ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.12(2009/08/01〜02) C
【雪渓中段】
雪渓中段 |
雪渓下部の北端のモーグルコースの岩と南端の石碑の岩の間を上がったエリアで、雪渓上部の雪渓下部を結ぶ緩斜面です。
昨年同時期より一週間遅い雪渓中段 |
こちらは、昨年同期より一週間遅い雪渓中段の様子。今週の画像とほぼ同じ雪解けの状態です。したがって、今週は昨年よりも一週間早い雪解けであることが分かります。
肩の小屋への登山道(中間付近) |
こちらは雪渓中段の北端に位置する肩の小屋への登山道。先週から高さ2メートル近くの雪解けが見られます。先週と同様、昨年より一週間早い状況です。大雪渓から肩の小屋までの道中の残雪は、完全になくなっています。
雪渓中段全景 |
雪渓中断は、左の画像の下半分は、ほぼ、昨年並みの状況ですが、右の画像の上半分は、完全に積雪がなくなり、昨年よりも一週間早い雪解けです。
横幅は23メートル − 滑走可能です |
下半分のエリアは、まだ、雪渓下部とつながっています。横幅は23メートルで、現段階では滑走可能です。
【高山植物】
登山道を高山植物が彩ります | シナノキンバイ(花) |
先週から咲き始めたシナノキンバイ。まだ、しっかりと見ごろを見せています。
中央のオレンジ色の短いヘラ状ものが花弁 | 黄色い大輪が萼 |
先週よりもしっかりと「花」が咲いていますので、もう一度詳細にお伝えします。シナノキンバイの花弁は中央のオレンジ色の短いヘラ状のもので、周辺の大輪は萼(ガク)です。その証拠に右の画像では、通常の緑色の萼はありません。
ミヤマキンバイ(花) | 萼がちゃんとあります |
こちらはミヤマキンバイ。大雪渓エリアでも普通に見られるようになって来ました。右の画像のように花弁の下には、萼がちゃんとあります。
ゴゼンタチバナ(花) |
どちらかというと、大雪渓エリアの高山帯よりも、少し標高の低いエリアに分布しているケースが多いゴゼンタチバナ。林の中によく似た環境のハイマツ帯に寄り添うように、花を咲かせています。
白い四枚は総苞片 − 花ではありません |
前述のシナノキンバイと同様、花弁に見える白い四枚は総苞片で、中心の十数個ある花のつぼみを包んでいた葉です。高山植物の世界で、この総苞片が重要となるのは、在来種のミヤマタンポポと、外来種のセイヨウタンポポの見分け方です。
総苞片が外転しているのがセイヨウタンポポですが、非常に繁殖力が強いため、現在では、平地に自生するタンポポの大半が、セイヨウタンポポに置き換わっています。
ミヤマダイコンソウ(花) |
大雪渓エリアでの三つ目の黄色の高山植物は、ミヤマダイコンソウ。大きな丸い葉が特徴です。
チングルマ(花) |
そして、いつもは石碑の岩のチングルマを紹介していましたが、大雪渓エリア全般で咲き始めました。
ひょろひょろ伸びる昨年の花茎 | 茎は木の枝のよう − 小さくても木です |
ひょろひょろと伸びる茎は、昨年花をつけた花茎。そして、右の画像の下の部分の茎をよく見ると、木の枝のような状態ものが見られます。チングルマは、こんなに小さくても、草ではなく木であることがわかります。
ベニバナイチゴ − 実ができ始めています |
大雪渓のあちこちで開花が始まっていますが、こちらのベニバナイチゴは、すでに花の時期は終わって、ごらんのように実ができ始めています。(→ Next)
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