第7回 乗鞍天空マラソン
(2012/06/23〜24) A
【6月24日(日)、大会当日】
一夜明けた乗鞍高原は、綺麗に染まる朝焼けの稜線を眺めながらの朝を迎えます。時刻は早朝4時30分、6月21日(木)に夏至を迎えたばかりですから、一年で最も早い日の出の時期です。
綺麗な朝焼けが今日一日の天気を保障してくれるかのようにも感じます。今日の天気予報も晴マークが終日並んでいます。現在の気温は4℃。冷え込んだ朝ですが、選手の中には、こんな朝早くから乗鞍高原内をランニングしてウォームアップする様子も見られるようになってきます。
そして、こちらは大会会場の観光センター。6時の気温は8℃。綺麗な青空にノリクラの峰々浮かんでいます。
テラスで朝をくつろぐ | やっぱり雪の壁が見たいですよ |
観光センターのテラスではレース開始まで時間をゆっくりとくつろぐ選手の様子があります。今回初めて出場されるこちらの方々。もちろん大会コースを走ったことはありません。「やっぱり、雪の壁が見たいからですよ。コース上でどこが一番きついところですか?」
マラソンで走ったことはありませんので、自転車でのヒルクライムの経験上から申し上げると、12km地点の第3エイド(荒田沢橋)から冷泉小屋までが一番きついと思います。
また、多くの方が「7km地点の第2エイド(三本滝レストハウス)までは、少なくとも歩かずに走り続けたい。」と、おっしゃっていました。
ゼッケンには計測チップが装着されている |
そして、そのお隣では、ゼッケンをウェアに貼り付けていますね〜。このゼッケンには、計測用のチップが装着されていて、三本滝のゴール地点では自動計測されます。
なお、各エイドでの休憩時間も計測時間にカウントされます。特に折り返し地点の大雪渓駐車場では、どうしても長居してしまいますので、ご注意ください。
仲良くストレッチ | 後で三本滝に応援に行くからね! |
テラスのベンチを利用してストレッチをされている方。左の方ははじめての参加とのこと。「後で応援に行くからねぇ〜」と、右の方が一緒にストレッチします。レーススタート後の9時30分に、観光センターから応援者を乗せたバスがゴールの三本滝に向かいます。応援者用のバスの受付も、大会受付と同様に前日に行われます。
乗鞍天空マラソンはコース全体のほぼすべてが山岳地帯を走行するため、沿道での応援がまずできません。大会コースである県道乗鞍岳線は、通常、三本滝より上部はマイカー規制となっていて、大型バスがすれ違うことが困難な場所があるほどの急峻狭小な路線で、応援者を収容するスペースが確保できないことが大きな理由かと思います。
会場内では、いたるところでストレッチをされる様子があります。やはりこちらも初めて参加されるという方で、「こんな坂ばかりの大会なんて他にありませんから、練習のしようがないですよ。だから、まずは、完走できることが第一目標ですね...」
大会コースとなる県道乗鞍岳線の三本滝より先は、冬季閉鎖中であり練習走行することもできず、初めての方にとって、どんな坂が待っているのか、状況把握どころか想像すらできない様子です。
そして、乗鞍高原内の旅館・民宿から選手を乗せた送迎バスが観光センターに到着すると、にぎやかな大会らしい雰囲気に包まれるようになってきます。
何度も出場経験のある方から、初めて出場される方へアドバイスをします。「他の大会と異なる点は『キツイ&景色』に集約されれますね。でも、登りできつくても下りでゴールすると忘れてしまうんですよ。」それに対して初めての方は「えっ〜!キツイなんて聞いてないよ〜。景色がいいってことしか...」と、少し驚く様子と同時に、全員が爆笑で炸裂します。
そして、これまでの大会を振り返って印象的なのは、「登りは確かにきついけど、折り返してきた人たちが、『がんばって!、景色が綺麗だから、あとう少しがんばって〜!』って声援をくれること...あれがうれしいですね。」
「いや〜、そんな景色のよいところまでたどりつけるかなぁ〜」と、初めての方は若干不安そうですが、チーム全員の結束力で乗り切れることでしょう...
もう、この大会ではおなじみのキャラクターですね〜。転戦するレースでは、必ず、このような姿で参加されているとのことで、右の方は仮装マラソンで有名な 「安政遠足 侍マラソン」では、15kgもある鉄の甲冑姿で参加されたとのこと。
そして、左のドレス姿の方は、「スカートが長いと走ることができないでしょ〜。だからこの大会にあわせて先日切ってきたんですよ〜」と、仮装に対する意気込みは生半可なものではありません...
