ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2009/06/27〜28) B

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(Update:2008/07/02)

 

【雪渓下部】

ここからは雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
今週の大雪渓入口
昨年並み

こちらは大雪渓入口付近の様子。昨年の画像と比較しながらお伝えします。大雪渓入口に設置される「高山植物等の採取は禁止されています」などのお願いの記載された看板の裏側からの撮影ですが、先週は雪渓の下端がこの看板の1〜2メートル付近にありましたが、ご覧のようかなり雪解けが進んでいます。高さで1メートルほどの雪解けが見られます。そのため、先週の段階では昨年より雪解けが遅くなっていましたが、今週はほぼ昨年並みになっています。

 

昨年の車道付近
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2008/06/28〜29) B
今週の車道付近
昨年並み

先週は排水溝の上部付近が少し見えていた程度だったことから、今週は高さ1メートルほどの雪解けを見せていることが分かります。この一週間の雪解けは今シーズンの中では最も激しいもので、雪解けが進まなかった先週の段階では昨年より遅めの推移を見せましたが、今週は昨年並みとなっています。

 

ウラジロナナカマド − 芽吹き始めます

そして、大雪渓入口付近のウラジロナナカマドもご覧のように芽吹きが見られるようになって来ました。こちらの様子もほぼ昨年並み。まだ芽吹きはじめですが、これからもう少し時期がたつと、明るい緑色が冴えてきます。特に曇った日などはまるで蛍光を放つかのように浮かび上がるところが不思議です。

大雪渓エリアのウラジロナナカマドは、左の画像でもお分かりの通り、ハイマツ帯を縁取るように分布しています。これから7月になると白い花が緑の中に点在します。ナナカマドには何種類も分類され、どの種類も赤い実ができることはよく知られていることです。その赤い実が上を向いてつくことがウラジロナナカマドの一つの特徴で、そのため、このウラジロナナカマドの赤い実は、高山植物のピークが過ぎた9月という時期と相まってよく目立つ存在です。

 

昨年の登山道入口
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2008/06/28〜29) B
今週の登山道入口
昨年並み − 肩の小屋まで全面積雪、アイゼンが必要

大雪渓入口から50メートルほど北側には肩の小屋への登山道口があります。先週は標識の頭が少しだけ確認できる状態でした。それがご覧のようにほぼ全身が姿をあらわしています。昨年の画像と比較してほぼ同じような雪解けの推移であることが分かります。

ここから始まる登山道はこの先を肩の小屋方面に進んで行きますが、肩の小屋まではほぼ全面積雪があり、ここから後述するモーグルコースの岩までの約130メートル区間が急斜面で、ツボ足で登ることができても下りが困難な状況です。そのため、アイゼンを携行することをお勧めします。

 

雪渓下部全景 − 例年に比べると表面のうねりが少ない

バーン表面はこの時期ともなると、縦溝が多くなって、うねりが見られるようになりますが、今年はまだ少ない状況です。ただ、今後の降雨によって例年通りの推移となると考えられます。

 

昨年のモーグルコースの岩
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2008/06/28〜29) B
今週のモーグルコースの岩
昨年並み

雪渓下部は肩の小屋方面に向かってしばらく中斜面が続き、その後はなだらかな斜面に変化して肩の小屋までつながります。この中斜面から緩斜面へ変化するあたりに、モーグルコースの岩があります。(夏スキーのシーズン、この中斜面ではいくつものモーグルのラインができることから、便宜上、呼称させていただいております)

先週から1メートル以上の雪解けで今シーズンに入って一番の雪解けを見せています。そのため、先週は昨年よりも遅い雪解けでしたが、昨年並みとなっています。

 

モーグルコースの岩
岩の頭を中心に上下にハイマツが伸びる
雪渓下端まで132m − 昨年並み

岩の頂点を中心に上下方向にハイマツが伸びてきています。左の画像では岩の頂点から下方向へハイマツや岩が延びている様子です。先週は岩からハイマツ下端まで30メートルほどでしたが、今週は40メートルと長くなり、そのため、右の画像のハイマツの下端から雪渓下端部分までの距離も143メートルから132メートルで昨年並みの状況です。

 

モーグルコースの岩 − クラックが発生し始めました

モーグルコースの岩の下端部分では、先週の段階では確認できなかったクラックが発生し始めました。この現象は毎年よく見られ、その大きさは年によって異なり、時には人がすっぽり入ってしまうほどの規模になることもあり、今後の推移に注意する必要があります。

 

昨年の石碑の岩
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2008/06/28〜29) B

今週の石碑の岩
昨年より一週間早い雪解け

こちらは雪渓下部の南側にある石碑の岩。大雪渓エリアでモーグルコースの岩の次に姿をあらわす大岩です。先週は雪解けのペースが遅く、それまで昨年より一週間遅い雪解けが昨年並みとなりましたが、今週は雪解けのペースが速くなったため、再び、昨年より一週間早い雪解けの推移となっています。

 

【春スキーバス】

5月2日(土)から運行が開始された今年の春スキーバスもいよいよ今月末で運行が終了します。

 

稜線に向けて出発の準備

稜線からの滑走も終盤を迎えますが、それでも今日もたくさんのスキーヤー・ボーダーの方々がバスを降り立ち、すぐさま出発に準備にかかります。

 

強い日差しに汗ばむ陽気 − 肌を焼きたくても日焼け止めの処置をお勧めします

山麓よりも過ごしやすい気温ではありますが、今日の大雪渓付近は風がなくなるとすぐに汗ばんでくるほどの天候。半袖で過ごされる方もいらっしゃいますが、かなり日焼けすることと思いますので、焼きたい方でも日焼け止めクリームを一度塗ってから出発されることをお勧めします。

 

やはりアイゼンがあったほうが安心

ソフトブーツにアイゼンを装着されているこちらの方々、先週でノリクラを最後にしようと思っていたところ。今日の天気に誘われて再びお越しになりました。先週お越しになったときに、足元が少し滑る感覚があったため、アイゼンは必要と感じられたとのこと。

慣れていれば必要ないという状況かもしれませんが、あったほうが良いとも言える状況と考えられます。ただ、踏み抜くほどグサグサでない場合、上部エリアでは滑りやすい状況もあって、その時のアイゼンの安心感はかなり大きなものといえます。

 

今回初めてスノーシューを履きます

そして、こちらの方はスノーシュー。しかもスノーシューを履くのは今回初めてとのこと。どの程度までベルトを締めて良いのか分からない様子。しっかり締めたつもりでも歩き始めると緩んでくることがありますので、踵を重点をおいてしっかり装着されると良いでしょう。

 

出発前に一度は青空を仰ぎ見て...

歩き始めるとどうしても下を向きながら進みますが、今日は前を向かないと損をした気分にさせられます。

 

どこまでも青い空!

梅雨の時期とは思えない青空が「早く来い!」と言わんばかりにスキーヤー・ボーダーの方々を手招きします。 Next

 

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