ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.5(2014/06/07〜08) B

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(Update:2014/06/12)

 

【6月8日(日)、ほおのき平駐車場】

ほおのき平駐車場

日付が変わって取材二日目、こちらは早朝6時のほおのき平駐車場。
岐阜県側のシャトルバス乗り換え駐車場は、かつては平湯温泉から車で約5分、徒歩で約8分のところにある あかんだな駐車場(有料)も利用可能でした。しかし、最近はシャトルバスの始発が、あかんだな駐車場ではなく、平湯温泉からの運行となってしまいましたので、乗り換え駐車場としては、実質的にはこちらのほおのき平駐車場(無料)のみとなっています。

 

新緑に雲がたなびく − この時期だけの旬の風景

6時の気温は14℃、夜明け前まで雨が降っていましたが、現在は収まり、周辺の山肌には雲がたなびいています。新緑に霧や雲が流れる様子は趣が感じられるもの...新緑の優しい緑はこの時期だけの旬の風景です。

 

ほおのき平バスターミナル

今日は雨マークが並ぶ天気予報。そのため、バスターミナルも閑散とした状態です。

 

表示されてませんが、畳平は曇り、気温4℃ 今日はAダイヤ

今日の畳平の天候が表示されていませんが、曇りで気温は4℃とのこと。森林限界を超えたあたりから霧が立ち込めているようです。通行に支障となる状況はなく、乗鞍スカイラインは通常通り7時に開門が予定されます。通行規制の基準は雨量・風速と積雪凍結で、濃霧による通行規制はありません。しかし、自転車については濃霧による通行規制が実施される場合があります。

また、今日のシャトルバスの運行ダイヤは正常時のAダイヤ。今日は休日ですから、ほおのき平駐車場からは、大半の便が30分に1本の割合で運行されます。

 

シャトルバスの乗車位置にマット − 高山植物保護のため、靴底の種子を除去

良く見ると、マットがターミナルの入口ではなく、シャトルバスの乗車位置に敷かれています。これはシャトルバスに乗車される方の靴底についている植物の種子を除去するのを目的としています。高山植物保護のため山麓の植物(外来植物)の侵入を防ごうとしています。

 

シャトルバス始発便到着

そして、平湯温泉からやって来たシャトルバス始発便は定刻の6時55分に畳平へと出発します。

 

【乗鞍スカイラインを行く】

ここから乗鞍スカイライン(平湯ゲート) − マイカー規制

ここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。ほおのき平駐車場から6kmほどのところにある平湯ゲート。乗鞍スカイラインはここから始まります。道路左側に平湯ゲート詰所があり係員が許可車両のチェックなどを行っています。この先はマイカー規制となっていて、バス・タクシー・自転車と特別に許可された車両のみの通行となっています。

平湯峠(平湯ゲート)周辺には、マイカーの駐車場がありますが、シャトルバスの停留所はありません。そのため、ほおのき平駐車場でシャトルバスに乗り換えてください。

 

昨年の平湯峠付近
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) B
今週の平湯峠付近

 標高1684mの平湯峠ゲートから乗鞍スカイラインを進むと、周囲の山肌は新緑で一辺倒。昨年よりも緑が早く色付いています。

 

先週の夫婦松付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2014/05/31〜06/01) B
今週の夫婦松付近
新緑が感じられるようになる

平湯ゲートから約3kmほど進んだ夫婦松付近。標高は1950メートル程度まで登ります。先週はあまり緑を感じない状況でしたが、右の画像のように芽吹きを感じられます。

曇っている割には山並みははっきりと

今日は曇り空である割には、遠景の山並みもはっきりと確認できます。

 

新緑のパッチワークが見事

いつもなら、残雪の残る山並みに注目するところですが、今日は山麓の緑に目が向いてしまいます。常緑樹の濃い緑の中に、落葉樹の若い緑が点在し、新緑のパッチワークが見事です。

常緑樹は通年緑色ですが、落葉樹は春に芽吹いて新緑となり、秋には紅葉して落葉するサイクルを繰り返します。つまり、今回のように新緑のパッチワークと同様、秋には紅葉のパッチワークが繰り広げられます。平湯峠付近の紅葉は、例年10月中旬前後が見頃です。

