ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.22(2013/10/05〜06) @
先週までの紅葉状況では、9月中旬に台風18号が上陸後の急激に冷え込みによる、霜枯れの影響が見られましたが、今週になって霜枯れを免れたウラジロナナカマドがかなりよい色付きとなり、大雪渓から三本滝ゲート付近まで全山に渡ってピークの状態を迎えました。
取材一日目の10月5日(土)は、曇り空の朝を迎えます。気温は10℃もあって暖かな朝です。天気予報では午前中は雨となっていて、天候が芳しくない状況のため、観光センター前駐車場にお越しのマイカーは30台程度と極端に少なく、本格的な紅葉シーズンを迎えたとは思えない様子です。しかし、雨にまったく降られることなく、山頂にかかっていた雲も抜け始めて、まずまずの天候です。また、日差しの全くない状態でしたが、原色の紅葉には太陽光線は不要とばかりに輝き、訪れた方々予想以上の好条件でカメラのシャッターを切り続ける様子があちこちで見られました。そして、夕方になって綺麗な雲海が広がり、日没間近のやわらかい光の中で、幻想的な雰囲気を醸し出して一日が終わりました。
取材二日目の10月6日(日)は、昨日とは打って変わって雲ひとつない快晴の朝。観光センター前駐車場は多くjの方が訪れて賑やかな朝を迎えます。そのため、シャトルバスも大変な混雑となり、7時の始発便を待つ行列が乗車口から長く伸びて6台も運行されるほど。空気はひんやりとした状態でもやや暑さを感じさせる状況で、変幻自在に湧き上がる雲が上空を覆う様子は夏山特有の天候といったところ。ただ、それ以上の天候の変化はなく、午後近くから日差しが遮られる程度に収まります。位ヶ原・大雪渓付近は大勢の方々散策して、道路はまるで歩行者天国といった状態でカメラマンの三脚がいたるところで林立する状態となっていました。
紅葉情報は 6ページ目 からお伝えします。例年、紅葉は9月中下旬頃から見頃が始まりますが、今年はやや遅れ気味の状況が続いていました。しかし、先週あたりから、色付きがはっきりとしてきて、この1週間で急激に進行して、大雪渓から三本滝ゲートまで全山紅葉という好条件を迎えました。色付きに関しても、霜枯れを免れたものがかなりよい色付きをみせ、今年も「当たり年」といってよい状況となりました。
大雪渓の積雪量は、昨年よりも多い状態が続いています。入口付近の雪渓下部は今週になってようやく積雪がなくなりましたが、雪渓上部では右側の雪渓がまだ残っていて、昨年よりも1ヶ月近く雪解けが遅い状況となっています。
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
【10月5日(土)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
こちらは朝6時の観光センター前駐車場。
気温11℃、曇 − 雨予報のため人出は少ない |
ご覧のように曇り空の朝を迎えます。気温は11℃、この時期としてはかなり暖かな朝です。山頂付近は雲に覆われていますが、この雲も次第になくなって、山頂付近もはっきりと確認できる状態になってきます。ただ、駐車場にお越しのマイカーは30台程度と、週末としては極端に少ない状況。おそらく、午前中に雨マークが並ぶ天気予報が発表されたことが要因かと思います。
白い壁ができている |
どんよりとした天候のため、東の空には太陽の存在を見つけることはできません。よく見ると、観光センター東側にはご覧のように白い壁ができていることに気付きます。
旧 湯けむり館の解体工事が始まる |
白い壁で覆われているのは旧湯けむり館。今週初めからご覧のように解体工事が始まりました。工期の関係からか朝6時と早い時間帯から作業が行われています。すでに中央部分のエントランススペースと右側の休憩スペースは取り壊されて、左側の浴室部分が解体されようとしています。
旧湯けむり館は建設から20年を経過して老朽化し、道路を挟んだ反対側に新たな湯けむり館が4月末にオープンしております。旧湯けむり館の男性露天風呂からの乗鞍岳の眺望は最高でしたが、新湯けむり館は女性側の露天風呂からでも乗鞍岳の眺望を楽しめるように設計され、旧湯けむり館にはなかったレストランも併設されています。
シャトルバス乗車券販売所には列が | 売店の営業が始まる |
