ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.12(2009/08/01〜02) @
【大雪渓】
8月最初のノリクラ雪渓カレンダーをお伝えしますが、夏らしい風景を全くお届けできない状態が今週も続きました。
1日(土)は、早朝の乗鞍高原では、雨が止んで青空が見え始めます。大雪渓付近も8時ごろまで濃霧に包まれていた状態から、次第に青空がのぞいて、天候の回復の兆しが見え、今日一日が期待されたものの、10時すぎには再び濃霧。視界が50メートル切る状態で、ほとんど何も見えない中を滑るエッジング音だけが大雪渓にこだまします。正午ごろになると、雷鳴とともに本格的な雨脚となって、その後も、周期的な濃霧と雨で一日が終わって行きました。
そして、2日(日)は、朝から雨。かなりまとまった降り方も、9時を回る頃になると小降りになります。それでも、全く先の見えない濃霧が続き、11時ごろになって雨が止み、その後、霧が抜けて視界が開けるようになってきます。山麓から湧き上がる雲海が、まるで燃えさかるかのような激しい動きを見せ、感動を覚えるほどの状態。さらに、日差しが差し込んで青空がのぞくようになり、これで午後からは、久しぶりの好天に恵まれるかと思ったものの、再び、雨と濃霧が舞い戻り、結局、二日とも、雨と濃霧の週末となってしまいました。
大雪渓の雪解け状況は、先週と比べて、やや、落ち着いている様子が見られます。全般的に見て、雪渓下部は昨年並み。雪渓上部は昨年より一週間ほど早い状態で、エリアによって三週間も早いところが見られます。
それでは大雪渓の様子をお伝えします。
【8月1日(土)、観光センター】
観光センター前駐車場 |
早朝6時の観光センター前駐車場。気温は18℃。先ほどまで降っていた雨が止んで、青空がのぞくようになって来ました。
雲間から太陽も |
東の空には、雲間から太陽が見え隠れして、天候の回復が期待される朝を迎えています。
観光センター − 朝の準備 |
早朝から営業を始める観光センター売店では、先ほどまで降っていた雨にぬれたテラスのテーブルの雫を落とし、訪れる方々を出迎えます。
シャトルバス乗車券発売所 − ホワイトボードに「晴れ」の文字 |
シャトルバスは、始発便から正常どおりの運行。乗車券発売所のホワイトボードには、早朝の畳平の天候が記されています。ここにも「晴れ」という文字が見られ、天候の心配はなさそうな雰囲気です。
7時のシャトルバスが到着して、21名の乗客が乗り込んで行きます。
研修中の係の方 − 一つ一つアドバイスを |
研修中の係の方は、「シャトルバスに乗車しようとされているお客さんがいないかどうか、駐車場のほうを一度確認して、それから出発してください。」と、一つ一つアドバイスを受けながら、一緒にシャトルバスに乗り込みます。
それでは、大雪渓に向けて出発です。
【車窓から】
部分的な紅葉があちこちで見られます |
新緑の季節はもうすでに終わって、沿道は濃い緑色に覆われています。ナナカマドの花は終わり、イタドリの白い花が、沿道を縁取るようにどこまでも続いて行きます。
この頃になると、部分的な紅葉が、所々で普通に見られるようになってきます。それでも、本格的な紅葉シーズンまでは、2ヶ月ほどの時間が必要で、画像右側に映る紅葉した部分は、その頃までこの状態で経過するわけではなく、1〜2週間で枯れてしまいます。
位ヶ原山荘 |
そして、位ヶ原山荘付近までやってくると、雨と濃霧に覆われるようになってきます。
秋には紅葉の絶景ポイントになります |
森林限界を超えるこの付近からは、ご覧のように視界が開けてきます。植生もダケカンバなどの広葉樹から、オオシラビソなどの針葉樹へと移り変わってくる場所で、ちょうど、この付近は両者が混在するエリアで、秋の紅葉の時期になると、緑のままの針葉樹の中に、ダケカンバなどの黄色が点在する光景が広がり、まるでこの瞬間のために、ノリクラは一年を過ごしているのではないかと思ってしまうほどの美しい光景が広がります。
11号カーブ付近 − 残雪は完全になくなりました |
位ヶ原山荘から1.5kmほど進んだ11号カーブ。先週まで見られた残雪は、完全になくなりました。
ウラジロナナカマド − 実ができ始めます |
そして、二週間前にたくさん花をつけていたウラジロナナカマドは、ご覧のように幾つもの実ができ始めています。
位ヶ原お花畑 − こちらも残雪がなくなります |
こちらの位ヶ原お花畑も、残雪が完全になくなり...
ミヤマキンバイが咲き誇る |
ようやくお花畑らしい光景となってきました。
5号カーブ | 4号カーブ |
宝徳霊神バス停のある5号カーブも、ほとんど残雪がなくなり、県道乗鞍岳線で、最も高い雪の壁であった4号カーブも、残雪はかなり小さくなっています。
4号カーブを過ぎると、大雪渓駐車場に到着です。(→ Next)
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