ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.12(2010/07/31〜08/01) F
【畳平のお花畑】
それでは最後に畳平のお花畑の様子をお伝えします。
こちらは入口付近の様子。今週に入りお花畑は全体的にハクサンイチゲが花期を終えて新たな高山植物へと切り替わってきています。
遊歩道をさらに進んで周回コースを右に回り、お花畑を奥のほうへ(西の方へ)向かいます。
先週と比べると少しずつ高山植物の様子が異なっている点に気付きます。
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先週の畳平お花畑 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2010/07/24〜25) F |
今回の畳平のお花畑 ミヤマキンバイの花期が終わる |
同一箇所を先週の様子と比較するとご覧の通り。左の先週の画像では背の高いミヤマキンポウゲの花と、背の低いミヤマキンバイの花が見られます。
しかし、今週の画像では背に低いミヤマキンバイの姿がありません。ミヤマキンバイとミヤマキンポウゲは若干花期がずれていて、このようにして次から次へと数々の高山植物が順番に開花するため、畳平のお花畑では一ヶ月以上にわたって高山植物の花々を楽しむことが出来るわけです。
先週もお伝えしたようにミヤマクロスゲが木道よりも背が高くなっています。しかし、今週はそれにも負けないくらいにヨツバシオガマが成長しています。
今週はどこを見渡してもヨツバシオガマばかり...今シーズンはその数が例年になく多い状態が見られます。
白い花の見ごろはハクサンイチゲからハクサンボウフウへスイッチ |
先ほどもお伝えしようにハクサンイチゲは大半のものが花期を終えています。その代わりに白い花として台頭してきているのがハクサンボウフウ。これよりも小型のシラネニンジンやさらに大型のミヤマゼンゴなど、同じような形状のセリ科の高山植物も見られます。
木道の脇にはこんな高山植物も...まだ、開花しておりませんので、どちらか分かりませんが、ミヤマアカバナ、もしくはイワアカバナです。こんな足元にも高山植物が自生しています。
黄色い高山植物の状況にも変化が... |
白い花はハクサンイチゲからハクサンボウフウなどに移行していて、黄色の花もミヤマキンバイからミヤマキンポウゲへ移り変わっています。
そして、お花畑をよく見回すと...
ミヤマアキノキリンソウ | ウサギギク |
新たな黄色の高山植物が芽吹きを始めています。左の画像のつぼみはミヤマアキノキリンソウ。この花が咲き始めると夏本番を迎え、さらに秋へと移り変わって行きます。そして、右の画像はウサギギク。こちらもミヤマアキノキリンソウとほぼ同じような時期に開花し、両者とも位ヶ原など少し標高の低いエリアでは見頃を迎えています。
そして、お花畑の西端の遊歩道折り返し地点付近では...
先週に引き続き、ミヤマクロユリが見頃を迎えています。
しかし、それぞれの花をよく見ると、雄しべだけのものはすでに枯れ始めています。
雄しべと雌しべの両方を持つ両性花はこれから結実の時期を迎えて行きます。
お花畑一面を覆い尽くしていたハクサンイチゲの花期がほぼ終了しましたが、ヨツバシオガマがそれに取って代わるほどの勢いを見せています。このほかにもこれから花期を迎える高山植物もあり、まだまだ、畳平のお花畑のシーズンは続いて行きます。
【昨年の今ごろは?】
8月に入っても冴えない天候が続いています。1日(土)は、濃霧に包まれる状態から次第に青空がのぞいて、天候の回復の兆しが感じられたものの、再び濃霧となり、午後には雷鳴とともに本格的な雨脚を見せます。その後も周期的に訪れる濃霧と雨が続きました。
そして、2日(日)は朝から雨です。次第に小降りとなり視界も少しずつ開けるようになります。山麓から湧き上がる雲海がまるで炎のように燃え盛る様子に躍動感を覚え、午後からは日差しが戻ってきますが、再び雨と濃霧で生憎の二日間となってしまいました。
滑走のメインは雪渓下部から雪渓上部に移行し、シャトルバスを降りたスキーヤー・ボーダーが大雪渓入口から上部エリアに出発してしまうと、これまでのにぎやかな雰囲気は一変して、静寂なノリクラへと変わって行きます。
<編集後記>
今回の記事の随所に自転車の下り走行のことについて記載いたしました。
マイカー規制が行われている県道乗鞍岳線や乗鞍スカイラインは、他の道路と比べても自動車との併走に気を取られる必要が少なく、安心して走行できる所が大きなポイントです。ただ、幅員の狭く急峻なヘアピンカーブの続く道路で、フルスピードでダウンヒルする行為はかなり危険です。
危険と認識するレベルも人それぞれで、実は自転車で下っている本人は、バスやタクシーなどのエンジン音が遠くから認識できるため、ヘアピンカーブで はちあわせしても危険と感じませんが、一方、運転手側から見たとき、何の前触れもなくいきなり出くわし、さらにカーブミラーにも映り難いともなれば、かなり危険と感じるものです。
自分自身が安全と思うだけでなく、周囲にも危険と思わせないような自転車走行が必要です。楽しく快適なダウンヒルではありますが、ダウンヒルは「ヒルクライムのおまけ」程度に考えて、自分の安全はもとより、周囲に脅威感を与えないよう心がけて下さい。
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