ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.22(2013/10/05〜06) G
【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近(標高2220〜2000m付近)】
★ほぼピーク(例年の見頃:9月下旬〜10月上旬)★
冷泉 |
標高2230メートルの冷泉小屋から標高2000メートルの摩利支天付近にかけては、ダケカンバやウラジロナナカマド以外の広葉樹が増えてきて、彩りにバリエーションが見られるようになってきます。
こちらは冷泉付近の様子ですが、ピークに近い状態になってきました。
昨年同時期の冷泉と比べ、今年の方が色合いがよい状態であることがわかります。全エリアで昨年と比べて、今年のほうが色合いが良い箇所は、おそらくこの付近だけと考えられます。
冷泉小屋周辺 − ほぼピーク |
冷泉小屋周辺は、ほとんどピークと行ってもよい状態まで紅葉は進行しています。
冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ) |
冷泉小屋と魔利支天バス停の中間付近にあり荒田橋(あれたばし)を少し下ったあたりの28号カーブ付近。ウラジロナナカマドはほぼピークといった状態です。しかし、右の画像では、半分程度のウラジロナナカマドは紅葉が終わって落葉してしまいました。
昨年の冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ) =今年は落葉がやや目立つ= 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2012/10/06〜07) G |
こちらは昨年同時期の様子。色合い的には今年も昨年もほとんど同じような状況ですが、右の画像と比べると、今年の場合はウラジロナナカマドだけでなくミネカエデも落葉が目立つ状況であることがわかります。
紅葉する樹木の種類が多く華やか |
ただ、この付近は全体的に紅葉する樹木の種類が多いため、多少の落葉があっても全体的には紅葉の見頃が続く様子が見られます。そのため、上部エリアの大雪渓・位ヶ原より紅葉の見頃はやや長めに楽しむことができます。
【紅葉情報−摩利支天〜三本滝(標高2000〜1800m付近)】
★ほぼピーク(例年の見頃:9月下旬〜10月上旬)★
摩利支天付近 − ほぼピーク |
標高約2000メートルの摩利支天付近も、ほぼピークの状態となり、明らかに昨年より早い状態です。
こちらも見事な紅葉 |
こちらも見事な紅葉が広がっています。ただ、上部の大雪渓・位ヶ原から離れているため、歩いて散策するには時間的にやや厳しいものがあります。
全山紅葉の様子が一望できる |
今週は大雪渓から三本滝ゲートまでピークを迎えて、ご覧のように山頂付近を一望できる箇所では、全山紅葉の様子を一望できる状況を楽しめます。
ボリューム感 |
この付近のダケカンバやナナカマドは上部エリアよりも背が高くて大きいため、ボリューム感もかなりある紅葉が沿道に広がっています。
三本滝ゲート上 | 三本滝上部 |
標高1900メートル前後のかもしかゲレンデと三本滝上部。ピーク一歩手前といったところですが、昨年より明らかに早い状態となっています。
かもしかゲレンデ −カラマツの紅葉はまだ... |
かもしかゲレンデから乗鞍高原・休暇村方面にはカラマツ林が広がります。カラマツの紅葉は2〜3週間程度先のことだと推測されます。現時点の葉の色合いの状況を見ると、ほぼ昨年並みの推移です。
【紅葉情報−乗鞍高原、一の瀬園地(標高1500m付近)】
★色付き始めです(例年の見頃:10月中旬)★
鈴蘭橋 − 代表的な紅葉スポットの一つ |
標高1500メートル付近の鈴欄橋からの様子。こちらでも山頂付近まで一望できる状況で、代表的な紅葉スポットの一つです。昨年よりも色付きが若干早めで、例年並の推移と言えます。おそらく、見頃は10月20日前後と考えられます。
一の瀬園地 |
こちらは一の瀬園地、観光センター前の県道乗鞍岳線と乗鞍上高地スーパー林道が交差する十字路を南へ約2kmほど進むと、この場所に到達します。
紅葉はまだ... |
一の瀬周辺でも、まだ、見頃といえるレベルの紅葉は始まっていません。
【一の瀬 大カエデへの行き方】
大カエデ前 − 若干場所がわかりにくい |
一の瀬園地の紅葉といえば大カエデ。場所が良くわからないとおっしゃる方が多いようですが、一の瀬園地からさらに車を走らせると、ご覧の場所に到着します。道路右側に5台程度車が停められる空き地があります。
ノリクラガイドマップ 紅葉 下部エリア版(三本滝〜乗鞍高原・一の瀬エリア)にも一の瀬園地の大カエデの位置が掲載してありますので、参考にしてください。
乗鞍上高地スーバー林道 A線(白樺峠・奈川方面) | 牧場内の管理道路ゲート |
この先、さらに車を進めると、左の画像の乗鞍上高地スーパー林道で白樺峠方面へと進んでいます。また、右の画像のようにすぐ隣には牧場内に続く管理道路のゲートがありますから、この場所はすぐにわかることと思います。
ゲートの横をくぐって... | 右に続く歩道を進むと、大カエデまで100メートルほど |
ゲートには施錠がされていますが、横からヒトが入れるだけのスペースがあります。ここから入って右に続く歩道を進めば、大カエデは100メートルほど先に見られるはずです。
大カエデ |
こちらが有名な大カエデ。すでに色付きが始まっています
⇔ | ||
昨年の大カエデ 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2012/10/06〜07) H |
今週の大カエデ ほぼ同じ進み具合 |
昨年と比べるとほぼ同じ程度の進み具合であることがわかります。昨年のピークは10月22〜23日前後でしたから、あと2週間程度先のことと思います。
【昨年の今ごろは?】
今週末はノリクラのグリーンシーズン最後の三連休は、紅葉シーズン真っ只中ということもあり、この週末に照準を合わせてお越しになった方も多かったのではないでしょうか?
