ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.2(2011/05/21〜22) @
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先週もお伝えいたしましたが、ゴールデンウィーク明けの降雨によって激しく雪解けし、毎年この時期にお越しになる方々が例年とは異なる光景にかなり驚かれている様子が伺えました。
5月21日(土)は、朝方に少し雲が広がり、畳平など上部エリアは濃霧が激しく流れて行く様子が見られましたが、天候は次第に回復して、ほぼ終日にわたって快晴の一日となりました。その青空はしっかりとした真っ青な状態ではなく、少し霞んだ様子で、それと呼応するように日差しも肌に突き刺さるような強さはなく、柔らかな雰囲気の天候が続きました。また、雪面のほうも柔らかなコンディションで、ツボ足だと踏み抜いてしまうところもあり、何もかもが柔らかさに包まれた状況でした。
そして、5月22日(日)は早朝から雨が降り始めました。それほど激しい降り方ではありませんが、春山バスに乗車される方々は数えるほど。ツアーコースも滑走がかなり難しい状況に近くなるほど雪解けが進み、上部エリアと山麓を結ぶルートが途絶えてくると、季節がまた一歩進んでいくことを受け入れなければならないと感じるものです。
それでは、この二日間の様子をお伝えします。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【5月21日(土)、ほおのき平駐車場】
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ほおのき平駐車場 |
こちらは6時30分のほおのき平駐車場。
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はまばらな雲が低めに垂れ込める |
気温は12℃。上空はまばらな雲がやや低めに垂れ込め、その雲間からは時折朝日が差し込む状況です。風はゆっくりと東から流れ、天候が悪化するのか回復して行くのかはっきりしない様子です。
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ほおのき平バスターミナル |
こちらはほおのき平バスターミナル。乗鞍スカイラインシャトルバスに乗車されようとしている方々が、乗車券を求める姿があります。こちらのバスターミナルは、畳平に向うシャトルバスのほか、新穂高温泉や高山市内に向う路線バスにも乗車することができます。
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気温マイナス1℃ |
今日はAダイヤで運行 |
今日の畳平は視界が良くない模様。気温は1℃と表示されています。前述のとおり、ほおのき平の気温は12℃ですから、10℃以上の寒暖差があります。畳平に向う一般の観光客の方の中には、上着(アウター・ジャケット)を持参せずにシャトルバスに乗車される姿を見かけますが、あまりの寒さにバスターミナルから出られない様子も見られ、観光目的であっても、アウター・ジャケットや合羽を持参されることをお勧めします。山麓がどんなに暑くても、ノリクラでは必須アイテムです。
乗鞍スカイラインのシャトルバスは天候によって二通りのダイヤ編成があります。今日は好天時のAダイヤ。前日14時点の翌日6〜12時の降水確率が40%の場合に適用されます。そのため、どちらのダイヤになるかは前日に決まり、天気予報に反して当日雨が降っても、前日に決められたダイヤが適用されます。したがって、5月22日(日)は朝から雨降りでしたが、Aダイヤで運行されました。
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AダイヤでもBダイヤでも |
好天時のAダイヤでも降雨時Bダイヤでも、ほおのき平6時55分発の始発便と畳平16時50分発の最終便の運行時刻は変わりません。
しかし、天候の急変で乗鞍スカイラインが通行止めとなった場合は、シャトルバスの運行も休止されます。この時期、よく見られるケースとしては突然の降雪による通行止めで、山頂方面や大雪渓など南寄りのエリアでは全く問題なくても、乗鞍スカイラインがある北寄りのエリアでは激しい降雪に見舞われることがあって、畳平から登山や春スキーで大雪渓方面に出向いた場合、乗鞍スカイライン側の急変に気がつかず、シャトルバスに乗り遅れてしまうことあります。天候が不安定なときは、バスの運行状況に注意を払う必要があります。
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シャトルバス始発便を待つ |
シャトルバスの到着時刻が近づくにつれて、乗車される方々が列をなすようになってきます。もちろん、春スキーの真っ只中の時期ですから、スキーヤー・ボーダーの方々の姿が目立ちます。
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初めての方をお連れして... |
この時期は足しげくノリクラに通われている方も、今日は初めてノリクラにお越しになるという方を連れてやってきました。本当に山頂まで登って行けるかちょっと不安そうです...
