ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.12(2010/07/31〜08/01) C
【雪渓中段】
雪渓下部の北端のモーグルコースの岩と南端の石碑の岩の間を上がったエリアで、雪渓上部の雪渓下部を結ぶ緩斜面です。
画像中央の大岩は高さが2.5メートル近くになっています。
⇔ | ||
前年同期より二週間早い中央の大岩 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2009/07/18〜19) D |
今回の中央の大岩 昨年より二週間遅い雪解け |
前年同期より二週間早い時期の画像と比較します。ほぼ、同じような状況であることから昨年より二週間遅い雪解けとなっています。この状況は、2008年よりも一週間遅く、2007年とほぼ同じ推移です。
こちらは雪渓中段北側にある肩の小屋への登山道付近。先週よりも高さ1.5メートルほどの雪解けを見せています。
登山道にごく一部積雪が残る |
肩の小屋への登山道は、雪渓下部のモーグルコースの岩付近に20メートルほど積雪が見られましたが、雪渓中段でもごく一部残っています。ただ、雪渓下部ほどの斜度がなくほぼ平坦であるため、登り降りに大きな問題となる可能性は低いと考えられます。
雪渓中段エリアは全体的に昨年よりも一週間以上遅い雪解けを見せています。
比較的緩斜面の続く雪渓中段から雪渓下部にかけて、モーグルやポールレッスンなど様々なスキーヤー・ボーダーの方々がお越しになっています。
雪渓の雪質は硬い時と柔らかいときはその日の天候・気温によって様々で、今回は固めの状態を見せていますが、同じように曇った日でもかなり柔らかいときもあって、日差しだけが影響しているわけではなさそうです。
硬い雪質であるため、作成したエア台は崩れにくい利点はあるものの...
それとは逆に着地エリアを柔らかく雪面をほぐすのが大変...
エアーの練習以前にコース整備で一苦労...でも、安全に練習するには欠かせない作業です。
【高山植物】
ここからは大雪渓エリア周辺の高山植物の様子をお伝えします。
シナノキンバイ − 花期が終わり実が膨らむ |
先週、満開を見せたシナノキンバイ。ごらんのように花期が終り、実が膨らみ始めた様子が見られます。
そして、そろそろ花を咲かせても良い時期に入ったコバイケイソウ。今年は花をつけている株が見られません。数年に一度しか開花しないと言われていて、2006年は花をつけず2007〜2009年まで毎年花を咲かせていましたので、今年は咲かないシーズンとなるかもしれません。
参考:2006年のコバイケイソウの状況 → 2006 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.18(2006/09/09) C
ミヤマダイコンソウ | アオノツガザクラ |
そして、先週つぼみだったミヤマダイコンソウは開花をはじめ、先週ほぼすべての花を咲かせたアオノツガザクラは実が出来始めています。
つぼみの頃は上向き、そして、花はうつむいて下向きに。その花が終わって実の時期には再び上向きとなる点が面白いところです。
こちらはゴゼンタチバナ。
花びらは総苞片で黒い小片が両性花 | 葉が4枚構成のものは花をつけない |
白い花びらに見えるのは総苞片と呼ばれ花ではなく、その中に白や黒の10個以上の小片が実際の花です。秋には赤い実をつけますが、そのすべてが結実するわけではなく、黒く見える雌しべのある両性花だけです。
また、花をつけるのは葉が6枚構成のものだけで、右の画像のように4枚構成のものは花をつけません。
岩場に張り付くように自生するコケモモ。よく似た花にコメバツガザクラがありますが、葉がコケモモよりも一回り小さくて先端が尖り、縁が巻き込んでいる所と、コメバツガザクラは壷型の花である点が見分けるポイントでしょう。
また、同じように岩場に自生するイワウメは、葉がより密に自生してコケモモよりも大きな花をつけます。名前の由来どおり梅の花に似ていますので、簡単に見分けることが出来るでしょう。(→
Next)
Copyright (C) 乗鞍香辛料監視委員会 |
|