ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2009/06/27〜28) E
【剣ヶ峰〜蚕玉岳】
こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳の稜線。
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昨年の稜線直下付近 |
今週の稜線直下付近 |
稜線直下の積雪がかなり少なくなってきました。昨年は積雪のあるところまで30〜90メートル歩く必要がありましたが、今週はかろうじて何とかつながっています。昨年より一週間遅い雪解けです。
最大幅156メートル、滑走部分で78メートル |
稜線付近の横幅は最大部分が先週の159メートルから156メートルと微減。しかし、実際の滑走幅で先週の105メートルから78メートルとなっています。
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昨年の位ヶ原 2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2008/06/28〜29) E |
今週の位ヶ原 昨年並み |
こちらは位ヶ原の唐草模様を昨年の様子と比較したもの。他のエリアは先週よりも早い雪解けペースとなっていますが、位ヶ原全般的に見たとき、今週の雪解けが極端に早いという感覚はありません。先週と同様、ほぼ昨年並みの状況です。
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先週の稜線直下の岩 |
今週の稜線直下の岩 |
こちらは剣ヶ峰から続く稜線直下部分。これまではほとんど雪解けの進んでいなかった部分ですが、今週に関してはこれまでの分を取り返すかのように雪解けが進んでいます。それでも、昨年と比べて二週間近く遅い雪解けであることは変わりありません。
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急斜面から緩斜面に差し掛かる部分(昨年同時期の一週間前)  |
今週の急斜面から緩斜面に差し掛かる部分 |
稜線から車道までの沢沿いを滑り降りますが、その3分の1程度のところに達すると斜面が緩くなってきます。こちらの画像がその部分で、今後、雪解けが進むと最初にこの箇所から岩の頭が出始めて、滑走エリアが上下に分断されて行きます。
ご覧のように今週になってようやく岩の頭が見え始めるようになって来ました。右の画像は昨年同時期より一週間前の画像。右の今週の画像とほぼ同じ状況であることから、昨年より一週間遅い雪解けといえます。
一番細い部分で幅30メートル | 下部はまだ十分な横幅 |
前述の岩の頭が出始めた部分が一番横幅が細い部分で幅30メートル。おそらく今度の週末あたりになるとかなり岩の頭が多くなり、バーンが分断されるかもしれません。これより下部はまだ十分な面積があります。
比較的硬めのコンディション |
気温が高めでも、雪面は比較的硬め。上半分はほとんどうねりもなく、楽しくターンを繰り返すことができます。
全景 |
こちらは全景を撮影したものです。上部部分は昨年よりも多い状態を見せています。緩斜面の部分はかなりうねりが目立つようになって来ました。また、落石もみられるようになってきましたので、滑走には注意が必要です。
県道乗鞍岳線 − 7月1日より冬季閉鎖解除。ただし大雪渓駐車場〜県境区間は冬季閉鎖延長(7月10日(金)解除予定) |
稜線から1kmほど滑走すると、県道乗鞍岳線の切り通し箇所到達して滑走はここで終了となります。
1日3便の春スキーバスは6月末で終了し、7月からは毎時1時間ごとのダイヤで運行されるシャトルバスが始まります。すでにお知らせのコーナーでもお伝えしているように、大雪渓駐車場から先の富士見沢付近の積雪が多く、雪面の崩落や落石の危険性が続いていることから、7月1日(水)から10日(金)までのシャトルバスは春スキーバスと同様、大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)での折返し運転となっています。また、運行ダイヤも一部の便で運休されます。詳しくは お知らせ − 県道乗鞍岳線 大雪渓駐車場〜県境間の冬季閉鎖延長について<7月10日(金)解除予定、 シャトルバス、肩の小屋口バス停 折り返し・減便運転>。(2009/06/29) をご覧下さい。
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昨年の切り通しの壁 |
今年の切り通しの壁 |
切り通しの壁は先週の2.3メートルから1.3メートルとこれまでの雪解けのペースから考えるとかなり激しく減少しています。そのため、先週までは昨年よりも多い状態でしたが、今週は昨年よりも20センチほど少ない状況です。
【鶴ヶ池雪渓 − モーグルコース】
こちらは岐阜県側で唯一スキー滑走指定地とされている鶴ヶ池雪渓。【乗鞍スカイライン】 のコーナーでもお伝えしたように昨年よりやや遅い雪解け状態です。また、滑走エリア上にハイマツ帯が出現すると、自然保護の観点から滑走禁止の措置が取られ、今年は6月28日(日)夕方を持って立ち入り禁止とされることが決まり、鶴ヶ池雪渓での今シーズンの滑走はこの週末が最後となります。昨年も同じく6月28日(土)夕方を持って立ち入り禁止となりました。
モーグルバーン |
畳平から数百メートルのところに位置することから、今日も多くのモーグラーの方々が集まっています。
モーグラーの方々はこれからがシーズンイン − まだ薄い空気に体が慣れません |
コブのラインを登っては滑ることを何度も繰り返します。山スキーでノリクラにお越しになっている方々はそろそろシーズン終盤ですが、モーグラーの方々はこれからがシーズンイン。体が薄い空気に慣れていないため、かなり辛そうです。
コブラインの滑走は一人ずつ |
ゲレンデのコブでの滑走と異なり、一人が滑り終わるまでは次の方はスタート地点で待機します。
コブラインの長さは18コブ×78メートル。
いつものように和気藹々とした雰囲気の中、のんびりと楽しんでいます。
夏場は気温が高く、スキーブーツなどの劣化が冬場以上に激しいものがあります。また、激しく果敢に攻めるモーグルではスキー板も消耗品です。
来週からは長野県側の大雪渓に移動します |
鶴ヶ池雪渓での滑走は今日で最後。来週からは長野県側の大雪渓に移動し、コブのラインを果敢に攻める姿が毎週のように繰り広げられるはずです。
【昨年の今ごろは?】
初日の28日(土)はほぼ快晴の朝から始まり、午後は次第に厚い雲に覆われるものの、雨に見舞われることなく、一日を過ごすことができました。しかし、29日(日)は夜半から続く雨が地面をたたきつけるほど激しくなり、乗スカイラインは7時に開門したものの、大雨と強風で9時30分には通行止めの措置が取られました。
この大雨の中に実施された乗鞍天空マラソンは今年以上にひどいで、折り返し地点を冷泉小屋に引き下げて実施されました。
<編集後記>
今年ももう一年の半分が終わってしまいました。WebSiteでは年明けから 速報 をお届けし、3月末からは ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版を開始し、5月中旬から ノリクラ雪渓カレンダー 正式版 をお届けし、ノリクラの状況をほぼ毎週お伝えしております。時計の針のように毎週を刻み続けることは想像以上に労力が必要ですが、振り返ると大したことでもないと思ってしまうところは、急坂でも必死になってペダルを回し続けるヒルクライムで、ゴールした瞬間の状態と何か重なる部分があるように感じます。
この6月末から7月始めは、その中でも大きな節目の時期と考えられ、大雪渓に訪れる方々が大きく入れ替わるタイミングです。スキーを楽しむスタイルが異なりますが、それでもノリクラを楽しみにお越しになることには変わりはなく、どんな方々にとっても良い想い出を焼き付けていただきたいものと考えています。
今回は二日とも良い天候に恵まれました。しかし、梅雨本番はこれからで、6月よりも7月のほうが天候の悪い日が多いのは例年のこと。梅雨明けまでの数週間は、大雨に見舞われることも多く、しっかりとした対策を講じてノリクラにお越しください。
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