そして、シャトルバス乗車券販売所には朝一番から乗車券を求める列ができるようになり、売店の営業も始まります。
今日もおにぎり販売が始まる |
週末はできるだけ早めにオープンする様子が見られ、今日もおにぎりを買い求める方々が訪れ始めました。「毎日の営業は大変ですが、おにぎりを求めにやってくるお客様のためにこれからもやり続けないとね...」と、売店の女将さんが今日も元気にお店の準備を始めます。
コンビニのように朝早くから営業する売店は乗鞍高原にはありません。そのため、ちょっとした買い物にも少し離れたスーパーまで車で移動する必要があります。そのため、シャトルバス乗車直前に、ちょっとした飲み物・食べ物が必要という場合には重宝します。
10月からシャトルバス始発便は7時から運行開始 |
10月からは県道乗鞍岳線の開門時間が1時間遅くなって7時に変更されています。そのため、シャトルバス始発便も観光センター発6時10分から、観光センター発7時00分へと遅くなりました。左の画像は始発便を待つ方々の行列です。駐車場にお越しになったマイカー台数が少ない割には、多くの方が乗り場にお越しになっています。また、下り便最終便に関しても10月から時刻が変更され、畳平発17時05分から、畳平発16時30分に繰り上げられていますので、乗り遅れのないようにご注意ください。
乗鞍高原の紅葉も少しずつ進んで、右の画像のように中にはかなり綺麗に色付いたものも現れるようになって来ました。
ズミの実 − ようやく赤く色付く |
その中で、赤い実をつける木を見つけることができます。こちらはズミの木。1ヶ月前の9月上旬には実ができ始めていましたがまだ青い状態。1ヶ月が経ってようやく赤くなりました。別名小梨とも呼ばれ、乗鞍高原一帯ではあちらこちらで見られる木です。
シャトルバス始発便 |
そして、シャトルバス始発便が到着します。
始発便は2台運行 − 紅葉見物の方を乗せて |
今日は2台が運行されました。登山に向かうスタイルの方が多いものの、やはり紅葉見物が主な目的という方々が大半です。
山頂付近の雲が抜けてきた |
今日は午前中を中心に雨マークが並ぶ天気予報が発表されていますが、山頂付近を覆っていた雲が抜け始め、雨が降る気配は現時点では感じられません。雲ひとつない快晴を望みたいところですが、少なくとも雨に降られないだけでもよいので、一日穏やかな天候で過ごしたいところです。
【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 T(観光センター〜三本滝ゲート)】
乗鞍高原にも紅葉の色合い |
それでは大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。乗鞍高原周辺でもあちらこちらで黄色や赤の色合いを感じられる状況となってきました。
ミズナラの並木も色付きがはっきりと |
善五郎の滝駐車場から鈴欄橋に向かう沿道はミズナラの並木が続き、本当に徐々にではありますが、色合いの変化が見られます。「先週から比べて黄色くなった」と感じられる状況が1ヶ月ほどまえから続きますが、真夏の深い緑が徐々に明るい緑へ変化して、そして、黄色味がかって行く様子は、色の変化は一帯何段階あるのだろうと思ってしまうものです。
ミズナラの実が落ちる − どんぐりコロコロ... |
そして、先週まで残っていたミズナラの実はご覧のように落ちてしまいました。「♪どんぐりコロコロ...」とはまさにこの状態。ツキノワグマが冬眠するには必要不可欠などんぐりです。
東大ヒュッテ口バス停付近 |
さて、休暇村を過ぎて東大ヒュッテ口バス停付近。特に何の変化もない場所ですが、シラカバが少しずつ黄色くなっている様子がここにもあります。
シラカバとダケカンバが混在 この付近が両者の分布限界 |
しかし、よく観察してみると、この付近からシラカバとダケカンバが混在している様子を見つけることができます。県道乗鞍岳線沿道上ではこのあたりがシラカバとダケカンバが入れ替わる場所で、この先はダケカンバが優勢となってきます。ほとんど違いがわからない両者ですが、ご覧のように二つが並んでいるとその違いは一目瞭然です。
さて、この先はダケカンバの紅葉が見事なエリアへと突入して行きます。(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
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