そして、ゴールエリア(三本滝レストハウス)で受け取る手荷物を、ゼッケン番号ごとに振り分けられたマイクロバスに各自で積み込みます。なお、ゴールエリアではなく、こちらの観光センターでの受け取りを希望される方は、観光センター2階へ持ち込みます。
なお、折り返し地点の大雪渓駐車場への手荷物の搬送は行われていませんので、折り返し後の下山走行などの防寒や、突然の降雨に対するレインウェアーなどは、各自で持参することをお勧めします。
また、折り返し地点までに給水(水・スポーツドリンク)できるエイドは、第2エイド(三本滝)・第3エイド(荒田沢橋)・第4エイド(位ヶ原山荘)の三箇所がありますが、過去には品不足となってしまったエイドもありましたので、ペットボトルなどを腰に下げて参加されることもお勧めします。
そして、レース直前になるとやはり心配なのはトイレ...今年から前日受付となり、宿泊先でトイレを済ませてからお越しになる選手が多く、昨年ほどの混雑はありませんでしたが、それでも、開会式間際にはご覧のような長蛇の列ができていました。
観光センターでは、左画像の常設の公衆トイレのほか、右画像の仮設のトイレも設けられましたが、それでも、2000名が開会式前の短時間に集中しますので、対応することがなかなか難しいのが現状でしょう。
さて、こちらにも仮装されたランナーの方々がお集まりのようですね〜。そこへ先ほどのお二人が登場してご挨拶...転戦先の大会でもお会いした方を見つけて「先日の大会でもお会いしましたよね〜」。
このように目立つ格好で転戦されていると、「仮装ランナーの輪」が広がって行くんですね。
7時の気温は16℃。日差しも差し始めて、他のランナーが着ている速乾性のウェアーとは異なり、通気性とか運動性などといったことの考慮が一切ない仮装ウェアーですから、「いや〜、中はもうかなり暑いですよ!」と、おっしゃっています。これから残雪が広がる標高2600メートルの冷涼地帯まで、皆さんで涼みに行きます...
【開会式】
そして、7時45分。開会式が始まります。
残雪の残る乗鞍の山並みをバックに、乗鞍アルプホルン愛好会の方々による演奏が山奥までこだまします。
乗鞍天空マラソンは、通常のマラソンでもなく、また、山道や草原を走りぬけるトレイルランとも異なる、特異な大会といえるでしょう。メンバーと一緒に開会式を待つのは、日本を代表するトレイルランナーとして知られる平澤 賢市 選手。今日も力強い走りを見せてくれるのでしょうか?
【6月23日(土)〜6月24日(日)の大会日程】 |
時刻 | 実施項目 | |
6月23日(土) | 14:00〜17:00 | 選手受付(乗鞍観光センター) |
6月24日(日) | 7:45 | 開会式(乗鞍観光センター) |
8:00 | スタート | |
ゴール(三本滝 13:00まで) | ||
13:00 | 閉会式・表彰式(乗鞍観光センター) |
本日の大会日程は上記のとおりです。7時45分の開会式が行われ、競技は8時からスタートです。
すでにお伝えしているように、今年から制限時間が6時間から5時間に短縮されています。そのため、各エイドステーションの関門時間も変更となっています。
第一関門は三本滝(第2エイドステーション)で、9時30分は昨年と変わりません。第二関門は大雪渓(折返し地点)で、12時30分から11時40分に、第三関門は荒田沢橋(第7エイドステーション)で、13時20分から12時20分となっていて、最終的にゴールの三本滝の通過時刻は、14時00分から13時00分に変更されました。関門時間内に通過できなかった場合は、棄権者収容車両にて対応します。(参考 → 乗鞍天空マラソン エイドステーション概要 <別ウインドウで表示します>)
大会長である松本市安曇自治区長の川上 文一 さんからの大会宣言です。
「このすばらしい大自然の中で日ごろの成果を十分発揮して、全員が無事完走されることを願います。終わりに本日の大会を開催するに当たり、ご支援・ご協力をいただきました関係者の皆さんにあつくお礼申し上げます。それでは、ただいまより第7回乗鞍天空マラソンの開会を宣言します。」
そして、コース説明・諸注意をレースプロデューサーの三浦 誠司さんより説明です。「スタートまで、まだ十分な時間がありますので、僕のトークを楽しんでください。」という前振りから始まります。
「この大会、前にも参加されているという方、手を挙げてください...あ〜、結構多いんですね。それでは、今回初めてという方...あっ、初めてという方のほうが多いんですねぇ〜。参加された方に大会の感想を聞くと、『スゴイ』の一言なんですが、そのスゴイにはいろいろなものが詰まっているのかなぁと思います。」
「このコースの攻略法は、がんばりすぎないこと。かといって、がんばらなかったらゴールできません。がんばりすぎないペースで景色を楽しみながら、進むにつれて山の風景が変わり、最後には雪の壁や大雪渓を眺め、折り返しは軽快に下ってきてください。そうすれば、最後には今日は楽しかったなぁという風になるんしゃないかなぁ〜と思います。」
「それでは、最後にあの山(乗鞍岳)に向かって、皆さん一緒に気合一発入れたいと思います。一番高い山が乗鞍の剣ヶ峰 3026メートル、その奥が奥の院(大日岳)です。乗鞍岳が皆さんが目指す山、これからしっかりと走っていただきたいと思います。」
「あの山に向かって走れっ!」「おぉー!!」
スタート1分前。標高2600メートルの大雪渓駐車場に向けて、熱気がますます上昇して行きます。(→ Next)
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