ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2012/03/24) B
【ツアーコース U】
入口急斜面を登りきった先のツアーコースは、しばらく平坦なコースを進みます。
ノリクラの良さは何でしょうねぇ〜。先週も吹雪の一日でしたが、夕方になって雨に変わり、ウェアーはバリバリに凍りつき、さらに翌日はボードのエッジング音が遠くまでこだますほどのひどいアイスバーン。滑走していても「泣き」が入るほどの状態でした。
通常ならば、そんな体験をさせられたら、いやになってしまいますが、それでも通い続けるには、ここに「何か」があるからなんでしょう...
吹雪の中の単調な登行は辛いもの...しかし、滲んだ太陽が一瞬だけでも顔を出してくれると、一歩一歩の足取りに活力を与えてくれます。でも、今日の太陽は、この先姿を現してくれることなく、天候はさらに悪化傾向を示して行きます。
ツアーコース内には、下から順番に番号標識が設置されています。こちらは1番標識。最後の6番標識は、ツアーコース最上部の位ヶ原急斜面手前にあります。番号標識の位置は、ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版 をご覧ください。
⇔ | ||
今回の1番標識付近 絶景のビューポイントだが何も見えず |
快晴の1番標識付近 −
ノリクラの峰々が一望 速報 2012/02/11 |
ツアーコース内では、ノリクラの峰々が一望できるビューポイントが何箇所があります。その中でも1番標識付近はもっともお勧めできる箇所です。しかし、今日は吹雪ですから、周辺の景色は左の画像のとおり濃霧の中。右の画像は厳冬期の先月2月(2012年2月)の同じ箇所のもので、このロケーションに巡り合うことができれば幸運といえるでしょう。
明け方から降り始めたものの、先行者のトレースさえもリセットしてしまうほどの積もり方を見せます。そして、周辺の木々にも積もり始めます。こんもりと全身雪化粧が施される様子は、まさに真冬の光景と思われがちですが、厳冬期の乾いた雪質だと軽く飛んでいってしまうため積もりにくく、上部エリアに行くほど、真冬よりも春先のほうが積雪量が増加する傾向が見られます。
昨年の3番標識 2011ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版Vol.1(2011/03/26) B ↓ |
先週の3番標識 (2012/03/17) ↓ |
こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週よりも10センチ増加して、昨年とほぼ同じ状況です。
時間とともに視界はさらに低下して行きます。しかし、ツアーコース内を歩いていると、視界が低下していることをあまり認識できません。それは周辺に木々があって、周囲の状況をはっきりと確認できるからです。
次のページの【位ヶ原】のコーナーは、驚くほど視界のない様子をお伝えします。もっとも、ツアーコース内と上部の位ヶ原では霧の濃さが異なりますが、それでも劇的に濃さが異なる状況ではありません。
同じような環境下でも、周囲に構造物があるのとないのとでは見え方が全く異なり、ツアーコース内を歩いている感覚で位ヶ原に出てしまうと、完全に方向を見失い、帰ってくることができなくなります。
昨年の5番標識 2011ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版Vol.1(2011/03/26) B ↓ |
先週の5番標識 (2012/03/17) ↓ |
こちらはツアーコース上部付近の5番標識。3番標識の画像と同様に、左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より5センチ増加して、昨年より80センチ少ない状況です。
5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。
こちらは昨年同時期の画像です。ほとんど変わりがないように感じますが、左の画像では、ウェーブの窪んだところまで、トレースがはっきりと確認でき、ウェーブの浅くなっていることがわかります。積雪量の増加とともに、例年、3月下旬にはウェーブがほとんどなくなりますが、今年はウェーブがまだ深い状態に残っています。
それでも、積雪量は徐々に増えてきて、ウェーブを登るときに苦労させられることなくなってきました。ただ、下山滑走される際は、ウェーブに注意してください。(過去にはこの付近のウェーブで転倒して負傷する事故が発生しています。)
そして、6番標識を過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと向かいます。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
Copyright (C) 乗鞍大雪渓WebSite |
|