ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.12(2010/07/31〜08/01) A
【大雪渓に到着】
いつものように出発の準備。
梅雨が明けて初めてノリクラにお越しになる方もちらほらと見かけるようになっています。ただ、ゲレンデとは全く異なる環境であることを認識しての行動が必要です。
標高2600〜2800メートルの大雪渓エリアは、気候的に完全に高山帯に属します。スキー場でもこのように霧が立ち込めることは多々ありますが、「霧で濡れる」というほどの経験は余りありません。
霧の粒が流れる様子が目で見て分かるほどになると、雨が降っているときと同じように合羽を着る必要があります。霧の中、長時間いると知らない間にウェアーがずぶ濡れになるほどです。
そして、こちらは大雪渓駐車場にある避難小屋。
朝一番のシャトルバスでお越しになったスキーヤーの方、ここで朝食を済ませて出発の準備をするのが毎週の日課のようになっています。
そして、こちらのボーダーの方もここでブーツを履いて出かけようとされています。梅雨明け後は申し分ない天候が続いていたこともあって、この天候でテンションが上がらない模様...天候の良いときばかりではなく、このような日でも通い続けることでノリクラの色々な側面を知ることが出来ます。
視界はさらにひどくなり、50メートル先の様子すら分からないほど。
そんな中、メンバーの到着を待つ自転車の方々がお越しになっています。
今日は三本滝ゲートから出発。朝5時にスタートしようとしたものの開門前で6時の開門と同時にやってきました。ノリクラは初めてでもうここで十分といった状況のようです。
若干、小雨が降り始め、寒さ対策も兼ねて合羽を着込んでの再スタートです。ここから畳平はまでは約1.5km。ただ、この先はかなり幅員(道幅)の狭い箇所があり、自転車であっても大型バスが前方からやってきたときは対向が困難な状況。シャトルバスなどの動向に注意しながら進んでください。
【雪渓下部 T】
ここからは雪渓下部の様子をお伝えします。
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昨年の大雪渓入口 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2009/08/01〜02) A |
今回の大雪渓入口 |
全体的に先週から今週にかけての雪解け変化があまり見られない状況で、下端部分については画像の左寄りに先週の段階で残っていた積雪箇所がなくなっている様子が見られます。昨年の画像では随所に岩の頭が見られますが、今年はまだその状況には至っていません。
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昨年の大雪渓入口 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2009/08/01〜02) A |
今回の大雪渓入口 大雪渓入口まで61メートル − ほぼ昨年並み |
大雪渓入口まで距離は61メートル。昨年の64メートルと大きな違いはありません。
下端部分にはは車道沿いの入口付近より一段上に上がった帯状に広がる平坦な岩場があり、その横幅は約10メートルでこちらは昨年と全く同じ状況です。
スキーヤー専用道 − ウラジロナナカマド | 花期が終わる − 昨年よりやや早い |
大雪渓入口から雪渓上部につながるスキーヤー専用道沿いのウラジロナナカマド。先週の段階でほぼすべての花が開花しました。そのため、今週は大半のものが花を落としています。昨年はこの時期にちょうど見頃でしたので、先週と同様、昨年よりも早い推移を見せています。
登山道入口 | 車道との間は15メートル − 昨年より遅い雪解け |
大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。雪渓の下端部分から車道までの距離は、先週の10メートルから15メートルに広がっています。昨年は23メートルで、昨年よりも遅い雪解けを見せています。
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先週の登山道入口 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2010/07/24〜25) A |
今週の登山道入口 高さ50センチ〜1メートルの雪解け |
登山道入口周辺は先週より高さで50センチ〜1メートル程度の雪解けで、これまでとさほど変わらない雪解けのスピードです。先週もお伝えしように、積雪量が少なくなると少しの雪解けが大幅に雪解けが進んだように感じるものです。
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先週の登山道(積雪箇所) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2010/07/24〜25) A |
今週の登山道 |
登山道を55メートルほど進むと、ご覧のように登山道は積雪に閉ざされています。先週の画像と比較していますが、こちらでも高さで約1メートルほどの雪解けであることが分かります。
モーグルコースの岩までの積雪箇所は25メートル − 今年は積雪の多い年に属する |
この先の積雪はモーグルコースの岩まで約25メートルと先週の70メートルよりも大幅に短くなっています。それでも昨年はほぼ完全に雪解けが終わっていましたので、今年は多い状態であることには変わりありません。
2008シーズンの同時期は完全に雪解けが完了し、2007シーズンは20メートルほどあり、2006年にいたっては30〜40メートルありましたので、今年は多い年ではありますが、特別多いというわけではありません。
登山道に積雪があるとは思いもしなかったとおっしゃるこちらの方々。アイゼンを必要とするような本格的な登山ではなく、のんびりと山歩きを楽しむためにノリクラにお越しになっているとのこと。
ノリクラにお越しになる方には、頂上を目指すだけでなく、一日をゆっくりと楽しむためにお越しになる方も多いようです。
雪面の柔らかい時は蹴りこんで足場を作ればよいと思いますが、今日のように雪面が硬い場合はいくら蹴りこんでも歯が立ちません。スプーンカットの形状をうまく利用しながら登って行くことになりますが、足場に不安があるようならアイゼンの携行をお勧めします。(→ Next)
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