取材一日目の10月6日(土)は、終日曇り空で紅葉をきらびやかに輝かせる日差しに恵まれませんでした。しかし、先週よりも一段と深い色合いを放つ紅葉には、そんなダイレクトな日差しは不要といわんばかりの鮮やかな色彩を見せ付けてくれました。位ヶ原山荘よりも上部では、たくさんのカメラマンや紅葉散策にお越しになった方が陣取っていて、撮っても撮ってもキリがないといいながらも、シャッターを切り続ける様子が見られました。例年、1週間以上もピークが継続することのない大雪渓・位ヶ原エリアの紅葉も、ピークが始まってからの1週間は冷え込みが強くなく霜は降りなかったことが、これだけ長期にわたって見頃が続く要因にもなっています。
取材二日目の10月7日(日)は、昨晩からの雨が止んで夜明けと同時に青空が広がり始めました。早朝の気温は4℃と冷え込み、観光センター前駐車場では山頂方面に三脚を並べる方々が集まっています。雲間から姿をのぞかせる剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳は真っ白に雪化粧が施され、今シーズンの初雪・初冠雪を迎えました。そして、三連休の中日とあって昨日以上に賑わいとなり、観光センター前駐車場は6時30分で満車となり、7時のシャトルバス始発便は8台も運行されるものの、乗車できない方が100名近くにものぼりました。その後の便も定刻どおりに運行できない状況が続き、今日の乗車人数は2128名と今シーズン最高となり、また、2003年のマイカー規制から運行が開始されて以来、過去最高の記録となったはずです。
今回も 紅葉情報(6ページ目〜) をお伝えします。10月3日(水)の速報でも予測したとおり、三連休を迎えても大雪渓・位ヶ原エリアの見事な紅葉が楽しめ、また、10月7日(日)の降雪の影響もありませんでした。中腹の冷泉小屋〜摩利支天もピークを迎えて、どこを切り取っても見事な光景ばかりで、この三連休にお越しになった方は後悔のない乗鞍の紅葉を楽しむことができたはずです。
<編集後記>
「10月7日はノリクラにとって何の特異日??(初雪・初冠雪)」
今年は気温が低くならず、乗鞍も例外ではなく、暖かな日が続いていています。例年であればそろそろ初雪・初冠雪が気になる時期であるはずです。
【過去の初雪・初冠雪(乗鞍)】 |
初雪 | 初冠雪 | |
2012年 | 10月7日 | 10月7日 |
2011年 | 10月7日 | 10月7日 |
2010年 | 10月27日 | 11月1日 |
2009年 | 10月8日 | 10月17日 |
2008年 | 9月28日 | 9月29日 |
2007年 | 10月19日 | 10月20日 |
2006年 | 10月7日 | 10月9日 |
こちらは乗鞍において過去の初雪・初冠雪日を記した表です。最も早かったのは2008年で初雪が9月28日で初冠雪は翌日の9月29日でした。そして、もっとも遅かったのは、2010年で初雪が10月27日、初冠雪が11月1日となっています。
今年はまだ初雪・初冠雪は観測されていませんが、表をよく見ると「10月7日」という日付が5回も登場しています。しかも、2012年と2011年は両年とも初雪・初冠雪が観測されました。
さて、今年の10月7日は、初雪・初冠雪とは裏腹に、全国に131箇所で30℃以上の真夏日を観測しました。この日、乗鞍に最も近い奈川のアメダスポイントの気温は最高気温24.5℃と夏日一歩手前の気温が観測され、最低気温も12.2℃とこの時期としては異常に高い二桁の気温でした。なお、今年に次いで10月7日の気温が高かったのは2010年で、先ほど申し上げたとおり、この年はもっとも初雪・初冠雪が遅い年でした。(2010年10月7日の最高気温19.7℃、最低気温9.1℃)
この暖かさはいつまで続き、果たして今年の初雪・初冠雪はいつになったら訪れるのでしょうか??
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