 

昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) B
先週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2014/05/31〜06/01) B
今週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
昨年より若干少ないがほぼ例年並みの積雪量

マイカー規制前にあった夫婦松料金所を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。周辺の積雪がほぼなくなっています。昨年よりも積雪量が少ない状態ですがほぼ例年並みで、おそらく次週末にはほとんど積雪はなくなることと思います。

 

雲の躍動感

今日のロケーションでは新緑の美しさをご紹介しましたが、雲の流れもなかなかすばらしいものがあって、躍動感のある沸き立つ雲には力強さが感じられます。

 

昨年の猫の小屋跡地
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) B
先週の猫の小屋跡地
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2014/05/31〜06/01) B
今週の猫の小屋跡地
昨年より少なめ、例年より多い積雪量

さらに進んで、こちらは標高2200m付近の猫の小屋跡地。昨年よりも積雪量が少ない様子が見られるものの、ほぼ雪解けが終わってしまう年もあって、例年と比べると多い状態を見せています。

 

森林限界を超えて

猫の小屋跡地を過ぎた9kmポストあたりから森林限界を超えてロケーションが広がります。

 

雲の絨毯が真横に − 青空が広がる

どうやら、雲の上にやって来たようで、雲の絨毯が道路の真横にあります。そして、上空には青空が広がりはじめました。雲の高さはそのときの気象条件によって変化するため、同じ標高でも今回のように雲海の上に出る場合もあれば、畳平に到着しても雲の中ということもあります。

ただ、乗鞍スカイラインのように標高の高い場所を通る道路の場合は、このような現象にめぐり合うケースは比較的多く、山麓が曇りでも山頂方面は雲の上に出て快晴であることは、それほど稀なことではありません。

 

昨年の烏帽子岳
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) B
今週の烏帽子岳
昨年とほぼ同じか少ない、例年より多い積雪量
昨年の四ッ岳カーブ
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) B
今週の四ッ岳カーブ
昨年とほぼ同じで、例年より多い積雪量

上段が森林限界を超えて最初に見られる山で、23ある乗鞍の峰の一つである烏帽子岳(えぼしだけ標高2550m)。昨年とほぼ同じかやや少ない積雪量で、例年よりも多い積雪量です。
下段はその先にある乗鞍スカイラインの中でもっとも積雪量の多い箇所を通過する四ッ岳カーブ。昨年とほぼ同じ状況で、例年よりもやや多い状況です。

 

シャトルバスが通過すれば、静かなノリクラが佇む

乗鞍スカイラインのマイカー規制は2003年から実施されています。それ以前は、畳平を目指すマイカーが数珠繋ぎになって登って行く様子が極当たりまえでした。今となってはその当時の喧騒がうそのようで、シャトルバスが通過した後は、風の音しか聞こえない静かなノリクラがここに佇んでいます。

 

桔梗ヶ原 − ハイマツと残雪の織り成す模様

四ッ岳カーブから土俵ヶ原を抜けて、広大な台地が広がる桔梗ヶ原。ハイマツの緑と残雪の白が織り成す模様が見事としか言いようがありません。

 

山岳風景が広がる

桔梗ヶ原からまで到達すると、さえぎるものが少なくなり、周囲の山々も間近に感じられるほどです。長野県側の位ヶ原が桔梗ヶ原と同じような雰囲気の場所ですが、どちらも特徴ある良さがあります。

 

昨年の鶴ヶ池雪渓
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) B
今週の鶴ヶ池雪渓 −例年6月下旬まで滑走可能
昨年より多く、例年並みかやや少ない積雪量

畳平に到着する手前に鶴ヶ池雪渓が広まります。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。畳平から歩いてすぐの場所にあることから、初めてお越しになったスキーヤー・ボーダーの方にも安心してお勧めできる場所です。例年6月下旬まで滑走可能です。

昨年と比べて積雪量の多い様子が見られますが、例年並みかやや少ない状態です。

 

畳平に到着

平湯峠から14.4km、国内の自動車道でもっとも高いところに位置する標高2702メートルの畳平に到着です。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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