えします。
【6月13日(土)、ほおのき平駐車場】
ほおのき平駐車場 |
早朝6時30分のほおのき平駐車場。今にも泣き出しそうな低い雲が垂れ込めた朝を迎えます。
畳平付近は低く垂れ込めた雲にすっぽりと覆っているようです。ほおのき平駐車場と畳平は標高差1400メートル近くあり、時には畳平付近が雲の上ということもあって、山麓では今日のように曇っていても、上部は晴天の中に綺麗な雲海が浮かんでいるということもあり、そんな日に巡り会えたら幸運ともいえます。
始発のシャトルバスの時刻が近づくにつれて、バスターミナルには登山やスキーに出かける方が集まり始めますが、この天候ですのでご覧のとおりまばら...
始発のシャトルバスが到着します。
20名ほどの乗客を乗せて、ほおのき平駐車場を出発します。
【乗鞍スカイライン】
乗鞍スカイライン、平湯峠ゲート |
ここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。
明るい緑が少しずつ増えてきた |
平湯ゲートを少し過ぎた辺りの様子です。先週まではまだ芽吹きの見られない木々が多い状態でしたが、今週は大半の木々が萌黄色の明るさを放つようになってきました。
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先週の乗鞍スカイライン(4Kmポスト付近) |
今週の乗鞍スカイライン(4Kmポスト付近) |
こちらはマイカー規制前の料金所があった夫婦松駐車場付近から少し進んだ辺りです。先週は積雪が極わずかに残っている状態でしたが、ご覧のように完全になくなりました。そして、明らかに丸裸状態だったダケカンバが、一様に明るい緑に柔らかく包まれている様子がうかがえます。
今週の猫の小屋(跡地) |
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先週の猫の小屋(跡地) |
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さらに進んだ標高2200m付近の猫の小屋跡地付近。先週の画像と昨年の画像と比較しながらお伝えします。積雪は先週と同様、昨年より一週間ほど早い状況を示しています。
森林限界を超えると濃霧 |
そして、森林限界に差し掛かると、ご覧のように濃霧に見舞われるようになってきます。そのため、この先はほとんど視界が効かず、この先の上部エリアの画像は夕方撮影したものを使用します。
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今週の烏帽子岳 |
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昨年の四ッ岳カーブ |
今週の四ッ岳カーブ |
こちらの二組の画像は昨年と今週の烏帽子岳と四ッ岳カーブを比較したもの。どちらも昨年よりやや早い雪解けを見せています。これまでにもお伝えしているように、乗鞍スカイライン沿線は全体的に昨年よりやや早い雪解けを見せているようです。
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先週の鶴ヶ池雪渓 |
今週の鶴ヶ池雪渓 |
桔梗ヶ原を過ぎて畳平に到着する少し手前に岐阜県側で唯一スキー滑走指定地とされている鶴ヶ池雪渓があります。先週と比べて雪渓中央のハイマツ帯の面積がやや大きくなっている点があるものの、大きな変化はありません。このハイマツ帯が大きくなって、滑走エリアやその周辺にハイマツが出始めると、自然保護の観点から滑走禁止の措置が取られます。毎年、6月下旬頃になると立ち入り禁止となりますので、それ以降は長野県側の大雪渓での滑走となります。
そして、濃霧の畳平に到着です。(→ Next)
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