山頂・大雪渓方面の滑走可能エリアはかなり広範囲で、岐阜県側の乗鞍スカイラインシャトルバスを利用したときは畳平へ、長野県側の春山バスを利用したときは位ヶ原山荘へ戻ってくる必要があります。悪天候時にも対応できる装備を確認するためにも、できるだけ経験者と同行されることをお勧めします。
なお、ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 大雪渓・山頂版では、滑走可能エリアと滑走できるおよその時期を地図で表示しております。また、地図上に表示されるポップアップをクリックすると画像も表示されますので、乗鞍の春スキーにお越しの際はぜひご活用ください。
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掲載された写真を壁紙にしてますよ! |
シャトルバスの待ち時間に記念撮影をされているこちらの方々。毎年、この時期に必ずお越しになり、「昨年、WebSiteに掲載された写真を玄関先に飾ったり、パソコンの壁紙にしてますよ!」と、おっしゃって下さいました。再会に際してこのように声をかけて下さるのはうれしい限りです。
今日も昨年と同じように穏やかな稜線上の光景を楽しむことができるを期待したいですね。
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そして、平湯温泉からやって来たシャトルバスは定刻どおりに到着します。
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今日の始発便は1台 |
スキーやボードをバスのトランクに搬入して、いつものようにシャトルバスに乗り込みます。
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畳平へ向けて出発 |
ほおのき平バスターミナルからは40名の方が乗車し、畳平に向けて出発です。
【乗鞍スカイライン】
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平湯峠 |
それでは、ここからはいつものように乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。
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平湯峠駐車場 − シャトルバス停留所はありません |
乗鞍スカイラインのマイカー規制は平湯峠から始まります。かつてはこの付近には数軒のお土産店・食堂ありました。しかし、2003年からマイカー規制が実施され、シャトルバスの停留所もないため、立ち寄る観光客もほとんどなくなってしまいました。
お土産店・食堂があった場所は更地となり、駐車場だけが残っている状態です。
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畳平へヒルクライム |
それでも週末ともなれば、何台かの車がお越しになる様子が見られます。今日はここから畳平までのヒルクライムに向います。乗鞍スカイラインはマイカー規制前は自転車の通行ができませんでしたが、マイカー規制後は自転車の通行ができるようになりました。これからヒルクライムのハイシーズンを迎え、さらに訪れる方が多くなってくるはずです。
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先週の平湯峠付近 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) E |
今週の平湯峠付近 残雪が少なくなる |
標高1684mの平湯峠ゲートから乗鞍スカイラインを進むと山肌に残雪が見られるようになってきます。先週と比べると残雪がかなり少なくなって来ました。
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昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近) 2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) @ ↓ |
先週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) E ↓ |
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今週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近) |
マイカー規制前にあった夫婦松料金所を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。先週と比べてもあまり大きな変化は見られず、積雪状況は昨年とほぼ同じ状態です。
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昨年の猫の小屋跡地 2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) @ ↓ |
先週の猫の小屋跡地 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2011/05/14〜15) E ↓ |
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今週の猫の小屋跡地 |
さらに進んで、こちらは標高2000m付近の猫の小屋跡地。こちらも先週からあまり大きな変化はなく、ほぼ昨年並みの積雪状況です。
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森林限界を超えて |
ダケカンバ − 秋には紅葉 |
猫の小屋跡を過ぎて森林限界を抜けるとロケーションが広がるようになってきます。乗鞍スカイラインの周辺は針葉樹の分布が大半を占めていますが、その中でもご覧のようにダケカンバが分布している箇所もあり、長野県側の県道乗鞍岳線と同様に紅葉が見られます。
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昨年の烏帽子岳 2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) @ |
今週の烏帽子岳 |
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昨年の四ッ岳カーブ 2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) @ |
今週の四ッ岳カーブ |
森林限界を超えて最初に見られる山は23ある乗鞍の峰の一つである烏帽子岳(えぼしだけ 標高2550m)。そして、その先は乗鞍スカイラインでもっとも積雪量の多い箇所を通過する四ッ岳カーブ。いずれも昨年並みの積雪量です。
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桔梗ヶ原 − 濃霧が立ち込める |
四ッ岳カーブを抜けて土俵ヶ原や大丹生岳を通り抜けると、それまで急峻なヘアピンカーブの連続した乗鞍スカイラインはなだらかな桔梗ヶ原を走り抜けます。
森林限界を超えると天候が大きく変化することは多々あって、今日も西から激しく雲が流れるようになり視界が妨げられてきました。
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昨年の鶴ヶ池雪渓 2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) @ |
今週の鶴ヶ池雪渓 |
畳平に到着する手前に鶴ヶ池雪渓が広まります。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。畳平から歩いてすぐの場所にあることから、初めてお越しになったスキーヤー・ボーダーの方にも安心してお勧めできる場所です。滑走エリアの詳細については、ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 鶴ヶ池雪渓版 をご覧ください。
先週と同様、昨年よりも二週間ほど早い雪解けで、例年6月下旬まで滑走可能ですが、今年は滑走できる期間が短くなる可能性があります。
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畳平 |
鶴ヶ池雪渓を過ぎると、乗鞍スカイライン終点の畳平に到着です。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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