ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2009/06/27〜28) D
【稜線を目指して】
それでは肩の小屋から稜線を目指して出発します。
肩の小屋〜山頂の登山道(全体の2分の1付近) |
こちらは肩の小屋から稜線までのちょうど中間付近。先週はこの辺りから積雪が始まりましたがもう完全にありません。
朝日岳直下 − ほとんど積雪がなくなります |
ここからさらに進んで朝日岳直下もほとんど積雪のない状態。
一歩一歩慎重に岩場を降ります |
雪解けの進んだ岩場を一歩一歩をしっかり確かめながらゆっくり降りてくる親子のお二人の姿があります。物心ついてからおそらく始めてみたというノリクラの雪のことをこれからも忘れずに覚えていてくれたらと願うものです。
ノリクラは条件さえよければ、小さなお子さんでも登ることが可能ですが、この先の積雪地帯は無理がありますので、その点も考慮してお越しください。
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昨年の登山道(朝日岳下) |
今週の登山道(朝日岳下) |
先ほどの積雪の始まる箇所から数十メートル進んだ所に大岩があります。昨年の画像と比べて、この付近でも1メートルほどの積雪があることがわかり、昨年より雪解けが遅い状況です。現段階では登山道上の積雪は多いと考えられますが、ただ、今後の降雨によって雪解けはかなり影響を受けます。
この先は稜線までほぼ完全に雪の上を歩くことになります。
魔利支天岳 |
これまで魔利支天岳周辺は山肌の積雪量は昨年並みで、その裾野から朝日岳につながる部分でやや少ない推移を見せていましたが、先週あたりからどちらも昨年並みの状況となっています。
【稜線】
蚕玉岳〜朝日岳稜線 − 昨年より一週間以上遅い雪解け |
こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。先週と比べてかなり広範囲に岩がでてきました。昨年は一週間前の段階で、画像奥のミヤマクロスゲが分布する砂礫地部分でも、大きく雪解けしていましたので、その点から考えると、昨年より一週間以上遅い雪解けと言えます。
雪解けが進んで、稜線から滑走すると雪渓が途中で途切れてしまい、画像の朝日岳直下の雪渓から大雪渓エリアへ滑り降りる必要があります。
つづら折れの登山道の一部が現れる |
雪解けとともにつづら折れで稜線まで続く登山道が姿をあらわし始めています。
登山道周辺はまだかなりの積雪 − 下りは慎重に! |
しかし、姿をあらわし始めた登山道の前後ではまだかなりの積雪があります。ご覧のように積雪上のルートもはっきりしたものではなく、下りはかなり慎重に降りて行かなければなりません。
楽しい登山も アイゼンなどしっかりした装備を... |
こんな経験もなかなかできないことでしょうから、雪渓の感触を楽しみながら今日の登山をよい想い出に残してもらいたいと思います。それでもやはりアイゼンなどの装備をしっかりとしてお越しいただきたいとも考えるものです。
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昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線 |
今週の蚕玉岳〜朝日岳稜線 |
蚕玉岳〜朝日岳稜線上は厳密にはご覧のようにほとんど積雪はありません。昨年のほうがやや多いように見えますが、それより下部では完全に積雪がない状態でしたので、今年のほうが雪解けが遅い状況です。
昨年の権現ヶ池・朝日岳 |
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今週の権現ヶ池 昨年とほぼ同じ |
今週の朝日岳 昨年よりも一週間遅い雪解け |
権現ヶ池と朝日岳の様子も昨年の画像と対比してお伝えします。権現ヶ池はこれまでと同様、昨年並みの状況。そして、朝日岳は先週の段階では昨年より二週間以上遅い雪解けの推移でしたが、今週は他のエリアと同様に雪解けが早く、昨年より一週間ほど遅い状態まで急速に雪解けしています。
いつもの常連の方 − 今シーズンのノリクラは今回最後... |
その朝日岳を滑り降りてきたこちらの常連の方。冬のツアーコースでは毎週のようにお会いしますが、今シーズンは今回で最後とのこと。
初冬のツアーコースでお会いしましょう! |
12月から7ヶ月近くのシーズンをここで過ごされ、来シーズンまでしばしのお別れ...また、初冬の薮漕ぎのツアーコースでお会いできることを楽しみにしています。
この6月末〜7月を契機に、山スキーから夏スキーという言葉に大雪渓で使われる言葉が変わって行くようにも感じます。(→ Next)
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