ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.18(2011/09/08〜09) C
【雪渓上部 T】
それでは、雪渓上部の様子をお伝えします。
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昨年の雪渓上部右側 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2010/09/11〜12) C |
今週の雪渓上部右側 積雪がありません |
雪渓上部右側は、ご覧のように積雪がありません。先週は、昨年よりもやや早い雪解けの推移を見せていましたが、今週は一気に雪解けが進んだようです。昨年同時期は、左の画像のように、まだ、積雪がありました。
先週、積雪があった場所まで近づいても、やはり積雪はありません。
先週の雪渓上部右側上端 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2011/09/01〜02) C |
今週の雪渓上部右側上端 この一週間で一気に雪解け |
先週の画像と比較すると、一気に雪解けが終了したことがわかります。昨年は左の画像程度の面積になった後、二週間経過後に積雪がなくなりました。そのことからも、この一週間で、急激に雪解けしたことがわかります。
先週の段階で、雪渓上部右側は、上半分と下半分の二箇所に分離しました。上半分は前述のとおり、完全になくなりました。そして、下半分も消滅したと思いましたが、ご覧のように岩陰になった部分に積雪が残っています。大きさは長さ2メートル×横幅5メートル程度です。
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先週の雪渓上部右側(下半分) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2011/09/01〜02) C |
今週の雪渓上部右側(下半分) この一週間で一気に雪解け |
こちらも先週の画像と比較すると、横幅20メートル×長さ30〜50メートルほどの雪渓が一週間でほぼなくなり、一気に雪解けが進んだことがわかります。
【雪渓上部 U − モーグルコース、雷鳥】
こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。
大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。
すでにお伝えしているとおり、雪渓上部右側の滑走が困難になり、滑走できるエリアは雪渓上部左側しかありません。したがって、今シーズンのノリクラデビューはもう出来ませんので、初めての方の滑走はご遠慮くださいますようお願いいたします。
雪渓上部左側の下端部分は、岩の頭が多くなってきました。
昨年の雪渓上部左側
下端部分(落書きの岩) 2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2010/09/11〜12) D ↓ |
先週の雪渓上部左側
下端部分(落書きの岩) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2011/09/01〜02) C ↓ |
雪渓上部左側の下端部分には、落書きの岩があります。先週は落書きの岩の下方まで積雪がありましたが、今週の下端部分は、落書きの岩よりも15メートルほど上方まで雪解けが進んでいます。
昨年の下端部分は、落書きの岩から44メートルも上方でしたので、昨年よりも一週間遅い雪解けとなっています。
今週のコブラインは一本。先週お伝えした三本のうち、中央に作られて物だけが残っています。
久しぶりにお越しになったというこちらの方。なかなか良い天候のノリクラにタイミングが合わず...と、おっしゃります。アルペンスキーがメインですが、春先などはテレマークにもトライされます。テレマークには新鮮な感覚があるようです。
ラインの長さは、51メートル×13コブ |
ラインの長さは、51メートル×13コブ(ピッチ:3.9メートル)。
スタート付近には、ご覧のように岩の頭が出始めて、これ以上ラインを伸ばすことはできません。
今日は久しぶりに秋空のもとでのスキーを楽しむことができます。まさに天空の秋スキーです。
十年ほど前までは、ノリクラにも良くお越しになっていたものの、それ以降はまったくノリクラに足を踏み入れることがなくなりました。しかし、数年前、WebSiteをたまたま見つけて、再び、ノリクラ通いを始めてしまいました。
「ノリクラに来なければ、それで済んでいたんですが、再び、通い始めてしまうと、ここにやって来ないということが、想像でない状態になりますね。」
ノリクラ通いという渦中に入り込んでしまうと、それが普通のライフスタイルになってしまうところが、この「病気」の偉大なところなんでしょうか...
秋の空気に包まれて、時間の過ぎるのも忘れてしまうほど、きらびやかな一日が続いて行きます。
こちらは雪渓上端部分。
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昨年同時期より一週間遅いモーグルコーススタート付近 2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2010/09/18〜19) D |
今週のモーグルコーススタート付近 昨年よりも一週間早い雪解け |
こちらはモーグルコーススタート付近ですが、先週と同様に、昨年よりも一週間早い雪解けを示しています。
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昨年の上端部分 2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2010/09/11〜12) D |
今週の上端部分 昨年よりやや早い雪解け |
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昨年の上端部分 2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2010/09/11〜12) D |
今週の上端部分 昨年よりやや早い雪解け |
さらに上方の上端部分は、先週よりも3〜メートルほど下がり、先週の段階では昨年並みでしたが、今週は昨年よりやや早い雪解けを示しています。
雪渓上部左側下端までの距離は111メートル。昨年より一週間以上遅い雪解けです。上端部分の雪解けが昨年よりもやや早い状況ですが、下端部分の雪解けが昨年よりも遅いことから、このような結果となっています。
そして、翌日(9月9日)は、昨日の秋晴れとは打って変わって、ご覧のような濃霧と細かな雨の降り続く状況。
この状況の中でも、常連の方がお越しになっています。気温は12℃程度と、それほどの冷え込みではありませんが、バーンは硬く、スキーブーツのつま先を立てて、しっかりと食い込ませないと登ることができず、ボードのソフトブーツではまったく歯が立たない状況。
バーンの斜度は30度もあり、一旦、足を滑らせると、下部の岩場まで一気に滑落します。これまでにも、何人ものスキーヤーが滑落して、岩に激突しています。
どんな天候でも滑り続ける...これがひとつの目標です。
先週は、シャトルバスの運休が三日間も続き、大雪渓にやってくることができませんでたが、今日も年間滑走日数の記録を更新することができました。
まだまだ、ノリクラの秋スキーは続きます...
濃霧と雨の続く、こんな天候ともなれば、やはりノリクラには雷鳥が似合います。
8月中旬ごろ観察したときは、頭部に産毛の残る状態でしたが、今日は親鳥とほとんど区別がつかないほど、成長しています。
濃霧に煙り、雨の降りしきる中、登山者などの人影が少なくなると、雷鳥は一段と活発になります。ちなみに、手前が親鳥、奥が幼鳥です。前述のとおり、ほとんど区別がつきません。
毛繕い | 周囲の状況へ警戒は欠かせません |
人気のない静かな状況で毛繕いを続ける最中も、周囲の状況への気配り・警戒は、欠かせません。
雷鳥の子育ては、あと一ヶ月程度続きます。(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
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